前米国国務副長官のアーミテージ大使の講演を聴いて
本日、前米国国務副長官のリチャード・アーミテージ(Richard Lee Armitage)大使の「新しい日米安全保障体制について」と題した講演を聴いて参りました。彼は、NPOセキュアなデジタル社会を推進する会が主催して、表参道にある国連大学ウ・タントホールで開催された「デジタル社会推進シンポジウム2006」のキーノート・スピーカーとして講演して下さったのです。
彼は、中国と韓国(朝鮮半島)について我々の参考になりそうな話をされていましたので、以下に紹介します。
- 中国の目下第一の課題は、経済発展がこの調子で進むかということだが、多分もっと緊急な課題は、まず環境問題。水がなく、大気汚染も烈しい。次に、沿岸部と内陸部の所得格差。沿岸部から内陸部へお金が回る仕組みを作り、かつ汚職をなくさなければ、現在の体制は持たないだろう。(この辺は私の認識と一緒です)
- 中国にとって一番大事な国は米国だが、米国にとって一番大事な国は日本であり、ねじれがある。
- 朝鮮半島については、1905年李王朝の時に米国と日本の間に秘密合意が成立し、「韓国に対する日本の領有権を認めるとともに、ハワイ諸島等に対する米国の領有権を認める」ことになった。下って(第二次世界大戦の結果、米国は朝鮮半島から日本を追い出し)1947年に米国が韓国の成立を支援した。ここにも別のねじれ現象がある。
- 朝鮮半島は、いずれにしても属国的な立場から脱出するべきであり、この点に関しては日米は卓越した外交スキルと忍耐が必要。
最後に、彼は、「東南アジア諸国は安全保障の面で日本に寄せる期待が大きい。マラッカ海峡は原油の5割、その他貨物の3割が通過しているので、とても重要な場所である。日本の海上自衛隊が米国海軍と並んで、東南アジア地域の安全保障に貢献する時代が来ることを期待する。安全保障同盟が一番大事であるが、同盟には水もやり、肥料もやる必要がある。政府間から始める積極的な対話が必要」と話して講演を締めくくりました。
- 国民は 日米同盟 どう理解
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著者:坂元 一哉 |
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