最近観た映画(2012年6月#2:ファウスト)
ゲーテの戯曲「ファウスト」から翻案して創られた映画です。ロシアの巨匠アレクサンドル・ソクーロフが監督(兼脚本)を務めました。昨年の第68回ベネチア国際映画祭では、審査員の満場一致でグランプリ(金獅子賞)を受賞しました。ロシア映画で、原題も"Faust"です。
元々の戯曲が分かりやすいものではないですから、本作も言葉(台詞)は非常に多く踊るのですが、禅問答のように難解で、意味不明のまま場面が移動していくことがよく起きました。魂を探すハインリッヒ・ファウスト (ヨハネス・ツァイラー)と高利貸マウリツィウス・ミュラー(アントン・アダシンスキー)との駆引きを中心にストーリーが進みます。
人間の存在、欲望、そして魂の救済を求めるファウストに、悪魔役のミュラーがかける技が見物です。ラストシーンでは、すべての魂が自由に飛翔できそうな感じになるのが救いでしょうか。哲学の故郷、欧州ではやはりこういう映画が評価されるのですね。今年3月に観た映画「ニーチェの馬」を思い出しました。
- 欧州の 哲学好きには 脱帽す
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