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2011年12月の12件の記事

2011年12月27日 (火)

最近観た映画(2011年12月#12:永遠の僕たち)

 故デニス・ホッパーの愛息ヘンリーホッパーが主人公の少年ジェイソンを演じております。余命3ヶ月の少女アナベル(ミア・ワシコウスカ)との青春の淡い恋愛を感受性豊かに描いたハリウッド映画でした。英語のタイトルは、"restless"でした。少々強引ですが、米国版の「愛と死を見つめて」的な作品だと思いました。

 しかしながら、本作に格別の味付けを与えているのは、ジェイソンにだけ見え話せるゴースト(幽霊)の存在でしょう。ゴーストは第二次世界大戦で戦死した日本の特攻隊員のヒロシ(加瀬 亮)です。ヒロシはジェイソンの話し相手になるとともに、ジェイソンを励まします。最後のシーンでヒロシが恋人に渡せなかった手紙が読まれますが、ここがクライマックスになっています。「マジソン郡の橋」や「サヨナライツカ」でもそうでしたが、手紙つまり書き言葉がとても心に響き、泣かせるものです。

 一つ苦言を述べますと、余命3ヶ月の少女が、自転車に乗ったり、バトミントンをしたり、どうしてあんなに元気なのか、やや違和感が残りました。

  • 青春に 愛と死は まだ 重すぎる

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2011年12月26日 (月)

最近観た映画(2011年12月#11:サラの鍵)

 東京国際映画祭で最優秀監督賞と観客賞をダブル受賞したフランスの映画です。全世界での売上げ300万部を超えた、タチアナ・ド・ロネ著の小説「サラの鍵」を映画化したものだそうです。いろいろな雑誌や新聞で話題になっていました。

 フランスのシラク前大統領が、1995年にフランス国家つまりフランス警察がユダヤ人迫害に加担していたことを演説で明らかにしましたが、それを題材にしています。1942年7月の出来事と67年後の2009年の出来事を、パリのアパートを軸にしてからませてストーリーは進みます。

 1942年の主人公ユダヤ人の娘サラ(メリュジーヌ・マヤシス)は結局パリからニューヨークへ移住します。2009年の主人公米人ジャーナリストのジュリア(クリスティン・スコット・トーマス)は米国からパリに住いを移しております。ジュリアが夫の祖母から譲り受けたパリのアパートはジュリアが連行される時に住んでいたものだという秘密が、二つの時代を否応なく結び付けます。いろいろな悲しみを乗り越えていくところにこの作品の真骨頂があると思います。

  • ホロコースト まだ終わらせない 物語

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2011年12月22日 (木)

最近観た映画(2011年12月#10:無言歌)

 評価の高い映画でしたが、何もないゴビ砂漠で壕の中での場面が多く、画面は暗く動きが少なく、そしてどうしようもない事実をただ克明に描いている作品なので、観ているのが辛いと感じました。中国のドキュメンタリー映画の旗手ワン・ビン(王兵)が多くの実際の生存者達から証言を得て、制作・監督したもので、中国の暗い歴史をリアルに再現しております。不条理演劇のようだという声が上がっております。本作は香港、フランス、ベルギーの3ヶ国合作で、まだ中国作とはいかないようです。

 1960年に中華人民共和国の毛沢東国家主席は、より開かれた政治環境を奨励する「百花斉放・百家争鳴」と呼ばれる運動に乗り出しました。しかし、いろいろな意見が出され、中国共産党の支配の正当性にまで話が及ぶと、一転方針を転換し「反右派闘争」を始め、批判的な意見を述べた55万人もの人々が再教育収容所の送られました。ちょうど1958年から62年にかけての「大躍進政策」の失敗及び大飢饉の時期と重なったため、多くの死者が出たと言われております。

  • 無言歌は 無言の抗議 反省を

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2011年12月20日 (火)

最近観た映画(2011年12月#9:ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル)

 トム・クルーズ制作・主演の「ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル」を観て参りました。話題になっている映画なので、シネコンでは珍しく同時に2つのスクリーンで上映されておりました。

 さすが、ハリウッドのヒットシリーズの最新作だけあって、アクションに次ぐアクション、またアクションで、全く飽きさせませんでした。というより、いくら疲れていても、いくら酒を飲んでいても、寝ようとしても寝られない情態でした。観ているとだんだん覚醒してくるのでした。

 舞台もブタペスト⇒モスクワ⇒ドバイ⇒ムンバイ(インド)⇒サンフランシスコ⇒シアトルと世界一周し、申し分ないものでした。モスクワのクレムリンではロケをやったのでしょうか、それともセットだったのでしょうか。とてもリアルでした。

 またドバイのプルジュ・ハリファでのスタントも見応えがありました。高さ828mの高層ビルでのアクションはただただ凄いの一言でした。もちろんセットも使ったとは思いますが…。まあ、全体のストーリーはよくわからないところもあるのですが、観ているだけでワクワクする作品でした。

