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2017年10月の3件の記事

2017年10月21日 (土)

10月中旬(11日~20日)に観た劇場映画

10月中旬(11日~20日)は、13本の劇場映画を観ました。好作品が多かったように思います。今週末は台風21号の影響で映画鑑賞はお休みです。

・あさひなぐ ⇒同名原作漫画を乃木坂46のメンバー主演で映画化 女子スポコンの青春ドラマ なぎなた部が高校の部活動として結構定着していることは知らなかった ロケ地は栃木県佐野市の旧県立田沼高校(閉校)、八王子市南大沢のスポーツクラブとアウトレット、山梨県南巨摩郡南部町の内船寺など、首都圏各地
・ソウル・ステーション パンデミック(韓) ⇒「新感染 ファイナル・エクスプレス」(韓)の前日譚のアニメ作品らしい やはり観る順番が逆のようで、「新感染 ファイナル・エクスプレス」に比べて物足りなさも
▼愛を綴る女(仏・ベルギー・加) ⇒フランスのベストセラー原作小説の映画化らしい 舞台はラベンダー畑の拡がるプロヴァンスで、リヨンの病院も主要な場所 手紙がやはり重要な役割を果たすが、ファンタジーの要素もあるので惑わされる部分も 欧州作品には精神的に問題のある女性をヒロインとするものが結構多い 原題は"Mal de pierres"="Stone sickness"=「石病、結石」でヒロインが入院する原因となった病気か
▼望郷 ⇒湊かなえの短編集「望郷」の中の「夢の国」と「光の航路」が原作 前半は姑(夫の母、「しゅうとめ」とも読む)の嫁いびりがテーマで、後半は中学校の女子生徒間のいじめがテーマ いずれも過去を清算し、未来に向かって生きようとする若者達の姿が救い ロケ地は湊かなえの故郷・因島(広島県尾道市)、尾道市そして福山市らしい
▼アウトレイジ 最終章 ⇒北野武監督のアウトレイジ3部作の最終作 北野監督が脚本・編集も兼ね、ビートたけし(大友)としても主演 さすがに手慣れたもので、ストーリー展開も、役者達の演技も、適当な長さの編集技術も見事 アクションのない西田敏行と塩見三省は顔演技で魅せる ロケは韓国済州(チェジュ)島、横浜、東京・新大久保、神戸等で行われたようだ

▼あゝ、荒野 前篇 ⇒ボクシング映画はとにかく一所懸命に努力するところと自分に勝ち、更生し自己実現するところに感情移入しやすい 寺山修二の唯一の同名長編小説の映画化 原作は前の東京オリンピック後の1966年に設定してあるが、本作は次の東京オリンピック後の2021年に設定変更 作品中に登場する自殺防止安全云々というのはどう関係するのか ロケは主に新宿歌舞伎町と新大久保の辺りで行われようだが、一部高崎市と足利市の店舗も使われたらしい
・亜人 ⇒原作コミックがあり、アニメ映画化もテレビアニメ化もされたものの実写映画化 漫画の発想は本当に自由でいいと思う その分実写映画版のCGやVFXは実に大変だったのではないか 特に、黒い粒子やIBM(コンピューターではなく、インビジブル・ブラック・マターのことらしい)の映像製作は大変だったろう ロケ地は神戸市、滋賀県米原市、東京・品川と木場、千葉市幕張等で、NTT幕張ビルも使われたらしい
▼あさがくるまえに(仏・ベルギー) ⇒邦題が訳の分からないものになっているので、作品内容を予想しにくいが、本作のテーマは心臓移植 心臓摘出と移植の手術の映像はとてもリアルで、手術の様子がよく分かった 未邦訳の仏語原作小説があるようだが、心臓のドナーの家族と心臓のレシピエント本人の苦悩、そして関わる医師、看護師達の専門性と献身がよく描かれている 大きなクライマックスはなく静かな作品だが、いろいろ考えさせるには好都合か 原題は"Réparer les vivants"(仏)="Repairing the living"=「生き物の修復・補修、命を救うこと」か
▼立ち去った女(比) ⇒白黒で約4時間の長尺だが、昨年の第73回ヴェネチア国際映画祭(2016)で金獅子賞を受賞 フィリピンのラヴ・ディアス監督が脚本、撮影そして編集も兼ねる 監督が撮影・編集も兼ねるので、撮ったものをなるべく活かすために長尺になったとも考えられる しかし、ワンカットの1シーン、1シーン毎が結構長いことで、実舞台の場面が展開しているようにも観え、結構心地よく面白い ストーリー展開は貧富の差の大きいフィリピンらしく予想の範囲 使用言語はほぼタガログ語でたまに英語 ロケ地はディアス監督の出身地、フィリピン・ミンダナオ島のコタバトらしい 原題はやはりタガログ語で、"Ang babaeng humayo"="The woman went" グーグルの英訳どおりだと和訳は「その女は立ち去った」か
・静かなふたり(仏) ⇒パリのカルチェ・ラタンにある古書店を軸に、静かに展開する若い女性と初老の男性の交流 息の詰まる田舎からパリに移住してきたヒロインは、イザベル・ユペールの娘が演じているらしいが余り似てはいない 日常生活で巡るパリの昼夜の風景も見物 あからさまな激しい男女の性愛と静かなふたりの交流も対比か 地面に突然落下す鳥の死骸とほとんど働かない男の関係は何か 原題は"Drôles d'oiseaux"(仏)="Funny birds"=「面白い鳥、面妖な鳥」で、邦題とは眼の付け所が全く違う

