カテゴリー「映画(2017年)」の35件の記事

2017年11月21日 (火)

11月中旬(11日~20日)に観た劇場映画

11月中旬(11日~20日)は、17本の劇場映画を観ました。東宝シネマズの月間フリーパスを活用したため、鑑賞数が多くなりました。

・ロダン カミーユと永遠のアトリエ(仏) ⇒19世紀最高のフランス人彫刻家オーギュスト・ロダンの没後100年を記念して製作された作品らしい ロダンのアトリエは沢山のスタッフがおり、まるで工場のよう だから世界中に彼の作品が存在しているのか 芸術家はやはり女性が好きだ 原題は単に"Rodin"
★ノクターナル・アニマルズ ⇒まず冒頭の超太目フルヌードの、腹の肉襞がこぼれ落ちそうな女性たちのダンス・シーンに圧倒された それもそう著名ファッション・デザイナーのトム・フォード監督の作品 現在、叶わなかった20年前の青春の日々、そして小説の中の世界が入り乱れ、少々めまいがしそう ジェイク・ギレンホールが2役を演じているからなおさらか 車によるあおり、カー・チェイス、そして追い越して前方に出ての急ブレーキと最近日本で話題になった危険運転が一つのテーマなのはタイムリー ヒロイン(エイミー・アダムズ)の反省、そして捨てられた男のささやかな仕返しがオチ 原題も"Nocturnal Animals"=「夜行性動物」
・ジグソウ ソウ・レガシー ⇒相当な量のVFX資源が投入されている 普通ならかなり怖いのだろうが、舞台裏を知り、ホラー慣れした筆者にはそうでもなかった ただレーザー・メスのトリックは斬新だった 「ソウ(Saw)」シリーズ8作目とは知らず、そういう意味ではまだまだ新鮮 原題は単に"Jigsaw"で、これは「ジグソーパズル」のことらしいが…
・ザ・サークル ⇒ソーシャル・ネットワークの時代、人々のつながりが強まり、情報公開が進み、バラ色の世界にも見えるが、一方でプライバシーの課題が浮き上がる この課題は欧米では早くから意識されており、日本でも理解が進んでいる そういう意味でもうひとひねりがほしかったかもしれない また、いつも企業繁栄の陰には腐敗ありか 原題も"The Circle"
▼人生はシネマティック!(英) ⇒映画の創り方がよく分かった 企画・アイデア、そしてそれらをストーリと台詞に落としていく 脚本が重要で、いろいろな社会の要請を受け容れていく、すべては脚色次第だとも思う 英国製らしい結構生真面目な作品 クリストファー・ノーラン監督の今年の作品「ダンケルク」も思い出しながら、このテーマは欧州、特に英仏では欠かせないものだと知った 原題は"Their Finest"=「最高の作品を求めて」か

▼ポリーナ、私を踊る(仏) ⇒ジョージア(グルジア)の貧しい家庭出身の天才バレエ少女ポリーナが、ボリショイ・バレエ団に入団するまでに成長するが、突然コンテンポラリー・ダンスに目覚め、南仏、パリ、ベルギーを放浪 最後に男女2人で踊るコンテンポラリー・ダンスは最高 原題は"Polina, danser sa vie"(仏)="Polina, dancing her life"=「ポリーナ、人生を懸けた踊り」か
・おじいちゃん、死んじゃったって ⇒田舎で認知症の祖母と暮らす祖父が亡くなった時、一家一族が集合するが、その時に表面化する反目や個別の事情 しかし、大家族は和解し未来に向かい歩み始める ロケ地は熊本県人吉市
・ネルーダ 大いなる愛の逃亡者(チリ・アルゼンチン・仏・西) ⇒筆者は全く知らなかったが、チリでは詩人、国会議員、民衆に寄添う共産党政治家、ノーベル文学賞受賞者として有名なパブロ・ネルーダの逃亡時代を扱った作品 ナレーションや彼自身の詩による物語展開の多用も無声映画風で面白い 原題は単に"Neruda"
★セブン・シスターズ(英・米・仏・ベルギー) ⇒とても意表を突いた展開で、余り先を読めず結構ハラハラし、充分に楽しめた ノオミ・ラパスが1人7役を演じているが、俳優もポスプロ職人も大変だったろうと想像 地球への警鐘として温暖化、人口爆発そして食糧危機の課題が提起され、その解決策として過去の中国並みの一人っ子政策が導入された世界の話 7つ子が7つの曜日を命名され、該当の曜日を分担して同一人物として外出するというトリックが秀逸だが、すぐに皆その隘路(あいろ)に気が付く 権力は腐敗し、後半はアクション映画に変身 原題は"What Happened to Monday?"=「月曜日に何が起きた?」
▼セントラル・インテリジェンス ⇒B級作品だと思うが、筆者の大好きな米国学園青春ハチャメチャ映画の一種 高校卒業とその後20年目のリ・ユニオン(同窓会)を巡るドタバタを、CIAエージェントと会計士を絡めて展開 「ワイルド・スピード」シリーズのドゥエイン・ジョンソンと人気コメディアンのケヴィン・ハートがバディ(相棒)を組んだ ドゥエインは高校・大学のアメフト実力選手そしてWWEの人気プロレスラーを経て映画俳優に 原題も"Central Intelligence"

▼密偵(韓) ⇒日本統治時代の朝鮮・韓国が舞台 実際に存在した、武装独立組織「義烈団」と日本警察との闘いを描く 中国・安東(現在は丹東)から京城(ソウル)までの列車内での出来事がクライマックス 日本警察に奉職した朝鮮人憲兵が主役で結果的に二重スパイになる 原題は"The Age of Shadows"=「暗黒時代」で、邦題とは全く違い日本統治の暗黒時代を指しているものと思われる 本作で描写されていることは半分は本当の話だと思うし、今から考えれば日本は一体何のために1910年から1945年まで韓国併合していたのだろうか
・グッド・タイム ⇒ニューヨーク・シティ(NYC)のアウトロー兄弟の話 弟(監督が演技)は知的障碍があるのか 同日3本目の鑑賞は疲れた
▼GODZILLA 怪獣惑星 ⇒望外にも面白かった ゴジラの長編アニメ作品3部作の第1部らしい ただ意味のない台詞をさも意味ありげに言うので、訳が分からなかった しかし、冒頭のつかみから、エンディングでの次作へのつなぎは良かった
▼斉木楠雄のΨ難 ⇒原作漫画がバカバカしいのだろうが、本作も全編漫画風で徹底していて面白い 40歳に近い新井浩文が高校の同級生だったり、ヒロインの橋本環奈に(背が低いのを逆用して)クラスで厚底靴やハイヒールを履かせたりしたのは、ブラック・ジョークか ロケ地は栃木県足利市、特に廃校の旧足利西高校はよく使われている
▼マイティ・ソー バトルロイヤル ⇒飛び回る派手なアクションばかりが目立つマーヴェル・コミックとDCコミックスの作品はもう観るのをやめようと思ったが、本作はストーリーが結構しっかりしており、ジョークも多かったので合格点か 「ドクター・ストレンジ」のベネディクト・カンパーバッチも出演し花を添えた 原題は"Thor: Ragnarok"=「ソー:ラグナロク、雷神:善悪の最終決戦」か

