最近観た映画(2012年4月#10:ヘルプ~心がつなぐストーリー~)
ケネディ大統領がいて、キング牧師がいた、公民権運動が最高潮だった米国の1960年代初め、人種差別の色濃いミシシッピ州ジャクソンを舞台にした黒人メイド達の戦いの物語です。シリアスなテーマを扱っているにもかかわらず、ユーモアと笑いがあふれる作品になっており、最後まで楽しく観ることができました。キャスリン・ストケットの大ベストセラー小説「ヘルプ(The Help)」を原作に、テイト・テイラーが脚色・監督して創り上げた映画です。したがって、映画の原題も"The Help"です。
ジャーナリスト・作家志望の女性スキーター(エマ・ストーン)は大学卒業後、故郷に帰って来ますが、人種差別・女性差別が余り変わっていないことに失望します。また、自分を育ててくれた黒人メイドが実家から解雇されていることにもショックを受けます。彼女は黒人メイドの本音を小説にすることを決意し、友人宅のメイド・エイビリーン(ヴィオラ・デイヴィス)に協力を依頼しますが、報復を恐れるためうまく行きません。しかし、エイビリーンは親友のメイド・ミニー(オクタヴィア・スペンサー)が雇用主のトイレを使って首になったことを聞いて、協力を開始します。これが黒人メイド達の大運動に発展して、ついに一冊の本「ヘルプ」にまとまります。「ヘルプ」とは、黒人メイドの助けてという声かと思いましたが、実は白人家庭の仕事を手伝う黒人メイドそのものを意味する言葉でした。ユーモアと笑いに包まれていますが、あきらめずに理想を追うという米国の強い精神も感じました。
本作により、オクタヴィア・スペンサーは本年の第84回アカデミー賞助演女優賞を受賞しました。
- 差別には 永久(とわ)に戦う 勇気持て
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