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2012年4月の14件の記事

2012年4月27日 (金)

最近観た映画(2012年4月#14:コーマン帝国)

 とにかくインデーズとして映画を創り続けたロジャー・コーマン監督についてのドキュメンタリーです。通算550作品以上を製作し、監督作でも50作品に上るそうです。映画はのっけから大物俳優のジャック・ニコルソンのインタビューで始まります。コーマンは若い才能を見い出す天才でもあり、ニコルソンもその一人です。

 コーマン門下からは、他にフランシス・フォード・コッポラ、ピーター・フォンダ、ロバート・デ・ニーロ、マーティン・スコセッシ、チャールズ・ブロンソン、ジェームズ・キャメロン、クエンティン・タランティーノ等々がいるそうですから、まさに驚きです。

  • コーマンの キャスト・スタッフ 大物に

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2012年4月24日 (火)

最近観た映画(2012年4月#13:生きているものはいないのか)

 本作は、不条理演劇を映画化したものだけあって、何か不思議な映画でした。しかし、後味の悪さは余りなく、人々が死に直面した時には、それぞれが徐々にどういう死に方がいいのか考えようになるという様子を観ていると、何かスッキリした感覚が残ったのは意外でした。

 前田司郎が同名の戯曲を著し、2007年に京都で著者自身の演出で初演し、翌年第52回岸田國士戯曲賞を受賞しました。それを石井岳龍監督が劇場向け映画に創り直したものです。映画ですから、屋外のロケが当然ありますが、やはり全体的に舞台演劇を観てるような雰囲気がありました。

 神戸の大学と付属病院らしい設定で、18人の主要登場人物がおり、当初は列車事故以外は日常の生活の様子が描写されます。都市伝説クラブの活動、友人の結婚披露宴への出し物を考えるグループ、三角関係で言い争う男一人と女二人、アイドルグループの一員の現役学生、病院の女子職員に会いにきた刑務所帰りの義兄等のストーリーが語られます。突然一人の女子学生が死んでから情況が一変し、皆が死に直面します。人々は、途中から死を恐れるのではなく、どういう風に死を迎えようかと考え始めます。最後に残るのは、「ヒミズ」に出演していた染谷将太(ウェイターのケイスケ役)です。

 不条理演劇だからどうでもいいのかも知れませんが、明らかに舞台は神戸・関西だと思うのですが、言葉は一切関西弁ではなく共通語だったのが奇妙でした。明らかに須磨・明石の海岸に歩いていくのが、最後のシーンですのに…。

  • 不条理でも 歩いていくのが 人生か

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2012年4月23日 (月)

最近観た映画(2012年4月#12:捜査官X)

 本作は香港と中国合作の犯罪・ギャング映画と言っていいでしょう。カンフーとVFXによる武闘シーンが満載で、そういうアクションがお好きな方にはたまらない映画でしょう。監督はピーター・チャンで、なかなか美しい映像になっています。

 1917年の中国四川省の小さな村が舞台です。紙の生産が盛んな土地で、それにより地域経済が成り立っています。シンジー(ドニー・イェン、アクション監督も兼務)は10年前にフラリと現れ、夫が失踪したアユー(タン・ウェイ)と結婚し、前夫の男子と自分の男子を育てている。そこへ二人組の残虐強盗団が現れ両替商を襲います。たまたま居合わせたシンジーが二人を殺してしまいます。

 この事件を担当する捜査官がシュウ(金城武)で、博覧強記で人体の構造にめっぽう詳しく、ただの職人がたまたまギャング二人を殺したのではないことを見抜きます。この辺から物語が急展開し、荊州のギャング団が登場し、アクションまたアクションになります。最後には何と親子の対決になるのですが、シュウも結果的に助太刀することになります。

 それにしても金城武は中国語が上手いと思いましたが、台湾出身だから当然でしょうか。チャン監督とのコラボは3作目だそうです。映画の原題は「武侠(Wu Xia)」(「侠客」の意味)で、中国語では侠客映画のつもりだったのだと思います。邦題は、金城武を目立たせるためか、意訳しすぎて焦点がずれてしまいましたね。

