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2007年8月30日 (木)

西武鉄道グループ、未だ死なず

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 縁があって17年間西武新宿線の沿線に住んでおります。現在の乗降駅は花小金井駅です(写真は花小金井駅南口から観た多摩湖自転車道の桜花)。オイルショックが二度あった1970年代に春闘で国鉄や他の私鉄の労働組合がよくストを強行していた時に、東京近郊の私鉄でただ一社西武鉄道だけが絶対にストをやらなっかたことを鮮明に覚えております。当時このストをしない鉄道を頼もしく思い、西武鉄道沿線にわざわざ引っ越した人も多いと聞きます。また、西武鉄道の社員、そして兄弟会社のプリンスホテルの社員に対する教育が行き届いていて、西武線やプリンスホテルでは不躾な扱いをされることがほとんどなかったと記憶してます。

(注)1945年に武蔵野鉄道(現在の西武池袋線)が西武鉄道(現在の西武新宿線)を買収した時に、武蔵野鉄道のオーナーであった堤康次郎氏が「買収された西武鉄道の社員は肩身が狭いであろうから、合併後の社名にはせめて買収された方の会社の名前を使おう」と言ったという話は(毀誉褒貶いろいろある堤康次郎氏の)ひとつの美談として伝えられています。

 しかしながら、西武鉄道の株式は本当は大部分を堤一族が所有しているのに、名義借りで堤一族が一部しか所有していないように偽装し(これは相続税対策だったといわれています)、東証上場を継続していたということで、現在上場廃止になっております。西武鉄道のサービスを信頼していた人々にとって、この件は同社が何か詐欺的な犯罪の巣窟になってしまったような感じがして、とてもがっかりさせられる話題ではなかったかと思います。

 最近個人的に続けて3件、社員教育の行き届いた昔の西武鉄道らしさが健在であることを確認する出来事に遭遇しました。「西武鉄道グループ、未だ死なず」との思いを新たにし、再上場も近いのではないかと期待を膨らますことができました。これら3件の出来事を報告いたします。

 まず一番最新の出来事から紹介します。昨日30日(水曜)は雨模様ということで、長傘を持ち歩いておりました。午後8時頃帰宅するために、西武新宿駅から新所沢行きの急行電車に乗りました。たまたま先頭に並んでいたので、長椅子の端に座り手摺に長傘をかけてしまいました。お酒も飲んでおらず途中で居眠りするような情況ではなかったのですが、上石神井駅を過ぎて次は田無駅、そしてその次が降りる花小金井駅というところで、思わず一眠りしてしまたようです。猛暑続きの今夏の疲れが出ていたかもしれません。社内がざわつき停車したことに気が付いたので、次の田無駅だと思って首を回しホームを見ると、何と花小金井駅の表示がありました。あわてて電車から降りると、あっ何か忘れてしまいました。無常にも電車のドアは閉まり、私の傘は手摺に掛かったまま電車と共に次の小平駅に向かって走り去りました。

 さてどうするか、傘をあきらめることも一瞬頭をよぎりましたが、とにかく改札口の駅員さんのところへ参り相談することにしました。金箱さんという若い駅員さんが対応して下さったのですが、私が「今発車した新所沢行きの電車の後ろから3両目、右側前から2つ目のドアの前側の手摺に黒い傘(名前付)を掛けたまま忘れました」と申し上げると、彼は全く嫌な顔ひとつせずテキパキとメモを取り、そしてこれから停車時間の長い東村山駅と所沢駅に鉄道電話にて手配することを簡潔に私に説明し、実行して下さいました。数分間待ったと思いましたが、東村山駅がらすぐに連絡が入りもう私の傘を発見したとのことでした。花小金井駅で伝票を渡され、それを持ってそこから3っ目の東村山駅に向かい、無事傘を受け取ることができました。もちろん花小金井~東村山間の電車賃は無料でした。忘れ物は結構あり、日常頻繁に対応しているのではないかと想像されるとは言え、非常にスムーズな対応で、傘を車内に置き忘れてからわずか30分後にそれを自分の手に取り戻しておりました。金箱さん、ありがとうございました。そして、相手の立場に立つという西武鉄道の社員教育はまだ徹底されているなという印象を受けました。

 次に一昨日29日(火曜)は東京地方は大変な雷雨でした。西武新宿線も上石神井駅で落雷があり、しばらく運行停止になりました。運悪く私は運行停止直後に西武新宿駅に到着してしまいました。まあ電車の中で缶詰にされるよりはいいかと思い、しばらく様子を見るために駅直結の新宿プリンスホテルにあるレストラン・トリアノンへ向かい、とりあえず夕食をとることにしました。オマール海老の料理も美味しかったのですが、ウェイターさんが親切で時々西武新宿線の運行情報を知らせて下さいました。一時はタクシーを呼んで下さるという話までいきましたが、幸い運転が再開され、80分遅れの電車に乗り帰宅いたしました。特別に要求した訳ではありませんが、レストランのお客さんの情況に応じた対応が自然にできるということ、素晴らしいことだと感じました。

 最後はプリンスホテルの予約の話です。西武線の定期をクレジットカードで購入できるということで、昨年プリンスカードの会員になりました。今年になってカードからの封書が参りまして、日本各地のプリンスホテルに特別企画料金で宿泊できるという案内が入っておりました。数日前利用しようと思い予約センターに電話をしました。しばらくして返ってきた返事は「ホテルからの回答では料金は特別企画料金よりやや高い」とのことでした。その料金はネットの予約サイト等で提供されていうものと余り変わらないものでした。まあ通常ハイシーズンの関係等で例外事項が規定されていることはよくある話なので、そんなものかと思い納得しようと思ったら、オペレータの方(確かソダさんでした)が自発的にやはり変なのでもう一度ホテルに確認してみるとおっしゃいました。しばららくすると電話がかかって来て、特別企画料金で受け入れて下さることになりました。これもチョットした配慮なのですが、カードからの案内を受け取り、それに期待して連絡してきた利用者の気持を考えて再度ホテルと交渉して下さった訳です。

 西武鉄道グループの社員の皆さんが、このように相手の立場に立った発言や対応をして下さること、とても嬉しくまた一利用者として頼もしく感じました。西武鉄道がなくなってしまっては通勤・通学できないので、しっかり経営して生き残り、さらにあわよくば発展してもらいたいと個人的にも考えております。風林火山の「人は石垣、人は城」のたとえではないですが、社員が利用者のためのサービスとはどういうものであるべきかということを充分に理解し、行動していれば、その社員の集合体である西武鉄道も間違いなく復活し、再上場される日もきっと近いのではないかと思います。

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