▼ローガン・ラッキー ⇒ジョン・デンバーが「故郷に帰りたい(Take Me Home, Country Roads)」で歌った、米国ウエスト・ヴァージニア州を舞台に繰り広げられる、米国版鼠小僧ストーリー 結局損をするのはウォール・ストリートだけという、今の米国社会底辺の忘れ去られた労働者たちにとっては実に痛快な話か 原題も"Logan Lucky"
・エンドレス・ポエトリー(仏・チリ・日) ⇒分かる人には分かる、分からない人には分からないという典型的な作品 筆者はその中間か 人生はいろいろ、人生は繰り返し、生きることが人生などの言葉を想い出す 原題"Poesía Sin Fin"(西)="Poésie sans fin"(仏)="Endless poetry"=「終わりのない、無限の詩」どおりのテーマか

(注)★はお薦め、▼は特定のマニア向け作品 製作国の表示がないものは米国か日本の作品

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2017年11月11日 (土)

11月上旬(1日~10日)に観た劇場映画

11月上旬(1日~10日)は、12本の劇場映画を観ました。1ヶ月間TOHOシネマズで映画無料観放題のチケット(フリーパスポート)を入手しました。予約ができないので、平日せっせと通うことになります。

・彼女がその名を知らない鳥たち ⇒1ヶ月前に公開された「ユリゴゴロ」に続く、沼田まほかるのミステリー小説の映画化 「ユリゴゴロ」でもそうだったが、とても一筋縄ではいかない、ややサイコパス的な人物達が登場 良い男と悪い男、あるいは良い女と悪い女の見分けは難しい しかし誰しも生きていかなくてはならない ラストシーンのヒロインの追想は何を意味するのか 原作舞台も大阪らしいが、ロケ地は大阪市内淡路駅、天満駅、玉造駅、鴫野駅、そして神戸市三ノ宮駅、北野あたりだそうだ 大阪弁はあんな感じでいいのだろうか
▼ブレードランナー 2049 ⇒前作から35年振りに製作された続編 前作のリドリー・スコット監督が製作総指揮に回り、後をドゥニ・ヴィルヌーブ監督が引き継いだ 前作は2019年を舞台にしているが、2017年を迎えてイメージが異なるところも多い そのあたりを少しは修正しながら、本作はさらに30年後の2049年を舞台にしている 火を噴く火力発電所が太陽光発電パネルに代わり、地上車はなくなり飛行車が増え、広告は3Dホログラムになり、雪も降る、云々 VFXを駆使した映像は凄い 本作におけるブレードランナーはレプリカントのK(ライアン・ゴズリング)、そのパートナーは3Dホログラム・イメージ 前作の残課題の秘密を追って老いたデッカード(ハリソン・フォード)を捜す 原題も"Blade Runner 2049" 「ブレードランナー」は「刃のようなランナー」なのか「刃の上を走るランナー」なのか
・エタニティ 永遠の花たちへ(仏・ベルギー) ⇒光にあふれた美しい映像が、台詞がほとんどない中、ナレーションの誘導により流れる 一連のピアノ曲の選曲も良く、ドビュッシーの「月の光」は最高 昔のフランス貴族階級の女性達の話で、多産多死の世界か ベトナムからフランスへ移住し、映画製作を学んだトラン・アン・ユンが脚本兼監督 原題も"Éternité"(仏)="Eternity"=「永遠、生涯」
▼バリー・シール アメリカをはめた男 ⇒トム・クルーズのあっけからんとした悪人振りは良かった 実話に基づく作品らしいが、米ソ冷戦時代、本作では1970年代後半からベルリンの壁崩壊(1989年)までの間の話 米国CIAが冷戦という秘密のベールに守られて中米でいかに勝手に無茶苦茶なことをやっていたかを改めて感じた ニカラグアのサンディニスタとコントラ、CIAのオリバー・ノース大佐、そしてイラン・コントラ事件等々、いろいろ話題になったがすべては明らかにされていない 原題は"American Made"で、直訳は「米国製」だが意訳すると「米国発の悪事」というところか
・ラストレシピ 麒麟の舌の記憶 ⇒二宮和也主演というよりは、西島秀俊と宮崎あおいのダブル主演という感じだった 結構ひっかけた後だったので、記憶が途切れた

・IT “それ”が見えたら終わり ⇒ホラー作品に慣れすぎてしまったせいか、筆者には余り怖くなかった いつも怖がらせの要素を分析しているために、直観的に怖く感じることがなくなったせいかもしれない スティーヴン・キング原作の映画化で、舞台は彼の出身地である米国メイン州の田舎町 原題は単に"It"
▼ミックス。 ⇒不完全な(人間は皆そうか)登場人物たちが織り成す、卓球・スポコン・コメディ・人情ラブストーリー 脚本が脚光を浴びるのは珍しいが、「ALWAYS 三丁目の夕日」シリーズや「探偵はBARにいる」シリーズの脚本を担当している古沢良太脚本 新垣結衣も演技巧者だが、後出「リングサイド・ストーリー」にも出演している瑛太のヒューマンなダメ人間振りもいい 出番は少ないが、吉田鋼太郎は面白い 余り気が付かなかったが、現役の卓球選手も多数出演していたようだ 作品中では神奈川の卓球大会であったと思うが、ロケ地は千葉、埼玉、群馬の3県だったらしい ローカル鉄道は千葉の小湊鉄道、卓球大会会場は高崎アリーナとのこと
・ゴッホ 最後の手紙(英・ポーランド) ⇒まるでゴッホの絵が動いているような不思議な作品だった クロマキーで俳優による実写映像を撮ってから、100人以上が画家たちが人物もゴッホ風の絵に変換したそうだ 製作陣のこだわりが感じられる ストーリーはフィンセント・ファン・ゴッホの死後(1890年)の手紙から始まるが、同日3本目だったので緊張が続かず 原題は"Loving Vincent"=「愛するフィンセント」
・氷菓 ⇒同名の青春学園ミステリー原作小説の映画化らしい 高校の古典部の復活と部にまつわる謎解きがメイン・ライン 山崎健人、広瀬アリス等いずれも大卒後にあたる年代が高校生を演じるには少しトウ(薹)がたってはいないか ロケ地は、原作の聖地でもある岐阜県高山市内の高校などのようだが、一部群馬県の廃高校も使ったらしい
★★ゲット・アウト ⇒正直やられた 人種問題、ラブ・ストーリー、コメディ、ホラー、サイコ、サスペンス、ファンタジー、クライム、アクション等、映画製作で考えられる要素をすべて盛り込んだ作品を初めて観たような気がする 怖がらせの小道具を多用しないにもかかわらず、怖いのは不思議 最初は人種を超えた恋愛話かと思っていたら、どんどんストーリーと場面が転換、反転していき、最後は予想もしない話に 黒人の友人の最後の台詞も気が利いている コメディアンのジョーダン・ビール(黒人)が脚本を書き初監督したなんて驚きだ 原題も"Get Out"

▼ポンチョに夜明けの風はらませて ⇒低予算作品だと思うが、東京芸大も後援に入っていて、なかなかの出来栄え 高校卒業を控えて、子供から大人になるタイミングで皆現実から抜け出したくなるものかもしれない 青春のエネルギーを発散させるロードムービーで、音楽と映像で魅せてくれる ロケ地はよく分からないが、エンドロールによれば東京・八王子市、茨城・行方市、埼玉・狭山市等らしい
▼リングサイド・ストーリー ⇒前述「ミックス。」でもそうだったが、瑛太はダメ人間を演じさせるといい 本作ではリアルな人物がそのままの役で沢山登場 映画監督の岩井俊二、プロレス団体WRESTLE-1の武藤敬司、K-1の武尊(タケル)たちだ 武正晴監督が「百円の恋」製作時と同じスタッフで製作 彼らは格闘技が好きなようだ ロケ地は、主役たちが暮らす街は東京・中野区、実在WRESTLE-1道場は新宿区百人町(JR大久保駅付近)、K-1試合会場はつくば市役所体育館、屋外トレーニング・シーンは世田谷区駒沢公園のようだ

