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2016年8月の3件の記事

2016年8月31日 (水)

8月下旬(21日~31日)に観た劇場映画

8月下旬(21日~31日)は、14本の劇場映画を観ました。日本では単館上映も多いですが、フランス映画の人気も復活の兆しがあります。今回は本数が多かったので、ご紹介するのに時間がかかりました。

・めぐりあう日(仏) ⇒前作と同様に本作も監督自身の実体験を基に製作されたらしい 産みの親に会いたいという気持ちはよく分かるが、実際に会ってみると予想と違っていろいろ混乱するのだろうな 本作にはこのあたりが描かれている 原題は"Je vous souhaite d'etre follement aimee"(仏)="I want you to be widely beloved"で、和訳すると「あなたは皆さんに愛されてほしい」位か
・ニュースの真相(豪・米) ⇒米国のCBSイヴニング・ニュースのアンカーマンは、筆者が1回目に在米中(1978-80)はウォルター・クロンカイトだった 2回目の在米中(1987-90)はダン・ラザーに交代していた クロンカイトがラザーを引き上げたようだ 2004年にそのラザーがアンカーマンを辞したのが本作に描かれている事件 今から12年前の2004年の米国大統領選挙は、共和党のジョージ・W・ブッシュ候補(当時の現職大統領)と民主党のジョン・ケリー候補(現国務大臣)が競っていた 民主党寄りといわれるCBSイヴニング・ニュースがブッシュの軍歴詐称をスクープしたのが本作の事件 証拠書類が偽造と追及されたため、CBS社内に内部調査委員会が設置され、番組プロデューサーのメアリー・メイプス(ケイト・ブランシェット)が会社を追われ、ラザー(ロバート・レッドフォード)が辞職 この過程でリスクを恐れず真実を追求する記者魂が発揮される 実際ケリーは何度も負傷したバリバリのベトナム戦争帰還将校だが、ブッシュはテキサス州の州兵だった 現在は州兵も予備役としてアフガニスタン等に海外派兵されているが、当時は安全な米国内勤務だった 兵役義務があるのなら、親が率先して子を州兵にしようとするのも無理ならざる話ではある(本事件ではこれが論点になっている訳ではない) 原題は"Truth"で、すばり「真実」
・秘密 THE TOP SECRET ⇒同名のミステリー・コミックの映画化らしい 死者の脳内に残っているかどうか分からない記憶を読み出すという、相当無理な設定からスタートしている そのためかストーリーが分かりにくく、人間関係もかなり込み入っているので、筆者の脳は付いて行けない
▼ジャングル・ブック ⇒主人公の少年モーグリ以外は全てCGという 動物の毛並み・表情、木の葉一枚一枚、水の流れ等々の映像は、リアル以上にリアルと言えるかも知れない 今後俳優とCGとロボット(AI)の役割分担はどうなるのだろうか 原題も"The Jungle Book"
・X-MEN:アポカリプス ⇒マーベル・コミック原作の作品は、相変わらず筆者には分かりずらい VFXを駆使した、超能力者(ミュータント)同士の闘いは物凄い 原題も"X-Men: Apocalypse" アポカリプスとは黙示録だ

▼奇跡の教室 受け継ぐ者たちへ(仏) ⇒フランスの学校から宗教性を排除する規則に関する、冒頭の議論には驚く しかし、これ程までに多民族化したパリの学校では、ルールを守ることがそれ程重要だと気付く 多様で無気力な高校生達をアウシュビッツについて研究させることで、前向きで一体感のある集団に育て上げた社会科教師の奮闘を描く 原題は"Les heritiers"(仏)で、邦題の副題に当たるが、次世代に何を残すかという大人達への課題を示している
▼ラサへの歩き方 祈りの2400km(中) ⇒チベット仏教の聖地ラサそして聖山カイラス山を目指して、五体投地で巡礼するチベットの人々の驚くべき姿を描くロードムービー 老人、少女も含めた11人の村人達が参加 途中で生と死のドラマも 他者のために祈りながら、シンプルな生活で、ただ歩き続けることが、幸福への道かも知れない 原題は「岡仁波斉 "Paths of the Soul"」 中国語題はよく分からない(多分「慈悲の峰、魂の波」か)が、英題を和訳すると「魂の道」か
・ティエリー・トルグドーの憂鬱(仏) ⇒どこにでもいそうな生活に疲れた中年男の話だが、共感を呼ぶ 失業、職探し、障碍者の高校生の息子、妻とのダンス、新たに得た仕事と失望等々、淡々と描いている 原題は"La loi du marche"(仏)="The law of the market"で、和訳すると「市場の法則」だが、この方が分かりやすい
▼青空エール ⇒ヒロインが札幌の高校生の小野さんと知って、とても他人事とは思えなくなった(涙) 北海道滝川市出身の河原和音(かずね)が別冊マーガレットに連載した同名漫画の映画化 ヒロイン小野つばさ(土屋太鳳)が高校入学直後に吹奏楽部に入部し、初心者としてトランペット演奏に挑む 原作者の叔父と従姉妹は音楽家であり、本作描写にリアル感をもたらしているようだ 札幌白翔高校のモデルは札幌白石高校らしい その吹奏楽部は過去に全国大会で5年連続金賞受賞という輝かしい実績を持つが、野球部はパッとしない 残念ながら、ロケには札幌は使われず、東京等首都圏で撮影された模様
・ダーティ・コップ ⇒ニコラス・ケイジ主演による悪徳警官もの 最後には皆死んでしまうがこれでいいのだろうか 原題は"The Trust"=「信頼」だが…

