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2013年3月の4件の記事

2013年3月30日 (土)

最近観た映画(2013年3月#19:恋する輪廻 オーム・シャンティ・オーム)

 期待に違わず、歌と踊りが満載の楽しいインド映画でした。3時間近い作品ですが、スピーディな展開に全く飽きずに最後まで充分に楽しむことができました。2007年製作のインド映画ですが、日本では初公開になるそうです。ムンバイ(旧ボンベイ)の撮影所で撮られたボリウッド映画で、キング・オブ・ボリウッドことシャー・ルク・カーンが主演しています。

 物語はオームとシャンティの、1970年代と2000年代という30年間を挟んだ輪廻を扱っています。オームをシャー・ルクが演じ、シャンティブリヤ(後に、サンディ)を2007年当時新人だったディーピカー・パードゥコーンが演じています。ヒロインは実に美しく、可愛い感じでした。インドは人口が多いので、ビックリするような美女も多いのだろうと勝手に想像しました。でも、彼女のヒップは私には偉大すぎるかな…。

 監督は、最近はシャー・ルクとしか映画を撮っていないという女流監督のファラー・カーンでした。本作にも冒頭に観客の一人として出演しています。彼女の次回作「Happy New Year」もシャー・ルクと製作中とのことです。原題は"Om Shanti Om"(オーム・シャンティ・オーム)で、ヒンドゥー語の祈りの言葉「オーム・シャンティ」と二人のオームとシャンティの物語という意味をかけているそうです。

  • ボリウッド 歌と踊りに 時忘れ

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2013年3月19日 (火)

最近観た映画(2013年3月#13:インターミッション)

 銀座三原橋にある映画館「銀座シネパトス」は今月末に閉館します。それを惜しんで、本来は映画評論家である樋口尚文監督が初商業映画として本作を製作しました。とても不思議な感じがしたのは、撮影されたロケ現場の映画館でその映画を観ていたということでした。今座っている劇場そのものが、スクリーンに映っているのでした。また、同じ地下にある居酒屋の三原や一柳も実名で登場して参ります。

 樋口監督の呼びかけで、本当に沢山の俳優が手弁当で協力してくれたそうです。主人公の映画館支配人のクミコに秋吉久美子、そしてその物凄く若い夫ショウタに染谷将太が扮しました。映画館の観客には、香川京子、小山明子、水野久美、竹中直人、佐野史郎等、現役の名優達が集合しました。

 内容はタイトル「インターミッション」が暗示するように、映画上映の間の休憩時間に起きる様々出来事を描いております。最初はどうかなと思いましたが、それぞれのショートストーリーはとてもよく練られており、漫才を観ているようでした。休憩時間の後に上映する映画も明示されていました。休憩時間の出来事はそれら上映される映画のオマージュになっているのではないかとも感じました。

  • 消えゆくは 昭和の馨り シネパトス

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2013年3月13日 (水)

最近観た映画(2013年3月#10:野蛮なやつら SAVAGES)

 現代最高の犯罪小説家の一人であるドン・ウィンズロウによるベストセラー小説「野蛮なやつら」を原作とする映画です。監督はオリバー・ストーンで、新たなクライム・ストーリーの系譜を目指したようです。原作者ウィンズロウも脚本に参加しており、1969年の映画「明日に向かって撃て」を明らかに意識しているものと思われます。

 「明日に向かって撃て」では、ブッチ・キャシディ(ポール・ニューマン)、サンダンス・キッド(ロバート・レッドフォード)とエッタ・プレース(キャサリン・ロス)の3人の友情と愛が描かれます。本作では、チョン(テイラー・キッチュ)、ベン(アーロン・テイラー・ジョンソン)とオフィーリア O(ブレイク・ライブリー)の3人になります。当然ながら、チョンとオフィーリアそしてベンとオフィーリアの間には肉体関係があり、それがあからさまに描かれています。

 3人の商売は良質の大麻を室内で育成して、組織を通して売ることです。それで大富豪になり、カリフォルニア州オレンジ郡の高級リゾート・ラグーナ・ビーチで暮らしています。そこにメキシコの麻薬組織バハ・カルテルが魔手を伸ばしてきます。いろいろな場面で、悪徳麻薬取締官デニス・ケイン(太ったジョン・トラボルタ)が鍵になる役割を果たします。

  • 映画だけの 中にある 世界 覗き観る

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2013年3月 3日 (日)

最近観た映画(2013年3月#1:ジャンゴ 繋がれざる者)

 クエンティン・タランティーノ監督による真に痛快なマカロニ・ウエスタン・コメディでした。今年一番の傑作といってもいいと思いました。米国の恥部の一つである奴隷制度への強烈なアンチテーゼ、馬に乗るガンマンの黒人が主人公というとても特別な設定、米国南部ではありえないドイツ系歯科医の賞金稼ぎ等々、新鮮でユニークで面白い場面の連続に胸がわくわくしました。スピルバーグ監督のやはり反奴隷制度の映画「リンカーン」とともに、今年の第85回アカデミー賞の2冠ずつを獲得しました。

 ストーリーはとにかく荒唐無稽でした。アカデミー賞助演男優賞を獲得したクリストフ・ヴァルツがドイツ系歯科医の賞金稼ぎDr.キング・シュルツを演じます。映画は、彼が賞金稼ぎの情報獲得のために奴隷のジャンゴ(ジェイミー・フォックス)を救い出すところから始まります。Dr.シュルツの指導・教育により、ジャンゴは馬に乗る黒人のガンマンで賞金稼ぎに成長します。ジャンゴが指名手配犯の白人たちを痛めつけるシーンでは、米国の黒人観客達が拍手喝采を送ったそうです。二人はジャンゴの妻を捜すためにミシシッピ州南部の大プランテーションにたどり着きます。そこのオーナーがムッシュ・キャンディで、レオナルド・ディカプリオが初の悪役を熱演しています。黒人の執事スティーブン(サミュエル・L・ジャクソン)は実は黒人の最大の敵でした。

 終盤はタランティーノ監督らしい撃合い、殺し合いの激しいアクション、しかし少し人が死に過ぎる感じがしました。主人公ジャンゴが不死身に観えてくるのは、ブルース・ウィリスかリーアム・ニーソンかジェイソン・ステイサムのようにも思えました。エンドロールの後に3人の自由な黒人たちが登場しますが、これこそ繋がれざる者(Unchained)でしょうか。原題は"Django Unchained"で、私なら「ジャンゴ 鎖から放たれて」と訳します。2時間45分の長尺ですが、最後まで興味は尽きませんでした。

  • 奴隷制 今でも続く 痛みかな

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