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2006年6月17日 (土)

佐藤優著「21世紀最大の発見『ユダの福音書』」を読んで

 文藝春秋7月号に、佐藤優氏が「21世紀最大の発見『ユダの福音書』――事実は『ダ・ヴィンチ・コード』よりも奇なり」を寄稿しております。佐藤優氏といえば、数年前に例の北方領土絡みの外務省スキャンダルで、鈴木宗男氏(現参議院議員)と一緒に逮捕されてしまった方です。現在の肩書は、起訴休職外務事務官・元モスクワ国立大学宗教哲学科客員講師です。彼が同志社大学神学部で勉強しておられたのは意外でした。
 今回発見された「ユダの福音書」は、冊子状のパピルスにコプト語で書かれた1600年以上も前に作られた写本で、放射性炭素年代測定法とインクの成分から本物に間違いないそうです。実際は、崩れたパピルスの断片が千個近く、パンくずのように散乱しており、それをピンセットで拾い上げ、ガラス板にはさんで保存し、コンピュータを駆使して5年がかりで文書の80パーセント以上の復元にこぎつげたそうです。これは、まさに「ダ・ヴィンチ・コード」どころではない暗号解読ですね。
 佐藤氏によれば、福音とは「嬉しいニュース」の意味で、そのニュースについて記したのが福音書だそうです。実際、現在の新約聖書の4福音書(マタイ、マルコ、ルカ、ヨハネ)には、イエス・キリストの発言と行動が記述されています。今後どうなるかと言えば、「ユダの福音書」の内容確定に10~20年間かかり、さらに10~20年間キリスト教と政治倫理の関係を調整する「組織神学」で議論されるため、教会の現場に影響が及ぶのは今世紀半ばというのが佐藤氏の予測です。
 「ダ・ヴィンチ・コード」にもありますが、本来多元主義であったキリスト教は、歴史的に為政者の意思により一元主義になってしまったようです。今回の「ユダの福音書」の発見・解読の背景には、イエス・キリストは多元主義と寛容を説いていたことを改めて示すため、「見えざる手」を神が働かせていたように思えるという佐藤氏の発言には、共感を覚えます。

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