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2018年2月11日 (日)

2月上旬(1日~10日)に観た劇場映画

2月上旬(1日~10日)は、12本の劇場映画を観ました。ややマニアックな作品が多かったような気がします。

・神と人との間 ⇒「獣道」(2017)・「下衆の愛」(2016)の内田英治監督が谷崎潤一郎の同名小説を映画化 友人の詩人・佐藤春夫に谷崎が妻千代子を譲るという実話を基にした作品で、本作中ではそれぞれ穂積、添田、朝子となっている 本作は「谷崎潤一郎原案 TANIZAKI TRIBUTE」企画3部作の第1作で、次に同様の2作品が公開を控えている
・羊の木 ⇒同名コミックを実写映画化 国家の秘密プロジェクトで元殺人者の受刑者6人の男女を過疎の街に送り込むことから発生する凶悪犯罪を描く 犯罪者の1人を演じる松田龍平の存在感が大きい ロケ地は魚津市を中心とした富山県各地と石川県輪島市
・祈りの幕が下りる時 ⇒東野圭吾の人気ミステリー「加賀恭一郎シリーズ」の第10作目にあたる同名小説の映画化 主人公の加賀はテレビ・映画ともに阿部寛が演じている 加賀を捨てて寒漁村に逃れた母親が、殺人事件の鍵になる男と複雑に絡み合う ロケ地は神田明神、茅場町、羽村市動物園など首都圏各地と宮城県仙台市、塩竃市、石巻市、松島町など
・サファリ(墺) ⇒アフリカのナミビアでのトロフィー・ハンティングの実態を追ったドキュメンタリー そもそもトロフィー・ハンティングという言葉も知らなかった それは有料で野生動物をライフル銃で仕留める娯楽で、欧米では結構流行しているらしい それぞれの価格を支払えば、ガイドの案内にしたがって、ヌー、シマウマ、キリンなどを狩猟し、記念撮影するとともに剥製を持ち帰るというもの 動物の皮は現地の黒人達が剥ぎ、余った肉は彼らが食す トロフィー・ハンティングの収益は動物保護と狩猟のための野生動物飼育に使われるというのも驚きだ 原題も"Safari"
・わたしたちの家 ⇒時空の歪みか何かが関係しているのか、女2人の母子家庭の物語と、記憶喪失の女を引き取った1人暮しの女のストーリーが、同じ家で進行する不思議な作品 清原惟女流監督のデビュー作 ロケ地は神奈川県横須賀市にある築約85年の飯島商店(現在はイベント会場等として営業中)らしい

320_17 ★スリー・ビルボード(英) ⇒原題は"Three Billboards Outside Ebbing, Missouri"=「ミズーリ州エビング郊外の3枚の大看板」だが、エビング(Ebbing)は架空の街のようだ 監督・脚本を兼ねたマーティン・マクドナーの物語構成力が凄い 凶悪犯罪の発生、夫婦・子供の課題、警官や聖職者の差別意識と事なかれ主義、人種差別や学校でのイジメなど、米国のありとあらゆる側面が登場 それらが3枚の大看板に掲載された広告によりグルグル回り始める ただし、弱いものイジメの常習でサボり癖のあるディクソン刑事が突然変身するのがやや唐突 マクドナー監督はアイルランド系英国人なので、外国人の目で冷徹に米国社会を描けたのかもしれない 今年の第90回アカデミー賞作品賞候補になっているが、3月4日(日本時間5日)の発表が楽しみ
・ザ・リング/リバース ⇒鈴木光司著のミステリー・ホラー小説「リング」(1991)を原作とする同名映画作品(1998年)は米国で2度リメイクされているが、本作は3度目のもの ビデオカセットテープがPCの映像ファイルになっており、スマホも活躍するなど、新しい視点が取り入れられていて、結構怖い作品になっていた 原作どおりエンドレスのような感じで終わっている
・ミッドナイト・バス ⇒1969年三重県尾鷲市生まれの女優作家伊吹有喜(ゆき)の同名原作小説(2014)を映画化 説明要素が多いので分かりやすいが、かなり長尺で冗長 一番気になったのは主人公高宮利一(原田泰造)が小料理屋・居古井(多分「いこい」と読むのだろう)のママで恋人の古井志穂(小西真奈美)と別れる時の別れ方 女性が書いた原作なのに結構男に都合よくなっていると思うが、男の計算違いを強調するためか 利一の元妻が逃げ出した理由が姑のいじめであり、これが物語のすべての発端だが、武島一鶴氏の「(男子の母)親離れ」の話を思い出した 姑が嫁をいじめる時は、息子が母親に頭を下げて「これからは一番大切な人は嫁・妻で、申し訳ないが母親はその次」とお願いしなければならないそうだ 居古井のロケ地は大森駅(東京都大田区)西口直ぐの山王小路飲食店街(通称「地獄谷」)で、ここは昔の職場への通勤経路だったことから何度か立ち寄ったので懐かしい 志穂のペットの柴犬がかわいいし、結構貴重な役割を果たしている 主人公が長距離バスの運転手なので、中が広い横3列座席のバスで関越自動車道の関越トンネルをくぐって東京側と新潟側を行ったり来たり したがって、ロケ地は新潟市と東京各地、そして佐渡島など
・ゴーギャン タヒチ、楽園への旅(仏) ⇒フランス後期印象派のポール・ゴーギャン(1848-1903)が1991年に仏領タヒチ島に渡り、理想的な野生の美人モデル・テフラと出会い、生活苦の中でも傑作を制作した模様を描く テフラを演じるツイー・アダムズはタヒチで見い出されたらしい タヒチの粗末なアトリエには葛飾北斎の浮世絵「神奈川沖浪裏」が掛かっていた 原題は"Gauguin - Voyage de Tahiti"(仏)="Gauguin - Tahiti Travel"=「ゴーギャン タヒチの旅」
・名前のない女たち うそつき女 ⇒ノンフィクション作家・中村淳彦のAV女優インタビュー集「名前のない女たち 貧困AV嬢の独白」の映画化 雑誌記者のインタビュー模様は何か現実離れしているように感じたが、ヒモ、母親、妹が登場しそんなもんかと…

▼ローズの秘密の頁(アイルランド) ⇒アイルランドの人気作家セバスチャン・バリーの同名小説(同国コスタ賞受賞)の映画化 アイルランドと英国は敵対関係にあったことは余り知らなかった 特に17世紀にクロムウェルにより征服された後は、土地の収奪や言語の英語化が強制され、たがために多数が米国に移民したらしい 確かに米国北東部にはアイルランド系の市民が多い この背景を知らなければ本作は一部分かりにくいところがある 聖書に書かれた自伝により、40年間も病院に収容されていた老女の過去が明らかになる 時々過去の回想映像に移るが、ルーニー・マーラが若いヒロインを演じている 美人は余りいじめられないと思うのだが… 聖書にメモを残すのも新鮮だし、脚本も良くできていると思う 原題は"The Secret Scripture"=「秘密の聖書」
・デヴィッド・リンチ アートライフ(米・デンマーク) ⇒TVドラマ「ツイン・ピークス」の製作・監督として有名なデヴィッド・リンチに関するドキュメンタリー 彼は米国モンタナ州で生まれ、少年時代をワシントン州スポーケンで過ごし、その後バージニア州アレクサンドリアに引越し、ペンシルベニア州フィラデルフィアの大学で映像製作を学ぶ 早くから絵画制作を始め、映像製作以外の芸術の才能にもあふれる 原題も"David Lynch: The Art Life"

(注)★はお薦め、▼は特定のマニア向け作品 製作国の表示がないものは米国か日本の作品

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