  • アクションに 次ぐアクション またアクション

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2011年12月16日 (金)

最近観た映画(2011年12月#8:ネムリユスリカ sleep)

 開演前に監督の坂口香津美氏が登場し、お話しをして下さいました。親、兄弟の死に直面し落ち込んでいた時に、ネムリユスリカという生物がいることを知り、この作品に取り組んだ云々ということを言っておられました。

 確かにこの問題作はリアリズムに満ちており、こんな家族も存在するのかもしれないと思わされました。バレー教室の帰りにレイプされた娘の子供・鷺沼夏芽(平野茉莉子)が主人公です。レイプされた母親・琴野(駒形美如)はそれが原因で口が利けなくなっており、その父親(夏芽の祖父)・櫂(岩尾拓志)は要介護になっています。一家3人は河原でバンタイプの車の中で生活しております。

 琴野はラブホテルでのマッサージで収入を得ており、時には体を売ります。夏芽がマネジャーです。夏芽は櫂をラブホテルの風呂に入れます。そして全ての金をつぎ込みレイプ犯を探しもらいます。それにしても風呂のシーンが多過ぎるような気がしました。特に、櫂のポコチンとタマキンを何回も観たくはなかった…。

 最後に感じたことです。自費を使ってまで娘のレイプ犯を探すという、一家のミッションは理解できるでしょう。それにしても犯人探しは警察の仕事ではないのでしょうか。したがって、一戸建の住宅も所有していた家族が犯人探しのために全財産を使い切ってしまうこと、そしてホームレスになりバンで生活しながらもそのミッションを継続するということは、やや理解しがたく思いました。余りにも社会の責任、そして親の責任が描かれなさ過ぎているように感じました。

  • 熱演も ストーリーに やや 不自然さ

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2011年12月15日 (木)

最近観た映画(2011年12月#7:RAILWAYS 愛を伝えられない大人たちへ)

 いわゆる熟年夫婦の危機を描いた作品です。定年間近の鉄道運転手・瀧島 徹(三浦友和)とその妻で元看護師の佐和子(余貴美子)を主人公とした物語です。徹は富山地方鉄道のベテラン運転手で、42年間無事故の実績があります。佐和子が再び看護師として働きたいと言い出すことから、二人の間に亀裂が入ります。

 お互いに意地を張り合い、別居そして離婚まで行きます。しかし、佐和子が介護しているお婆ちゃんが行方不明になり、徹が乗務していた電車で発見されるという事件が起きます。この辺から、お互いを再発見することに至り、歩み寄り仲直りすることになります。

 全体のストーリーはほぼ想像できる感じなのですが、富山から宇奈月温泉までの風景の中を走る2両編成の電車の美しさと三浦友和の枯れた好演にいい感じを抱きました。それにしても首都圏・西武池袋線のレッドアロー号が、引退後2両編成にされて富山地方鉄道の急行電車として走っていることには驚かされました。全国の鉄ちゃんは是非この映画を観るべきですね。

  • 富山県 チューリップの横を レッドアロー

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2011年12月13日 (火)

最近観た映画(2011年12月#6:クリスマスのその夜に)

 ノルウェー、ドイツ、そしてスウェーデンの3ヶ国の合作映画でした。クリスマス・イブに起こる、いろいろな人間模様を、オムニバスにて描いておりました。静かに物語は進みますが、やや散漫になった感じは否めませんでした。

 家に寄り付けなくなった男が、サンタクロースの扮装で家に入り込みます。不倫でセックスに励む男が、女に離婚を迫られます。この不倫相手の女の超巨大なお尻を観せられて、個人的にはとてもとても幻滅しました。

 最後に若い男に脅されながら、若い女の出産のために往診する医師が登場します。コソボからスウェーデンに車で逃れる途中で、乗っていた車が故障し近くの小屋に避難していたカップルでした。無事赤ちゃんが誕生しますが、医師は帰り際に車を発進させてから気が付いて、カップルがスウェーデンまで往くために自分の乗っていた車を貸します。大きな大きなクリスマス・プレゼントでした。

  • クリスマス 年々歳々 繰り返す

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2011年12月10日 (土)

最近観た映画(2011年12月#5:リアル・スティール)

 これは結構今年一番のハリウッド映画かもしれないと思いました。今年4月に観た「トゥルー・グリッド」以来、久々にラストシーンで涙ボロボロでした。スチィーブン・スピルバーグらのドリーム・ワークスが制作総指揮に当たり、ショーン・レヴィが監督し、ウォルト・ディズニーが配給した映画でした。そうそうあの元世界チャンピオンの名ボクサー、シュガー・レイ・レナードがボクシングに関するコンサルタントをしたようでした。

 本作品は、高性能戦闘ロボット同士がボクシングで争う近未来を描いています。まずは人物と一緒に映った鉄製の大型ロボットの素晴らしい動きを作り出したVFXに感動しました。負け犬の元プロボクサー・チャーリー(ヒュー・ジャクソン)が11歳の息子マックス(ダコタ・ヨゴ)との交流を通して、自分の人生を取り戻す過程を描いています。