(注)★はお薦め、▼は特定のマニア向け作品 製作国の表示がないものは米国か日本の作品

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2017年11月 7日 (火)

11月に観た劇場映画「ゲット・アウト」(特別編)

320 劇場映画作品「ゲット・アウト」を観て参りました。大絶賛したいと思います。

正直やられた 人種問題、ラブ・ストーリー、コメディ、ホラー、サイコ、サスペンス、ファンタジー、クライム、アクション等、映画製作で考えられる要素をすべて盛り込んだ作品を初めて観たような気がする 怖がらせの小道具を多用しないにもかかわらず、怖いのは不思議 最初は人種を超えた恋愛話かと思っていたら、どんどんストーリーと場面が転換、反転していき、最後は予想もしない話に 黒人の友人の最後の台詞も気が利いている コメディアンのジョーダン・ビール(黒人)が脚本を書き初監督したなんて驚きだ 原題も"Get Out"

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2017年11月 1日 (水)

10月下旬(21日~31日)に観た劇場映画

10月下旬(21日~31日)は、11本の劇場映画を観ました。10月末には札幌の小学校のクラス会に出席し、札幌と小樽の紅葉も楽しみました。

・ロキシー ⇒米国がいかに暴力にむしばまれているかを再認識させるクライム・バイオレンス・ラブストーリー 最初はヒーロー・ヴィンセントが強いが、最後はヒロイン・ロキシーが強い 原題は"Vincent N Roxxy"=「ヴィンセントとロキシー」で、邦題はなぜかヒロインの名前だけになっている
・アンダー・ハー・マウス(加) ⇒監督を含めほとんど女性のスタッフ陣が製作 女性の同性愛がテーマ 何となくテクニック指南映像にもなっている 原題は"Below Her Mouth"=「彼女の口(を使ったテクニック)で慰められて」か 邦題の「アンダー(Under)」は「離れて下」だが、「ビロウ(Below)」は「接触して下」
・婚約者の友人(仏・独) ⇒フランスのフランソワ・オゾン監督が仏・独の俳優を起用して製作 舞台は第一次世界大戦の後遺症に苦しむ、1919年のドイツ モノクロとカラーの映像そして仏語と独語が入り交じり、音楽、絵画、手紙等いろいろ気の利いた小道具も登場 仏・独の興味深い関係もうかがえる いろいろ謎があるミステリー仕立てだが、皆相手を想うがために嘘をつくのか… 原題は"Frantz"=「フランツ」で、戦争で亡くなった、ヒロインの婚約者(独)の名前
▼ブレードランナー ファイナル・カット(2007年) ⇒「ブレードランナー」はフィリップ・K・ディックの原作SF小説「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」(1968年)を1982年に映画化したもの それをリドリー・スコット監督自身が35年目(2007年)に再編集・デジタル修復したものが本作 「ブレードランナー」は当時余りに先進的だったためにわかには受け入れられなかったが、時間の経過とともにファンを獲得 2019年の酸性雨が降り注ぐロサンゼルスが舞台で、反乱を起こしたレプリカント(人造人間)4人をブレードランナー(レプリカント追跡専門の刑事)のリック・デッカード(ハリソン・フォード)が追うのがメイン・ストーリー 4年間というレプリカントの寿命、人間と見分けるための専用の検査方法、空飛ぶ自動車(スピナー)等がユニークだが、製作過程でいろいろな変更があったため誤謬や矛盾点も少なくない デッカードの相棒レイチェル(人間に近いレプリカント)が妊娠したことが今後のテーマとして残される 製作前に日本を訪問したスコット監督のイメージで新宿歌舞伎町を彷彿とさせる映像と日本語があふれる 製作年の習慣からか登場人物はとにかくよく煙草を吸うが、米国の現実は禁煙が拡がっているのは誤算か 撮影はワーナー・ブラザーズのバーバンク・スタジオ(カリフォルニア州)とロサンゼルス市内各所にて行われたようだ 原題も"Blade Runner: The Final Cut" ところで本作は爆音上映で観たが、聴覚も馴れが速くすぐに気にならなくなった
▼あゝ、荒野 後篇 ⇒前10日間に観た「前篇」に続き「後篇」を鑑賞 「前篇」の1年後の2022年の姿を描くが、ボクシングは青春の炎を燃やすにはやはり最適なスポーツの一つだと確信 今回も菅田将暉とヤン・イクチュンが薄幸な生立ちを背負ってボクシングに邁進 二人ともトレーニングで西新宿、歌舞伎町等新宿の街を走り回る 前篇と違い後篇はボクシング中心なので、盛上りが周期的に来て好ましい 断たれていた親子の絆も少し… ところで、2022年でも理髪店ではまだ手動バリカンを使っているのか

・アナベル 死霊人形の誕生 ⇒欧米は悪魔話が本当に好きだと思う 話の展開は想定内だが、場面の突然変換、音楽と効果音、そして灯りの点滅と消滅による怖がらせは健在 悪魔が生き延びたのは困る なお、不思議に思ったのは米国では睡眠時部屋のドアを開けておくのが普通だったかなということ 原題は"Annabelle: Creation"=「アナベル: 創造、創始」か
・我は神なり(韓) ⇒宗教に胡散臭さを突き、哭きがとても多い韓国アニメ なぜかとても心地好く時間を忘れた 原題は"The Fake"=「まやかし、でっちあげ」
・ル・コルビジェとアイリーン 追憶のヴィラ(ベルギー・アイルランド) ⇒邦題にかかわらず本作はアイルランド出身のインテリア・デザイナー、アイリーン・グレイに関するもの 特に彼女が恋人の建築評論家ジャン・バドヴィッチと一緒に設計し、インテリアも含め1929年に南仏カップ・マルタンに完成させたヴィラE.1027が主題 E.がアイリーン、10がジャン、2がバドヴィッチ、そして7がグレイを表している 日本でもよく知れられているル・コルビュジエは彼女の才能に結局のところ嫉妬し、1938年に無断でヴィラの壁にフレスコ画を描く そして第二次世界大戦後彼は最終的にヴィラを所有するに至るが、1965年に77歳でヴィラ前の海で溺死 アイリーン・グレイはパリに店舗を構え、女性歌手の恋人もいたが、視力悪化で引退し、1976年にパリで98歳で亡くなった 戦時中ドイツ占領下でヴェズレーに疎開する悲惨な姿も描かれる 原題は"The Price of Desire"=「欲望の代価、代償」か
▼女神の見えざる手(仏・米) ⇒ワシントンD.C.で働いたことのある人、あるいは米国政治に興味がある人には必見 ただし台詞が多く速いので、よくよく注意して観ていないと何を言っているのか分からないことも多い 何度か観る必要があるかもしれない 監督は「恋におちたシェイクスピア」(1998年)でアカデミー賞作品賞(1999年)を受賞したジョン・マッデン ヒロインは「ゼロ・ダーク・サーティ」(2012年)でもヒロインを演じたジェシカ・チャステイン 脚本は初脚本ながら完成後約1年で映画化されたジョナサン・ペレラ ペレラは英国の弁護士だったが、クリエイティブな仕事がしたいと韓国で英語教師をしながら本作脚本を執筆したという変わり者 チャステインが、事務所を移籍してまで銃規制法案を推進する側を応援する鉄の女ロビイストのエリザベス・スローンを熱演 しかし、夜はエスコート・サービスで寂しさを紛らすのも現代風なのか、ガラスの天井を破る方法なのか ストーリーは権謀術数の極みであり、盗撮、盗聴、プライバシー侵害等、一線を越えかねないようなところまで至る そういう意味では誰も死なないが、まるでスパイ・サスペンス作品のよう 米国らしく議会上院委員会の聴聞会(ヒアリング)でクライマックスを迎え、そこで気持ちいいどんでん返し 鍵になるのがサイバネティック・ロボ・ローチというゴキブリ・ロボットによる盗聴というのはファンタジーだろう 原題は"Miss Sloane"でヒロインの姓「スローン女史」
・猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー) ⇒「猿の惑星」リブート・シリーズの第3作目 チャールトン・ヘストンが主演したオリジナル版「猿の惑星」(1968年)に話がつながるようになっているようだ 旧作5作品では特殊メイクで極めて人間臭い猿たちだったが、新作3作品では俳優の動作・表情をパフォーマンス(モーション)・キャプチャーでコンピューターに取り込み、CGで作成された猿のビジュアルに組み込んだので極めてリアルな猿たちに進化 しかしどれがどの猿か分かりにくいのが難 猿の世界にはメスも登場するが、人間の世界には猿のウィルスで聾になった少女以外は女性が登場しないのはなぜだろうか 撮影は米国カリフォルニア州とカナダ・アルバータ州の山間で行われたようだ なお、ポスプロのVFXで15,000人の仕事を創ったとしている 原題は"War for the Planet of the Apes"=「猿の惑星になるための戦争」か

