10月中旬(11日~20日)に観た劇場映画
10月中旬(11日~20日)は、13本の劇場映画を観ました。好作品が多かったように思います。今週末は台風21号の影響で映画鑑賞はお休みです。
・あさひなぐ ⇒同名原作漫画を乃木坂46のメンバー主演で映画化 女子スポコンの青春ドラマ なぎなた部が高校の部活動として結構定着していることは知らなかった ロケ地は栃木県佐野市の旧県立田沼高校(閉校)、八王子市南大沢のスポーツクラブとアウトレット、山梨県南巨摩郡南部町の内船寺など、首都圏各地
・ソウル・ステーション パンデミック(韓) ⇒「新感染 ファイナル・エクスプレス」(韓)の前日譚のアニメ作品らしい やはり観る順番が逆のようで、「新感染 ファイナル・エクスプレス」に比べて物足りなさも
▼愛を綴る女(仏・ベルギー・加) ⇒フランスのベストセラー原作小説の映画化らしい 舞台はラベンダー畑の拡がるプロヴァンスで、リヨンの病院も主要な場所 手紙がやはり重要な役割を果たすが、ファンタジーの要素もあるので惑わされる部分も 欧州作品には精神的に問題のある女性をヒロインとするものが結構多い 原題は"Mal de pierres"="Stone sickness"=「石病、結石」でヒロインが入院する原因となった病気か
▼望郷 ⇒湊かなえの短編集「望郷」の中の「夢の国」と「光の航路」が原作 前半は姑(夫の母、「しゅうとめ」とも読む)の嫁いびりがテーマで、後半は中学校の女子生徒間のいじめがテーマ いずれも過去を清算し、未来に向かって生きようとする若者達の姿が救い ロケ地は湊かなえの故郷・因島(広島県尾道市)、尾道市そして福山市らしい
▼アウトレイジ 最終章 ⇒北野武監督のアウトレイジ3部作の最終作 北野監督が脚本・編集も兼ね、ビートたけし(大友)としても主演 さすがに手慣れたもので、ストーリー展開も、役者達の演技も、適当な長さの編集技術も見事 アクションのない西田敏行と塩見三省は顔演技で魅せる ロケは韓国済州(チェジュ)島、横浜、東京・新大久保、神戸等で行われたようだ
▼あゝ、荒野 前篇 ⇒ボクシング映画はとにかく一所懸命に努力するところと自分に勝ち、更生し自己実現するところに感情移入しやすい 寺山修二の唯一の同名長編小説の映画化 原作は前の東京オリンピック後の1966年に設定してあるが、本作は次の東京オリンピック後の2021年に設定変更 作品中に登場する自殺防止安全云々というのはどう関係するのか ロケは主に新宿歌舞伎町と新大久保の辺りで行われようだが、一部高崎市と足利市の店舗も使われたらしい
・亜人 ⇒原作コミックがあり、アニメ映画化もテレビアニメ化もされたものの実写映画化 漫画の発想は本当に自由でいいと思う その分実写映画版のCGやVFXは実に大変だったのではないか 特に、黒い粒子やIBM(コンピューターではなく、インビジブル・ブラック・マターのことらしい)の映像製作は大変だったろう ロケ地は神戸市、滋賀県米原市、東京・品川と木場、千葉市幕張等で、NTT幕張ビルも使われたらしい
▼あさがくるまえに(仏・ベルギー) ⇒邦題が訳の分からないものになっているので、作品内容を予想しにくいが、本作のテーマは心臓移植 心臓摘出と移植の手術の映像はとてもリアルで、手術の様子がよく分かった 未邦訳の仏語原作小説があるようだが、心臓のドナーの家族と心臓のレシピエント本人の苦悩、そして関わる医師、看護師達の専門性と献身がよく描かれている 大きなクライマックスはなく静かな作品だが、いろいろ考えさせるには好都合か 原題は"Réparer les vivants"(仏)="Repairing the living"=「生き物の修復・補修、命を救うこと」か
▼立ち去った女(比) ⇒白黒で約4時間の長尺だが、昨年の第73回ヴェネチア国際映画祭(2016)で金獅子賞を受賞 フィリピンのラヴ・ディアス監督が脚本、撮影そして編集も兼ねる 監督が撮影・編集も兼ねるので、撮ったものをなるべく活かすために長尺になったとも考えられる しかし、ワンカットの1シーン、1シーン毎が結構長いことで、実舞台の場面が展開しているようにも観え、結構心地よく面白い ストーリー展開は貧富の差の大きいフィリピンらしく予想の範囲 使用言語はほぼタガログ語でたまに英語 ロケ地はディアス監督の出身地、フィリピン・ミンダナオ島のコタバトらしい 原題はやはりタガログ語で、"Ang babaeng humayo"="The woman went" グーグルの英訳どおりだと和訳は「その女は立ち去った」か
・静かなふたり(仏) ⇒パリのカルチェ・ラタンにある古書店を軸に、静かに展開する若い女性と初老の男性の交流 息の詰まる田舎からパリに移住してきたヒロインは、イザベル・ユペールの娘が演じているらしいが余り似てはいない 日常生活で巡るパリの昼夜の風景も見物 あからさまな激しい男女の性愛と静かなふたりの交流も対比か 地面に突然落下す鳥の死骸とほとんど働かない男の関係は何か 原題は"Drôles d'oiseaux"(仏)="Funny birds"=「面白い鳥、面妖な鳥」で、邦題とは眼の付け所が全く違う
・ナラタージュ ⇒ナラタージュとは「映画などで、ある人物の語りや回想によって過去を再現する手法」らしい 本作のヒロイン工藤泉(有村架純)のナレーションで話が展開 彼女は高校の教師・葉山貴司(松本潤)と同じ大学の学生・小野怜二(坂口健太郎)の間で揺れ動く 泉が「小野くん」と呼ぶ度に、筆者・小野もややドキドキ 行定勲監督らしい丁寧な作りだが、原作小説が長編なためかやや冗長 ロケはほぼ富山県で行われたらしく、富山市、高岡市、射水市等の各地で目撃されている エンドロールの協力項には千葉県松戸高校の名もあった
・エルネスト もう一人のゲバラ(日・キューバ) ⇒キューバで、しかも全編スペイン語で撮影した坂本順治監督(兼脚本)と主演のオダギリ・ジョーに感心 日系ボリビア人の「坂の上の雲」風の物語かと思ったが、やや飽きがきた
★アトミック・ブロンド ⇒スパイ・アクション映画好みには絶好の一品 シャーリーズ・セロンが007を超える女スパイを超熱演 舞台が東西冷戦終了間際の1989年の東西ベルリンというのはやや旧いが、二転三転四転のストーリーとアクションからは眼が離せない ヒロインの回想形式で場面が展開するが、米国作品だからか結局は米国一人勝ちか 最初のキーワードが"cock sucker"=「コック・サッカー、ポコチン吸い」で、最後のキーワードもそうなのは気が利いている 原題も"Atomic Blonde"
(注)★はお薦め、▼は特定のマニア向け作品 製作国の表示がないものは米国か日本の作品
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