・ナラタージュ ⇒ナラタージュとは「映画などで、ある人物の語りや回想によって過去を再現する手法」らしい 本作のヒロイン工藤泉(有村架純)のナレーションで話が展開 彼女は高校の教師・葉山貴司(松本潤)と同じ大学の学生・小野怜二(坂口健太郎)の間で揺れ動く 泉が「小野くん」と呼ぶ度に、筆者・小野もややドキドキ 行定勲監督らしい丁寧な作りだが、原作小説が長編なためかやや冗長 ロケはほぼ富山県で行われたらしく、富山市、高岡市、射水市等の各地で目撃されている エンドロールの協力項には千葉県松戸高校の名もあった
・エルネスト もう一人のゲバラ(日・キューバ) ⇒キューバで、しかも全編スペイン語で撮影した坂本順治監督(兼脚本)と主演のオダギリ・ジョーに感心 日系ボリビア人の「坂の上の雲」風の物語かと思ったが、やや飽きがきた
★アトミック・ブロンド ⇒スパイ・アクション映画好みには絶好の一品 シャーリーズ・セロンが007を超える女スパイを超熱演 舞台が東西冷戦終了間際の1989年の東西ベルリンというのはやや旧いが、二転三転四転のストーリーとアクションからは眼が離せない ヒロインの回想形式で場面が展開するが、米国作品だからか結局は米国一人勝ちか 最初のキーワードが"cock sucker"=「コック・サッカー、ポコチン吸い」で、最後のキーワードもそうなのは気が利いている 原題も"Atomic Blonde"

(注)★はお薦め、▼は特定のマニア向け作品 製作国の表示がないものは米国か日本の作品

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2017年10月11日 (水)

10月上旬(1日~10日)に観た劇場映画

10月上旬(1日~10日)は、16本の劇場映画を観ました。今回は、少しマニアックなB級作品を追ってしまったかなという感じです。

★ドリーム ⇒米国バージニア州ハンプトンにあるNASAラングレー研究所で、黒人と女性という2つの差別と闘った3人の黒人女性職員の実話を描く 原作小説がありその映画化だが、話は1960年代のことであり、たった50数年前のこと 当時は、トイレ、食堂、電車・バス、そして学校もすべて黒人用は区別されていた 原題は"Hidden Figures"=「知られざる人物達」か
・ナミヤ雑貨店の奇蹟 ⇒東野圭吾の同名小説の映画化 正直に言って、前半のヒロイン・セリ(門脇麦)が主題歌REBORNをステージで歌うシーンで終映で良かった 後半のヒロイン田村晴美(尾野真千子)に関する話は、展開が森田芳光監督の「未来の想い出 Last Christmas」(1992、藤子・F・不二雄原作)にそっくり ロケは大分県豊後高田市で行われ、ナミヤ雑貨店と丸光園(児童養護施設)のオープンセットが造られた
・アフターマス ⇒太ったアーノルド・シュワルツェネッガーが主演 ドイツ上空での航空機空中衝突事故の実話に基づく作品 復讐話の展開の発想が米国らしい ただ、復讐の連鎖がないのが救い 原題も"Aftermath"=「余波」
▼オペレーション・クロマイト(韓) ⇒第二次世界大戦後1950年に金日成率いる北朝鮮軍に攻め入られ、朝鮮半島南東部に追い詰められた独立軍(韓国軍) 劣勢打開のために日本駐在の連合国軍総司令官ダグラス・マッカーサー(リーアム・ニーソン)が計画した仁川上陸作戦(クロマイト作戦) その成功の陰には北朝軍に紛れ込んだ独立軍諜報員達の、死をもいとわない活躍があったことを初めて知った 韓国の若者はこのことを知っているのだろうか やはり対日ではなく対北が韓国の永遠の優先課題だろう 韓国で反日運動が進む背景には、反北をカモフラージュする北朝のスパイ達の活動があるのだろう 朝鮮戦争は3年続き、300万人が死亡したらしい 原題も"Operation Chromite"=「クロマイト作戦」 クロマイトは金属クロムの原鉱石
▼AMY SAID エイミーセッド ⇒大学のシネマ研究会の仲間8人が20年振りに再会し、当時自死したマドンナ・エミを巡り、今だからこその話を交わす その合間に各自の現在の境遇が見えてくる まるで舞台のような作品で、いさかいもあるが皆未来に向かっていく

