修善寺梅林と富士山
3月初めに伊豆の修善寺に行って参りました。修善寺温泉は弘法大師こと空海により最初に発見されたと伝えられており、東国ではとても歴史のある場所です。昔は下田方面に陸路向かう場合は、ここから天城を越える起点にもなっていました。川端康成が書いた「伊豆の踊り子」でも、学生が天城越えをしようとしている旅芸人の一座の踊り子と初めて出会ったのが、ここ修善寺にある湯川橋と設定されています。
また、修善寺は源頼朝が流されていた蛭ヶ小島(韮山)からも近く、鎌倉幕府成立後に源氏の悲劇の一場面ともなっています。頼朝の異母弟・蒲冠者こと範頼は誤解からここに幽閉され、梶原景時(どうも悪役ですが)に攻められ自刃しております。また二代将軍の源頼家は権力闘争に巻き込まれ、やはりここ修善寺に幽閉され、その後刺客により27歳で暗殺されてしまいます。
悲しい歴史とは裏腹に、修善寺梅林では紅白の梅の花が満開で、とても馨しい香りを辺りに充満させていました。ここはもともとは斜面を利用した梅の果樹園だったそうですが、後に梅林として整備されたようです。とても素晴らしいことは、斜面なので高い方に上っていくと梅林越しに富士山が望めることです。ここから見ると富士山は北側になるので、光線の関係で晴れて空気が澄んでいれば真に美しい姿を眺めることができます。
上の写真は修善寺梅林の見事な満開の紅梅・白梅で、下の写真は修善寺梅林と見事に調和した富士の眺望です。
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