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2016年5月の3件の記事

2016年5月31日 (火)

5月下旬(21日~31日)に観た劇場映画

5月下旬(21日~31日)は、10本の劇場映画を観ました。少しヒネリを効かせた、変わっていて面白い作品が多かったように思います。

▼追撃者 ⇒巷の評判は余り芳しくないが、砂漠サスペンス作品として筆者には面白かった マイケル・ダグラスが富豪ビジネスマンのとても嫌な奴を熱演し、まるで「ウォール街」のゲッコーのよう 沙漠での人間狩りの合間に、そこでの暮しが少し垣間見られた 原題は"Beyond the Reach"で、翻訳すると「未踏の地」、舞台となった米国南西部のモハーベ沙漠を指すものと思われる
・園子温という生きもの ⇒大島渚監督の次男・新監督が撮った、園子温に関するドキュメンタリー 上映前のトークショーで園と大島の両監督本人が登場 園夫人の神楽坂恵も観客席から飛入り 園監督はやはり河瀬直美と是枝裕和の両監督を意識していた
・ファブリックの女王(フィンランド) ⇒マリメッコの女性創業者アルミ・ラティアの伝記ドラマ マリメッコがフィンラド発とは知らなかった 劇中劇を使った凝った構成 原題は"Armi elaa!"(フィンランド語)="Armi live!"(英語)
・君がくれたグッドライフ(独) ⇒不治の病に侵されたドイツ青年が、尊厳死の許されているベルギーへ仲間とともに自転車旅行として向かう話 盛り上げ方は上手だが、死に近いALS患者がドイツからベルギーまで自転車で走るのは少し無理筋か 原題は"Hin und weg"(独語)=「そこへ往こう」か
・シビル・ウォー キャプテン・アメリカ ⇒超人が10数人も登場するし、また彼ら・彼女らが二派に分かれて戦うので、何が何やら ここでもDCコミックスとマーベル・コミックの競争か 原題は、邦題とフレーズの順序が逆だが、"Captain America: Civil War"

▼素敵なサプライズ ブリュッセルの奇妙な代理店(蘭) ⇒こんな商売が本当にあったら面白いだろうなと思わせるファンタジーもの 尊厳死が認められている製作国オランダそして本作舞台のベルギーらしい作品 観客の目を少しずつ裏切る設定も面白い 原題は"De Surprise"(蘭語)="The Surprise"(英語)
★海よりもまだ深く ⇒是枝裕和監督の作品の中では、本作が一番好ましく感じた 樹木希林が醸し出す、コミカルだが真剣なペーソスに感動 タイトルは、作品中にラジオのリクエスト番組として流されるが、ヒットした女性歌手の唄の歌詞の一節 団地のロケは、筆者の自宅に近い、清瀬市の旭ヶ丘団地にて行われたようだ 西武池袋線の電車や志木街道の風景も登場
・神様メール(ベルギー・仏・ルクセンブルグ) ⇒原題は"Le tout nouveau testament"(仏語)=The Brand New Testament"(英語)=「完全新版聖書」 原題にあるように本作は聖書のパロディ アダムとイブの話から始まった
▼ヒメアノール ⇒人気コミックが原作 冒頭は若者のラブ・コメディで始まるが、高校時代のイジメの話が絡まり、次々と人を殺す殺人鬼サスペンスものに転換 その変化が面白いが、終盤の観客を巻込む恐怖感も一流 ヒメノアールとはトカゲの一種らしい
・オオカミ少女と黒王子 ⇒人気少女コミックの映画化 二階堂ふみと山崎賢人が共演 渋谷のパルコ前での出会いから、二人の契約関係がユニーク 高校のロケでは東福岡を使い、江の島や神戸市の南京町でもロケ

(注)★はお薦め、▼は特定のマニア向け作品 製作国の表示がないものは米国か日本の作品

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2016年5月20日 (金)

