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2017年10月 1日 (日)

9月下旬(21日~30日)に観た劇場映画

9月下旬(21日~30日)は、15本の劇場映画を観ました。頑張りました。

▼禅と骨 ⇒京都・嵐山の天龍寺(禅宗・臨済宗)にヘンリ・ミトワ(1918~2012)という米国人の僧侶がいたことは全く知らなかった 彼はドイツ系米国人と東京・新橋の芸者の息子として東京で生まれ、戦前一度米国に帰国し日系人収容所生活も経験し、戦後日本に帰国 とても好奇心の強い人で、家具、茶道、陶芸、禅等々に多芸多才の能力を示す 一方家族は彼の我儘に結構振り回されたようだ 終映後突然中村高寛監督が登場し、撮影に5年間、製作に8年間かかり、400時間の映像があるそうだ
・エイリアン コヴェナント ⇒リドリー・スコット監督の続編だが、話としては面白かった アンドロイド(マイケル・ファスペンダー)が人間に秘かに敵対するかもしれないという恐怖も描いている 人類は将来やはり地球から移住しなければならないのだろうか 相変わらずVFXを担当するポスプロの人数の多さが目立つ オーストラリアやニュージーランドまでにも拡大している 原題も"Alien: Covenant"で、"Covenant"は宇宙船の名であるが「約束、盟約」という意味もあるようだ
・ギミー・デンジャー ⇒米国パンク・ロックの始祖であるバンド「ザ・ストゥーンズ」のヴォーカル・リーダーのイギー・ポップに関する音楽ドキュメンタリー 原題も"Gimme Danger"だが、多分"Give Me Danger"=「危険要求、危険希求」のことか
★ダンケルク ⇒クリストファー・ノーラン監督の、最大限セットを使った現実感の強い映像シーンの連続からは目が離せなかった 史上最大の救出作戦について、陸上の1週間、海上の1日間、そして空中の1時間を同時に描いている おどろおどろしい音楽も良かった 原題も"Dunkirk"="Dunkerque"(仏)で、フランス北部の港町
・汚れたダイヤモンド(仏・ベルギー) ⇒フランス製の新しいタイプのフィルム・ノワール 父親の恨みを晴らそうとする青年が復習を企てるが、意外な結末に 原題は"Diamant noir"(仏)="Black Diamond"=「黒いダイヤモンド」

▼散歩する侵略者 ⇒劇作家・前川知大率いる劇団「イキウメ」の人気舞台の映画化らしい さすがに台詞が舞台がかっているし、現代社会への粋な批判・皮肉にもなっている 宇宙人は人間の概念・意識を盗んでいくが、最後に盗んだものは… ロケ地は栃木県、茨城県、埼玉県、千葉県、神奈川県等の各地
・ジュリーと恋と靴工場(仏) ⇒フランスの地方都市(ロマン)にある靴工場の労働争議と恋を喜劇調のミュージカル映画に仕立てている 原題は"Sur quel pied danser"(仏)="On what dancing foot"=「ダンスに履くものは」
・仁光の受難 ⇒女性に異常にモテる僧侶、人斬り侍、男の精気を吸い取る妖怪山女が登場し、絡み合った末の結末は…
★追想(仏) ⇒ロベール・アンリコ監督(仏)の1975年作品をデジタルリマスター化したものを再上映 第二次世界大戦末期、ドイツ占領下にあるフランスで占領軍とヴィシー傀儡政権の介入に負けずに、レジスタンス兵も含め敵味方なく医療活動を続ける仏人医師が主人公 美しい妻(ロミー・シュナイダー)と娘を自身が所有する古城に疎開させたが、撤退する独軍に虐殺されたことを知り、勝手知ったる古城で孤独な闘いを挑む 武器は古い散弾銃で、闘いの折々に過去の回想(追想)シーンが挿入される 原題は"Le vieux fusil"(仏)="The old gun"=「古い銃」、作品内容をより正確に反映すると「古い散弾銃・ショットガン」
・戦争のはらわた(英・西独) ⇒サム・ペキンパー監督(米)の1977年作品を40周年を記念してデジタルリマスター化し再上映 当時の価値で600万ドルの製作費を費やして、当時のユーゴスラビアでセット・ロケ撮影されたらしい VFXがない時代でも、これだけリアリティのある映像が撮影できるのかと感心 原題は"Cross of Iron"=「鉄十字章勲章」で、独軍の悪徳上官が欲しがった勲章か

・50年後のボクたちは(独) ⇒ドイツでベストセラーになっている児童小説を映画化したらしい お洒落な現代キッド・サマー・ロード・ムービーになっている 思春期、出会い、14歳の少年の自立等々甘酸っぱい思い出が拡がる ドイツの田舎は広い 原題は、原作小説と同じ"Tschick"=「チック」で、ロシア系の転入少年の名前
★笑う故郷(アルゼンチン・西) ⇒海外で著名になった芸術家が帰郷して、利用されたり、妬み嫉みの対象になったり、散々な目に合うことは、外国ではよくあることなのだろうか 本作では40年間スペインに住みノーベル賞受賞作家になった主人公が、故郷アルゼンチンのサラスに名誉市民として帰国した際に経験する、途方もない毀誉褒貶を描く ラスト・シーンも衝撃的 主演のオスカル・マルティネスは2016年・第73回ベネチア国際映画祭で最優秀男優賞を受賞 原題は"El ciudadano ilustre"(西)="The illustrious citizen"=「有名な市民、名誉市民」
・プラネタリウム(仏・ベルギー) ⇒第二次世界大戦前にフランスで降霊術を売り物にしていたアメリカ人姉妹の不思議な話 映画界の重鎮が姉妹に関する作品を製作しようとするが… 姉妹を「ブラック・スワン」のナタリー・ポートマンとジョニー・デップの娘・リリー=ローズ・デップが演じた 原題も"Planétarium"(仏)="Planetarium"
▼ポルト(ポルトガル・仏・米・ポーランド) ⇒ポルトはポルトガル第2の都市で、美しい港町だそうだ そこで展開する、26歳のアメリカ人青年と考古学を勉強している32歳のフランス人女性の一夜の邂逅を描く 欧州の映画にはよくある方式だが、それぞれの登場人物の視点からのストーリーをオムニバス風に構成 欧州では言語が入り混じっているいる時は、現在は英語を共通語にするのだろうか 原題も"Porto"で、意味は"Port"=「港」らしい 主演のアントン・イェルチンは昨年6月に自動車事故で亡くなっている
・僕のワンダフル・ライフ ⇒犬の視点を借りて、子供の成長、高校時代のスポーツ・恋愛、別離、そして邂逅を描く 犬は輪廻転生を繰り返すが、犬の擬人化が過ぎるかもしれない よく訓練された犬種の違う犬たちとドローン撮影による米国田舎の美しい風景は見物 本作にもVFXが使われているのには驚いた 原題は"A Dog's Purpose"=「犬の目的、意思」か

(注)★はお薦め、▼は特定のマニア向け作品 製作国の表示がないものは米国か日本の作品

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