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2017年8月11日 (金)

8月上旬(1日~10日)に観た劇場映画

8月上旬(1日~10日)は、11本の劇場映画を観ました。北海道旅行をはさみながらも、ペースを落とさずにすみました。

▼海辺の生と死 ⇒太平洋戦争末期1944年(昭和19年)冬に奄美群島加計呂麻島で出会った島尾ミホと島尾敏雄の作家夫妻の実話に基づいた作品 ミホの同名小説と敏夫の短編小説「島の果て」等が原作 加計呂麻島で実際にロケを敢行した、島の美しい映像も見物 ヒロイン(満島ひかり)は学校の先生 駐屯してきた海軍震洋特攻隊隊長(永山絢斗)と知り合う 終盤ヒロインが母の形見の喪服を着、短刀を懐に海に浸かりながら砂浜までたどり着くところがクライマックス その前に上半身裸で自宅の井戸水で禊(みそぎ)をするシーンも見逃せない
▼▼獣道(注:けものみち)(日・英) ⇒地方都市における愛と新興宗教をテーマに、ヴァイオレンスも満載の超マニアックなドタバタ喜劇怪作 一応実話をいくつかまとめて創作したものらしいが、とにかくビックリさせられるばかりで常識破りの作品 「下衆の愛」で話題になった内田英治監督のオリジナル作品 内田監督はリオデジャネイロ生まれで、テレビのアシスタント・ディレクターや雑誌記者を経て、脚本家そして映画監督に 終映後のトークショーがとても面白く、ゲストの山本政志監督と行定勲監督が絶賛 行定監督は「どうなるか全く先が読めない 最後まで飽きさせない それでいて破綻しない」とコメント また両監督とも主演の伊藤紗莉のアルトでハスキーな声を評価 正式サブタイトルではないが、ポスターには"LOVE AND OTHER CULTS"と「THIS IS 地方」とある ロケは山梨県内各地で行われた模様
・怪盗グルーのミニオン大脱走 ⇒ユニバーサル・スタジオ傘下のイルミネーション・エンターテインメントの「怪盗グルー」シリーズの3作目 結構大人向けのギャグも多かったと思うが、劇場には子供達が多数 原題は3作目なので"Despicable Me 3"=「卑劣な私3、嫌な私3」か
・ザ・マミー 呪われた砂漠の女王 ⇒主演トム・クルーズはゾンビ作品には向かないか アクション俳優らしかったのは、輸送機が墜落するシーン 音楽の使い方やカットの仕方によると思うが、余り怖くないホラー作品になっていた またゾンビの水中シーンは珍しいが、いかんせんゾンビの泳ぎが上手過ぎると感じた 続編の計画もあると聞いたが、不要では 原題は単に"The Mummy"=「ミイラ」
▼夜明けの祈り(仏・ポーランド) ⇒第二次世界大戦後のポーランドで発生した、ソ連兵の蛮行・凌辱により妊娠した修道女達を救った実在の仏人女医の実話に基づく作品 ポーランド人のロシア嫌いの理由がよく分かる 原題は"Les innocentes"(仏)="The innocents"=「無実の者達、無辜の者達」

・ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章 ⇒荒木飛呂彦のベストセラー・コミック「ジョジョの奇妙な冒険」の第4部の実写映画化らしい 筆者は原作については全く知識がないが、シリーズ全8部累計発行部数が1億部というのは物凄い 三池崇史が監督を務め、山崎賢人、神木隆之介、小松菜奈、岡田将生、山田孝之、伊勢谷友介、國村隼など錚々たるメンバーが出演 その上にロケ地がスペイン・カタルーニャ地方バルセロナ県のシッチェスというのも特筆もの 原作のM県S市杜王町は宮城県仙台市内のことのようだが… スペインには約70人の日本人スタッフ・キャストが乗り込んだという 映画中盤からはスタンドと呼ばれる超能力の応酬で、ミュータント作品化するが、それはそれなりに面白かった 見えないスタンド前提に演技する俳優達も大変だったと思うが、VFX等のポスプロの仕事もよくやり遂げたと思う
・銀魂 ⇒これも同名人気コミック(空知英秋作)の実写映画化らしい 幕末の江戸時代をSF化、寓話化しているので、歴史の事実と紛らわしい 途中で訳が分からなくなったら、最後まで集中力が続かなかった 最近訪れた東映太秦映画村(撮影所)でかなりの部分がセット撮影されたことが分かった 他にロケは福山市、栃木市、成田市、つくば市、大垣市、藤枝市、島田市、伊豆の国市等、江戸時代風の街並、建物、橋等が残ったところで行われた模様
▼TAP THE LAST SHOW ⇒製作会社の東映が余り宣伝しないので入りは不充分ではないかと思われるが、作品自体は結構面白かった 水谷豊が40年来の構想を企画化し、監督と主演を兼ねた ショーに参加する全員の気持ちが一つになって、ショーを成功に導いていく筋はまさに王道 最後のタップダンスのショーは圧巻 作品中のタップの殿堂「THE TOPS」としては東京・鶯谷の「ダンスホール新世界」がロケに使われたとの説がある
▼君の膵臓をたべたい ⇒住野よるの同名人気小説の映画化 病気もので、日記や手紙など書いたものが後から登場すると、涙を誘い、やはり強力 ヒロインの山内桜良(浜辺美波)のアルトでハスキーな声がまたいい 原作にはない12年後の僕(小栗旬)はナレーションもこなし、回想に良いアクセント タイトルの意味は判明するが、なぜそうでなければいけないのだろう ロケは滋賀県内彦根市を中心に、豊郷町、大津市、そして京都市、敦賀市、福岡市、太宰府市、常滑市、岐阜県北方町等で行われた模様
・歓びのトスカーナ(伊・仏) ⇒本作はイタリア・トスカーナ地方の精神病収容施設から一時逃避行した女性2人を描くロードムービー しかしイタリアでは1998年に人権問題からすべての精神科病院が閉鎖され、患者は地域で共生することになった 一方翻って日本では世界一精神科病床数が多く、未だ虐待事件が発生しているらしい 原題は"La pazza gioia"(伊)="The crazy joy"=「狂喜」か

・ボンジュール、アン ⇒フランシス・フォード・コッポラ監督の妻エレノアが、自身の体験を基に製作・脚本・監督を務めた作品 映画製作で忙しくプライベート・ジェットでプラハに飛ぶ夫と、強い耳痛のためカンヌで別れ先にパリ向かうことになったヒロイン・アン(ダイアン・レイン) 夫の知人のフランス人映画製作関係者がパリまで車で送って行くことになったことから始まるロードムービー プロヴァンス地方のサント・ヴィクトワール山や古城・水道橋、ローヌ河畔でのピクニック、映画の父リュミエール兄弟を記念したリュミエール研究所・美術館(@リヨン)、サント・マドレーヌ大聖堂(@ヴェズレー)等の見所や人気レストランが登場 「家族も大事だが、人間の自然な感情も大事」というフランス流恋愛哲学も披露される 原題は邦題とは全く異なり、"Paris Can Wait"で和訳すると「パリは待っている」あるいは「パリは遠からじ」か

(注)★はお薦め、▼は特定のマニア向け作品 製作国の表示がないものは米国か日本の作品

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