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2008年9月15日 (月)

重村智計著「金正日の正体」を読んで

 今月9月に入ってから、新聞等に「北朝鮮の金正日総書記の重病説」が流れるようになりました。9月9日に行われた、北朝鮮の建国60周年記念行事に初めて出席しなかったことから、急にまたクローズアップされたものです。毎日新聞の最近の記事(9月14日付け)によれば心臓、肝臓、腎臓、糖尿、肥満等の問題を抱え、最近は脳卒中を患ったのではないかとう話が紹介されています。まさに生活習慣病のオンパレードです。

 ちょうど先月8月に講談社現代新書から重村智計(としみつ)早稲田大学教授が著した「金正日の正体」という書籍が出版されました。真にタイムリーな訳ですが、一読して全く訳の分からない北朝鮮の真実らしきものを若干垣間見ることができたような気がしました。まだ読んでいない方のために詳しく述べるのは避けますが、私がなるほどと思ったポイントは次のとおりです。

  • 北朝鮮の政治的決定が、従来と違って後で結構変更されるので、集団指導体制になっているのではないかということ。
  • その理由は、やはり最高指導者の金正日総書記が重病か、あるいはすでに死亡しているのではないかということ。
  • 暗殺やクーデターを恐れ、金正日総書記の影武者(ダブル)が2人あるいは最大4人いるのではないかということ。
  • 影武者は当然ながら、吃音がなかったり、顔面神経麻痺の後遺症がなかったり、背が高かったり、極みは声紋が違ったり等しているのではいかということ。
  • 日朝が関係改善すると役割のなくなる朝鮮総連や、元々工作機関である統一戦線部を仲介として交渉をすると、ウソやデマが多数紛れ込んでくるので、適当な結論に至れないのではないかということ。
  • しかしながら、在外公館に勤務しているような、職業外交官的人材には、信頼できる人間味あふれる人物が少なからずいること。

 いずれにしても北朝鮮は正しい情報が公開されない国ですから、推測や憶測も沢山入った評価になるようです。金正日総書記がたとえ亡くなっても北朝鮮が混乱しないように、中国が毅然とした対応をとることを期待します。

  • 真実を 語れる社会 隣国に

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