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2017年11月21日 (火)

11月中旬(11日~20日)に観た劇場映画

11月中旬(11日~20日)は、17本の劇場映画を観ました。東宝シネマズの月間フリーパスを活用したため、鑑賞数が多くなりました。

・ロダン カミーユと永遠のアトリエ(仏) ⇒19世紀最高のフランス人彫刻家オーギュスト・ロダンの没後100年を記念して製作された作品らしい ロダンのアトリエは沢山のスタッフがおり、まるで工場のよう だから世界中に彼の作品が存在しているのか 芸術家はやはり女性が好きだ 原題は単に"Rodin"
★ノクターナル・アニマルズ ⇒まず冒頭の超太目フルヌードの、腹の肉襞がこぼれ落ちそうな女性たちのダンス・シーンに圧倒された それもそう著名ファッション・デザイナーのトム・フォード監督の作品 現在、叶わなかった20年前の青春の日々、そして小説の中の世界が入り乱れ、少々めまいがしそう ジェイク・ギレンホールが2役を演じているからなおさらか 車によるあおり、カー・チェイス、そして追い越して前方に出ての急ブレーキと最近日本で話題になった危険運転が一つのテーマなのはタイムリー ヒロイン(エイミー・アダムズ)の反省、そして捨てられた男のささやかな仕返しがオチ 原題も"Nocturnal Animals"=「夜行性動物」
・ジグソウ ソウ・レガシー ⇒相当な量のVFX資源が投入されている 普通ならかなり怖いのだろうが、舞台裏を知り、ホラー慣れした筆者にはそうでもなかった ただレーザー・メスのトリックは斬新だった 「ソウ(Saw)」シリーズ8作目とは知らず、そういう意味ではまだまだ新鮮 原題は単に"Jigsaw"で、これは「ジグソーパズル」のことらしいが…
・ザ・サークル ⇒ソーシャル・ネットワークの時代、人々のつながりが強まり、情報公開が進み、バラ色の世界にも見えるが、一方でプライバシーの課題が浮き上がる この課題は欧米では早くから意識されており、日本でも理解が進んでいる そういう意味でもうひとひねりがほしかったかもしれない また、いつも企業繁栄の陰には腐敗ありか 原題も"The Circle"
▼人生はシネマティック!(英) ⇒映画の創り方がよく分かった 企画・アイデア、そしてそれらをストーリと台詞に落としていく 脚本が重要で、いろいろな社会の要請を受け容れていく、すべては脚色次第だとも思う 英国製らしい結構生真面目な作品 クリストファー・ノーラン監督の今年の作品「ダンケルク」も思い出しながら、このテーマは欧州、特に英仏では欠かせないものだと知った 原題は"Their Finest"=「最高の作品を求めて」か

▼ポリーナ、私を踊る(仏) ⇒ジョージア(グルジア)の貧しい家庭出身の天才バレエ少女ポリーナが、ボリショイ・バレエ団に入団するまでに成長するが、突然コンテンポラリー・ダンスに目覚め、南仏、パリ、ベルギーを放浪 最後に男女2人で踊るコンテンポラリー・ダンスは最高 原題は"Polina, danser sa vie"(仏)="Polina, dancing her life"=「ポリーナ、人生を懸けた踊り」か
・おじいちゃん、死んじゃったって ⇒田舎で認知症の祖母と暮らす祖父が亡くなった時、一家一族が集合するが、その時に表面化する反目や個別の事情 しかし、大家族は和解し未来に向かい歩み始める ロケ地は熊本県人吉市
・ネルーダ 大いなる愛の逃亡者(チリ・アルゼンチン・仏・西) ⇒筆者は全く知らなかったが、チリでは詩人、国会議員、民衆に寄添う共産党政治家、ノーベル文学賞受賞者として有名なパブロ・ネルーダの逃亡時代を扱った作品 ナレーションや彼自身の詩による物語展開の多用も無声映画風で面白い 原題は単に"Neruda"
★セブン・シスターズ(英・米・仏・ベルギー) ⇒とても意表を突いた展開で、余り先を読めず結構ハラハラし、充分に楽しめた ノオミ・ラパスが1人7役を演じているが、俳優もポスプロ職人も大変だったろうと想像 地球への警鐘として温暖化、人口爆発そして食糧危機の課題が提起され、その解決策として過去の中国並みの一人っ子政策が導入された世界の話 7つ子が7つの曜日を命名され、該当の曜日を分担して同一人物として外出するというトリックが秀逸だが、すぐに皆その隘路(あいろ)に気が付く 権力は腐敗し、後半はアクション映画に変身 原題は"What Happened to Monday?"=「月曜日に何が起きた?」
▼セントラル・インテリジェンス ⇒B級作品だと思うが、筆者の大好きな米国学園青春ハチャメチャ映画の一種 高校卒業とその後20年目のリ・ユニオン(同窓会)を巡るドタバタを、CIAエージェントと会計士を絡めて展開 「ワイルド・スピード」シリーズのドゥエイン・ジョンソンと人気コメディアンのケヴィン・ハートがバディ(相棒)を組んだ ドゥエインは高校・大学のアメフト実力選手そしてWWEの人気プロレスラーを経て映画俳優に 原題も"Central Intelligence"

