3月下旬(21日~31日)に観た劇場映画
3月下旬(21日~31日)は、10本の劇場映画を観ました。単館上映でも優れた作品に出逢えました。
・アイヒマンの後継者 ミルグラム博士の恐るべき告発 ⇒社会性、集団性が必須な人間の弱さを証明した実験のドキュメンタリー 誰でもアイヒマンに、ゲシュタポになりうる 原題は"Experimenter"=「実験者}
★私は、ダニエル・ブレイク(英・仏・ベルギー) ⇒英国のケン・ローチ監督は素晴らしい 「ユリカゴから墓場まで」と言われた英国はどこに行ったのだろう 格差社会になってしまった英国で正義感の強い労働者が政府官僚の壁と闘う エンディングは予想どおり 本作でローチ監督は2016年・第69回カンヌ国際映画祭で2度目の最高賞パルムドールを受賞 原題も"I, Daniel Blake"
・アシュラ(韓) ⇒韓国作品では、政治家、官僚、特に検察・警察官僚をワイロにまみれた悪者と描くことが多い 本作でも一くせもふたくせもあるそういう奴らばかり 最後には誰もいなくなったが… 原題は"Asura: The City of Madness"=「アシュラ:狂気の街」
・サラエヴォの銃声(仏・ボスニア・ヘルツェゴビナ) ⇒美しいサラエヴォの街のホテルで繰り広げられる群像劇 しかし、何が起きているのか分からないままに緊張の糸を断たれた 原題は"Smrt u Sarajevu"(ボスニア、セルビア、クロアチア共通らしい)=「サラエヴォの死」
▼ヘッド・ショット(インドネシア) ⇒インドネシア製の渾身のバイオレンス・ファイト・アクション作品 日活が製作陣に入っている 中国風というか、古くはイタリア・ローマ風の格闘型が使われている 話が分かりやすいので気楽にアクションを楽しめる 原題も"Headshot"
▼おとなの事情(伊) ⇒スマホはやはり危険物だ 個人の誰にも明かしたくない秘密が詰まっている 人間関係を破壊する凶器だ 秘密は守ろう、永遠の嘘をつこう 原題は"Perfetti sconosciuti"=「皆が全く知らない人物」か
・キングコング:髑髏島の巨神 ⇒VFXは秀逸だが、ストーリーがいまいち B級大作のようで、意識が薄れた エンドロール後のラストシーンは見逃した 原題は"Kong: Skull Island"=「コング:髑髏島」
▼ラビング 愛という名前のふたり(英・米) ⇒米国バージニア州の異人種間結婚禁止の法律と10年間にわたり闘ったカップルの話 ロバート・ケネディ司法長官時代の実話でもある 米国の話なのに英国製作陣が加わるとより緻密になる 原題も"Loving"
▼娘よ(パキスタン・米・ノルウェー) ⇒パキスタンの山岳地帯の美しい風景は見物 娘を政略結婚の道具にするのは時代錯誤 日本の戦国時代でもあるまい 母娘が逃げ切れたのは幸甚 原題は"Dukhtar"(言語不明)="Daughter"
・未来よ、こんにちは(仏・独) ⇒人生の後半において、重大なしかし起こるべくして起こる事柄を淡々として受け止め、前向きに生きていく主人公に共感 人生とはかくあるべきものか… 原題は"L'avenir"(仏)=「未来」
(注)★はお薦め、▼は特定のマニア向け作品 製作国の表示がないものは米国か日本の作品
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