最近観た映画(2012年5月#15:サニー 永遠の仲間たち)
満足度の高い韓国映画でした。一言でいえば、ソウルの女子高7人組の同窓会のようなストーリーです。アラフォーになった現在の彼女達と、25年前の青春時代真っ盛りの彼女達の対比が素晴らしいと思いました。1980年代のポップスの名曲が上手く使われています。ドイツのディスコバンド、ボニー・Mによる「サニー」は、映画のタイトル(原題は"Sunny")にもなり、仲良しグループの名前としても使用されています。仏映画『ラ・ブーム』(1980)で使われ有名になったリチャード・サンダーソンの「愛のファンタジー(リアリティ)」は、主人公イム・ナミ(ユ・ホジョン、シム・ウンギョン)の恋物語のテーマになっていました。「サニー」は映画の後、いつものカラオケ・スナックで思わず歌ってみてしまいました。
現在のナミが母親の入院した病院で、25年前の高校7人組のリーダーだったハ・チュナ(ジン・ヒギョン、カン・ソラ)に出会うことから大きな流れが始まります。チュナは痛みに耐える余命2ヶ月の患者で、ナミに残りの5人を捜してほしいと依頼します。田舎から転校してきたナミをチュナが仲間に受け入れたこと、喧嘩や淡いロマンス、反軍事政権デモ等、高校時代の思い出が色鮮やかに描かれるとともに、今のそれぞれの現実が対比されます。最後にチュナの葬儀のシーンになりますが、そこでの弁護士によるチュナの遺言朗読がとても面白いと思いました。ある事件のため高校時代の文化祭で踊れなかった、「サニー」に合わせてのダンスを祭壇の前で皆で踊ります。そこへ最後まで行方が分からなかった一人が…。
現在と25年前を対比しているので、すべての配役に2人ずつの俳優が充てられていて、またそれがさもありなんと思わせるところが凄いと感じました。高校の同窓会に出席すると、昔の話題が沢山出てきて、甘酸っぱい想いが込み上げてきませんでしょうか。これはすべての人々に共通していることで、だから本作は観客の共感を呼ぶのだと思います。本作は韓国ではロングランとなり750万人を動員したといいます。カン・ヒョンチョル監督(兼脚本)の楽しく緻密な映画創りに敬意を表します。
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