▼リトル・ボーイ 小さなボクと戦争 ⇒半分子供向けの作品か とても分かりやすく、素直に心を動かされた 太平洋戦争中の米国カリフォルニア州の田舎町における銃後の家族の様子を、子供の視点でコミカルに描く 子供達のイジメ、徴兵検査、日系人差別、宗教と現実、捕虜生活等々、あらゆる話題が登場 広島に落とされた原発リトル・ボーイが戦争を終わらせたという事実はやや不快だが、平和に向けて克服する課題だろう 原題は単に"Little Boy"
・ストリート・オーケストラ(伯) ⇒珍しいブラジル作品 サンパウロのスラム街の子供達に音楽を教える黒人青年ヴァイオリニストの活躍を描く 原題は"Tudo Que Aprendemos Juntos"(葡)="All We Learn Together"=「我々は皆一緒に習い学ぶ」
・ミュータント・ニンジャ・タートルズ 影(シャドウズ) ⇒VFXは雪山をトラックで駆け降りる前作の方が面白かった 4匹のカメにはそれぞれスーツアクターが入っているらしい 悪役シュレッダーはなぜか日本人俳優 原題は"Teenage Mutant Ninja Turtles: Out of the Shadows"で、「影の存在から表の存在になる」という意味が込められている
▼ライト/オフ ⇒これは本格的に怖いホラー作品だった 実話に基づいているらしいが、終始緊張しっぱなしで、目が離せない 原題は"Lights Out"で、「強制的に消灯、あるいは停電」の意味 「自主的に消灯」の感じの邦題よりは適確か

(注)★はお薦め、▼は特定のマニア向け作品 製作国の表示がないものは米国か日本の作品

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2016年8月20日 (土)

8月中旬(11日~20日)に観た劇場映画

8月中旬(11日~20日)は、11本の劇場映画を観ました。夏休み、ブラジル・オリンピック、甲子園の高校野球等々で、寝不足になりながら頑張りました。

・クズとブスとゲス ⇒クラウドファンディングにより奥田庸介監督が脚本と主役も兼ねて製作 まともな仕事のできない人々を描くが、家族の視点や家族への愛情にも丁寧に触れている 深谷市等関東で撮影されたようだ
・ケンとカズ ⇒自動車修理工場を隠れ蓑にした覚醒剤売買に手を染める、幼馴染の若者2人を描く 仕事がないからか、できないからか、ヤクザの手先となり違法の商売に手を染める一方、それぞれ家族の悩みを抱える 千葉県市川市、船橋市、浦安市あたりで撮影されたらしい
・ターザン:REBORN ⇒コンゴにおけるベルギーの植民地政策に関わらされるターザン 英国の介入の手先として使われる英国貴族となっている コンゴは彼の故郷か ターザンに戻った後のVFXは凄い 妻役も熱演し白いドレスが泥水に浸かり黄土色のドレスに変色 ターザンは南北戦争後の米国の支援を受けて、奴隷解放に貢献するのか 原題は"The Legend of Tarzan"=「ターザン伝説」
・ペット ⇒「ミニオンズ」の製作会社が関わった動物もののアニメ 最初は人間と動物(ペット)の関わりを描いていたが、途中から動物世界の擬人化のみに変化 しかし「ズートピア」のレベルまでには届かないか 原題は"The Secret Life of Pets"=「ペットの秘密の生活」
・ラスト・タンゴ(アルゼンチン・独) ⇒アルゼンチン・タンゴの名手でペアでカップルであったマリア・ニエベスとフアン・カルロス・コペスを描いたドキュメンタリー作品 タンゴ・ダンスのみならず二人の愛・嫉妬・裏切り等も描写 原題は"Un tango mas"(西語)で、和訳すると「もっとタンゴを」か