  • カンフーの アクションにも 人情が

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2012年4月21日 (土)

最近観た映画(2012年4月#11:別離)

 本年の第84回アカデミー賞外国語映画賞をイラン映画として初めて受賞し、また昨年の第61回ベルリン国際映画祭で金熊賞(最高賞)と銀熊賞(男優賞・女優賞)を独占した話題の映画でした。製作・監督・脚本すべてをイランのアスガー・ファルハディ監督が担当しているが、緻密に構築されたストーリーが印象的です。

 テヘランの銀行員ナデル(ペイマン・モアディ)とその妻シミン(レイラ・ハタミ)、そして11歳の娘テルメー(サリナ・ファルハディ、監督の娘)の一家に起こるトラブルがスピーディに描かれています。イランにおける教育、親の介護、離婚、貧富の格差等の問題が取り上げられますが、やはりイスラム教の存在の大きさに注目せざるをえませんでした。裁判はすべてイスラム法(シャリーア)に則って行われるし、介護でも男女隔離の問題が出てきます。それでも少し救われたのは、信心深い人々は誰しもコーランに向かっては嘘を付けないことでした。

 ペルシャ語の原題は「ナデルとシミンの別れ」という意味だそうですが、映画祭では"Nader and Simin, A Separation"となり、英米では単に"A Separation"になったとのことです。

  • それぞれの 訳(わけ)に流され 人生か

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2012年4月19日 (木)

最近観た映画(2012年4月#10:ヘルプ~心がつなぐストーリー~)

 ケネディ大統領がいて、キング牧師がいた、公民権運動が最高潮だった米国の1960年代初め、人種差別の色濃いミシシッピ州ジャクソンを舞台にした黒人メイド達の戦いの物語です。シリアスなテーマを扱っているにもかかわらず、ユーモアと笑いがあふれる作品になっており、最後まで楽しく観ることができました。キャスリン・ストケットの大ベストセラー小説「ヘルプ(The Help)」を原作に、テイト・テイラーが脚色・監督して創り上げた映画です。したがって、映画の原題も"The Help"です。

 ジャーナリスト・作家志望の女性スキーター(エマ・ストーン)は大学卒業後、故郷に帰って来ますが、人種差別・女性差別が余り変わっていないことに失望します。また、自分を育ててくれた黒人メイドが実家から解雇されていることにもショックを受けます。彼女は黒人メイドの本音を小説にすることを決意し、友人宅のメイド・エイビリーン(ヴィオラ・デイヴィス)に協力を依頼しますが、報復を恐れるためうまく行きません。しかし、エイビリーンは親友のメイド・ミニー(オクタヴィア・スペンサー)が雇用主のトイレを使って首になったことを聞いて、協力を開始します。これが黒人メイド達の大運動に発展して、ついに一冊の本「ヘルプ」にまとまります。「ヘルプ」とは、黒人メイドの助けてという声かと思いましたが、実は白人家庭の仕事を手伝う黒人メイドそのものを意味する言葉でした。ユーモアと笑いに包まれていますが、あきらめずに理想を追うという米国の強い精神も感じました。

 本作により、オクタヴィア・スペンサーは本年の第84回アカデミー賞助演女優賞を受賞しました。

  • 差別には 永久(とわ)に戦う 勇気持て

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2012年4月16日 (月)

最近観た映画(2012年4月#9:オレンジと太陽)

 「オレンジと太陽」とはオーストラリアのことです。英国では1970年頃まで貧困のため施設に入っていた10歳にも満たない児童達を、オレンジと太陽の恵まれた国へ往こうと偽って、密かにかつ強制的にオーストラリアに移民させていました。本作は、この「強制児童移民」の事実を明らかにした実在の女性マーガレット・ハンフリーズの実話を基にしたものです。ハンフリーズの著作に「からのゆりかご~大英帝国の迷い子たち~(Empty Cradles)」があり、これが原作となるようです。映画の原題もそのものずばり"Oranges and Sunshine"です。

