辻仁成著「サヨナライツカ」を読んで
お友達からいただいた、辻仁成著の文庫本「サヨナライツカ」を読みました。読み始めたら止まらなくなり、250頁程を深夜までかかって一気に読み切りました。
辻仁成さんの本は初めて手にしました。恋愛小説を得意にしているようですね。途中で本を置くことができなかったのだから、彼はなかなかのラブストーリー・テラーだと思います。少し現実離れしているところが散見されましたが、恋愛話としては充分に楽しめました。というよりは、泣けましたね。不景気な最近のこの世の中、恋愛に身を焦がすのもいいかもしれません。
小説の道具建ては、昔大ヒットした米国の小説「マジソン郡の橋」(ロバート・ジェームズ・ウォラー著)に似ているように感じました。偶然の出逢いがあり、短期間の激しい熱愛に巻き込まれます。しかしながら、家族のためにその熱愛を諦めてしまいます。それでも、心の奥ではその熱愛を忘れることができず、一生引きずってしまいます。そして、印象的な終盤の手紙がとても重要な役割を果たしております。
もちろん登場人物の設定が男女の役割が逆になっており、寒い所と暑い所の舞台設定も違います。もちろんストーリーの展開等細部は完全に異なります。しかし、作者は先に生まれ出た作品を参考にしたのは間違いないのではないかと考えます。
映画化された「マジソン郡の橋」のヒロインはメリル・ストリープで、ヒーローはクリント・イーストウッドでした。まもなく公開される映画「サヨナライツカ」のヒロインは中山美穂で、ヒーローは西島秀俊です。中山美穂さんは、作者辻さんのご夫人で、お子さんもいらっしゃるそうです。そんな訳で、彼女は12年振りの映画出演だそうです。監督は、韓国の気鋭、イ・ジュハンさんで、彼が脚本も書き、キャストも決定しているようです。細部の映像、演技にこだわるイ監督の作品は、観るのが楽しみです。ひょっとして、ミニ・タイ・ブームが起きるかもしれません。
- 人は皆 愛したことを 忘れない
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