最近観た映画(2013年2月#17:先祖になる)
3月9日付朝日新聞のコラム「ひと」でも紹介された池谷(イケヤ)薫監督(54歳)が、77歳の頑固老人・佐藤直志さんの1年半を追ったドキュメンタリー映画です。太古の昔から、このような人が集落の基礎を作ってきたのではないかと思わされました。2011年3月11日に発生した東日本大震災の39日後、津波ですべての物がすっかり流された岩手県陸前高田市気仙町荒町地区の映像で始まります。
2階まで浸水したが流されなかった自宅に留まる佐藤さんは、半農半林と言います。奥さんと息子の嫁さんも避難所に移らずしばらく一緒に住んでいます。毎朝やはり流されずにすんだ高台にある寺のお堂に向かってメガホンで「おはよう」と声をかけます。息子は地元の消防団副団長として人命救助に当たっている時に、津波に流されて亡くなりました。
佐藤直志さんの夢は、いつしか朝日の当たる自宅を同じ場所に再建することに固まります。一人だけ自宅に残り、超人のように、水田を耕し稲作を続ける、ソバを蒔く、そして山に入り自宅再建用の材木を伐採します。町の人々は力を合わせ、地元の喧嘩七夕の山車を一台完成させ、震災後最初の夏に繰り出します。翌年(昨年)の夏には2台となり、2台によるぶつかり合いができるようになりました。そして、1年半後にはついに佐藤直志さんの自宅が完成し、家族郎党一同が集合します。
- 人間の 気合に ただただ 眼を凝らす
(注)実際は本記事の日付より後に記事を書きましたので、3月9日付朝日新聞の記事を引用させていただきました。
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