 英国のドキュメンタリー巨匠ケン・ローチ(「ルート・アイリッシュ」の監督)の息子ジム・ローチが監督しました。オーストラリアのロケもあるため、英・豪合作の作品になっています。主人公のマーガレットには、「戦火の馬」で 主人公アルバートのお母さん役をやったエミリー・ワトソンを配しています。彼女の演技は、派手さはないのですが、渋く説得力のあるものでした。

 映画の中にも出てきますが、マーガレットは英国政府や教会関係者からの脅しともとれる中止要請にも負けず、豪州に渡った子供達の家族を捜し出す活動を続けました。そしてついに、2009年10月にオーストラリア首相が、2010年2月に英国首相が、それぞれ事実を認め、正式に謝罪しました。

  • 事実なら 認め 謝る 英文化

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2012年4月13日 (金)

最近観た映画(2012年4月#8:KOTOKO)

 本作は斬新な映像で知られる塚本晋也監督と沖縄の歌姫、シンガーソングライターのCoccoが共同で企画した映画です。昨年の第68回ベネチア国際映画祭のオリゾンティ部門最高賞(グランプリ)を受賞しています。オリゾンティ部門とは、コンペティション部門に比べ斬新性・先鋭性のある作品を集めた部門とのことです。製作・脚本・監督・撮影・編集を塚本が担当し、原案・音楽・美術をCoccoが担当し、主要出演者は二人ということで、本当に二人で作り上げた映画です。

 メディアの評価も高かったので、押っ取り刀で観に参りました。しかし、正直を言うと、私にはすぐには理解できない作品でした。悲鳴と血ばかりが気になって、自分の考えがなかなかまとまりませんでした。全体を通して、狂気・インセインの世界だと感じました。「愛する息子を守ろうとするあまり、現実と虚構のバランスを崩していく女性の慟哭と再生」を表現したと言われれば、そんな気がするという感じです。何度か観ないとよく理解できないと思いました。

 幼い息子・大二郎を育てる琴子(Cocco)は、子供を愛し守らなければいけないという強迫観念からか、世界が二つに観え、子供を攻撃から守らるために奇行を繰り返します。そのために幼児虐待の疑いを抱かれ息子を引き離されてしまいます。ただし、彼女は歌っている時だけは、世界が一つになるのだそうです。でも、彼女は生きていることを確かめるために、腕を切り血を流します。そんな歌声に惚れた作家・田中(塚本)が現れ、琴子に虐待されるのですが、プロポーズし一緒に暮すことになります。その後も田中は琴子にボコボコにされます。田中の無限な無償の愛が描かれますが、いつの間にか田中は消えてしまいます。映画後半は、琴子の熱唱、自動小銃の乱射を描くことによる戦争反対表明、千羽鶴等が登場する狂気を越えた美しい世界、息子がすくすくと成長していること、等々が表現されていきます。

 なお、塚本監督は、NHKの「ゲゲゲの女房」、「坂の上の雲」、「カーネーション」等に出演している本格俳優でもあります。

  • 芸術と 狂気の間に 生きる道

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2012年4月11日 (水)

最近観た映画(2012年4月#7:アーティスト)

 今年の第84回アカデミー賞で作品賞、主演男優賞(ジャン・デジャルダン)、監督賞(ミシェル・アザナヴィシウス)等、主要5部門を受賞した映画です。1927年から1929年まで、本当にモノクロ(白黒)のサイレント映画しかなかった時代を取り上げ、スターのロマンスをモノクロ・サイレント映画の手法で撮影した冒険的な作品(スクリーンの幅も1.33:1と当時の狭いサイズらしい)とのことです。フランス人監督が米国ハリウッドで撮影したという、一応はフランス映画ですが、原題は英語で"The Artist"でした。なお、昨年の第64回カンヌ国際映画祭でも主演男優賞を獲得しています。

 正直言って、初期のサイレント映画への愛は理解できますが、モノクロのサイレントものになぜアカデミー賞の作品賞等が与えられるのかは理解できませんでした。何か世界中でいろいろと災害、事故、問題、課題、揉め事が起きている時代に、こういうノスタルジックな作品が求めれれたのかもしれません。皆が少し過去を見つめ直しているのではないかと思います。