・奥田民生になりたいボーイと出会う男すべてを狂わせるガール ⇒原作漫画があるようだから自由にはならないかもしれないが、大根仁監督の作品としては「モテキ」(2011年)の方が断然面白かった 今や嫉妬をコントロールできるようになった筆者としては、この作品中の男達の感情は少々理解できない 女性も同時に複数の男をセフレにすることは余りないと思うが、このように男を手玉に取れれば楽しいかもしれない ロケ地は東京都内で、上野、五反田、西新橋、中目黒方面らしい
・ブラッド・スローン ⇒米国の刑務所はこのような感じなのかと思わせる 家族を守るためにはここまでやるか、そして最終的に刑務所内から指揮する悪事のボスになるという逆転の発想が凄い 原題は"Shot Caller"で、違っているかもしれないが、和訳すると「武器取引の電話発信」か
・プールサイドマン ⇒同じようなシーンの連続が5回登場 これはちょうど1週間かもしれないし、退屈な日常からの脱出を描いているのかもしれない 栃木県大田原市のチームが同市でロケし製作
・ユリゴコロ ⇒原作ミステリー小説があるようだ 勘違いで開映にかなり遅れたしまったが、話の筋は充分想像できる範囲だった 現在と20年前を往きつ戻りつストーリーが展開するが、原作小説がそうなのだろうが、かなり無理がありそう 主人公が書いたノートが重要な役割を果たす ロケは栃木県、群馬県、東京等各地で
・三つの光 ⇒よく分からないまま終わってしまった 休息になってしまった

・スクランブル(仏) ⇒ワイルド・スピードのフランス版か フランス・コート・ダ・ジュール(マルセイユ)の海岸風景は最高だった ストーリーと映像はそれなりに面白かった 主演はクリント・イーストウッドの息子スコットで、結構好演 原題は"Overdrive"=「オーバードライブ」
・わたしたち(韓) ⇒いじめられる女の子とはどういう子供かということを考えた 体格とか家庭の事情とかだろうか いじめる側はどういう子供だろう 多分ボスがいると思うが、そういうボスをクラスリーダーにしてはどうだろうか 英語原題は"The World of Us"=「私達の世界」
・軽蔑(1963)(仏・伊・米) ⇒ジャン=リュック・ゴダール監督が1963年に製作した作品のデジタル・リマスター版 舞台はイタリアで、ブリジット・バルドーが主演 彼女はフランス人だと思うが、こんな禅問答のような会話しかできない人とは絶対に付き合いたくないなと感じた 原作小説があるようだから、彼女やフランス女性が必ずしもそうだという訳ではなさそうだが… 一体本作の言語は何だったのだろう、英語は聴き取れるが、仏語と伊語が分からなかった 原題は"Le mépris"(仏)="Contempt"=「軽蔑、侮辱、侮蔑」
・セザンヌと過ごした時間(仏) ⇒ポール・セザンヌとエミール・ゾラが幼馴染みだったとは知らなかった 地中海に近いエクサンプロバンスで共に育ち、共に芸術家を夢見てパリに向かう ゾラは作家として早く成功するが、セザンヌは芽が出ず再び故郷に戻り孤独に絵を製作 セザンヌは晩年そして死後に評価が高まる 文芸の方が絵画より早く名声を得られやすいのかもしれない エクサンプロバンスとはセザンヌの絵によく登場するサント・ヴィクトワール山が観えるところ 原題は"Cézanne et moi"(仏)="Cézanne and I"=「セザンヌと私」
・ブルーム・オブ・イエスタディ(独・墺) ⇒ホロコーストの研究に関して、加害者と被害者の孫同士が出会い、反発しながらも惹かれ合う2人を描く ラストのニューヨークのシーンは気が利いている 原題は"Die Blumen von Gestern"(独)="The flowers of yesterday"=「昨日の花々」だが、どういう意味だろう