 それ以上に、マックスがゴミ捨て場で見付けたロボットATOMが、無名の戦闘ロボットから有名になり、ついには無敗・無敵の世界チャンピオン・ゼウスと戦うチャンスを得るというストーリーが心を打ちます。これは、映画「ロッキー」等と同じ構図で、観衆は判官贔屓(ほうがんびいき)となり皆がATOMを応援します。

  • ロボコンが ロボット格闘技に 進化かも

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2011年12月 7日 (水)

最近観た映画(2011年12月#4:50/50 フィフティ・フィフティ)

 ハリウッドはこういう定型の人情話を作らせたら、本当に上手いと思います。突然ガン(癌)の宣告を受け、生還の確率は50%ということが告げられます。これがタイトルの50/50(確率半々)の意味です。

 主人公アダム(ジョセフ・ゴードン=レビット)を取り巻く親友カイル(セス・ローゲン)、友人、両親、恋人未満の女友達…。その中で落ち着き、荒れ、乱れ、また明日に向かうアダム…。しかし、皆が支え、最後には手術から生還します。エールを送らざる得ないでしょう。

 最後にアダムの恋人になってくれる女性セラピスト・キャサリン(アナ・ケンドリック)が可愛いいと思いました。

  • 人生は 所詮 全て 50/50

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2011年12月 6日 (火)

最近観た映画(2011年12月#3:カイジ2 人生奪回ゲーム)

 伊藤カイジ(藤原竜也)がパチンコ台のお化けのような機械に勝って、手にする金額は13億円余でした。大王製紙の井川前会長はマカオのカジノでいくら使ったのだったでしょうか。この金額の10倍以上でしたよね。したがって、この映画は現実よりスケールが小さく、その意味で夢のない世界になってしまったと思います。

 博打(バクチ)好きは、やはり最後に一銭もなくなるまで勝負するものです。最後に近いシーンで、カイジが利根川(香川照之)にすべての金をだまし盗られてしまいます。負けた一条(伊勢谷友介)に藤原が「またはい上がってこいよ」と言うのもおかしかったです。博打打ちの情けでしょうか。

 本作品も漫画が原作とのことです。漫画原作の日本映画が多いのは、漫画が売れているという時代の反映でしょうか。アニメ・ゲームの強いクールジャパンならではです。でも、実は半分は夢の中でした。

  • 博打打ち 寝ても覚めても 博打打ち

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2011年12月 5日 (月)

最近観た映画(2011年12月#2:孔子の教え)

 孔子が生きた時代、紀元前5世紀の中国・春秋戦国時代、孔子の生まれた魯(ろ)の国そして周りの諸国の様子がよく描かれていました。孔子は戦や力ではなく、教育によって国を治め、民を幸せにしようとします。いわゆる五常の徳「仁義礼智信」です。しかし、戦略家の弟子も育て、隣国との戦争にも、戦略・戦術を駆使し勝利する実践家でもありました。

 魯の国を支配する三桓(さんかん)に国外追放され、諸国を放浪することになります。弟子達が自発的に沢山の竹簡を荷車に載せ、付いて参ります。諸国で歓待されたり、虐待されたりしますが、10数年後に魯国に帰ることを許されます。しかし、帰国後は政治はやらず、学問を修めることに集中します。孔子の先生が老子だったのですね。

 韓国や日本でよく広まった孔子の教え、論語・儒教は、本家の中国では忘れ去られたようでした。しかしながら、現代中国でこのような映画が作られるようになったのは少し驚きでした。最近は経済と軍事一本やりで、道徳的なことが忘れ去られていると思いましたが、その重要性を再発見し始めたのかもしれません。本作は、中国の胡玫(フーメイ)女流監督の作品です。

  • 道徳は 人を人らしく するものか

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2011年12月 2日 (金)

最近観た映画(2011年12月#1:家族の庭)

 原題が"another year"という英国の映画でした。原題の方が作品のテーマをよく表していると思います。ある年の春、秋そして冬の三つの季節における、一家族と彼らを取り巻く人々の情景を描写しています。

 最初の方に公営の家庭菜園で働く初老の夫婦の姿があり、各季節に菜園でのシーンが描かれています。また、自宅で多数の人が集まるパーティでは、裏庭でバーベキューが行われます。多分それやこれで日本語のタイトル「家族の庭」が考えられたものと思われます。

 どこの国の家庭でも共通にありそうなイベント、独立した息子の遅めの結婚、憎めないがやっかいな同僚、離婚してさみしく暮らしている親友の男、兄弟の死と家に寄り付かないその息子等々を、淡々と描いているように観えますが、ユーモアあふれるリアルな会話もあり、何となく心に響くものがありました。

  • どこにでも ありそうな 家族と課題

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