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2013年1月の2件の記事

2013年1月18日 (金)

最近観た映画(2013年1月#12:TED テッド)

 この映画で最も多く口から発せられた4文字英単語(four letter word)は何だったと思われますか。それは"fart"だったと思います。ずばり「おなら」、「屁(へ)」という意味です。今米国ではこの言葉を使った下ネタがよく使われているのでしょうか。下腹が張って、つまりおなかにガスが溜まって困っている人が沢山いるということでしょうか。昔から米国のドラッグストアではガス防止用(anti-gas)の薬を結構売っていましたね。

 久々に米国的にハレンチ(破廉恥)でドタバタなコメディを観ることができました。とてもエッチで、下ネタ満載でした。でもどこかに真剣な愛情もあったりして、ほのぼのとした感情もわきました。筆者は1980年代に流行った学園ハレンチ・ドタバタ映画が好きだったことを思い出して、とても懐かしく感じました。その頃の米国の大学では、よくストリーキング(裸で外を走ること)をやっていました。

 本作では、主人公を大人になれない35歳のジョン・ベネット(マーク・ウォールバーグ)としていることから、学生気分がまだ抜けないこともテーマにしているようです。幼いジョンのクリスマスの願いにより命を吹き込まれたテディベアーのテッドが、ジョンと27年間付き合った末にキャラがオヤジになっているところが新鮮です。なぜかジョンには一流企業に勤める浅黒美人の恋人ロリー・コリンズ(ミラ・クニス)がおります。ロリーのアパートにジョンもテッドも同居しているのが、これまた面白い設定です。二人とぬいぐるみ、3者のすれ違いがドタバタコメディとして描かれています。

 それでも、どうしても最後は米国流ハッピーエンドになります。プロローグとエピローグがおとぎ話風なのが、またイカしてる感じでした。しかし、ロリーのしつこい上司がガスが溜まりすぎて爆発して死んだというから、エピローグまでバカバカしいのでした。1時間と46分間よく笑えました。監督、脚本、製作、そしてテッドの声までも担当しているのが、全米で有名なセス・マクファーレンです。彼は、来る2月24日に開催予定の第85回米国アカデミー賞授賞式では司会(MC)を務めることになっているそうです。

  • 下ネタの とどまるを知らず 爆発す

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2013年1月 8日 (火)

最近観た映画(2013年1月#5:駆ける少年)

 イラン出身の巨匠アミール・ナデリ監督が1985年に監督・脚本を兼ねて創った作品(イラン映画)です。その年にナント三大陸映画祭でグランプリを獲得しています。上映前にナデル監督自身がご挨拶をされました。本作はペルシャ湾岸のアバダンで生まれた監督の少年時代の経験が基になっているそうです。彼は日本が大好きで、日本の三人の映画監督から大いに学んだそうです。それは、黒澤明、小津安二郎、そして溝口健二の三人ですが、溝口監督の作品から最も影響されるところが多かったとのことです。

 映画は全編にわたりとにかく駆け、走りまくり、躍動する少年達であふれています。1970年代初頭、港町の廃船に住み、ビン拾いや靴磨きで生計を立てる11歳の少年アミルが主人公です。名前からして明らかにナデル監督の分身のように思えます。少年達はとにかく前に向かって走り、生きていくのですが、ある時アミルは自分が読み書きできないことに気が付きます。そして、教育を受けることを決心します。

 本作は12歳まで正式な教育を受けていないナデル監督自身の自伝のようにも感じられます。ナデル監督は12歳でテヘランへ旅立ち、非常な苦労を味わいながら、ついには映画監督となるのです。そして、夢だった米国での映画制作を果たし、今は大好きな日本でも活動をしています。一昨年には西島秀俊を起用して、映画愛にあふれた作品「CUT」を製作しました。

 観客との交流を大事にする監督は、どうやら毎日上映館に詰めているようです。上映前のロビーで監督から入場券にサインをしていただきました。写真がそうですが、右から書いていましたのでペルシャ語で書いてくれたのではないかと思います。前述した映画「CUT」のタイトルも右下にあります。本当はプログラムを買ってその上にサインをしていただくのでしょうが、あいにく筆者にはプログラムを買う習慣がないので勘弁して下さい。

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  • 生きるとは 駆け続けること 明日に向け

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