最近観た映画(2012年5月#14:この空の花 長岡花火物語)
大林宣彦監督の最新作です。長岡花火と反戦・平和を結び付けた不思議な映画でした。長岡はご存じのとおり、幕末の河合継之助、米百俵の小林虎三郎、そして海軍大将・山本五十六の故郷です。戊辰戦争では、河合の戦争回避の努力にも係わらず長岡が戦場になりました。そして、太平洋戦争では昭和20年(1945年)8月1日夜に米軍B29による大空襲を受けました。長岡は二度廃墟になっています。この8月1日から3日間、長岡花火は復興、追悼、祈りの花火として打ち上げられるのだそうです。
長岡は長崎に落とされたプルトニウム型原子爆弾ファットマンの模擬爆弾の実験場にもされました。平成16年(2004年)の中越地震でも被害を受け、長岡市と合併した山古志村の被害は甚大でしたが、闘牛と錦鯉とともに復興しております。また、昨年の東日本大震災では南相馬市の被災者を早々に受け入れました。
これらの事実を基に、長崎の記者・遠藤玲子(松雪泰子)が山古志に住む高校教師で昔の恋人の片山健一(高島政宏)を訪ねるというストーリーが展開されます。大空襲被害者の語りや中越地震の被害等ドキュメンタリー風な味付けもされています。そして、一輪車の女子高生・元木花(猪股南)が創作した劇中劇「まだ戦争には間に合う」の上演に至ります。そこでは、本物の長岡花火の打上げの映像も流されます(VFXによる重ね撮りの映像もあります)。
長岡花火に込められた反戦・平和の意思はよく理解できましたが、2時間40分というのは少し長すぎるように感じました。いろいろなことが関連付けられていて、少々詰め込み過ぎのきらいもあるように思えました。
- 一輪車 妙に釣り合う 反戦に
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