▼先生!、、、 好きになってもいいですか? ⇒広瀬すずちゃんは相変わらず走り回っていた 映画「海街Diary」(2015年)で初めてお目にかかったが、また格段に演技が上手くなったように感じる でもまだ半分は天然で演じているような気もする なぜかすずちゃんの姿に引き込まれ共感してしまうので、昔を想い出して涙する女性も多そうだ 「ナラタージュ」も先生と生徒の恋愛を扱っているが、有村架純よりすずちゃんの方が演技上手だし、可愛い ただ、すずちゃんは19歳でまだしも、あとは皆20歳以上の俳優が高校生役を演じているのがちょっと… ロケ地は主に岡山市内だが、一部旧足利西高校(栃木県足利市)等も使われたようだ 橋上の名シーンは岡山市の旭川に架かる京橋を貸切りで撮影した模様

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2017年10月21日 (土)

10月中旬(11日~20日)に観た劇場映画

10月中旬(11日~20日)は、13本の劇場映画を観ました。好作品が多かったように思います。今週末は台風21号の影響で映画鑑賞はお休みです。

・あさひなぐ ⇒同名原作漫画を乃木坂46のメンバー主演で映画化 女子スポコンの青春ドラマ なぎなた部が高校の部活動として結構定着していることは知らなかった ロケ地は栃木県佐野市の旧県立田沼高校(閉校)、八王子市南大沢のスポーツクラブとアウトレット、山梨県南巨摩郡南部町の内船寺など、首都圏各地
・ソウル・ステーション パンデミック(韓) ⇒「新感染 ファイナル・エクスプレス」(韓)の前日譚のアニメ作品らしい やはり観る順番が逆のようで、「新感染 ファイナル・エクスプレス」に比べて物足りなさも
▼愛を綴る女(仏・ベルギー・加) ⇒フランスのベストセラー原作小説の映画化らしい 舞台はラベンダー畑の拡がるプロヴァンスで、リヨンの病院も主要な場所 手紙がやはり重要な役割を果たすが、ファンタジーの要素もあるので惑わされる部分も 欧州作品には精神的に問題のある女性をヒロインとするものが結構多い 原題は"Mal de pierres"="Stone sickness"=「石病、結石」でヒロインが入院する原因となった病気か
▼望郷 ⇒湊かなえの短編集「望郷」の中の「夢の国」と「光の航路」が原作 前半は姑(夫の母、「しゅうとめ」とも読む)の嫁いびりがテーマで、後半は中学校の女子生徒間のいじめがテーマ いずれも過去を清算し、未来に向かって生きようとする若者達の姿が救い ロケ地は湊かなえの故郷・因島(広島県尾道市)、尾道市そして福山市らしい
▼アウトレイジ 最終章 ⇒北野武監督のアウトレイジ3部作の最終作 北野監督が脚本・編集も兼ね、ビートたけし(大友)としても主演 さすがに手慣れたもので、ストーリー展開も、役者達の演技も、適当な長さの編集技術も見事 アクションのない西田敏行と塩見三省は顔演技で魅せる ロケは韓国済州(チェジュ)島、横浜、東京・新大久保、神戸等で行われたようだ

▼あゝ、荒野 前篇 ⇒ボクシング映画はとにかく一所懸命に努力するところと自分に勝ち、更生し自己実現するところに感情移入しやすい 寺山修二の唯一の同名長編小説の映画化 原作は前の東京オリンピック後の1966年に設定してあるが、本作は次の東京オリンピック後の2021年に設定変更 作品中に登場する自殺防止安全云々というのはどう関係するのか ロケは主に新宿歌舞伎町と新大久保の辺りで行われようだが、一部高崎市と足利市の店舗も使われたらしい
・亜人 ⇒原作コミックがあり、アニメ映画化もテレビアニメ化もされたものの実写映画化 漫画の発想は本当に自由でいいと思う その分実写映画版のCGやVFXは実に大変だったのではないか 特に、黒い粒子やIBM(コンピューターではなく、インビジブル・ブラック・マターのことらしい)の映像製作は大変だったろう ロケ地は神戸市、滋賀県米原市、東京・品川と木場、千葉市幕張等で、NTT幕張ビルも使われたらしい
▼あさがくるまえに(仏・ベルギー) ⇒邦題が訳の分からないものになっているので、作品内容を予想しにくいが、本作のテーマは心臓移植 心臓摘出と移植の手術の映像はとてもリアルで、手術の様子がよく分かった 未邦訳の仏語原作小説があるようだが、心臓のドナーの家族と心臓のレシピエント本人の苦悩、そして関わる医師、看護師達の専門性と献身がよく描かれている 大きなクライマックスはなく静かな作品だが、いろいろ考えさせるには好都合か 原題は"Réparer les vivants"(仏)="Repairing the living"=「生き物の修復・補修、命を救うこと」か
▼立ち去った女(比) ⇒白黒で約4時間の長尺だが、昨年の第73回ヴェネチア国際映画祭(2016)で金獅子賞を受賞 フィリピンのラヴ・ディアス監督が脚本、撮影そして編集も兼ねる 監督が撮影・編集も兼ねるので、撮ったものをなるべく活かすために長尺になったとも考えられる しかし、ワンカットの1シーン、1シーン毎が結構長いことで、実舞台の場面が展開しているようにも観え、結構心地よく面白い ストーリー展開は貧富の差の大きいフィリピンらしく予想の範囲 使用言語はほぼタガログ語でたまに英語 ロケ地はディアス監督の出身地、フィリピン・ミンダナオ島のコタバトらしい 原題はやはりタガログ語で、"Ang babaeng humayo"="The woman went" グーグルの英訳どおりだと和訳は「その女は立ち去った」か
・静かなふたり(仏) ⇒パリのカルチェ・ラタンにある古書店を軸に、静かに展開する若い女性と初老の男性の交流 息の詰まる田舎からパリに移住してきたヒロインは、イザベル・ユペールの娘が演じているらしいが余り似てはいない 日常生活で巡るパリの昼夜の風景も見物 あからさまな激しい男女の性愛と静かなふたりの交流も対比か 地面に突然落下す鳥の死骸とほとんど働かない男の関係は何か 原題は"Drôles d'oiseaux"(仏)="Funny birds"=「面白い鳥、面妖な鳥」で、邦題とは眼の付け所が全く違う