▼密偵(韓) ⇒日本統治時代の朝鮮・韓国が舞台 実際に存在した、武装独立組織「義烈団」と日本警察との闘いを描く 中国・安東(現在は丹東)から京城(ソウル)までの列車内での出来事がクライマックス 日本警察に奉職した朝鮮人憲兵が主役で結果的に二重スパイになる 原題は"The Age of Shadows"=「暗黒時代」で、邦題とは全く違い日本統治の暗黒時代を指しているものと思われる 本作で描写されていることは半分は本当の話だと思うし、今から考えれば日本は一体何のために1910年から1945年まで韓国併合していたのだろうか
・グッド・タイム ⇒ニューヨーク・シティ(NYC)のアウトロー兄弟の話 弟(監督が演技)は知的障碍があるのか 同日3本目の鑑賞は疲れた
▼GODZILLA 怪獣惑星 ⇒望外にも面白かった ゴジラの長編アニメ作品3部作の第1部らしい ただ意味のない台詞をさも意味ありげに言うので、訳が分からなかった しかし、冒頭のつかみから、エンディングでの次作へのつなぎは良かった
▼斉木楠雄のΨ難 ⇒原作漫画がバカバカしいのだろうが、本作も全編漫画風で徹底していて面白い 40歳に近い新井浩文が高校の同級生だったり、ヒロインの橋本環奈に(背が低いのを逆用して)クラスで厚底靴やハイヒールを履かせたりしたのは、ブラック・ジョークか ロケ地は栃木県足利市、特に廃校の旧足利西高校はよく使われている
▼マイティ・ソー バトルロイヤル ⇒飛び回る派手なアクションばかりが目立つマーヴェル・コミックとDCコミックスの作品はもう観るのをやめようと思ったが、本作はストーリーが結構しっかりしており、ジョークも多かったので合格点か 「ドクター・ストレンジ」のベネディクト・カンパーバッチも出演し花を添えた 原題は"Thor: Ragnarok"=「ソー:ラグナロク、雷神:善悪の最終決戦」か

▼ローガン・ラッキー ⇒ジョン・デンバーが「故郷に帰りたい(Take Me Home, Country Roads)」で歌った、米国ウエスト・ヴァージニア州を舞台に繰り広げられる、米国版鼠小僧ストーリー 結局損をするのはウォール・ストリートだけという、今の米国社会底辺の忘れ去られた労働者たちにとっては実に痛快な話か 原題も"Logan Lucky"
・エンドレス・ポエトリー(仏・チリ・日) ⇒分かる人には分かる、分からない人には分からないという典型的な作品 筆者はその中間か 人生はいろいろ、人生は繰り返し、生きることが人生などの言葉を想い出す 原題"Poesía Sin Fin"(西)="Poésie sans fin"(仏)="Endless poetry"=「終わりのない、無限の詩」どおりのテーマか

(注)★はお薦め、▼は特定のマニア向け作品 製作国の表示がないものは米国か日本の作品

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