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2017年1月の4件の記事

2017年1月31日 (火)

1月下旬(21日~31日)に観た劇場映画

1月下旬(21日~31日)は、8本の劇場映画を観ました。今年はなかなかペースが上がりません。

・アラビアの女王 愛と宿命の日々(米・モロッコ) ⇒アラビア半島の何もない砂漠の風景は美しいが苛酷 英国女性ガートルード・ベルの半生を描くが、1900年前半のアラブには古き良き伝統と秩序があったらしい 今は様変わりか 原題は"Queen of the Desert"=「砂漠の女王」
▼ザ・コンサルタント ⇒米国のクライム・サスペンス・アクション作品は質が高い 沢山の伏線が敷かれ、後半徐々に種明かしされていくのは見事 「アルゴ」のベン・アフレックと「ピッチ・パーフェクト」の小柄なアナ・ケンドリックスが共演 原題は"The Accountant"=「会計士」なのだが…
・本能寺ホテル ⇒京都を舞台にした映像は綺麗 最近は京都フリークになった筆者にはありがたい もう少しヒネリがほしいような気もした
・この世界の片隅に ⇒同名コミックの映画化 無意味な戦争は無用ということを再認識 戦前の日本では戦地に行って戦死することを余りに美化したため、銃後の人々(特に女性)は悲惨な目に遭った 特に広島は無慈悲な原爆の被害を受けた クラウド・ファンディングにより製作されたため、エンドロールには協力者の名前が延々と 昨年11月12日公開だが、当初は上映館が少なく混んでいたためロングラン3ヶ月目に入って初めて鑑賞
▼スノーデン ⇒2013年に米国NSA(国家安全保障局)のインターネット等を介した国際的・世界的な諜報・監視活動を告発したエドワード・スノーデンの半生の伝記的作品 NSAは外国人のみならず自国米国市民の監視も行っていて大問題となった 米国政府に何かと批判的なオリバー・ストーン監督が製作 昨年上映されたドキュメンタリー作品「シチズンフォー スノーデンの暴露」(米・独)よりも分かりやすかった 原題も"Snowden"

・エリザのために(ルーマニア・仏・ベルギー) ⇒娘エリザが英国の大学に留学して学位を取得することを望み、父親が娘を説得し、悩み、行動する様を描く 併せて民主化後のルーマニア社会の現状を垣間見せる 昨年の第69回カンヌ国際映画祭監督賞受賞作らしい 原題は、"Bacalaureat"="Baccalaureate"=「学士の称号」で、作品のモチーフからはこの方が分かりやすいのでは
・ANTIPORNO アンチポルノ ⇒園子温監督による日活ロマンポルノ復活版 園監督らしいアナーキーというか不条理というか、理解しがたい感じ 劇中劇も随所に配し、監督らしい展開 「女性は自由の奴隷になっている」とか「男性社会で女性は自由を謳歌できていない」とかいう台詞があるが、自覚の問題のような気もする
★未来を花束にして(英) ⇒英国のドキュメンタリー風作品は出来がいいものが多い 本作品は婦人参政権がテーマであり、主要製作陣はすべて女性のようだ 1912年のロンドンで婦人参政権獲得運動が過去50年間の平和的な活動から過激な活動へ転換した様子を描く 一人の女性の命を懸けた行動により当時の国王ジョージ5世にまで訴えが届く(驚愕と涙) 日本の沢山の女性に観てほしいし、獲得した参政権はもっと活用してほしいと思う 原題は"Suffragette"=「婦人参政権論者」

(注)★はお薦め、▼は特定のマニア向け作品 製作国の表示がないものは米国か日本の作品

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2017年1月20日 (金)