・ナラタージュ ⇒ナラタージュとは「映画などで、ある人物の語りや回想によって過去を再現する手法」らしい 本作のヒロイン工藤泉(有村架純)のナレーションで話が展開 彼女は高校の教師・葉山貴司(松本潤)と同じ大学の学生・小野怜二(坂口健太郎)の間で揺れ動く 泉が「小野くん」と呼ぶ度に、筆者・小野もややドキドキ 行定勲監督らしい丁寧な作りだが、原作小説が長編なためかやや冗長 ロケはほぼ富山県で行われたらしく、富山市、高岡市、射水市等の各地で目撃されている エンドロールの協力項には千葉県松戸高校の名もあった
・エルネスト もう一人のゲバラ(日・キューバ) ⇒キューバで、しかも全編スペイン語で撮影した坂本順治監督(兼脚本)と主演のオダギリ・ジョーに感心 日系ボリビア人の「坂の上の雲」風の物語かと思ったが、やや飽きがきた
★アトミック・ブロンド ⇒スパイ・アクション映画好みには絶好の一品 シャーリーズ・セロンが007を超える女スパイを超熱演 舞台が東西冷戦終了間際の1989年の東西ベルリンというのはやや旧いが、二転三転四転のストーリーとアクションからは眼が離せない ヒロインの回想形式で場面が展開するが、米国作品だからか結局は米国一人勝ちか 最初のキーワードが"cock sucker"=「コック・サッカー、ポコチン吸い」で、最後のキーワードもそうなのは気が利いている 原題も"Atomic Blonde"

(注)★はお薦め、▼は特定のマニア向け作品 製作国の表示がないものは米国か日本の作品

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2017年10月11日 (水)

10月上旬(1日~10日)に観た劇場映画

10月上旬(1日~10日)は、16本の劇場映画を観ました。今回は、少しマニアックなB級作品を追ってしまったかなという感じです。

★ドリーム ⇒米国バージニア州ハンプトンにあるNASAラングレー研究所で、黒人と女性という2つの差別と闘った3人の黒人女性職員の実話を描く 原作小説がありその映画化だが、話は1960年代のことであり、たった50数年前のこと 当時は、トイレ、食堂、電車・バス、そして学校もすべて黒人用は区別されていた 原題は"Hidden Figures"=「知られざる人物達」か
・ナミヤ雑貨店の奇蹟 ⇒東野圭吾の同名小説の映画化 正直に言って、前半のヒロイン・セリ(門脇麦)が主題歌REBORNをステージで歌うシーンで終映で良かった 後半のヒロイン田村晴美(尾野真千子)に関する話は、展開が森田芳光監督の「未来の想い出 Last Christmas」(1992、藤子・F・不二雄原作)にそっくり ロケは大分県豊後高田市で行われ、ナミヤ雑貨店と丸光園(児童養護施設)のオープンセットが造られた
・アフターマス ⇒太ったアーノルド・シュワルツェネッガーが主演 ドイツ上空での航空機空中衝突事故の実話に基づく作品 復讐話の展開の発想が米国らしい ただ、復讐の連鎖がないのが救い 原題も"Aftermath"=「余波」
▼オペレーション・クロマイト(韓) ⇒第二次世界大戦後1950年に金日成率いる北朝鮮軍に攻め入られ、朝鮮半島南東部に追い詰められた独立軍(韓国軍) 劣勢打開のために日本駐在の連合国軍総司令官ダグラス・マッカーサー(リーアム・ニーソン)が計画した仁川上陸作戦(クロマイト作戦) その成功の陰には北朝軍に紛れ込んだ独立軍諜報員達の、死をもいとわない活躍があったことを初めて知った 韓国の若者はこのことを知っているのだろうか やはり対日ではなく対北が韓国の永遠の優先課題だろう 韓国で反日運動が進む背景には、反北をカモフラージュする北朝のスパイ達の活動があるのだろう 朝鮮戦争は3年続き、300万人が死亡したらしい 原題も"Operation Chromite"=「クロマイト作戦」 クロマイトは金属クロムの原鉱石
▼AMY SAID エイミーセッド ⇒大学のシネマ研究会の仲間8人が20年振りに再会し、当時自死したマドンナ・エミを巡り、今だからこその話を交わす その合間に各自の現在の境遇が見えてくる まるで舞台のような作品で、いさかいもあるが皆未来に向かっていく

・奥田民生になりたいボーイと出会う男すべてを狂わせるガール ⇒原作漫画があるようだから自由にはならないかもしれないが、大根仁監督の作品としては「モテキ」(2011年)の方が断然面白かった 今や嫉妬をコントロールできるようになった筆者としては、この作品中の男達の感情は少々理解できない 女性も同時に複数の男をセフレにすることは余りないと思うが、このように男を手玉に取れれば楽しいかもしれない ロケ地は東京都内で、上野、五反田、西新橋、中目黒方面らしい
・ブラッド・スローン ⇒米国の刑務所はこのような感じなのかと思わせる 家族を守るためにはここまでやるか、そして最終的に刑務所内から指揮する悪事のボスになるという逆転の発想が凄い 原題は"Shot Caller"で、違っているかもしれないが、和訳すると「武器取引の電話発信」か
・プールサイドマン ⇒同じようなシーンの連続が5回登場 これはちょうど1週間かもしれないし、退屈な日常からの脱出を描いているのかもしれない 栃木県大田原市のチームが同市でロケし製作
・ユリゴコロ ⇒原作ミステリー小説があるようだ 勘違いで開映にかなり遅れたしまったが、話の筋は充分想像できる範囲だった 現在と20年前を往きつ戻りつストーリーが展開するが、原作小説がそうなのだろうが、かなり無理がありそう 主人公が書いたノートが重要な役割を果たす ロケは栃木県、群馬県、東京等各地で
・三つの光 ⇒よく分からないまま終わってしまった 休息になってしまった

・スクランブル(仏) ⇒ワイルド・スピードのフランス版か フランス・コート・ダ・ジュール(マルセイユ)の海岸風景は最高だった ストーリーと映像はそれなりに面白かった 主演はクリント・イーストウッドの息子スコットで、結構好演 原題は"Overdrive"=「オーバードライブ」
・わたしたち(韓) ⇒いじめられる女の子とはどういう子供かということを考えた 体格とか家庭の事情とかだろうか いじめる側はどういう子供だろう 多分ボスがいると思うが、そういうボスをクラスリーダーにしてはどうだろうか 英語原題は"The World of Us"=「私達の世界」
・軽蔑(1963)(仏・伊・米) ⇒ジャン=リュック・ゴダール監督が1963年に製作した作品のデジタル・リマスター版 舞台はイタリアで、ブリジット・バルドーが主演 彼女はフランス人だと思うが、こんな禅問答のような会話しかできない人とは絶対に付き合いたくないなと感じた 原作小説があるようだから、彼女やフランス女性が必ずしもそうだという訳ではなさそうだが… 一体本作の言語は何だったのだろう、英語は聴き取れるが、仏語と伊語が分からなかった 原題は"Le mépris"(仏)="Contempt"=「軽蔑、侮辱、侮蔑」
・セザンヌと過ごした時間(仏) ⇒ポール・セザンヌとエミール・ゾラが幼馴染みだったとは知らなかった 地中海に近いエクサンプロバンスで共に育ち、共に芸術家を夢見てパリに向かう ゾラは作家として早く成功するが、セザンヌは芽が出ず再び故郷に戻り孤独に絵を製作 セザンヌは晩年そして死後に評価が高まる 文芸の方が絵画より早く名声を得られやすいのかもしれない エクサンプロバンスとはセザンヌの絵によく登場するサント・ヴィクトワール山が観えるところ 原題は"Cézanne et moi"(仏)="Cézanne and I"=「セザンヌと私」
・ブルーム・オブ・イエスタディ(独・墺) ⇒ホロコーストの研究に関して、加害者と被害者の孫同士が出会い、反発しながらも惹かれ合う2人を描く ラストのニューヨークのシーンは気が利いている 原題は"Die Blumen von Gestern"(独)="The flowers of yesterday"=「昨日の花々」だが、どういう意味だろう

