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2012年3月28日 (水)

最近観た映画(2012年3月#14:マリリン 7日間の恋)

 この映画の主役マリリン・モンロー(1926-1962)役を演じている女優ミシェル・ウィリアムズの演技は素晴らしいと思いました。彼女は本物のマリリンに酷似している訳ではありませんが、本物はさもありなんと思えてくるのが不思議です。最後には、ミシェルのマリリンの方が本物のように感じ始めるほどでした。1956年に自身がプロデュースする映画「王子と踊り子(The Prince and the Showgirl)」を撮影するためにロンドンに降り立ったマリリンは30歳でした。ミシェルも本作撮影時はちょうど30歳だったそうです。しかし、芸歴は何と20年近いとは驚きでした。ハリウッドでも期待されている女優の一人とのことです。

 「王子と踊り子」の監督で、共演もしたのが、ローレンス・オリビエ(1907-1989)(ケネス・ブラナー)でした。当時、その夫人はあのビビアン・リー(1913-1967)(ジュリア・オーモンド)です。大物俳優達が実名で登場しています。名家の出身でイートン校・オックスフォード大学を卒業した23歳のコリン・クラーク(1932-2002)(エディ・レッドメイン)が、オリビエ監督のサード(第3助監督、実は小間使い)になったことが、マリリンの死後50年間知られなかった事実が明るみに出るきっかけになっています。映画では語られませんが、コリン・クラークは晩年にマリリンとの思い出を2冊の回顧録、"The Prince, The Showgirl and Me"と"My Week With Marilyn"(「マリリン・モンロー 7日間の恋」(新潮文庫 2012年)、これが映画の原題)として出版しています。英米合作の本作はこの2冊の回想録を基にして創られたとのことです。

 米国から英国に乗り込み、コーチとともに新しい演技を目指すマリリンは、英国の伝統的な演技にこだわるオリビエ監督と対立します。その中で、芸術ではよくある話ですが、マリリンは自分をどんどん追い込んでいってしまいます。情緒不安定や酒と処方薬の問題もあり、撮影に常時遅刻するようになります。また、一緒に来ていた新婚の夫アーサー・ミラー(1915-2005)(ダグレイ・スコット)も文学創作ができないとして帰国してしまいます。次第にマリリンはコリンに頼るようになり、彼女の発案で1週間だけロンドン郊外へ旅に出ることになります。ウインザー城、イートン校、テムズ河畔等でのロケは素敵でした。マリリンも一人の純粋な女性として、建築、美術品、風景等の美に素直に感動し、人間性を取り戻します。マリリンは知的な女性として描かれています。本当はそうだったのかもしれません。

 皇太后シビル・ソーンダイク役のジュディ・デンチもマリリンの理解者として良かったし、衣装係でコリンの恋人になるルーシー(エマ・ワトソン)も可愛かったです。映画「王子と踊り子」は結局大した評判にはならなかったようですが、マリリンがその次に出演した映画「お熱いのがお好き(Some Like It Hot")」(1959年)は評価されました。しかし、その撮影時も情緒不安定は変わらなかったようです。

 ミシェル・ウイリアムズは本作で今年のアカデミー賞主演女優賞にノミネートされました。また、2011年の第69回ゴールデングローブ賞主演女優賞(ミュージカル/コメディ部門)を受賞しました。マリリン・モンローも1959年に「お熱いのがお好き」で第17回の同賞を受賞しているのは何かの偶然でしょうか。

  • マリリンは 自由奔放 無敵かな

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