5月中旬(11日~20日)に観た劇場映画

5月中旬(11日~20日)は、10本の劇場映画を観ました。劇場が混んでいる作品と空いている作品と二極化しているように感じます。

・レヴェナント 蘇えりし者 ⇒今年の第88回アカデミー賞主演男優賞を獲得したレオナルド・ディカプリオの演技は見物 土の中、水の中、雪の中で奮闘 ストーリーは単純で、北米先住民を悪者・敵にするのはもういいかげんにした方が アレハンドロ・G・イニャリトゥ監督は昨年に続いて2年連続のアカデミー賞監督賞受賞 原題は"The Revenant"=「亡霊」
▼追憶の森 ⇒ガス・バン・サント監督の作品だが、いつものとおり一筋縄にはいかない 結局本作は生きることの示唆に富み、監督の死生観が発現か 主演のマシュー・マコノヒーは、「ダラス・バイヤーズクラブ」のような動きのある役もいいが、本作のような静かな演技もいい
▼ヒーローマニア 生活 ⇒こういうバカバカしい作品が好きだ これもコミックが原作で、強そうじゃない奴が活躍する、ファンタジー・アクション・コメディ 小松菜奈もそれなりに存在感
▼64-ロクヨン-前編 ⇒原作小説は長くて読みかけで置いてあるが、本作は期待よりも展開がスムーズで心地よかった 俳優陣が優れていて、後編も期待できる
▼ヴィクトリア(独) ⇒これが本当に140分間ワンカットで撮影した作品なのか 当然一幕の舞台のような緊張感の漂うものになっている ベルリンでまだ暗い午前4時ころから撮影を開始し、夜が明ける頃に物語が終わるので、時間的には符合している 一種のフィルム・ノワールだと思うが、そうするとファム・ファタールは主人公のビィクトリアになるが… 原題も"Victoria"

・世界から猫が消えたなら ⇒ベストセラー小説の映画化 ファンタジーの内容はまずまず 函館や小樽など、故郷北海道の風景が登場するので好感度アップ まず商売道具だった電話が消えたのには参った
・名探偵コナン2016 純黒の悪夢 ⇒映画ランキング上位に位置付けられていたアニメ作品2本を観ることにした まずコナンだったが、冒頭のカーチェイス・シーンで力を使い果たしたような感じがした
▼ズートピア ⇒動物だから肉食と草食があり、体の極端な大小もある その辺をうまく取り入れて、動物たちの擬人的な社会を描くファンタジー・アニメ 主題は、体の小さなバニー(ウサギ)婦警が、いろいろな困難を乗り越えていく成長物語 アメリカの警官物は面白い 肉食動物が"predator"で、草食動物が"prey"だということは改めて学んだ 原題も"Zootopia"
・殿、利息でござる! ⇒18世紀江戸時代の仙台藩で実際にあった話を映画化 俳優陣が豪華で、松田龍平がややチョイ役で出演しているのが気になった
▼HK変態仮面 アブノーマル・クライシス ⇒「変態仮面」の2作目 コミックの実写化で、ここまでやれるのかと妙に感心 前回も思ったがパンティをあのようにかぶるのは珍しいのでは また、改めて「オイナリアタック?」に感動

(注)★はお薦め、▼は特定のマニア向け作品 製作国の表示がないものは米国か日本の作品

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2016年5月10日 (火)