▼パーフェクト・レボリューション ⇒出生時から脳性麻痺による四肢の痙性麻痺(けいせいまひ)がある熊篠慶彦氏(1969年生まれ、48歳)は身体障碍者の性に関する啓蒙活動をしている 彼自身の生活を基に、ともに友人の松本准平が監督・脚本、リリー・フランキーが主演・クマで、半分ラブストーリー仕立てにして本作を製作 ヒロイン・ミツ(清野菜名)の台詞「障害は私たちのためにある 私たちが愛し合うために 私たちが生まれ変わるために 私たちが不可能を可能にするために」が本作のテーマ ぶっ飛んだ恋愛喜劇として観れば結構面白かった ただし、身障者の性をこんなにあからさまに描写していいのかと思う人もあろう 熊篠氏のNPO活動をTENGAが支援しており、本作にもプロダクト・プレイスメントとしてTENGAが登場 ロケ地は横浜、南浦和、川崎、有明、新宿等首都圏各地 終映後のトークショーで水道橋博士とともにリリー・フランキー、そして熊篠氏本人まで登場 作品中にも台詞があるが、リリーさんが本物のクマさんに「人生の一番の夢はタッチバック」と言わせた 「立ちバック」らしい

(注)★はお薦め、▼は特定のマニア向け作品 製作国の表示がないものは米国か日本の作品

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2017年10月 1日 (日)

9月下旬(21日~30日)に観た劇場映画

9月下旬(21日~30日)は、15本の劇場映画を観ました。頑張りました。

▼禅と骨 ⇒京都・嵐山の天龍寺(禅宗・臨済宗)にヘンリ・ミトワ(1918~2012)という米国人の僧侶がいたことは全く知らなかった 彼はドイツ系米国人と東京・新橋の芸者の息子として東京で生まれ、戦前一度米国に帰国し日系人収容所生活も経験し、戦後日本に帰国 とても好奇心の強い人で、家具、茶道、陶芸、禅等々に多芸多才の能力を示す 一方家族は彼の我儘に結構振り回されたようだ 終映後突然中村高寛監督が登場し、撮影に5年間、製作に8年間かかり、400時間の映像があるそうだ
・エイリアン コヴェナント ⇒リドリー・スコット監督の続編だが、話としては面白かった アンドロイド(マイケル・ファスペンダー)が人間に秘かに敵対するかもしれないという恐怖も描いている 人類は将来やはり地球から移住しなければならないのだろうか 相変わらずVFXを担当するポスプロの人数の多さが目立つ オーストラリアやニュージーランドまでにも拡大している 原題も"Alien: Covenant"で、"Covenant"は宇宙船の名であるが「約束、盟約」という意味もあるようだ
・ギミー・デンジャー ⇒米国パンク・ロックの始祖であるバンド「ザ・ストゥーンズ」のヴォーカル・リーダーのイギー・ポップに関する音楽ドキュメンタリー 原題も"Gimme Danger"だが、多分"Give Me Danger"=「危険要求、危険希求」のことか
★ダンケルク ⇒クリストファー・ノーラン監督の、最大限セットを使った現実感の強い映像シーンの連続からは目が離せなかった 史上最大の救出作戦について、陸上の1週間、海上の1日間、そして空中の1時間を同時に描いている おどろおどろしい音楽も良かった 原題も"Dunkirk"="Dunkerque"(仏)で、フランス北部の港町
・汚れたダイヤモンド(仏・ベルギー) ⇒フランス製の新しいタイプのフィルム・ノワール 父親の恨みを晴らそうとする青年が復習を企てるが、意外な結末に 原題は"Diamant noir"(仏)="Black Diamond"=「黒いダイヤモンド」

▼散歩する侵略者 ⇒劇作家・前川知大率いる劇団「イキウメ」の人気舞台の映画化らしい さすがに台詞が舞台がかっているし、現代社会への粋な批判・皮肉にもなっている 宇宙人は人間の概念・意識を盗んでいくが、最後に盗んだものは… ロケ地は栃木県、茨城県、埼玉県、千葉県、神奈川県等の各地
・ジュリーと恋と靴工場(仏) ⇒フランスの地方都市(ロマン)にある靴工場の労働争議と恋を喜劇調のミュージカル映画に仕立てている 原題は"Sur quel pied danser"(仏)="On what dancing foot"=「ダンスに履くものは」
・仁光の受難 ⇒女性に異常にモテる僧侶、人斬り侍、男の精気を吸い取る妖怪山女が登場し、絡み合った末の結末は…
★追想(仏) ⇒ロベール・アンリコ監督(仏)の1975年作品をデジタルリマスター化したものを再上映 第二次世界大戦末期、ドイツ占領下にあるフランスで占領軍とヴィシー傀儡政権の介入に負けずに、レジスタンス兵も含め敵味方なく医療活動を続ける仏人医師が主人公 美しい妻(ロミー・シュナイダー)と娘を自身が所有する古城に疎開させたが、撤退する独軍に虐殺されたことを知り、勝手知ったる古城で孤独な闘いを挑む 武器は古い散弾銃で、闘いの折々に過去の回想(追想)シーンが挿入される 原題は"Le vieux fusil"(仏)="The old gun"=「古い銃」、作品内容をより正確に反映すると「古い散弾銃・ショットガン」
・戦争のはらわた(英・西独) ⇒サム・ペキンパー監督(米)の1977年作品を40周年を記念してデジタルリマスター化し再上映 当時の価値で600万ドルの製作費を費やして、当時のユーゴスラビアでセット・ロケ撮影されたらしい VFXがない時代でも、これだけリアリティのある映像が撮影できるのかと感心 原題は"Cross of Iron"=「鉄十字章勲章」で、独軍の悪徳上官が欲しがった勲章か

