パスモ定期の不思議
前回の8月30日付記事「西武鉄道グループ、未だ死なず」で、西武鉄道グループをほめ過ぎたので、今回は少々苦言を呈しておきます。話題はパスモ定期についてです。
先週西武鉄道の定期乗車券(以下「定期」といいます)が期限切れになりそうでしたので、継続利用として新しい定期を購入しました。デポジットの500円が必要ですが、パスモ定期にすると紛失した時に再発行できるという利点を説明され、その気になってパスモ定期にすることにしました。しかし、今週すぐそのパスモ定期を従来の磁気定期に戻してしまいました。
というのは、高田馬場駅の西武線・JR線の乗換口で、パスモ定期とスイカが同時に使えず困ってしまったからです。私は従来からスイカを使っており、今年3月からパスモのサービスが開始されスイカと相互流通できるようになってからも、原則電車賃はオートチャージ機能付ビュースイカで支払うことにしておりました。こうすればビューカードのポイントも常時ためられる訳です。しかし、乗換口では次のようにサービス低下が起きており、今回パスモ定期で乗り換えようとするとスイカが使えなくなってしまいました。
「磁気定期+イオカード」の利用が可能(改札機に同時に2枚挿入) ⇒ 「磁気定期+スイカ」の利用が可能(改札機にまず磁気定期を先に挿入し、その後スイカをタッチ) ⇒ 「パスモ定期+スイカ」の利用は不可で「パスモ定期のみ」の利用が可能(JR運賃はクレジットカード払いの特典がないパスモでしか支払えず、特典のあるスイカが使えなくなりました)
これを避けるために、本当はオートチャージ付パスモ定期にしたかったのですが、窓口では売っておらず先にクレジットカード会社に申し込まなければならないそうです。そう言えば、パスモのサービスが始まった3月18日より少し前に、プリンスカードから「500円のキャッシュバックをするのでオートチャージ付のパスモを是非申し込んで下さい」という内容のご案内ダイレクトメールが届いておりました。しかし、なぜそのときにオートチャージ付パスモを申し込まなかったのかと考えると、案内のどこを読んでもそのカードがオートチャージ付パスモ定期になるとは書いていなかったからでした。オートチャージ付スイカがありパスモの代わりにもなるので、オートチャージ付パスモは不要であると、その時は気楽に結論を出した訳です。
そこでプリンスカードのコールセンターに電話をして、念のため定期発行窓口でオートチャージ付パスモが定期にも変換されることを改めて確認しました。また、確かに今はプリンスカードのホームページには、窓口でオートチャージ付パスモに定期情報も移してくれることが記述されております。しかし、ご存知のとおり一度パスモが品薄になったため、現在オートチャージ付パスモの申込みの受付を中断しており、やっと今月29日から受付を再開するとのことです。ところで、コールセンターの方が何やら難しい補足情報を下さいました。一つは、窓口ではパスモ定期からオートチャージ付パスモ定期には変換してくれないということでした。もう一つは、29日以降しかオートチャージ付パスモの申込みは受け付けず、もしそれより前に申込みを受領したらそれを返送するというものでした。
まず一点目ですが、パスモ定期がオートチャージ付パスモ定期には変換されないということ、何か変だと思いませんか。そういう必要のある利用者は沢山いるのではないでしょうか。さらにおかしなことに、もしパスモ定期を事前にただの磁気定期に戻して、後日その磁気定期をオートチャージ付パスモ定期に変換することは可能らしいのです。現に私の場合がそうで、これからオートチャージ付パスモを入手してそれを定期に変換するとすれば、その実例になります。利用者側の立場に立てば、当然窓口ではパスモ定期もオートチャージ付パスモ定期に変換できてしかるべきだと考えます。
次に二点目ですが、29日から受け付けることが確定している申込みが、それより前に届いたら返送するものなのでしょうか。そんなに場所をとる訳ではないでしょうから、普通なら29日までどこかに保管しておき29日以降にその受付処理を始めるものではないのでしょうか。試しに実際はどういうことになるものかと考え、私は春先にいただいた申込書を今週発送してみることにしました。
