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2012年6月15日 (金)

最近観た映画(2012年6月#6:キリマンジャロの雪)

 フランスの港町マルセイユでのみ撮影された仏映画です。現代の世相を鋭くえぐり出した秀逸な作品でした。フランスのケン・ローチとも呼ばれ、また山田洋次監督がわが友と呼ぶ、ロベール・ケディギャン監督の作品です。本作は仏文豪ヴィクトル・ユゴーの長篇詩「哀れな人々」から着想されたそうです。

 マルセイユで造船会社の労働組合の委員長として働くミシェル・マルトロン(ジャン=ピエール・ダルッサン)とその妻マリ=クレール(アリアンヌ・アスカリッド、ケディギャン監督の妻)の回りで起きる出来事を描いています。不景気により、ミシェルがクジ引きでリストラされる社員を選ぶジーンから映画は始まります。ミシェルは自分のクジも引き当て自分自身もリストラしてしまいます。それでも、兄弟と子供と孫に囲まれ、造船所でリストラされた同僚も誘われて、結婚30周年のお祝いが催されます。そこで、夫婦がお祝いにもらったのがキリマンジャロの観えるアフリカへの旅、そして孫たちが歌うのがパスカル・ダネルのシャンソン「キリマンジャロの雪」です。映画の原題"Les neiges du Kilimandjaro"はこの歌の題名からとられとのことです。シャンソンのヒット曲を知らない我々には、その驚きと喜びが少々ピンとこないところもありました。

 マルトロン夫妻が弟夫婦と自宅でカードゲームをしながらくつろいでいたところに強盗が押し入ります。強盗たちはアフリカへの旅行のことも知っていました。ここから本作の重要な展開部に入ります。労働組合の意義、労働組合の欺瞞、失業率の高止まり、世代間の断絶と闘争、親の離婚、親や保護者のいない子供達、等々日本でも問題となっている事柄が次々と提示されます。それでも最後には、社会が本来持つべき意義・機能、助け合いの精神が見事に表現されることになります。それにより、観終わった後の気持ちはとても清々しいのでした。

  • 世代越え 助け合いから 幸せを

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