・50年後のボクたちは(独) ⇒ドイツでベストセラーになっている児童小説を映画化したらしい お洒落な現代キッド・サマー・ロード・ムービーになっている 思春期、出会い、14歳の少年の自立等々甘酸っぱい思い出が拡がる ドイツの田舎は広い 原題は、原作小説と同じ"Tschick"=「チック」で、ロシア系の転入少年の名前
★笑う故郷(アルゼンチン・西) ⇒海外で著名になった芸術家が帰郷して、利用されたり、妬み嫉みの対象になったり、散々な目に合うことは、外国ではよくあることなのだろうか 本作では40年間スペインに住みノーベル賞受賞作家になった主人公が、故郷アルゼンチンのサラスに名誉市民として帰国した際に経験する、途方もない毀誉褒貶を描く ラスト・シーンも衝撃的 主演のオスカル・マルティネスは2016年・第73回ベネチア国際映画祭で最優秀男優賞を受賞 原題は"El ciudadano ilustre"(西)="The illustrious citizen"=「有名な市民、名誉市民」
・プラネタリウム(仏・ベルギー) ⇒第二次世界大戦前にフランスで降霊術を売り物にしていたアメリカ人姉妹の不思議な話 映画界の重鎮が姉妹に関する作品を製作しようとするが… 姉妹を「ブラック・スワン」のナタリー・ポートマンとジョニー・デップの娘・リリー=ローズ・デップが演じた 原題も"Planétarium"(仏)="Planetarium"
▼ポルト(ポルトガル・仏・米・ポーランド) ⇒ポルトはポルトガル第2の都市で、美しい港町だそうだ そこで展開する、26歳のアメリカ人青年と考古学を勉強している32歳のフランス人女性の一夜の邂逅を描く 欧州の映画にはよくある方式だが、それぞれの登場人物の視点からのストーリーをオムニバス風に構成 欧州では言語が入り混じっているいる時は、現在は英語を共通語にするのだろうか 原題も"Porto"で、意味は"Port"=「港」らしい 主演のアントン・イェルチンは昨年6月に自動車事故で亡くなっている
・僕のワンダフル・ライフ ⇒犬の視点を借りて、子供の成長、高校時代のスポーツ・恋愛、別離、そして邂逅を描く 犬は輪廻転生を繰り返すが、犬の擬人化が過ぎるかもしれない よく訓練された犬種の違う犬たちとドローン撮影による米国田舎の美しい風景は見物 本作にもVFXが使われているのには驚いた 原題は"A Dog's Purpose"=「犬の目的、意思」か

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2017年9月21日 (木)

9月中旬(11日~20日)に観た劇場映画

9月中旬(11日~21日)は、9本の劇場映画を観ました。小旅行などもあって、なかなかペースが上がりません。

▼ボブという名の猫 幸せのハイタッチ(英) ⇒英国でも若者のドラック乱用そしてそれに伴うホームレス化が問題になっているらしい 足を怪我して迷い込んできた野良猫がそういう若者の一人を救ったという実話に基づく同名小説を映画化 ストリート・ミュージシャンの肩に乗る猫ボブは、エンドロールの映像を観ると小説になった実物のボブが出演しているようだ 原題は"A Street Cat Named Bob"で、より忠実に和訳すれば「ボブと名付けられた野良猫」か
▼新感染 ファイナル・エクスプレス(韓) ⇒ゾンビ映画なので大体の筋は予想できるが、パンデミック・パニックがソウルからプサン(釜山)に向かう高速列車の中で発生することが新鮮 さもありなんという自己中の人間たちが多数登場するが、ゾンビたちとの決死の闘いを繰り広げる中で人間性を取り戻していく様子が救い 原題は"Train to Busan"=「釜山(プサン)往き列車」
・旅する写真家 レイモン・ドゥ・パルドンの愛したフランス(仏) ⇒仏写真家レイモン・ドゥ・パルドン自作自演ドキュメンタリー 原題は"Journal de France"="News"=「ニュース」
▼おクジラさま ふたつの正義の物語(日・米) ⇒映画「ザ・コーヴ」(2009年)により世界中の反捕鯨運動にさらされた和歌山県太地町について、なるべく公平な視点から現状を紹介しようとしたドキュメンタリー 真実を知るために太地町にしばらく移り住むまでした米人ジャーナリスト・ジェイ・アラバスターの存在が本作に特別な重みを与えている 彼は「資源保護の点からは、太地町の捕鯨は絶滅危惧種は捕獲していないので、全く問題ない」と言う 小型のクジラをイルカと言うことは知らなかったが、太地町では確かにイルカ(小型クジラ)も捕獲して水族館に売ったり、食用にしたりしている スイスに本部があるWAZA(世界動物園水族館協会)が今後捕獲したイルカをショーには使わないことを決めたため、イルカショーへの販売は行き詰まっている 原題は英語で"A Whale of a Tale"=「物語としてのクジラ」か
▼ナインイレブン 運命を分けた日 ⇒結構リアリティ満載の作品だった 筆者も1980年代後半に北棟107階にあったレストラン「ウインドウズ・オン・ザ・ワールド」に行ったことがあるので、余計にそう思った 閉じ込められたエレベーターの中での密室劇でもあるが、高層ビルでエレベーターに閉じ込められるのは最高の恐怖に他ならないだろう 原題も"9/11"

▼サーミの血(スウェーデン・デンマーク・ノルウェー) ⇒ラップランド(スカンジナビア半島北部及びロシア・コラ半島北部)にはサーミ民族が居住しており、各国で差別されていることは知らなかった 日本のアイヌ民族のことを思い出した 本作は1930年代のスウェーデンを舞台にサーミの日常から抜け出そうとする少女の成長を描く 原題は"Sameblod"(ノルウェー・スウェーデン)で、グーグルで翻訳すると"Same Blood"=「同じ血」となるが…
▼オン・ザ・ミルキー・ロード(セルビア・英・米) ⇒大人のお伽話(ファンタジー) 「戦争は不要、愛は必要」というメッセージか 結構シリアスな内容なのに映像はドタバタ喜劇(スプラスティク・コメディ) サラエボ出身のエミール・クストリッツア監督が主演も兼ねる 原題も"On the Milky Road"=「牛乳運搬道にて」か
・三度目の殺人 ⇒キャストはいいのだが、何一つ結論が出ないストーリーはいかがなものか 余韻ばかりが残った 北海道留萌市はやはり貧しいのだろうか 雪原で福山雅治、役所広司、広瀬すずの3人が大の字に並んで寝転ぶところを上空から撮影したシーン(空想シーンだと思うが)は印象に残った ロケ地は北海道留萌市、そして神奈川県・埼玉県の各地らしい
・スキップ・トレース(米・中・香) ⇒ジャッキー・チェンが出演する映画では、エンドロールの横に映されるNG集がいつも面白い 作品内容は余り憶えていない 原題も"Skiptrace"だがどういう意味だろうか

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2017年9月11日 (月)

9月上旬(1日~10日)に観た劇場映画

9月上旬(1日~11日)は、3本の劇場映画を観ました。今週さる勉強会で発表を行いますが、そのための資料準備にかなりの時間を割きました。

▼米軍(アメリカ)が最も恐れた男 その名はカメジロー ⇒戦後沖縄のために一貫して平和的に戦った政治家・瀬長亀次郎に関するドキュメンタリー TBSテレビでお馴染みの佐古忠彦氏が監督 我々はもっと沖縄のことを勉強しなければならないと思った 太平洋戦争時、本土決戦前の捨て石として沖縄が地上戦の激戦地にされ、米軍に占領された後は基地の作り放題 1972年の沖縄の本土復帰後は、本土の米軍基地の縮小・撤退が先に進んだため、沖縄にある米軍基地の割合は59%から71%に増えているいるとのこと 現在も沖縄は米軍基地のための捨て石になっているのではないか 国内では自衛隊基地反対運動は、隊員の犯罪率が小さいためか、余り聞かれないようなので、長期的には米軍を自衛隊に置き換えていくことも解決策として考えられないか
・草原に黄色い花を見つける(ベトナム) ⇒1980年代後半にベトナム中南部のフーイエン省の寒村で暮らす思春期の兄弟と幼馴染みの少女の交流を描いた原作小説の映画化 日本の戦前の田舎を思わせるような美しい自然とホルンとクラリネットが主旋律を奏でる音楽が印象的 原題は"Tôi Thấy Hoa Vàng Trên Cỏ Xanh"(ベトナム)="I Saw Yellow Flowers On Green Grass"で邦題どおり
▼あしたは最高のはじまり(仏・英) ⇒オマール・シーが大活躍する、ぶっ飛びフランス・コメディ 子役も素晴らしく、泣かせるツボも心得ている ロンドン市内各地でロケしているのに、ほぼ全編フランス語なので少し不思議な感じ 原題は"Demain tout commence"(仏)="Tomorrow everything starts"=「明日すべてが始まる」で、ほぼ邦題どおり

