最近観た映画(2012年3月#11:セイジ 陸の魚)
伊勢谷友介は映画「カイジ2 人生奪回ゲーム」に出演していたので、てっきり俳優だとばかり思っていました。彼は東京藝大の修士課程を修了しており、映画監督としても活躍していることが分かりました。本作品は彼の監督で制作されており、辻内智貴(つじうちともき)著の小説「セイジ」(2001年)を原作としています。辻内は元々はシンガーソングライターを目指していて(今も掛持ち)、途中で小説も書いたという変わった経歴の持主です。
主役のセイジに、映画「CUT」でも主役を演じた西島秀俊を充てています。実際本作と「CUT」は撮影が重なってしまったそうで、掛持ちする俳優は大変ですね。それだけ才能があるということでしょうか。もう一人のサブの主役「僕」(20歳で名前がない、作中では旅人などと呼ばれています)に、映画「モテキ」で一大ブームを巻き起こした森山未來を配しています。森山は作中の人物に成り切るために、実際に東京からロケ地の栃木県の山奥まで自転車で走破したそうです。
物語は、バブル期最後の1990年頃に、山奥の小さな村のドライブインを中心として起きるいろいろな出来事を描いています。話が進むにつれ、西島らしい寡黙なセイジの過去がだんだんと明らかになってきます。そんな平和な村で凶行が起き、ドライブインの常連ゲン爺(津川雅彦)の可愛い孫娘りつ子が左腕を失います。皆がりつ子を励まそうとする中で、セイジの取った行動が…。「僕」が20年後のドライブインを再訪しますが、そこで観客は明日への希望を見い出すでしょう。
1990年頃は、田舎にもこんなに若者がいたのだなという感想を持ちました。現在はどうなのでしょうか。限界集落も増えていると聴いております。
- 重い過去 みんな背負って 生きていく
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