最近観た映画(2012年1月#7:月光ノ仮面)
板尾創路監督・脚本・主演の第2弾映画作品だそうです。落語の「粗忽長屋」をテーマにして、とてもユニークなプロットを作り上げていました。落語のように楽しめるコメディ映画を目指したものと思われます。
タイトルにあるように、普通の3倍もありそうな満月のシーンが繰り返し登場し、そこに流れる曲はベートーベンの「月光」で、そして顔を包帯でおおった主人公(板尾創路)が登場します。まさに「月光ノ仮面」でした。これは明らかに「月光仮面」をパロディに使っております。
そのうちもう一人の主人公(浅野忠信)が現れ、話はどんどん錯綜し込み入りながら進んでいくのですが、ある時から(当然ですが)すべて架空の話(夢の中の話)に思えてきます。そして、最後のシーンへと向かうのですが、これには圧倒されました。そして、話に落ちがつきます。
- 月光に 照らされ すべてが 落ちの中
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コメント
「月光ノ仮面」をみて、ふと考えたこと。
映画には、その時代の空気が反映されている。
「俺はいったい誰なんだ?」
という問いかけは、まさに今、私たちが抱いている感情ではないだろうか。
映画の製作者は落語に格好の題材を見出した。
グローバリズムの中で、凋落の道をたどり始めたかもしれない日本。自分たちの価値を見失いかけ、自分たちは何者なのだという問いを発したくなったのではないだろうか。
この映画の時代設定の、敗戦後もそうであったように。
考えすぎ?
投稿: 宮崎ひろ子 | 2012年1月31日 (火) 午後 09時25分