最近観た映画(2012年12月#10:おだやかな日常)
東京郊外の街で、東日本大震災による福島第一原発事故後、目に見えない放射能の恐怖への対応を巡って考え、行動する二人の若い女性の姿を描いています。何も考えなければ真におだやかな日常なのですが、政府発表の情報が信用できるのか、インターネットに溢れる情報はどこまでが真実か、等々を考え出すと眠れなくなりそうです。二人の行動が周囲の人々の困惑も生み、大人のイジメのような現象も起きます。少々誇張はあると思いますが、実際にあっても不思議ではないことのようにも感じました。
一児の少女の母親サエコを演じている、主役の杉野希妃(きき)は映画プロデューサーでもあり、「アジア・インディーズ映画のミューズ(女神)」とも呼ばれているそうです。ロッテルダム映画祭で知り合った内田伸輝監督から、震災後の2011年6月に本作の企画を持ちかけられ、プロデューサーと主演を兼ねました。イラン出身で最近は日本でも活動しているアミール・ナデリ監督がスペシャル・アドバイザーを務めていることが特筆すべきことでしょうか。本作は日米合作となっています。
震災後に突然離婚を迫るサエコの夫、夫に西への転勤を迫る隣人のユカコ(篠原友紀子)、その夫の雇用主である妙に自信満々な若手起業家社長、マスク着用と屋外活動禁止を幼稚園に迫るサエコ、それに困惑する幼稚園職員達、不安を煽るとサエコを責める同じ幼稚園の母親(夫が電力関係者)、またそれに面と向かって反論できない他の母親、結構現実味がありました。
- 危機の時 自分を信じて 生きられるか
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