・ヤング・アダルト・ニューヨーク ⇒ニューヨーク市のブルックリン区とマンハッタン区中心のロケ ウッディ・アレン作品のような会話や独白の多いコメディ 原題は"While We're Young"=「我々が若い頃」
▼AMY エイミー(英・米) ⇒2011年に27歳で急逝したエイミー・ワインハウスのことは知らなかった 彼女のドキュメンタリーを観て、少し年上のノラ・ジョーンズを思い浮かべた エイミーはユダヤ系英国人であり、ノラはインド人の父親を持つ米国人 どちらも一度その音楽を聴いたら忘れられなくなる こう言うと語弊があると思うが、ユダヤとインドは音楽の才能においても凄い エイミーは多分統合失調症風な音楽の天才だったのだと思う 原題も"Amy"
▼シング・ストリート 未来へのうた(アイルランド・英・米) ⇒アイルランドの首都ダブリンを舞台とした青春・学園・音楽・恋愛物語 ワン・ディレクションまでにもつながるような透明感のある英国ポップミュージックが素晴らしい バンドをやっていたジョン・カーニー監督の自伝的作品でもあり、主役コナーを演じたフェルディア・ウォルシュ‐ピーロはソプラノ歌手らしい ただマドンナのラフィーナ役のルーシー・ボイトンは、高校生役にしてはやや大人過ぎか 原題は単に"Sing Street"で、舞台のSyng Street高校をもじったものらしい
▼イレブン・ミニッツ(ポーランド・アイルランド) ⇒日経新聞のコラム「シネマ万華鏡」(8月19日付夕刊)で中条省平氏が絶賛する作品 終盤は驚きのシーンが連続するが、それまでのプロセスはやや分かりにくかった ただ、いろいろな撮影機器・角度による映像が登場 ラストのサイネージが徐々に細分化していくシーンで途中から右上部に黒い部分が現れるが、これは何だろうか 原題も"11 minut"(ポーランド語)="11 minutes"(英語)
・ハイ・ライズ(英) ⇒まるで英国の階級社会に対する英国流皮肉・暗喩のように感じた 結構断片的で分かりにくいが、映像は豪華で華麗 現代英国の課題のEU離脱、移民、テロ等について先読みしているようにも見える 原題も"High-Rise" 英国のSF作家J.G.バラードによるテクノロジー三部作の最後の同名小説の映画化

・ロング・トレイル! ⇒これはちょうど1年前の8月に日本で公開された作品「わたしに会うまでの1600キロ」の二番煎じだと思った 「わたしに…」は米国西部のパシフィック・クレスト・トレイル(1600キロ)に挑むが、本作では東部のアパラチアン・トレイル(3500キロ)に挑戦 ともにハッと息をのむ映像がちりばめられている 人間は何かをリセットしたくなった時にはなぜ歩くのだろうか 日本でいうと四国お遍路や社寺巡礼、また街道巡りなどがそれに当たるのだろう 原作本のタイトル"A Walk in the Woods"が本作の原題

(注)★はお薦め、▼は特定のマニア向け作品 製作国の表示がないものは米国か日本の作品

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2016年8月10日 (水)

8月上旬(1日~10日)に観た劇場映画

8月上旬(1日~10日)は、5本の劇場映画を観ました。札幌北高の同窓会に出席したため、札幌でも3本鑑賞しました。

・セトウツミ ⇒高校青春物語+漫才 池松壮亮と菅田将暉という若手有望俳優が共演 原作は漫画で、「まほろ駅前多田便利軒」「さよなら渓谷」の大森立嗣が監督
▼シン・ゴジラ ⇒このシン・ゴジラは制御不能な原発にも観えるし、だんだん人間味を失いつつある追い詰められた人々の心理にも思える 一体どのような明日があるのか 広い空間をとらえた特撮・VFXも秀逸
★トランボ ハリウッドに最も嫌われた男 ⇒ダルトン・トランボという米国の脚本家については何も知らなかった しかし、「ローマの休日」「スパルタカス」「栄光への脱出」「ジョニーは戦場へ行った」「パピヨン」等の作品は知っていた トランボはこれらすべての作品に関わっていた 第二次世界大戦後から1950年代にかけて米国内を席巻した赤狩り運動により投獄までされたトランボが、赤狩り勢力からの抵抗を避けるため、ゴーストライターになったりや偽名を使用したりしていたからだ トランボは1974年に真実を語り名誉を回復した しかし、「ローマの休日」の原案がトランボのものと認定され、1954年第26回アカデミー賞原案賞が彼に妻クレオに改めて授与されたのは1992年のことだった 本作はトランボの苦悩と彼を支え続けた家族の姿を感動的に描く 本作はまた民主主義国家においては大衆運動が時にはいかに誤った結果を生じるかということも示唆 そういう意味で、米国の今年の大統領選も注視したい 原題は単に"Trumbo"
・花芯 ⇒1956年に瀬戸内晴美(現寂聴)が発表した同名小説の映画化 今ではそれほど驚かない話でも当時はかなり衝撃的なものだっただろう
・アンフレンデッド ⇒全編スカイプとフェイスブックによりパソコン上で製作されたホラー作品 現代のネット社会を象徴するような作品 原題は"Unfriended"で、和訳すると「友達リストから削除された者」か

(注)★はお薦め、▼は特定のマニア向け作品 製作国の表示がないものは米国か日本の作品

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