最近観た映画(2012年5月#7:SR サイタマノラッパー ロードサイドの逃亡者)
妙に胸に迫るものがある映画でした。確かに面白く、いろいろ考えられさせられました。本作に描かれている埼玉・北関東の若者達のように、誰しも若くして半分落ちこぼれ、向こう見ずで親不孝になり、ラップ・ミュージック(ヒップホップ・ミュージック)にはまればこうなるのではないかという恐怖を覚えました。
ラップ・ミュージックは、社会への批判、自分への反省、未来への夢等を語るのに適した音楽のようです。一種のアジ(アジテーション:扇動)演説みたいなものかもしれません。そういえば山梨の多国籍の若者達を描いて、昨秋話題になった映画「サウダージ」でも、ラップ・ミュージックが重要な役割を果たしていました。
東京で本作を上映しているのは1館だけで、すでに超レイトショーになっているのに結構沢山の観客が集まっていました。筆者は夕食をしっかりとり、お酒も楽しんだ後なので少し心配しましたが、一瞬も目を閉じることなく最後まで堪能することができました。観客を飽きさせない、本作の出来が分かると思います。
シリーズ3作目となる本作でも、入江悠監督が監督・脚本・編集の三役を兼ねています。自主製作のインディペンデント映画で、多分製作費用も限られていると思われますが、ここまでの映画が作れるのだと感心しました。前出「サウダージ」の富田克也監督についてと同様です。入江監督は日本大学芸術学部卒業で、主演のSHO-GUNGの3人も同窓(中退2人)らしいので、息の合った制作ができるのかもしれません。
- ラッパーは 社会の批判 縦横に
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