▼パーフェクト・レボリューション ⇒出生時から脳性麻痺による四肢の痙性麻痺(けいせいまひ)がある熊篠慶彦氏(1969年生まれ、48歳)は身体障碍者の性に関する啓蒙活動をしている 彼自身の生活を基に、ともに友人の松本准平が監督・脚本、リリー・フランキーが主演・クマで、半分ラブストーリー仕立てにして本作を製作 ヒロイン・ミツ(清野菜名)の台詞「障害は私たちのためにある 私たちが愛し合うために 私たちが生まれ変わるために 私たちが不可能を可能にするために」が本作のテーマ ぶっ飛んだ恋愛喜劇として観れば結構面白かった ただし、身障者の性をこんなにあからさまに描写していいのかと思う人もあろう 熊篠氏のNPO活動をTENGAが支援しており、本作にもプロダクト・プレイスメントとしてTENGAが登場 ロケ地は横浜、南浦和、川崎、有明、新宿等首都圏各地 終映後のトークショーで水道橋博士とともにリリー・フランキー、そして熊篠氏本人まで登場 作品中にも台詞があるが、リリーさんが本物のクマさんに「人生の一番の夢はタッチバック」と言わせた 「立ちバック」らしい

(注)★はお薦め、▼は特定のマニア向け作品 製作国の表示がないものは米国か日本の作品

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2017年10月 1日 (日)

9月下旬(21日~30日)に観た劇場映画

9月下旬(21日~30日)は、15本の劇場映画を観ました。頑張りました。

▼禅と骨 ⇒京都・嵐山の天龍寺(禅宗・臨済宗)にヘンリ・ミトワ(1918~2012)という米国人の僧侶がいたことは全く知らなかった 彼はドイツ系米国人と東京・新橋の芸者の息子として東京で生まれ、戦前一度米国に帰国し日系人収容所生活も経験し、戦後日本に帰国 とても好奇心の強い人で、家具、茶道、陶芸、禅等々に多芸多才の能力を示す 一方家族は彼の我儘に結構振り回されたようだ 終映後突然中村高寛監督が登場し、撮影に5年間、製作に8年間かかり、400時間の映像があるそうだ
・エイリアン コヴェナント ⇒リドリー・スコット監督の続編だが、話としては面白かった アンドロイド(マイケル・ファスペンダー)が人間に秘かに敵対するかもしれないという恐怖も描いている 人類は将来やはり地球から移住しなければならないのだろうか 相変わらずVFXを担当するポスプロの人数の多さが目立つ オーストラリアやニュージーランドまでにも拡大している 原題も"Alien: Covenant"で、"Covenant"は宇宙船の名であるが「約束、盟約」という意味もあるようだ
・ギミー・デンジャー ⇒米国パンク・ロックの始祖であるバンド「ザ・ストゥーンズ」のヴォーカル・リーダーのイギー・ポップに関する音楽ドキュメンタリー 原題も"Gimme Danger"だが、多分"Give Me Danger"=「危険要求、危険希求」のことか
★ダンケルク ⇒クリストファー・ノーラン監督の、最大限セットを使った現実感の強い映像シーンの連続からは目が離せなかった 史上最大の救出作戦について、陸上の1週間、海上の1日間、そして空中の1時間を同時に描いている おどろおどろしい音楽も良かった 原題も"Dunkirk"="Dunkerque"(仏)で、フランス北部の港町
・汚れたダイヤモンド(仏・ベルギー) ⇒フランス製の新しいタイプのフィルム・ノワール 父親の恨みを晴らそうとする青年が復習を企てるが、意外な結末に 原題は"Diamant noir"(仏)="Black Diamond"=「黒いダイヤモンド」