1月中旬(11日~20日)に観た劇場映画

1月中旬(11日~20日)は、新年会の合間を縫いながら8本の劇場映画を観ました。戦争や人生の諸問題、生きていくのは大変だなとい気がしました。

▼アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場(英) ⇒英国作品なので余り宣伝されなかった 一昨年同様のテーマの米国作品「ドローン・オブ・ウォー」を観たが、それと同様の衝撃を受けた 今回は敵の室内に侵入して室内の映像を提供する虫のように小さな偵察機(ドローン)も登場 米国の砂漠のコンテナから衛星を介して、映像を見ながら無人攻撃機プディターをコントロールする軍人達、それに情報提供・指揮する英国にいる諜報機関幹部、最終決定を下す英国の大臣達、そして現地の諜報員(スパイ)、それぞれの視点が描かれる 現場の人間は無辜の人々を救おうとするが、後方の幹部達は少々の犠牲はかまわず甚大な被害を食い止めようとする しかし、この攻撃ツールがテロリストの手に渡ったらどうなるのだろうか 首相官邸もホワイト・ハウスも標的になりかねない 原題も"Eye in the Sky"
・バイオハザード ザ・ファイナル ⇒テレビ・ゲームからの派生作品らしく、最初から最後までゲームをやっているようだった 製作費は莫大なのだろうが、やや退屈 求めるのが無理かもしれないが、何の知見もない 原題はいつものとおり"Resident Evil: The Final Chapter"
▼The NET 網に囚われた男(韓) ⇒韓国のキム・ギドク監督のオリジナル作品 韓国の現状がよく分かる とにかく何でも二つに区分したがるようだ 親北朝鮮(脱 北スパイも含む)か反北朝鮮(脱北転向も含む)、左派か右派、反米か親米、反日か親日等々 前者の勢力はすべて北朝鮮がリモコンしているという噂も 当面反日はなくならないか… 原題も"The Net"
・牝猫たち ⇒日活ロマンポルノ復活作 池袋のテラクラで働く女性達を描く いろいろな事情でそうなったのだろうが、フリーターや人妻や子持ち(母子家庭)が登場 笑いが少なくないのが救い
・皆さま、ごきげんよう(仏・ジョージア) ⇒冒頭の「街中で編物をしながら見物する女性達の前で、貴族の首がギロチンで落とされ、その首を少女がエプロンに包んで持ち帰る」シーンに度肝を抜かれた しかし、続くパリの街で繰り広げ らる群像劇は、頭の悪い筆者にはよく分からなかった 原題は"Chant d'hiver" (仏)="Winter Song"=「冬の歌」

▼幸せなひとりぼっち(スウェーデン) ⇒スウェーデンの頑固親父の話かと思って観ていたら、だんだん様相が変わってきた 家族(妻)のために一所懸命に尽 くし、社会の差別と戦ってきた熱血漢の話だった 原題は"En man som heter Ove"(スウェーデン)="A man named Ove"=「オーベという名の男」
・ザ・スクワッド(仏・英) ⇒老けたジャン・レノが主役刑事 ギャング達ととにかくドンパチ ただ見ている分には面白い 原題は"Antigang"=「アンチギャン グ、暴対」
・ネオン・デーモン(仏・米・デンマーク) ⇒バストの小さい、スレンダーな若 い女性が多数登場 嫉妬渦巻くファッション・モデルの世界を描いている 正直観ているだけという感じ 原題は"The Neon Demon"=「ネオンの悪魔」

(注)★はお薦め、▼は特定のマニア向け作品 製作国の表示がないものは米国か日本の作品

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2017年1月10日 (火)

1月上旬(1日~10日)に観た劇場映画

1月上旬(1日~10日)は、5本の劇場映画を観ました。年初としてはこんなものでしょうか。

▼ヒチコック/トリュフォー(仏・米) ⇒「定本 映画術 ヒッチコック/トリュフォー」という本があることは知らなかった フランソワ・トリュフォー監督が、映画術についてアルフレッド・ヒッチコック監督を長時間インタビューし、それをまとめたものだ 映画人になるためには皆熟読しているようだ 本作はこれらインタビューの録画や本の内容、そしてこの本で勉強した大物監督のトーク等で構成したドキュメンタリー 原題も"Hitchcock/Truffaut"
★MERU メルー ⇒知らないことはまだまだ沢山あるものだ ヒマラヤ山脈にメルーという山があることは知らなかった 標高6250mの山で、直下に約450mの岩壁がある その未到の直登ルートをコンラッド・アンカー、ジミー・チン、レナン・オズタークという3人の登山家が、2008年の失敗に負けずに2011年に再挑戦し成功するまでを追ったドキュメンタリー こんな映像を撮れる2台の小型カメラに驚嘆するとともに、再挑戦までの苦悩の人間ドラマにも感動 原題も"Meru"
・RANMARU 神の舌を持つ男 (中略)。 鬼灯デスロード編 ⇒タイトルが長すぎるだけではなく、何がなんだかよく分からなかった 舌で液体の成分を瞬時に分析できることが面白いとは思えなかったが…
・ドント・ブリーズ ⇒暗闇の中で、盲目の元米軍人とコソ泥達が戦うというのは新たな発想 盲目の元軍人は相当に不死身気味だが、ホラー的な要素はなかなか 最後に若い女と姪の女の子はカリフォルニアに向かったのだろうか アムトラックのデトロイト駅から市街に戻ったような気もしたが… 原題も"Don't Breathe"=「息を止めろ、殺せ」
▼ヒトラーの忘れ物(デンマーク・独) ⇒こんな残酷な話があったのか 第二次世界大戦後イギリス軍の指示により、デンマークはデンマーク西海岸に独軍が埋めた地雷撤去作業を敗残独兵にやらせる この事実に基づき本作ではこの作業を14人の独少年兵に担当させる 危険な仕事のため最後には4人になってしまった 目には目をだが、一方で日本は償いきれているのだろうかとも考えた 原題は"Under sandet"(デンマーク)="Under the sand"=「砂の下」

