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2007年12月 2日 (日)

小平・市民オペラ協会第21回公演 歌劇「フィガロの結婚」を観て

 小平・市民オペラ協会第21回公演が、本日午後4時から小平市民文化会館「ルネこだいら」の中ホールであり、観て参りました。演目は、モーツァルト作曲の歌劇「フィガロの結婚」(日本語上演)でした。小平市教育委員会と小平市文化協会が主催しており、11月25日(日曜)に公演された小平青少年吹奏楽団演奏会と同様に第45回小平市民文化祭参加イベントでもありました。

 小平・市民オペラ協会は過去に5回程「フィガロの結婚」を公演しており、結構手慣れた感じで会員達が出演しておりました。主要な登場人物は、体調を崩した時などのためか、ダブルキャストになっておりました。ただ、実際の公演では1人でひとりの人物を通しで演ずるのではなく、2人でひとりの人物を劇中で分担して演じておりました(二人一役)。結構面白い試みだと思いました。

 「フィガロの結婚」はボーマルシェが書いた散文喜劇三部作の2作目に当たり、1作目がロッシーニの歌劇として有名な「セビリアの理髪師」であることは知りませんでした。3作目は余り知られていない「罪ある母」だそうです。「フィガロの結婚」は、アルマヴィヴァ伯爵の従僕のフィガロが伯爵夫人ロジーナの侍女スザンナと結婚する当日一日の出来事をオペラにしたものです。彼らの結婚に対し、伯爵によるスザンナの誘惑、伯爵の侍医バルトロの伯爵夫人への恋心、伯爵家の女中頭マルチェリーナのフィガロへの想い、伯爵付きの小姓ケルビーノの伯爵夫人へのあこがれ、などが入り交じり混乱するが、結局無事二人の結婚がかなうという、一種のドタバタ喜劇であります。

 歌のハイライトは第1幕(通常の公演では、第1幕と第2幕)にあり、フィガロによるアリア「もはや飛べまいこの蝶々」、伯爵夫人によるカヴァティーナ「愛の神聞きたまえ」、ケルビーノによるカンツォーナ「恋の悩み知る君よ」などが聴き応えがありました。ケルビーノの歌は私も聴いたことがある有名なものでした。ところで、ケルビーノは少年ですが、女性がその役を演じ、劇中でさらに女装をするというひねりを加えてあります。

 長時間の公演が終わり、全員が舞台上で挨拶しました。次の写真はその模様です。舞台の前、客席中央でご挨拶をされているのが、指揮・音楽監督の佐々木弐奈先生です。今年は立ち見まで出てしまった、400人以上の観客が充分にオペラを堪能したようでした。

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コメント

 ジェーン年鑑さん
 コメントありがとうございました。
 音楽を体制が勝手に解釈するのは世の常なんですね。音楽は人間の士気を鼓舞する要素がありますからね。是非とも戦争や人権侵害などの、人間を痛めつける目的に利用してほしくないものです。
 ワーグナーの音楽は人の気持を高揚させると思います。朝聴いたりすると、「今日も元気に頑張るぞ」という気になるから不思議です。

投稿: Kirk | 2007年12月29日 (土) 午後 06時07分

ワーグナーではバイオリンのリズムに注目なさったのですね。長大な音楽を紡ぐ構想も並外れていますよね。
ナチズムに利用されたのは大衆政治と伝統芸術の相克ということでしょうか。きくところによるとたとえばベートーベンはソビエトでは革命家、フランスでは共和国の英雄、バチカンではキリスト教の礼賛者、などということになっているらしいです。それぞれの思惑で音楽を利用していますよね。

投稿: ジェーン年鑑 | 2007年12月28日 (金) 午後 09時03分

 ボクだよさん
 再びのコメント、ありがとうございました。
 そうですか、現代歌劇(オペラ)のルーツはワーグナーですか。ワーグナーの曲では、ヴァイオリンが独特のリズムをとっているのが印象的だと思います。
 ワーグナーはナチスドイツのヒトラーが保護・支援したので、その後いろいろ問題になりましたよね。これはその音楽性や芸術性に関係のない話ではありますが…。

投稿: Kirk | 2007年12月27日 (木) 午後 06時57分

またお邪魔してすみません。今、毎夜NHK・FMでバイロイト音楽祭をやっています。ニーベルンクの指輪をききながら書いています。総合舞台芸術ともいうべき現在の形のオペラの基本はワーグナーらしいですよ。ジークリンデ役のアドリアンヌ・ビエチェンカが正確で群を抜いて美しいです。

投稿: ボクだよ | 2007年12月26日 (水) 午後 10時23分

 ボクだよさん
 とても勉強になるコメント、真にありがとうございました。
 文学や音楽、またその融合である歌劇(オペラ)などは、やはり奥が深いですね。おかげさまで、少しは教養が豊かになったような気がしました。さらに、私のブログの蘊蓄もにぎやかになりました。併せてお礼申し上げます。
 では、今後ともよろしくお願いいたします。

投稿: Kirk | 2007年12月23日 (日) 午前 10時36分

メゾソプラノがケルビーノ少年を演じるように、男性が女に変装したり女性が男に姿を変えたりしてその為に様々の間違い続きが発生するというのは、ローマのプラウトゥスやシェイクスピア等にもよく見られる、いわば西洋演劇の伝統的な主題ですね。エリザベス朝の劇団も歌舞伎と同様、俳優は男だけでした。ソドムとゴモラの性倒錯世界に通じているでしょう。わが国にも「とりかへばや物語」などがあります。
「セビリアの理髪師」「フィガロの結婚」はマリー・アントワネットが好んで自ら宮殿内の劇場で演じました。「フィガロ」などは当時の貴族社会を痛烈に風刺したものだから、ロジーナを演じる王妃は観客達の失笑や怒りをかっていたそうです。

投稿: ボクだよ | 2007年12月22日 (土) 午前 07時24分

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