▼散歩する侵略者 ⇒劇作家・前川知大率いる劇団「イキウメ」の人気舞台の映画化らしい さすがに台詞が舞台がかっているし、現代社会への粋な批判・皮肉にもなっている 宇宙人は人間の概念・意識を盗んでいくが、最後に盗んだものは… ロケ地は栃木県、茨城県、埼玉県、千葉県、神奈川県等の各地
・ジュリーと恋と靴工場(仏) ⇒フランスの地方都市(ロマン)にある靴工場の労働争議と恋を喜劇調のミュージカル映画に仕立てている 原題は"Sur quel pied danser"(仏)="On what dancing foot"=「ダンスに履くものは」
・仁光の受難 ⇒女性に異常にモテる僧侶、人斬り侍、男の精気を吸い取る妖怪山女が登場し、絡み合った末の結末は…
★追想(仏) ⇒ロベール・アンリコ監督(仏)の1975年作品をデジタルリマスター化したものを再上映 第二次世界大戦末期、ドイツ占領下にあるフランスで占領軍とヴィシー傀儡政権の介入に負けずに、レジスタンス兵も含め敵味方なく医療活動を続ける仏人医師が主人公 美しい妻(ロミー・シュナイダー)と娘を自身が所有する古城に疎開させたが、撤退する独軍に虐殺されたことを知り、勝手知ったる古城で孤独な闘いを挑む 武器は古い散弾銃で、闘いの折々に過去の回想(追想)シーンが挿入される 原題は"Le vieux fusil"(仏)="The old gun"=「古い銃」、作品内容をより正確に反映すると「古い散弾銃・ショットガン」
・戦争のはらわた(英・西独) ⇒サム・ペキンパー監督(米)の1977年作品を40周年を記念してデジタルリマスター化し再上映 当時の価値で600万ドルの製作費を費やして、当時のユーゴスラビアでセット・ロケ撮影されたらしい VFXがない時代でも、これだけリアリティのある映像が撮影できるのかと感心 原題は"Cross of Iron"=「鉄十字章勲章」で、独軍の悪徳上官が欲しがった勲章か

・50年後のボクたちは(独) ⇒ドイツでベストセラーになっている児童小説を映画化したらしい お洒落な現代キッド・サマー・ロード・ムービーになっている 思春期、出会い、14歳の少年の自立等々甘酸っぱい思い出が拡がる ドイツの田舎は広い 原題は、原作小説と同じ"Tschick"=「チック」で、ロシア系の転入少年の名前
★笑う故郷(アルゼンチン・西) ⇒海外で著名になった芸術家が帰郷して、利用されたり、妬み嫉みの対象になったり、散々な目に合うことは、外国ではよくあることなのだろうか 本作では40年間スペインに住みノーベル賞受賞作家になった主人公が、故郷アルゼンチンのサラスに名誉市民として帰国した際に経験する、途方もない毀誉褒貶を描く ラスト・シーンも衝撃的 主演のオスカル・マルティネスは2016年・第73回ベネチア国際映画祭で最優秀男優賞を受賞 原題は"El ciudadano ilustre"(西)="The illustrious citizen"=「有名な市民、名誉市民」
・プラネタリウム(仏・ベルギー) ⇒第二次世界大戦前にフランスで降霊術を売り物にしていたアメリカ人姉妹の不思議な話 映画界の重鎮が姉妹に関する作品を製作しようとするが… 姉妹を「ブラック・スワン」のナタリー・ポートマンとジョニー・デップの娘・リリー=ローズ・デップが演じた 原題も"Planétarium"(仏)="Planetarium"
▼ポルト(ポルトガル・仏・米・ポーランド) ⇒ポルトはポルトガル第2の都市で、美しい港町だそうだ そこで展開する、26歳のアメリカ人青年と考古学を勉強している32歳のフランス人女性の一夜の邂逅を描く 欧州の映画にはよくある方式だが、それぞれの登場人物の視点からのストーリーをオムニバス風に構成 欧州では言語が入り混じっているいる時は、現在は英語を共通語にするのだろうか 原題も"Porto"で、意味は"Port"=「港」らしい 主演のアントン・イェルチンは昨年6月に自動車事故で亡くなっている
・僕のワンダフル・ライフ ⇒犬の視点を借りて、子供の成長、高校時代のスポーツ・恋愛、別離、そして邂逅を描く 犬は輪廻転生を繰り返すが、犬の擬人化が過ぎるかもしれない よく訓練された犬種の違う犬たちとドローン撮影による米国田舎の美しい風景は見物 本作にもVFXが使われているのには驚いた 原題は"A Dog's Purpose"=「犬の目的、意思」か

(注)★はお薦め、▼は特定のマニア向け作品 製作国の表示がないものは米国か日本の作品

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