12月上旬(1日~10日)に観た劇場映画
12月上旬(1日~10日)は、11本の劇場映画を観ました。今月は3回に分けてレポートすることにしました。
▼裁かれるは善人のみ(露) ⇒ロシアのフィルム・ノワールのような作品 ロシアでは権力に逆らうと何も思いどおりにならず、まるで専制君主時代のような世の中なのか 原題は"Leviathan"で「全体主義的国家」を意味するらしい
★黄金のアディーレ 名画の帰還(米・英) ⇒戦後はまだまだ終わっていないということを再認識させる、とても優れた作品 ナチスに奪われた名画の奪還のための法廷闘争と、ナチスによるユダヤ人迫害からの米国への脱出を、時間を前後させて描く 結局、ナチスに染まったオーストリアが自国民であるウィーン在住の裕福なユダヤ人家族を迫害・略奪したことに対する贖罪が名画の帰還か ヘレン・ミレンがオーストリアから米国に逃れた難民米国人マリア・アルトマンを熱演し、クリムトが描いた叔母のアディーレの肖像画「黄金のアディーレ」を取り戻そうとする 鑑賞後の感想としては、日本の中国や韓国への贖罪もまだ終わっていないのではないか… 原題は"Woman in Gold"で直訳すると「黄金の女性」だが、これはヒロインのマリアのことも意味しているのか
・エール!(仏) ⇒本人以外は聴覚障害者である家族で育った高校生ヒロインのポーラが歌手を目指す 原題は"La famille Belier"で「牡羊座の家族」とは何か
・ハンガー・ゲーム FINAL:レボリューション ⇒確か本シリーズ4作目だったかと思うが、それらの中では一番分かりいいと感じた しかしその分、訳が分からないが作品を魅力的にしている要素は減ったか とにかくジェニファー・ローレンスのファンにはたまらない作品らしい 原題は"The Hunger Games: Mockingjay - Part 2" 映画では、"Mockingjay"は革命のシンボルであり「マネシカケス」と訳されている すぐには翻訳の意味が分からないが、「モノマネする、又はからかう(mocking)」「カケス(jay)」ということらしい
・放浪の画家ピロスマニ(グルジア:ジョージア) ⇒1969年当時ソ連の一部だったグルジア(ジョージア)の作品 グルジアを代表する画家ニコ・ピロスマニの半生を描く 「FOUJITA」でもそうだったが、芸術家は直感的で論理的ではないので、映画は論理的には分かりにくいが、単純に映像を楽しむものか また、小生にはグルジアの人々の顔を見分けるのがやや難しかった デジタルリマスター版なので映像はやや不自然に鮮やか 原題も"Pirosmani"
・さようなら ⇒本物のアンドロイドが映画出演した初めての作品か テーマは分かりやすそうで分かりにくかった どこでロケしたのか(那須高原あたりか)分からないが、枯草に覆われた荒涼とした風景の中に一軒家がある映像は終末的で美しかった
▼グリーン・インフェルノ(米・チリ) ⇒カニバリズムを追及した残酷作品だが、マニアの間ではかなり話題になっているようだ 映像的には園子温監督の「冷たい熱帯魚」を思い出した 前半は非政府活動の欺瞞を真面目に描いているが、後半はカニバリズムの映像一色になり、この落差も見物か そろそろ消化不良で食傷気味になりそうなところでエンディングになるが、最後の証言も何と欺瞞に満ちていることか…
▼007 スペクター ⇒冒頭のメキシコシティーの死の祭から始まって、次々と目が離せない展開に それにしても劇場は満員で、やはりさすが「007」か 前作からもう3年目、第24作目の「007」シリーズ いつから「007」シリーズはハリウッドの作品になったのだったか だが2時間半は長すぎないか ダニエル・クレイグとレア・セドゥーが小生の好みの役者に代わってくれたら… 原題は"Spectre"で、意味は「 幽霊, 亡霊 (ghost); こわいもの, 恐ろしいもの」らしい 映画ではSPE(特殊執行機関=Special
Executive)、C(敵スパイへの防諜工作=Counter-Intelligence)、T(テロ=Terrorism)、R(復
讐=Revenge)、E(強奪=Extortion)の頭文字を合成した架空の国際犯罪組織として描かれているとのこと
・起終点駅 ターミナル ⇒北海道の釧路在住の直木賞作家桜木紫乃の小説を映画化 彼女の小説は嫌いではない しかし、本作では、主人公鷲田完治(佐藤浩市)の学生時代の恋人冴子(尾野真千子)が、なぜ完治の司法試験合格直前に去ったのか、また北海道で再会し幸せの絶頂だった時になぜ… これらが気になって後を引いた
▼愛を語れば変態ですか ⇒「浮気」を「愛」と言い換えただけでこんなに会話が弾むなんて まるで舞台の不条理劇のよう 話が進むにつれてだんだん馬鹿馬鹿しさが強烈になって、面白かった
▼コードネーム U.N.C.L.E. ⇒昔テレビの深夜放送でドキドキしながら観た「0011ナポレオン・ソロ」を思い出しながら劇場へ 昔のテレビ番組より垢抜けていてスマートだった 意外にも劇場では女性の観客が多かった 1960年代の米ソ冷戦時代の話なので、旧型の車が走り回り、携帯電話もなく、登場人物も米ソと第3極だけと、分かりやすかった 娯楽映画としては成功と思うが、イスタンブールを舞台とした続編を本当に創るつもりか 原題は"The Man from U.N.C.L.E." U.N.C.L.E.は、ナポレオン・ソロが属する組織"The United Network Command for Law and Enforcement"の略らしい
(注)★はお薦め、▼は特定のマニア向け作品 製作国の表示がないものは米国か日本の作品
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