 1927年にサイレント映画のスター、ジョージ・ヴァレンティン(ジャン・デジャルダン)は、ダンスのエキストラに応募してきたぺピー・ミラー(ベレニス・ベジョ、アザナヴィシウス監督の夫人)に撮影所で出会います。ぺピーはジャンに憧れています。1929年にトーキー映画が登場しサイレントに拘るジャンは忘れ去られ、ぺピーは一躍スター街道を駆け登って行きます。しかし、ぺピーは陰ながらジャンのために奔走し、ついには彼を共演者としてトーキー映画に出演させることに成功します。最後の二人の華麗なタップダンスが、映画の中の映画を撮影する場面で披露されます。そうそう、とても利口な犬アギー(ジョージの愛犬)が全般的にとても大事な、そして雰囲気を和ませる役割を果たします。アギーは昨年の第64回カンヌ国際映画際にてパルム・ドッグ賞を授与されました。

  • サイレント 音楽だけは トーキーか

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2012年4月 7日 (土)

最近観た映画(2012年4月#6:スーパーチューズデー 正義を売った男)

 今日はライアン・ゴズリング主演の映画を2本観たことになりました。2本目が本作で、ジョージ・クルーニーが共同製作・共同脚本・監督・出演の4役をこなしました。彼の4本目の監督作品とのことです。共同脚本のボー・ウィリモンが、2004年の民主党大統領予備選挙に立候補したハワード・ディーンの選挙スタッフだった経験に着想を得て書いた戯曲"Farragut North"を原作としているそうです。映画の原題は、原作名ではなくジョージ・クルーニーがこだわったという"The Ides of March"になっています。"The Ides of March"とはローマ歴の言い方で「3月15日」のことらしいです。この日はジュリアス・シーザーが暗殺された日とのことです。本作ではスーパーチューズデーがこの日と設定されています。日本では原題は全くうけないと考えたのか、邦題は完全な創作になっていますね。

 米国大統領予備選挙とは、本選挙の前にほぼ1年間にわたり行われる、民主党と共和党がそれぞれの大統領候補を決めるための各州の選考過程(予備選挙と党員集会の2種類があります)をいいます。最も多くの州が一度に予備選挙・党員集会を行うのがスーパーチューズデーで、今年は11州が集中した3月6日でした。米国では、予備選挙は4年に1度行われるお祭り騒ぎで、全市民、メディア、産業界等を巻き込んで大騒ぎになります。中でも重視されているのは、メディアを通した広報戦略・戦術で、最近はインターネット特にSNSも活用されています。本作はこういう活動の汚い舞台裏を鋭くえぐったものと考えられます。ちなみに、今年の大統領選挙の投票は11月6日に実施される予定です。投票日は11月の第1月曜日の次の火曜日と決められています。11月1日ではない、最初の火曜日ということになります。

 ペンシルベニア州知事のマイク・モリス(ジョージ・クルーニー)は民主党の予備選挙に出馬し、有力候補となります。その選挙参謀のナンバー2で広報官なのが、スティーブン・マイヤーズ(ライアン・ゴズリング)です。スティーブンは若く有能なため、敵方上院議員陣営に狙われます。まんまと罠にはめられますが、その後の彼の粘りが物凄いのです。汚い手には汚い手を使うことを決心します。モリス知事の弱点を突き、二人だけの交渉に持ち込みます。モリス知事とスティーブン、二人の対立場面が見せ場だと思います。

  • 舞台裏 政治も映画も 汚いか

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最近観た映画(2012年4月#5:ドライヴ)

 巷の評判も結構よかったのですが、実は予想していたよちもはるかにクールな映画でした。犯罪スリラー・サスペンス映画で、何もいい方向に向かわないのでフィルム・ノワールとも言えるのでしょう。ジェイムズ・サリスの同名の小説を原作としています。監督は、デンマーク生まれで、ニューヨーク育ちのニコラス・ウィンディング・レフンです。彼は昨年の第64回カンヌ国際映画祭で監督賞を受賞しました。

