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2018年2月の4件の記事

2018年2月25日 (日)

2月18日~24日の週に観た劇場映画

2月18日(日曜)~24日(土曜)の週は、8本の劇場映画を観ました。いろいろな意味で、印象深い作品が多かったと思います。

・エターナル(韓) ⇒韓国のスター俳優イ・ビョンホンがアクションを封印して、新たな境地を開拓 主役が韓国ソウルから飛行機に搭乗してオーストラリア・シドニーに向かうのでトリッキーだが、本作は魂の彷徨を描く 懐かしいシドニーのハーバー・ブリッジやオペラハウスも登場するが、タスマニア島の断崖の海岸風景は凄い 原題は"Single Rider"だが、「一人で浮遊するもの」という感じだろうが、「(追加修正のための)付箋」という意味もありそう
▼グレイテスト・ショーマン ⇒実在の米国興行師P.T.バーナム(1810~1891)にヒュー・ジャックマンが扮し、彼の半生を描く バーナムは移動式のサーカス形式の興行を創り上げた人物として知られる 19世紀当初の芸術は富裕な上流階級だけのものであったが、彼は庶民への娯楽・エンターテインメントを提供しようとした 「ラ・ラ・ランド」(2016)で有名になる前の楽曲担当2人にオリジナル音楽を依頼 歌と踊りそしてサーカスのコラボが素晴らしい セット、絵画などの美術とVFXもなかなか 原題も"The Greatest Showman"だが、あえて和訳すると「偉大な興行師」か
・サニー 32 ⇒昨年2月厳寒の新潟県長岡市・新潟市で撮影されたらしい 海辺の小屋の中での終盤のシーンはネット中継され視聴者からのコメントが 筆者にはなかなか作品の意図が理解できなかったが、ロケ現場が寒いためだろうが石油丸ストーブが部屋の中央に置かれていたのが印象的だった
・アバウト・レイ 16歳の決断 ⇒原題は"3 Generations"=「3世代」であり、本来女性家族3世代にまつわる話 3世代目のレイのトピックから始まって、だんだん3世代それぞれの秘密や悩みが明かされていくのが面白いところ 米国ではこんなにもLGBTの問題が一般的なのだろうか それでも結果はハッピーエンド 米国では本作は2015年公開だが、日本では今年になったので「The beguiled ビガイルド 欲望のめざめ」にも出演しているエル・ファニングの少女時代を鑑賞できる
★THE PROMISE 君への誓い(西・米) ⇒1915年にオスマン(通称オスマン・トルコ)帝国で起きたアルメニア人虐殺事件は日本では余り知られていない これが本作のテーマであり、また「消えた声が、その名を呼ぶ」(2014独・仏・伊・露・ポーランド・加・土・ヨルダン)でもそうだった 1914年にドイツ同盟国側で第一次世界大戦に参戦したオスマン帝国 支配下に多くのアルメニア人を擁するロシアの介入を嫌って、翌年アナトリア半島の東南部に住むアルメニア人を現在のシリア・アレッポ付近(沙漠)に移住させようとした しかし、結果的に約150万人のアルメニア人を虐殺したとされる 本作では約4,000人のアルメニア人は地中海に面したトルコ南岸からフランス海軍軍艦に救出されたという史実を描く これには米国AP通信のアメリカ人記者が大きな役割を果たしたそうだ 救出された人々の大部分は最終的に米国に移住し、その子孫は数10万人に達しているという 原題も"The Promise"=「約束」 それにしてもオスマン帝国の支配下にあった地域に民族紛争が多いのはなぜだろう 旧ユーゴスラビア、シリア、イラク、ウクライナ、ジョージア、アルメニアなどがそうだ