さらに、29日以降はどのような受付方法になるか分からない前提で申し上げますが、オートチャージ付パスモの申込みを紙の様式のみでしか受け付けないというのも、このインターネット時代において余りにも利便性が向上していないように思います。プリンスカードではホームページで本人確認をしてログインできる仕組みがすでにある訳ですから、そこでオンラインで電子的に申込みを受け付けたらいかがでしょうか。現にプリンスカードの業務を請け負っているクレディセゾンでは、新規カードの3日発行までもオンラインで受け付けております。新規のプリンスカードもオンラインで4日発行が可能になっております。また、JR東日本では、ホームページでビュースイカをビュースイカ定期に変更する申込みも受け付けております。もう一つ言わせていただくと、JR東のビュースイカ定期はクレジットカードとスイカと定期が一体型で、3つの機能すべてがカード1枚の中にすべて納まっているようです。
最後に定期発行窓口へのお願いですが、以上のようにパスモ定期にはいろいろな制約条件があるようです。窓口で少しばかり質問しても、すぐには全容解明には至らないように思います。ですから、窓口にはパスモ定期に関するQ&Aを掲示するとか、パンフレットにして配付するとかなりしていただけると、我々利用者にとっては大変ありがたいのではないかと考えます。
いろいろ勝手なことを書き連ねましたが、一利用者の最近の素直な感想ですので、お許し下さい。また、事実誤認あるいは考え違いなどもあるかもしれませんので、その場合はご遠慮なくご指摘下さいませ。
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コメント
2007年12月21日にパスモから、「2008年3月15日から使用中のパスモやパスモ定期にオートチャージ機能を追加することができるようになる」との発表がありました。詳しくは、2007年12月30日付けの本ブログ記事「パスモ・パスモ定期の進化」をご覧下さい。
投稿: Kirk | 2008年1月 9日 (水) 午後 06時31分
うにさん
コメントありがとうございました。パスモ事業の内情に迫ったお話、よく分かりました。
私はたまたま西武鉄道の利用者ということで、西武のことしか分からなかったので、西武に対する苦言として書かせていただきました。もちろん他の私鉄にも共通する事項は多いと思いましたが、すべての私鉄について確かめることはできませんでした。
パスモやパスモ定期の導入に当たっては、利用者にとっていいことばかりではなく、きっと不都合なこともあるのだと思います。そういうことを包み隠さずに、オープンにして利用者に周知、啓蒙していただきたいと考えます。来週大阪に日帰りで出張しますが、高田馬場の西武・JR乗換口ではパスモ定期と大阪行きJR乗車券とをどう一緒に使えるのかなどと考えてしまいます。私の西武の定期券は磁気カードですから、今のところ問題ありませんが…。
余聞ですが、JRがスイカを導入した結果、磁気の乗車券・定期券が激減したため、改札機の保守コストが大幅に減ったという話を聞いたことがあります。磁気面と改札機の接触が激減したので、改札機の磁気読取り部の汚れや磨耗が大幅に減ったためだと思われます。これらが、スイカのクレジットチャージやスイカのポイント付与などの財源になっているのではないかと想像しますが、このような話はなかなか表に出て来ないように感じます。
投稿: Kirk | 2007年9月27日 (木) 午後 01時00分
オートチャージ付きパスモは基本的にクレジット会社がパスモの番号をクレジットカードの番号と紐付け管理しています。
発行は基本的にクレカ会社がします。
これは、おそらくパスモ+クレカが多事業者にわたることで意見調整が難しいことと、各社が守れる最低限のセキュリティがコレということが上げられ、どの事業者も飲める条件ということでこうなったのだろうと推測しています。
ですから、西武のみを責めても始まらないんですね。
将来的には以上の不便さは解決していくことになるかもしれませんが、スイカは事実上一社で管理していますからJRが思うように事業を操れる反面、パスモは各社に温度差があり、一筋縄じゃいかないというところに、一番の問題が潜んでいるんですね。
特に、大手の中では京成なんかは一番腰が重いそうですが…
投稿: うに | 2007年9月27日 (木) 午前 01時39分