 主人公のドライバー(名前がないのです、ライアン・ゴズリング)はなかなかハンサムで、素敵でした。隣人の人妻アイリーン役として、キャリー・マリガンが共演していました。彼女は、3日前に観た「SHAME-シェイム-」でお会いしたばかりでした。「SHAME」では体当たりの演技でしたが、本作では一児の男の子の母として抑えた演技でした。

 主人公のドライバーは運転の腕は滅法よく、昼は映画のスタント・ドライバーをしています。彼は出身等は全く不明ですが、本職はガレージ(自動車修理工場)の腕のいい修理工です。夜は強盗を車に乗せて逃がすこともやっています。同じアパートの同じ階に引っ越してきたアイリーンに多分一目惚れします。アイリーンの夫は刑務所に服役中でしたが、出所してきます。服役中に組織から借金をしたため、組織から強盗を強要されます。ドライバーはこれを手伝うことにしたことから、犯罪組織との戦いに巻き込まれます。途中からドライバーが不死身のように思えてくるのが難点ですが、運転シーンや格闘シーンはなかなか見応えのあるものでした。また、台詞が少ないのが、スリラー・サスペンス映画に深みを与えていると思います。

  • 別世界 しばしの間 浸り込む

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2012年4月 6日 (金)

最近観た映画(2012年4月#4:少年と自転車)

 ベルギーの名匠ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ兄弟が脚本を書き、監督したヒューマン・ドラマです。同兄弟はカンヌ国際映画祭で2度パルム・ドール(最高賞)を受賞していますが、本作でも昨年の第64回カンヌ国際映画祭で審査員特別グランプリ(第2席)を獲得しました。

 ダルデンヌ兄弟が2003年に来日した時に聴いた、施設で親を待ち続ける少年のエピソードに触発されて本作を企画・制作したそうです。確かに人と人とのつながり・絆の大切さを想い起こされる映画でした。観終わった後に、自然と温かい気持ちになれる作品でした。本作は、ベルギー・フランス・イタリアの3ヶ国合作の映画です。原題は、"Le Gamin Au Velo"(英語で"The Kid With A Bike")で、直訳すれば「自転車が友の少年」でしょうか。

 父親に捨てられ児童養護施設で暮らす少年シリル(トマ・ドレ)は、病院で出会ったサマンサ(セシル・ドゥ・フランス、「ヒア・アフター」に出演)に週末だけ里親になってくれるように頼みます。美容院を営むサマンサは、シリルに父親が売り飛ばした自転車を買い戻してくれます。サマンサは、シリルのためにボーイフレンドとも別れ、またシリルを不良青年との付合いからも助け出します。最後のシーンで、二人が絆を新たに、河畔をサイクリングするのが印象的でした。

  • 少年は 母の愛から よみがえる

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2012年4月 5日 (木)

最近観た映画(2012年4月#3:ルート・アイリッシュ)

 英国の巨匠ケン・ローチ監督の最新作です。イラクでの民間軍事会社の実態をドキュメンタリー風の映画にしました。英国の民間軍事会社と契約したコントラクター(傭兵)は殺人を犯しても罪に問われないことから、無意味な無差別殺戮等が起きるという衝撃的な内容を扱っています。終盤では、水責めの拷問から始まって、大きなどんでん返しがあり、こうするしかないのかという無力感にさいなまれました。

 ルート・アイリッシュとは、イラクのバグダッド空港と市内の米軍管理地域グリーンゾーンとを結ぶ12kmの道路のことだそうです。ここではテロが頻発し世界で一番危険な道路と呼ばれているそうです。イラクで英国人の民間傭兵として働いていたファーガス(マーク・ウォーマック)は一足先に英国のリバプールに帰っています。傷害事件を起こし拘束されている間に、兄弟のように育ったフランキー(ジョン・ビショップ)がルート・アイリッシュで殺害されたことを知ります。

 ファーガスは、教会での葬儀の時に民間軍事会社の経営者が言う「フランキーは、まずい時にまずい所にいた」という説明に疑問を持ちます。ファーガスは、フランキーが残したイラク人の携帯、イラクにいる同僚傭兵とのテレビ電話、携帯に残された情報の翻訳等々を積み重ねて、親友の死について真実の理由に肉薄していきます。並行して、ファーガスと死んだフランキーの妻レイチェル(アンドレア・ロウ)とのラブ・ストーリーも描かれます。