5月上旬(1日~10日)に観た劇場映画

5月上旬(1日~10日)は、10本の劇場映画を観ました。質の高い作品が増えているような気がします。

▼スキャナー 記憶のカケラをよむ男 ⇒超能力・サイコパス・サスペンス作品だが、キャラクターの創り方やストーリーの組み立て方が秀逸 「ALWAYS 三丁目の夕日」や「探偵はBARにいる」を担当した脚本家・古沢良太によるオリジナル作品らしい 後からああそうかと思ったり、ハッとさせられたりする場面が結構多かった 野村萬斎も熱演
・太陽 ⇒2011年に劇団「イキウメ」により上演された同名舞台の映画化 「イキウメ」は劇作家・演出家の前川知大が2003年に結成 本作も一種の不条理劇なのだろうか 分かったような分からないような感じだった 入江悠監督作では、「SRサイタマノラッパー」の方が面白かった
★オマールの壁(パレスチナ) ⇒究極のフィルム・ノワールだと思った まず命がけで壁を超えなければ恋人にも会いに行けないというイスラエルのパレスチナ自治区(ヨルダン川西岸地区)の日常に驚く 次に反イスラエル分子をあぶり出すために、イスラエルの統治機構が操る協力者、密告者、スパイ等が身近に沢山存在するらしい こういうところでは何を信じて生きて行けばいいのか分からないだろう プロットも二転三転、何度も裏切られ心に刺さる ラスト・シーンも衝撃的で、パレスチナの人々の怨念がこもっているようだ 原題は単純に主人公の名前で"Omar"
・緑はよみがえる(伊) ⇒少し期待と違うなと感じた 第一次世界大戦ではイタリアは連合国側として参戦し、アルプスではオーストリアと戦った オーストリアに攻め込まれアジアーゴ高原で塹壕戦となったが、本作はその一夜の様子を描く 雪におおわれたアルプスとその上に浮かぶ月は美しい 原題は"Torneranno i prati"(伊語)で、グーグルで英訳すると"They will return the meadows"、和訳すると「牧草地を元に戻す」という感じか
▼アイアムアヒーロー ⇒日本映画には珍しいゾンビ・ホラー物 これも人気コミックの実写映画化 主人公(ヒーロー)も冴えない漫画家(アシスタント)の鈴木英雄(大泉洋) そして有村架純と長澤まさみが華を添える それにしても、英雄はいったい何人のZQN(ゾキュン=ゾンビ)の頭を吹き飛ばしたのか これはまるでクエンティン・タランティーノ監督の世界か クライマックスの巨大モールでの戦いは韓国でロケされたそうだ SFX・VFXは韓国の技術の方が進んでいるのかもしれない

▼グランド・フィナーレ(伊・仏・スイス・英) ⇒映画界の大スター達が出演し、その舞台裏を垣間見せている 老境あるいは引退に差し掛かった音楽家や映画監督がスイスの高級リゾートホテルで過ごす話をオムニバス風に演出 これもホテルを舞台にした一種の群像劇か とはいえ結構ハッとするシーンもある 原題は"Youth"=「若さ、青春」で、邦題の「グランド・フィナーレ」とは見方が逆か 一流の音楽家達が出演した最後の演奏は素晴らしかった
・のぞきめ ⇒定番の日本の伝説を基にしたホラー話はそれなりに面白かった 主演の板野友美がやや力不足か
・華魂 幻影 ⇒最近のこういう作品も芸術性が高まってきているなという感じがした エロなのだが余りエロらしく感じないのはなぜだろうか 世界最大の花ラフレシアが作品のシンボルで、閉館か閉館間際のピンク映画館(上野オークラ劇場や飯田橋くらら劇場)でロケしたらしい
・カルテル・ランド(墨・米) ⇒今年公開された映画「ボーダーライン」が扱ったメキシコ麻薬戦争に正面から取り組んだドキュメンタリー作品 悪貨は良貨を駆逐するような、最初から少し予定調和的だったのが残念 「麻薬が身体に悪いことは分かっていても、貧しいから麻薬を製造して需要のある米国に売り生きていく」では悲しすぎないか 原題も"Cartel Land"
・山河 ノスタルジア(中・日・仏) ⇒1999年、2014年、そして未来の2025年と、3つの時代に分けてオムニバス風に描く これもやや予定調和的なのが気になる 原題は、中国語で「山河故人」、英語で"Mountains May Depart"、あえて和訳すると「山河も(人も)変容する」か

(注)★はお薦め、▼は特定のマニア向け作品 製作国の表示がないものは米国か日本の作品

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