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2017年9月 1日 (金)

8月下旬(21日~31日)に観た劇場映画

8月下旬(21日~31日)は、16本の劇場映画を観ました。猛暑がぶり返す中、頑張りました。

▼ベイビー・ドライバー ⇒音楽とカー・チェイス・アクション映像の最高のコラボを追及した作品 1969年発表のサイモンとガーファンクルの楽曲「ベイビー・ドライバー」も終盤に流れ、タイトル等本作の発想の源とも思える 最後に主人公が捕まって、裁判所で証言をして刑が確定するくだりがあるが、これは蛇足では… 原題も"Baby Driver" "Baby"は主人公のニックネームでもある ロケは米国ジョージア州アトランタ市で行われた模様
・ワン・デイ 悲しみが消えるまで(韓) ⇒主人公にしか見えない女性(魂)が登場するファンタジーだが、訳が分からないうちに終わった 原題も"One Day"
・静かなる情熱 エミリー・ディキンスン(英・ベルギー) ⇒米国ではとても有名な女流詩人らしいが、エミリー・ディキンスンという人物については全く知らなかった 19世紀に米国マサチューセッツ州アマースト(ボストンの西方100km位にある町)で、清教徒主義に影響された、厳格で潔癖な人生を送ったことは分かった 撮影は本人が実際に暮らしたアマーストの屋敷で行われたとのこと 原題は邦題前半部どおりの"A Quiet Passion"
・ダイバージェント FINAL ⇒ダイバージェント・シリーズの3作目 前2作も分かったようで分からなかったが、今回も似たような感じ 区別主義、差別主義は人間社会には適合しないことは明白 原題は"Allegiant"=「寓意」らしい
▼LUCK-KEY ラッキー(韓) ⇒痛快なクライム・コメディ いろいろな仕掛けもあって最後まで楽しめる 完全オリジナルかと思ったが、内田けんじ監督のコメディ「鍵泥棒のメソッド」が下敷きだったらしい 原題も"Luck-Key"

・スターシップ9(西・コロンビア) ⇒コロンビアが係わった作品を初めて鑑賞 宇宙船で宇宙飛行をしていたはずが、実は地上での宇宙船模擬装置内での実験であったという話 原題は"Orbiter 9"=「オービター 9」 オービターとは、一定の軌道を巡るための宇宙船のことらしい
▼ギフト 僕が君に残せること ⇒米国のアメリカン・フットボール・チーム「ニュー・オーリンズ・セインツ」で活躍したプロ・ディフェンス選手スティーヴ・グリーソンが、引退後ALSに罹患した後を追ったドキュメンタリー 妻との関係、生まれてくる息子へのビデオ・メッセージ、チーム・グリーソンの活動、スティーヴ・グリーソン法(音声合成機器の保険適用)の成立等々が語られる 実に生々しく、感動的だが、何とか早くALSの治療法が発見されないものか 原題は"Gleason"=「グリーソン(主人公の姓)」
▼ハイドリヒを撃て!「ナチの野獣」暗殺作戦(チェコ・英・仏) ⇒神聖ローマ帝国からオーストリア帝国、オーストリア・ハンガリー帝国を経て、第一次世界大戦後に独立したチェコスロバキア その後第二次世界大戦中にナチス・ドイツに蹂躙されたが、本作は当時ユダヤ人絶滅政策を強行したナチス親衛隊大将暗殺に挑んだ実話に基づく 余り光の当たらない国の悲劇に光を当てたことを評価 チェコは第二次大戦後はソ連傘下のチェコスロバキアとなり、ソ連崩壊後スロバキアと分離し今に至る 原題は"Anthropoid"=「類人猿」だが、これは在英だったチェコ亡命政府軍の作戦名か
・蠱毒ミートボールマシン ⇒しがない取立て屋の日常から、宇宙人が登場し変身、激しい格闘アクションに急転換 極端なスプラッター映画作品となる 特殊メイク、特撮、VFX、ポスプロは大変か 蠱毒は「こどく」と読み、「犬を使用した呪術である犬神、猫を使用した呪術である猫鬼などと並ぶ、動物を使った呪術の一種である 『器の中に多数の虫を入れて互いに食い合わせ、最後に生き残った最も生命力の強い一匹を用いて呪いをする』という術式が知られる」とのこと
★幼な子われらに生まれ ⇒直木賞作家・重松清の21年前の同名小説の映画化 当時よりも離婚が一般化している現在にもっと適合する作品 浅野忠信が黙々と働く主人公役を淡々と(そう見えるだけかもしれないが)演じている 三島有紀子監督がそれらを優しく描写 片親が異なる子供たちがいて、親に振り回される鬱積した感情や、また一方で子供らしい純真な気持ちがほとばしる 親の違う子供たちが早く仲良くなって協同意識を持つことも大事かなとも思った ロケ地は兵庫県西宮市のJR福知山線西宮塩名駅周辺

▼パターソン ⇒米国ニュージャージー州パターソン(ハドソン川対岸のニューヨーク市近郊の街)でバス運転手として働く主人公パターソンの一週間を描いた、ほのぼのとした作品 秋のある月曜日から次の月曜日まで普通の米国人の生活パターンが登場 街の中央に滝のある美しいところで、著名詩人の出身地でもあり、主人公も詩作にいそしむ 詩が全編をつなぐ接着剤 中東系、インド系、アフリカ系、東洋系等の人物が登場し、ニューヨーク市近郊が人種のルツボであることを示す 原題も"Paterson" "Anderson"もそうだが、"-son"で終わる英語固有名詞のアクセントは必ず先頭にあるので注意が必要
・RE:BORN リボーン ⇒最初から最後までほぼ全編格闘アクションの連続 ロケ地は石川県加賀市
・打上げ花火、下から見るか?横から見るか? ⇒岩井俊二監督製作のテレビドラマ(1993年放送)のアニメ映画化らしい 映像は美しかったが… モデル地(ロケ地)は千葉県銚子市、旭市等
▼エル ELLE(仏) ⇒原作小説があるようだが、ポール・バーホーベン監督の語り口は変幻自在で、なかなか落ち着かない フランスでは普通のことなのかもしれないが、愛の組合せも複雑多岐 謎解きが終わった後も緊張感が継続し、クライマックスへ 主演イザベル・ユペールが熱演 原題も"Elle"(仏)="She"=「彼女」
・関ヶ原 ⇒司馬遼太郎原作小説の実写映画化なので、司馬流の誰も知らない、登場人物の心の動きの語りがそこかしこにあった 石田三成の実像は知る由もないが、天下分け目の戦を決断したのは凄い 島左近の忠義振りは素晴らしいが、柳生一族が真田一族と同じように両陣営に家人を送り込んで生き残りを図ったことは、事実ならば実に面白い 小早川秀秋はいわゆる通常の史伝よりも情に厚い好人物に描かれている ロケ地は京都と滋賀中心に各地

・ワンダーウーマン ⇒DCコミックス原作の作品だからこういう感じになるのは仕方がないか 毎年数本製作されるDCとマーヴェルの映画作品を観るのは少々疲れてきた 元ミス・イスラエルのユダヤ人美人女優が主演 長いエンドロールにはVFX等のポスプロ業務に携わる非常に多くの人々の名前が 作中の台詞にあるが、超能力者は神なのか 原題も"Wonder Woman"

(注)★はお薦め、▼は特定のマニア向け作品 製作国の表示がないものは米国か日本の作品

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