 イラクでの戦争のことを扱った映画ですが、イラクの場面は少なく、ほとんどが英国(多分リバプール)でのロケで撮影されていました。主人公が刑事罰を受けてパスポートを没収されているという設定もあるのでしょうが、イラクの話を英国でするという面白い映画だと思いました。本作は英国・仏国・ベルギー・伊国・西国の5ヶ国の合作で、原題も"Route Irish"です。

  • 戦場に 金儲けの論理 人殺し

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2012年4月 4日 (水)

最近観た映画(2012年4月#2:SHAME-シェイム-)

 R18+の成人指定映画でした。でも、いわゆるポルノ映画とは違い、セックス・シーンを見るための作品ではありませんでした。人間の本能・本性を表現するために、そういう風なものになったという感じでした。水曜日はレディズデーでもあり、女性観客も多数いました。英国制作で、監督も英国のスティーブ・マックィーン(同姓同名の故有名米国俳優とはもちろん別人)ですが、なぜか舞台はニューヨーク市でした。ニューヨーク市は映画のロケにとても協力的ですから、撮影しやすかったものと思います。

 主人公のブランドン(マイケル・ファスベンダー)はいわゆるセックス依存症・中毒という設定とのことです。彼は仕事をしている時以外は、セックスに関してできることは、ありとあらゆることをやります。ポルノサイトを観るは、売春婦を買うは、バーで知り合った女と寝るは、赤裸々に描写されています。しかし、筆者はこれが依存症かと思いました。元気で健康な普通の男ならば、これ位のことは当然するのではないでしょうか。ニューヨーク市は欲望が渦巻く、そういうところでもあります。

 ブランドンの高級アパートに妹のシシー(キャリー・マリガン)が転がり込んで来てから、情況が変化します。彼は多分現在の暮らし方が最善で、誰にも邪魔されたくなかったのだと思いました。しかし、クラブでシシーが「ニューヨーク・ニューヨーク」という歌を歌うのを聴いて涙ぐみます。シシーにアパートから出て行くように強く言ってしまいますが、アパートでシシーが腕を切ると助けます。セックスも大事だか、兄弟愛・家族愛も大事だと目覚めていくのでしょうか。マイケル・ファスベンダーは、本作でヴェネチア国際映画祭男優賞(ヴォルピ杯)を受賞しております。

 ところで歌「ニューヨーク・ニューヨーク」はマーチン・スコセッシ監督の映画「ニューヨーク・ニューヨーク」(1977年)の中の歌です。ヒロインのフランシーヌ(ライザ・ミネリ)が恋人ジミー(ロバート・デ・ニーロ)が創った歌として歌います。その後、フランク・シナトラがカバーして大ヒットし、ヤンキー・スタジアムでゲーム終了後に流される歌になったそうです。そうそう、日産自動車が今後納めるというワンボックス型のイエローキャブに似たタクシーが一場面で登場していました。

  • セックスに 若い男は 明け暮れる

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2012年4月 2日 (月)

最近観た映画(2012年4月#1:テイク・シェルター)

 米国の田舎町の工事現場で働くカーティス(マイケル・シャノン)は妻サマンサ(ジェシカ・チャスティン)と聾の愛娘と幸せに暮らしているようにみえます。時々悪夢にうなされるようになり、嵐や竜巻、そしてゾンビ等に襲われる夢を観ます。彼がハッと起きて、ああ夢だったのかという場面が延々と続くので、やや食傷気味になります。

 最後には自然災害が必ず来ると確信したカーティスは、仕事や周りの人の意見等を顧みず、シェルター造りに没頭します。そして、多分本当に災害が来たりて、シェルターのおかげで家族を守ることができたという ストーリーになったのだと思います。米国の映画だから、最後はハッピーエンドなのでしょうか。会社の新入社員との懇親会での一杯が効いて、最後は目を開けたらエンドロールでした。

  • 災害に 備えることは 欠かせない

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