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2012年5月 9日 (水)

最近観た映画(2012年5月#5:誰も知らない基地のこと)

 今世界には米軍基地はいくつあるのでしょうか。なぜ基地の数は減らずに、増え続けているのでしょうか。これらの疑問に答えようとしているのが、イタリアの若手監督2人が創った本ドキュメンタリー(伊国映画)です。ビチェンツァ(イタリア)、ディエゴ・ガルシア(インド洋)、そして普天間(沖縄)で主な取材をしています。

 現在役130ヶ国に700を超える米軍基地があるそうです。そして、約25万人の米軍兵士が派遣されているそうです。沖縄には38の米軍基地があり、およそ35,000人の兵士が駐在しているとのことです。これらの基地はそれぞれの戦争終結に伴って設置されたものですが、いつの間にか米軍常駐の常備軍になっています。ところで、本作の原題は"Standing Army"(常備軍)です。

 では、なぜ米国常備軍の基地が増え続けるのでしょうか。それは米国の軍産複合体に原因があるようです。つまり、米軍の軍備費が米国経済と深く結び付いているのです。軍需産業は米国の主要産業であり、軍隊が米国の若者を沢山雇用しており、さらに最近は兵站等が民間企業のビジネスになりました。米ソ冷戦が終了した時に世界中の米軍基地は不要になったはずでしたが、軍産複合体つまり米国経済の都合から仮想敵国が考え出され、米軍基地は常備軍化したと本作は解説しています。そして、いまや戦争をしたから基地ができるのではなく、基地を造るために戦争をするようになったと、何とも恐ろしいことに言及しています。

  • 戦争の ビジネス化には 恐怖あり

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