最近観た映画(2013年2月#11:ゼロ・ダーク・サーティ)
正直に言って、こんな映画は初めてだったかもしれません。2時間半を越える長尺にもかかわらず、次に何が起こるかという緊張が続き、一睡どころかまぶたを閉じることもできない状態でした。夕食時にグラス1杯の生ビールと300mlの冷酒を飲んだ後でもあるのにですから、なおさらです。直前に観た映画「ダイ・ハード ラスト・ディ」では、話が単調なのでところどころ記憶がありません。これとは大違いでした。
パキスタンのアボッターバードにあった、オサマ・ビンラデンのアジトを突き止め、ネービー・シールズの部隊が強襲し、彼を殺害したのが、もう2年前の2011年5月2日でした。2001年9月11日のアメリカ同時多発テロから10年目でした。諜報戦も含めた米国の底力を感じました。さらに、米国ではこういう映画を作ることができるという、表現の自由のレベルにも感心しました。
ジェシカ・チャステインが扮する、能力の高いCIA情報分析官マヤは、いかにも現実にいそうでやや興奮しました。多分実在の人物と似た女優を使っているのでしょう。彼女と彼女の同僚達は、テロリストのビンラデンを10年間も追い続けたのです。途中ロンドン等で何度もテロが発生し、ついにはマヤは米軍基地で仲の良い同僚女性を失います。
ビンラデンのアジトらしきものを発見してから、強襲するまで約200日あったとは、また新たな驚きでした。イランの大量破壊兵器に関する失敗が明らかにCIAのトラウマになっていたようです。とにかくビンラデンの姿を確認することを、上層部から要求されたのです。マヤが100%ビンラデンがいると主張し続けたので、強襲することになりました。
シールズ部隊による強襲シーンは、ヨルダンに造ったセットとともに、とてもリアルでした。ビンラデンを殺害した後、彼の死体とともに、あらゆる資料とハードディスクが回収されました。当然と言えば当然ですが、抜かりのない行動だと思いました。テロの首謀者の殺害よりも、これら情報回収がテロリスト達の弱体化に大いに役立つと考えました。
「ハートロッカー」で一緒にアカデミー賞作品賞、監督賞、脚本賞等6部門を受賞した、キャスリン・ビグローが監督し、マーク・ボールが脚本を担当しています。本作は今年の第85回アカデミー賞で作品賞、主演女優賞、脚本賞等5部門にノミネートされています。原題も同じ"Zero Dark Thirty"で、強襲を行った時間(午前0時30分)を意味するようです。
- 執念の 諜報作戦 今ここに
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