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2006年6月25日 (日)

川畠成道のモーツァルト生誕250周年記念ツィクルスを聴いて(そして「いろは本店」での食事)

 昨日、晴海アイランドトリトンスクエアにある第一生命ホールで、ヴァイオリニストの川畠成道氏が主催する「モーツァルト生誕250周年ツィクルス Mozart Chamber Music 2006 ―モーツァルトの旅」第3回を聴きに参りました。出演者は、川畠成道氏の外に、横山奈加子氏(ヴァイオリン)、松実健太氏(ヴィオラ)、長谷川陽子氏(チェロ)、鷲宮美幸氏(ピアノ)の4人でした。前半は、川畠・鷲宮両氏による、ヴァイオリンとピアノのためのソナタ ト長調 K.379、後半は、川畠・横山・長谷川・松実の4氏による、弦楽四重奏曲 ニ短調 K.421が演奏されました。川畠さん自身の解説によれば、「モーツァルトは、言うは易し、行うは難し」、つまり、耳には心地いいが、演奏するのは大変だとのことです。

 川畠さんは、なぜあのように澄んで、美しく、かつ心の通った音が出せるのでしょうか。しかし、その音は一分の迷いもなく、真に正しい音を出しているのです。そうです、彼は視覚障害のヴァイオリニストなのです。すべての音楽を暗譜して、―いや彼は楽譜を読めないのだからこれは正しい言い方ではないでしょう―すべての音楽を耳からの情報のみで完璧にマスターして、演奏するのだと思います。だから音に迷いがなく、完璧にマスターした音楽に彼の澄んだ、美しい心が乗り移っているとしか考えられません。とことん完璧を追求するがために、ハンディキャップが逆に利点になっているのかもしれません。

 川畠さんは、桐朋学園大学卒業後、英国王立音楽院へ留学し、1997年に四半世紀に一度しか開催されない英国王立音楽院175周年記念コンサートでソリストとして抜擢されるとともに、同年同音楽院を首席で卒業しております。彼は、もうすでに7枚のCDをリリースしております。「歌の翼に」、「アヴェ・マリア」、「愛の悲しみ」、「哀愁のトリステ」、「トロイメライ」、「シャコンヌ」、そして「川畠成道の四季」の7枚です。CDの売上総数は60万枚を超えているそうです。私はすべてのCDを所有しておりますが、どれもとてもいい音楽です。

 彼は幼少時米国旅行中に生存率5%という難病(スティーブンス・ジョンソン症候群)に侵されましたが、米国の医師団が献身的に介護してくれ、3ヵ月間に及ぶ入院・治療を経て奇跡的に一命を取り留めたのだそうです。しかし視力障害は残りましたが、耳からの情報のみで勉強を重ね視力のハンディを克服して、今や世界的なヴァイオリニストにまでなりました。このような背景から、彼は国際的に精力的に演奏活動を行うとともに、積極的に国内外でチャリティコンサートも展開しているそうです。彼の存在そのものが、ハンディキャップのある人々の励みになっていると思いますが、それに加えて彼自身が広範囲な福祉活動を行っているという、とても素晴らしいお話になっております。

 ところで話題は変わりますが、ツィクルスとは何でしょうか。インターネット上にある三修社の独和検索では、次のように結果が出て参りました。

Zyklus
【1】(文語)循環,反復;周期((英)cycle)
der Zyklus der Jahreszeiten季節の循環
【2】(同一ジャンルの作品の)シリーズ,連続作品
【3】(音楽)連続演奏会,ツィクルス
Mozart‐Zyklusモーツァルトツィクルス(モーツァルト作品の連続演奏会)
【4】(医学)月経周期
【5】(数学)巡回置換
【6】(経済)景気循環

いろんな意味のあるドイツ語のようですが、ここでは【3】の(音楽)連続演奏会のことでしょうね。実は私は第3回のみに参ったのですが、本当は3回とも全部聴きに行くべきなのでしょうね。

 500~600人程入っていた、舞台に向かって長楕円形の気持のいい第一生命ホールを出て、早速隣街の月島に向かいました。ここは、江戸時代の埋立地で、昔からの下町の風情を残しております。そして何といっても、もんじゃ焼きです。創業50年の店「いろは本店」に入り、カルビ焼き、明太子もんじゃ、五目玉(お好み焼き)、そして五目焼きそばを、東京流に従い自分で料理して、食して参りました。お安い上に、美味しかったです。

  • 楽譜なき モーツァルトが 心打つ

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