(注)★はお薦め、▼は特定のマニア向け作品 製作国の表示がないものは米国か日本の作品

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2016年に鑑賞し、これはと感じた劇場映画作品

2016年は337本の劇場映画を鑑賞しました。各月独善でこれはと感じた作品を以下にご紹介いたします。

1月…★フランス組曲(英・仏・ベルギー) ⇒ラスト・シーンは泣けた 戦時中人々がギリギリの状態で、ただ生きることだけを考えて行動することに、単純に心を動かされる 60年間眠っていた、アウシュビッツで亡くなったユダヤ人女性作家の小説を映画化 フランスの話なのに終始台詞が英語なのはどうかと思ったが、欧州では吹替が普通らしい 原題もそのまま"Suite Francaise"(「フランス組曲」、仏・英語共通)
2月…★ビハインド・ザ・コーヴ 捕鯨問題の謎に迫る(日) ⇒貯金をすべて使い果たして本作を製作した八木景子さん(上映後舞台挨拶された)に敬意を表する 和歌山県太地町のイルカ漁を、故意の創作も交えて批判的に描いたドキュメンタリー「ザ・コーヴ」(2009年第82回アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞受賞)への反論として、英語ベースで本ドキュメンタリーを製作 シー・シェパードは太地町での活動が資金集めになるから取り組んでいる、日本人は表だって反論しないので批判しやすい、IWCは捕鯨全面禁止を議論してはいない、そもそもニクソン大統領時代にベトナム戦争を環境破壊とスウェーデンに批判された米国が反捕鯨団体に資金提供して日本をスケープゴートにした(米国公式文書発見)、ペリー来日以来米国はずっと日本に辛く当たっている、等々ときたらどう反応すればいいのだろう
3月…★リリーのすべて(英) ⇒1920年代のトランスジェンダーという難しいテーマを、よくここまで美しく深く掘り下げて映画表現できたなと感じた アカデミー賞受賞のトム・フーパー監督とエディ・レッドメインが組んだだけのことはある デンマーク(ロケはベルギー?)、パリ、ドレスデンの美しい風景も見物 主人公アイナ―・ヴェイナー(性転換手術をして、リリー・エルベ)を献身的に支える妻ゲルダを演じたアリシア・ヴィキャンデルが今年のアカデミー賞助演女優賞を受賞 原題は"The Danish Girl"=「デンマーク・ガール」

4月…★スポットライト 世紀のスクープ(米) ⇒2016年の第88回アカデミー賞作品賞と脚本賞を受賞した、実話に基づく作品 カトリック教会の神父たちが犯した少年少女達への性的虐待を、ボストン・グローブ紙のスポットライトというコラムの記者達が追い詰めていく、2001年から2002年にかけての鬼気迫る様を描く 世界中のカトリック教会で本作のような事件が頻発していたなんて 人間の本能は難しいな 原題も"Spotlight"
5月…★オマールの壁(パレスチナ) ⇒究極のフィルム・ノワールだと思った まず命がけで壁を超えなければ恋人にも会いに行けないというイスラエルのパレスチナ自治区(ヨルダン川西岸地区)の日常に驚く 次に反イスラエル分子をあぶり出すために、イスラエルの統治機構が操る協力者、密告者、スパイ等が身近に沢山存在するらしい こういうところでは何を信じて生きて行けばいいのか分からないだろう プロットも二転三転、何度も裏切られ心に刺さる ラスト・シーンも衝撃的で、パレスチナの人々の怨念がこもっているようだ 原題は単純に主人公の名前で"Omar"
6月…★シークレット・アイズ(米) ⇒相当にヒネリを効かせ、練りに練られた脚本だと思う 警察映画ではあるが、人情や組織の縛り等人間臭さを感じさせる とはいえ観ていて分かりにくくはない キウェテル・イジョフォーと2人のオスカー女優ジュリア・ロバーツ、ニコール・キッドマンの息もぴったり 第82回アカデミー外国語映画賞を受賞した2009年のアルゼンチン映画「瞳の奥の秘密」のリメイクらしいが、原題"Secret in Their Eyes"の訳としては元々の方が分かりいいのでは

