最近観た映画(2012年3月#12:英雄の証明)
ウィリアム・シェイクスピアの晩年の作品で、最後の悲劇といわれている「コリオレイナス」を現代風に翻案して作られた英国映画だそうです。したがって、原題は単に"Coriolanus"です。邦題は相当に意訳しておりますが、確かにシェイクスピアの「コリオレイナス」という作品は余り知られていませんね。
ローマ軍の司令官コリオレイナス将軍(レイフ・ファインズ、「シンドラーのリスト」出演)と敵国ヴォルサイ軍のリーダー・タラス・オーフィディアス(ジェラルド・バトラー、「マシンガン・プリーチャー」主演)の間の熾烈な戦い、心の葛藤、不思議な友情等を描いております。
ローマの常勝将軍は、地位が上がるにつれ独裁的になり、護民官やローマ市民の反発にあい、ついにはローマを追放されます。彼はその後敵国と組んでローマを攻撃しますが、実母や妻子の執拗な請願に負けてしまいます。非情な戦いと親子・配偶者との愛情という矛盾した命題を正面から扱っています。
「マシンガン・プリーチャー」で描かれている、ウガンダとスーダン南部における現在の内戦では、人情のかけらもありませんでした。ゲリラに捕われた子供達は親を殺すように命令されていました。さもなくば子供自身が殺されてしまうのです。これがアフリカの残酷な現代とシェイクスピアの時代の違いでしょうか。
- 人間味 ないようである 英国劇
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