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2016年5月10日 (火)

5月上旬(1日~10日)に観た劇場映画

5月上旬(1日~10日)は、10本の劇場映画を観ました。質の高い作品が増えているような気がします。

▼スキャナー 記憶のカケラをよむ男 ⇒超能力・サイコパス・サスペンス作品だが、キャラクターの創り方やストーリーの組み立て方が秀逸 「ALWAYS 三丁目の夕日」や「探偵はBARにいる」を担当した脚本家・古沢良太によるオリジナル作品らしい 後からああそうかと思ったり、ハッとさせられたりする場面が結構多かった 野村萬斎も熱演
・太陽 ⇒2011年に劇団「イキウメ」により上演された同名舞台の映画化 「イキウメ」は劇作家・演出家の前川知大が2003年に結成 本作も一種の不条理劇なのだろうか 分かったような分からないような感じだった 入江悠監督作では、「SRサイタマノラッパー」の方が面白かった
★オマールの壁(パレスチナ) ⇒究極のフィルム・ノワールだと思った まず命がけで壁を超えなければ恋人にも会いに行けないというイスラエルのパレスチナ自治区(ヨルダン川西岸地区)の日常に驚く 次に反イスラエル分子をあぶり出すために、イスラエルの統治機構が操る協力者、密告者、スパイ等が身近に沢山存在するらしい こういうところでは何を信じて生きて行けばいいのか分からないだろう プロットも二転三転、何度も裏切られ心に刺さる ラスト・シーンも衝撃的で、パレスチナの人々の怨念がこもっているようだ 原題は単純に主人公の名前で"Omar"
・緑はよみがえる(伊) ⇒少し期待と違うなと感じた 第一次世界大戦ではイタリアは連合国側として参戦し、アルプスではオーストリアと戦った オーストリアに攻め込まれアジアーゴ高原で塹壕戦となったが、本作はその一夜の様子を描く 雪におおわれたアルプスとその上に浮かぶ月は美しい 原題は"Torneranno i prati"(伊語)で、グーグルで英訳すると"They will return the meadows"、和訳すると「牧草地を元に戻す」という感じか
▼アイアムアヒーロー ⇒日本映画には珍しいゾンビ・ホラー物 これも人気コミックの実写映画化 主人公(ヒーロー)も冴えない漫画家(アシスタント)の鈴木英雄(大泉洋) そして有村架純と長澤まさみが華を添える それにしても、英雄はいったい何人のZQN(ゾキュン=ゾンビ)の頭を吹き飛ばしたのか これはまるでクエンティン・タランティーノ監督の世界か クライマックスの巨大モールでの戦いは韓国でロケされたそうだ SFX・VFXは韓国の技術の方が進んでいるのかもしれない

▼グランド・フィナーレ(伊・仏・スイス・英) ⇒映画界の大スター達が出演し、その舞台裏を垣間見せている 老境あるいは引退に差し掛かった音楽家や映画監督がスイスの高級リゾートホテルで過ごす話をオムニバス風に演出 これもホテルを舞台にした一種の群像劇か とはいえ結構ハッとするシーンもある 原題は"Youth"=「若さ、青春」で、邦題の「グランド・フィナーレ」とは見方が逆か 一流の音楽家達が出演した最後の演奏は素晴らしかった
・のぞきめ ⇒定番の日本の伝説を基にしたホラー話はそれなりに面白かった 主演の板野友美がやや力不足か
・華魂 幻影 ⇒最近のこういう作品も芸術性が高まってきているなという感じがした エロなのだが余りエロらしく感じないのはなぜだろうか 世界最大の花ラフレシアが作品のシンボルで、閉館か閉館間際のピンク映画館(上野オークラ劇場や飯田橋くらら劇場)でロケしたらしい
・カルテル・ランド(墨・米) ⇒今年公開された映画「ボーダーライン」が扱ったメキシコ麻薬戦争に正面から取り組んだドキュメンタリー作品 悪貨は良貨を駆逐するような、最初から少し予定調和的だったのが残念 「麻薬が身体に悪いことは分かっていても、貧しいから麻薬を製造して需要のある米国に売り生きていく」では悲しすぎないか 原題も"Cartel Land"
・山河 ノスタルジア(中・日・仏) ⇒1999年、2014年、そして未来の2025年と、3つの時代に分けてオムニバス風に描く これもやや予定調和的なのが気になる 原題は、中国語で「山河故人」、英語で"Mountains May Depart"、あえて和訳すると「山河も(人も)変容する」か

(注)★はお薦め、▼は特定のマニア向け作品 製作国の表示がないものは米国か日本の作品

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» 「カルテル・ランド」 [ここなつ映画レビュー]
メキシコでは年間1万7000人もの人々が、麻薬絡みで殺害されているという。この麻薬戦争のただ中、麻薬カルテルに汚染された地域を、カルテルに対抗して組織された自警団を通して生々しく描く。メキシコシティから1000km超の場所にある、カルテルの根城であるメキシコのミチョアカン州と、ボーダー(国境)近くでカルテルの流入が蔓延しているアメリカのアリゾナ国境地帯とで活動する自警団を各々の視点から描いている。ミチョアカン州の自警団は、カルテル「テンプル騎士団」によって家族や財産を町ごと奪われた人々の手に町を奪い... [続きを読む]

受信: 2016年5月26日 (木) 午後 01時02分

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