7月…★日本で一番悪い奴ら(日) ⇒製作が日活で、配給が東映 警察映画だが、久々に痛快な東映ヤクザ作品を観た感じ 違法捜査に明け暮れた、元北海道警・警部の稲葉圭昭の自伝小説「恥さらし 北海道警 悪徳刑事の告白」が原作 これにより警察内部の裏金、違法捜査の数々が明るみに 綾野剛がとにかく熱演 そう言えば、札幌の話なのに冒頭の逮捕シーンはなぜか新宿ゴールデン街がロケ地として使われていた
8月…★トランボ ハリウッドに最も嫌われた男(米) ⇒ダルトン・トランボという米国の脚本家については何も知らなかった しかし、「ローマの休日」「スパルタカス」「栄光への脱出」「ジョニーは戦場へ行った」「パピヨン」等の作品は知っていた トランボはこれらすべての作品に関わっていた 第二次世界大戦後から1950年代にかけて米国内を席巻した赤狩り運動により投獄までされたトランボが、赤狩り勢力からの抵抗を避けるため、ゴーストライターになったりや偽名を使用したりしていたからだ トランボは1974年に真実を語り名誉を回復した しかし、「ローマの休日」の原案がトランボのものと認定され、1954年第26回アカデミー賞原案賞が彼に妻クレオに改めて授与されたのは1992年のことだった 本作はトランボの苦悩と彼を支え続けた家族の姿を感動的に描く 本作はまた民主主義国家においては大衆運動が時にはいかに誤った結果を生じるかということも示唆 そういう意味で、米国の今年の大統領選も注視したい 原題は単に"Trumbo"
9月…★★ハドソン川の奇跡(米) ⇒文句なく最高評価 クリント・イーストウッド監督の構成・展開力、トム・ハンクスの相変わらずの演技力、2009年1月15日に起きた実話であること、フライト・クライシスであること、舞台がニューヨーク・シティであること、とても現実味のあるVFXの使い方、米国らしく公聴会で是非が審議されること、公聴会での副操縦士のウイットに富んだ最後の台詞(これがラストシーン)、集中力が途切れない100分を切る長さであること、米国映画を余りほめない中条省平氏が日経で絶賛していること、等々根拠は沢山 原題は、機長のニックネームである"Sully"=「サリー」
9月(特別)…★ソング・オブ・ラホール(米) ⇒パキスタンのラホールは、ムガル帝国時代には芸術の都で、音楽が盛んだったとは知らなかった イスラム原理主義の軍政とタリバンにより音楽が禁止され、消滅しようとしていた2000年代初期に、パキスタン音楽再興を目指し、ジャズ・ナンバーの「テイク・ファイブ」までにもトライし、ついにはニューヨークのリンカーン・センターでの共演に漕ぎ着けるまでを感動的に描く 特に終盤の演奏の場面は文句なく素晴らしい 原題も"Song of Lahore"

10月…★ザ・ビートルズ EIGHT DAYS A WEEK TheTouring Years(英) ⇒ザ・ビートルズ・ドキュメンタリーの集大成 とにかくジョン・レノンとポール・マッカートニーの音程が正確なのに驚いた 玉置浩二が二人いるようだった 原題も"The Beatles: Eight Days a Week - The Touring Years"
11月…★湯を沸かすほどの熱い愛(日) ⇒宮沢リエを初めていい女だと思った それにしても、こう境遇に恵まれない人たちばかりが集まったのは創作だからか しかし、女の力、母の力は感動的 女の子たち2人も力強く成長 2、3回感涙にむせんだ 栃木県足利市とそこに実在する銭湯がロケ地 タカアシガニを産地で食べるシーンもあるので、西伊豆でもロケか
12月…★海賊とよばれた男(日) ⇒ベストセラーとなった百田尚樹著の同名小説は読んでいないが、2、3年前に話題になった その映画化の本作は様々なエピソードを相当につまみ食いしているものと思うが、戦前・戦中・戦後のストーリーの流れも良く力強い モデルとなった出光興産創業者の出光佐三は明治の男 信念を強く持ったら、それを曲げず突き進む その役を岡田准一が好演 子を授からなかった最初の妻ユキ(綾瀬はるか)のその後について、最終盤に登場するその姪(黒木華)を絡ませたシーンに落涙

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