・花咲くころ(ジョージア・独・仏) ⇒1991年にソ連から独立したジョージアの首都トビリシで生活する2人の親友少女たち 彼女らの1992年の春から夏にかけての出来事を描く ジョージア出身の女性監督が同国出身の少女2名を起用 原題は"Grzeli nateli dgeebi"だが意味不明
・RAW 少女のめざめ(ベルギー・仏) ⇒フランス人女流監督の問題作らしい 前半の獣医学校の新入生歓迎が過激でハチャメチャ 大音量音楽、ダンス、酒、タバコ、セックス、ゲイ等々からカニバリまで描く 教訓はないが不思議な作品 女性の観客が多かったのはなぜだろうか 原題は"Grave"(仏)="Serious"=「深刻な」
★今夜、ロマンス劇場で ⇒映画への愛と夢が沢山詰まった作品 旧い映画館と古いフィルム作品、旧い映画撮影所、映画からの抜出し、モノクロとカラーの使分けなど、名作へのオマージュもふんだんに カラーテレビが出現し、映画の役割が変化し始めた1960年頃の話 B級作品のようにも思えるが、最近余り作品に恵まれなかったように見えた綾瀬はるかにとっては代表作の1つになるかもしれない ロケ地は、栃木県足利市の旧東映プラザ(作中ではロマンス劇場)、赤煉瓦工場「トチセン」(作中では京映撮影所)、松村写真館(作中ではアパート)、あしかがフラワーパークなどの他、東京、神奈川、群馬、茨城等首都圏各地

(注)★はお薦め、▼は特定のマニア向け作品 製作国の表示がないものは米国か日本の作品

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2018年2月18日 (日)

2月11日~17日の週に観た劇場映画

2月11日(日曜)~17日(土曜)の週は、12本の劇場映画を観ました。今回からは10日間毎から1週間毎のエントリーに変更します。

・マンハント(中) ⇒西村寿行の小説「君よ憤怒(ふんぬ)の河を渉れ」(1975)を映画化した、高倉健主演の「君よ憤怒(ふんど)の河を渉れ」(1976)をジョン・ウー監督が中国製作でリメイク オリジナル作品は東京と北海道が舞台だが、本リメイク版は大阪と岡山県蒜山(ひるぜん)高原が舞台 底流にあるのは製薬会社の違法・不法行為で同様だが、アクション内容や2人の女殺し屋の登場などほぼ新作企画風 原題は「追補 Manhunt」(中・英)=「追捕(追いかけて捕まえる)」 1979年に中国公開された高倉健主演の前出オリジナル作品の中国語タイトルも「追捕」 大阪市内のロケ地はあべのハルカス、でんしば、近鉄大阪上本町駅、中之島、堂島川、大阪城など
▼犬猿 ⇒ユニークで面白い作品創りをする吉田恵輔監督が自身のオリジナル脚本で製作 極道の兄を持つ兄弟と美人だけが取得の妹を持つ姉妹が入り交じるブラック・コメディ お笑いコンビ「ニッチェ」の江上(えのうえ)敬子が生真面目で、器用な姉を好演 ロケ地は栃木県足利市、富士急ハイランド(静岡県富士吉田市)、東京池袋の居酒屋など
・悪女 AKUJO(韓) ⇒韓国初の女性主役のアクション作品 冒頭主役のスクヒ(女性)が敵地に乗り込み、50人以上もの敵と戦い倒す連続シーンがクライマックスかも チョン・ビョンギル監督が格闘技黒帯の女優キム・オクビンを主演に起用 彼女はアクション・シーンの9割以上をスタントなしで自ら演じたそうだ 原題は"The Villainess"=「悪女、毒婦」
・富美子の足 ⇒谷崎潤一郎の同名小説を映画化 「谷崎潤一郎原案 TANIZAKI TRIBUTE」企画3部作の第2作目 いわゆる「脚・足フェチ」の話で、確かに美しい脚・足を溺愛し、舐めまくる男たちを描く ロケ地はさいたま市のあたりらしい
▼不能犯 ⇒雑誌連載中の宮月新原作同名コミックの実写映画化 誰にでも生じそうな邪悪の心を実現してくれる男がいたらという発想のサイコパス・ホラー・サスペンス作品 主役宇相吹(確か、うそぶき)正を演ずる松坂桃李が結構怖い 対決する刑事多田友子を演じる沢尻エリカは思った以上に好演 どんでん返しの筋もあり面白い ロケ地は東京都立川市(立川駅、立川中央病院)、国立市(国立市役所、国立音大)、多摩市(多摩センター)、静岡県牧之原市(榛原(はいばら)中央病院)など

