ヴァイオリニストの川畠成道さんから学ぶこと(2009.1.16付け札幌タイムス・コラム記事)
皆さんはヴァイオリニストの川畠成道さんをご存じでしょうか。昨年日本デビュー10周年を迎え、日本各地でのコンサートなどに飛び回っておられます。そして特に凄いと思うことは、いつもコンサートでは会場が満席になることです。
ここまで人々をひきつけてやまないのは、なぜでしょうか。まずは彼の音楽、いや純粋にヴァイオリンの音が美しくて、素晴らしいことによるものだと思います。聴いていて涙がこぼれ体が震えるほど、共感を覚えることも多いのです。さらにそれにもまして重要なのは、彼は自分自身のハンディキャップを乗り越えてきた不屈の精神を持つ人物だということです。
成道さんは幼少時米国旅行中に、生存率5%という難病(スティーブンス・ジョンソン症候群)に侵されました。しかし、米国の医師団が献身的に介護してくれ、3ヶ月間に及ぶ入院・治療を経て奇跡的に一命を取り留めたのだそうです。しかし視力障害は残ってしまいました。それにもくじけずに、ほぼ耳からの情報のみで勉強を重ね視力のハンディキャップを克服して、今や世界的なヴァイオリニストにまでなりました。
このような背景から、彼は国際的に精力的な演奏活動を行うとともに、積極的に国内外でチャリティコンサートも展開しているそうです。彼の存在そのものがハンディキャップのある人々の励みになっていると思いますが、それに加えて彼自身が広範囲な福祉活動を行っているのです。
昨年川畠さんは北海道で5回のコンサートを開催されました。多分東京以外では最多だと思います。きっと何か北海道のファン、風土などに感じるところがあるのだと想像します。いつもコンサートでお話がありますが、彼は毎日練習を決して怠らないそうです。成道さんの常に技術・技能を磨く姿勢とハンディキャップに負けない不屈の闘志に学ぶところはありませんか。
(注)本記事は、筆者が2009年1月16日付け週刊札幌タイムスのコラム「がんばれ北海道」#181に寄稿したものです。
- 音楽に 不屈の闘志 至高の技
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コメント
真に残念なことですが、週刊札幌タイムス((株)北海道二十一世紀タイムス発行)は、2009年3月6日(金曜)付号をもって休刊になりました。52年の歴史があった全道紙北海タイムスの意思を継いで、小さくても存在感のある新しいタイプの新聞を目指して約10年間頑張ったのですが、今回の景況の渦に飲み込まれてしまったのです。藤野社長、お疲れ様でした。また、ありがとうございました。もうコラム記事を書かなくてもいいのかと思うとホッとしますが、やはり寂しいですね。いつの日かまた復刊されることを夢見ております。
投稿: Kirk | 2009年3月18日 (水) 午後 06時19分