・坂本龍一 PERFORMANCE IN NEW YORK:async(米・日) ⇒中咽頭癌を乗り越えた坂本龍一が、昨年8年振りに発表したアルバム「async」のリリースを記念して開催したライブの映像化 坂本龍一がついに辿り着いた、自然界の揺らぎにも似た不思議な音で溢れている 会場は米国ニューヨーク市マンハッタンのパーク・アヴェニュー・アーモリーで、観客は1回100人限定とのこと
・ライオンは今夜死ぬ(仏・日) ⇒日本の諏訪敦彦監督(兼脚本)がフランスの名優ジャン=ピエール・レオを起用して、南仏コート・ダ・ジュールのラ・シオタやグラースで撮影 2つの映画撮影現場と死をからませて物語が展開 原題は"Le lion est mort ce soir"(仏)="The lion is dead tonight"で邦題どおり ジャンが好きで、作品中に歌われる歌のタイトルでもある
・苦い銭(仏・香) ⇒中国雲南省昭通市から2,000km以上離れた浙江省湖州市に出稼ぎに来た少女らを追ったドキュメンタリー 約1,800の縫製工場があり約30万人の出稼ぎ労働者が2,500円前後の日給で子供服を製造しているそうだ ワン・ビン(王兵)監督の本作は巷では高評価のようだが、やや画面の暗い映像が2時間40分以上長々と続くので、筆者にはやや苦痛だった 原題は「苦钱 Bitter Money」で、和訳は「苦い銭」というよりは「苦しい、又は辛い銭」か
▼巫女っちゃけん。 ⇒巫女の話なので、昨夏猛暑の中にもかかわらず、福岡県福津市にある宮地獄神社でロケした作品 宮地獄神社はもちろん福津市のこともよく知らなかったが、神社は実名そのままで登場 神社の巨大な注連縄(しめなわ)と西方向に一直線に続く参道の先の海岸に落ちる夕日は有名らしい ペチャパイ(?)の広瀬アリスが主演し、妹すずに負けないぶっ飛んだ演技を見せた 母子の確執、母と女の葛藤などが底流にあるテーマ 神社の作法なども教えながらも、リリー・フランキー扮するとぼけた宮司やオーディション採用の子役の演技を含め、コミカルで、大げさで、面白い ロケ地は神社を中心、福津市内各地
・コンフィデンシャル 共助(韓) ⇒北朝鮮の偽札ドル・スーパーノート印刷用の銅版が盗まれ韓国ソウルに 北朝鮮外交団とともに派遣されたイケメン刑事が韓国のブサイクな刑事と組んで3日間で共助捜査を行うという斬新な構想 両国の隠された意図、個人的な怨念・遺恨、居候娘の恋心などがコミカルに描かれる ただし、韓国作品らしい格闘やカーチェイスのアクションも見逃せない 「LUCK-KEY  ラッキー」(韓2016)でも好演した韓国刑事役のユ・ヘンジがとにかく面白い 本作を観ると、現状の金王国の実情にかかわらず、韓国国民は同民族だからと楽観的考えているのかもしれない 原題は"Confidential Assignment"=「機密指定」か

・劇場版 アイドルキャノンボール2017 ⇒アイドル発掘ドキュメンタリーとテレクラキャノンボールを何とか合体させようとしたドキュメンタリー風作品 アイドル候補生又は現役アイドルとの××撮りを目指すという、何ともハチャメチャな設定 ロケ地は千葉県東金市の合宿所の他、宮古市や横浜市
・リバーズ・エッジ ⇒岡崎京子の人気同名原作漫画の実写映画化 イジメ、暴力、タバコ、セックス、ドラッグ、芸能活動、過食・拒食、兄弟・姉妹の確執など、高校生活にまつわる目一杯の問題が登場 横長ではなく横縦4:3のスタンダードサイズの狭い画面で、少々老けた高校生たちが登場・演技 ロケは、浜松市の廃高校と足利市の渡良瀬川河川敷の他、桐生市、川崎市、和光市等首都圏各地で行われた模様

(注)★はお薦め、▼は特定のマニア向け作品 製作国の表示がないものは米国か日本の作品

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2018年2月11日 (日)

2月上旬(1日~10日)に観た劇場映画

2月上旬(1日~10日)は、12本の劇場映画を観ました。ややマニアックな作品が多かったような気がします。

・神と人との間 ⇒「獣道」(2017)・「下衆の愛」(2016)の内田英治監督が谷崎潤一郎の同名小説を映画化 友人の詩人・佐藤春夫に谷崎が妻千代子を譲るという実話を基にした作品で、本作中ではそれぞれ穂積、添田、朝子となっている 本作は「谷崎潤一郎原案 TANIZAKI TRIBUTE」企画3部作の第1作で、次に同様の2作品が公開を控えている
・羊の木 ⇒同名コミックを実写映画化 国家の秘密プロジェクトで元殺人者の受刑者6人の男女を過疎の街に送り込むことから発生する凶悪犯罪を描く 犯罪者の1人を演じる松田龍平の存在感が大きい ロケ地は魚津市を中心とした富山県各地と石川県輪島市
・祈りの幕が下りる時 ⇒東野圭吾の人気ミステリー「加賀恭一郎シリーズ」の第10作目にあたる同名小説の映画化 主人公の加賀はテレビ・映画ともに阿部寛が演じている 加賀を捨てて寒漁村に逃れた母親が、殺人事件の鍵になる男と複雑に絡み合う ロケ地は神田明神、茅場町、羽村市動物園など首都圏各地と宮城県仙台市、塩竃市、石巻市、松島町など
・サファリ(墺) ⇒アフリカのナミビアでのトロフィー・ハンティングの実態を追ったドキュメンタリー そもそもトロフィー・ハンティングという言葉も知らなかった それは有料で野生動物をライフル銃で仕留める娯楽で、欧米では結構流行しているらしい それぞれの価格を支払えば、ガイドの案内にしたがって、ヌー、シマウマ、キリンなどを狩猟し、記念撮影するとともに剥製を持ち帰るというもの 動物の皮は現地の黒人達が剥ぎ、余った肉は彼らが食す トロフィー・ハンティングの収益は動物保護と狩猟のための野生動物飼育に使われるというのも驚きだ 原題も"Safari"
・わたしたちの家 ⇒時空の歪みか何かが関係しているのか、女2人の母子家庭の物語と、記憶喪失の女を引き取った1人暮しの女のストーリーが、同じ家で進行する不思議な作品 清原惟女流監督のデビュー作 ロケ地は神奈川県横須賀市にある築約85年の飯島商店(現在はイベント会場等として営業中)らしい

★スリー・ビルボード(英) ⇒原題は"Three Billboards Outside Ebbing, Missouri"=「ミズーリ州エビング郊外の3枚の大看板」だが、エビング(Ebbing)は架空の街のようだ 監督・脚本を兼ねたマーティン・マクドナーの物語構成力が凄い 凶悪犯罪の発生、夫婦・子供の課題、警官や聖職者の差別意識と事なかれ主義、人種差別や学校でのイジメなど、米国のありとあらゆる側面が登場 それらが3枚の大看板に掲載された広告によりグルグル回り始める ただし、弱いものイジメの常習でサボり癖のあるディクソン刑事が突然変身するのがやや唐突 マクドナー監督はアイルランド系英国人なので、外国人の目で冷徹に米国社会を描けたのかもしれない 今年の第90回アカデミー賞作品賞候補になっているが、3月4日(日本時間5日)の発表が楽しみ
・ザ・リング/リバース ⇒鈴木光司著のミステリー・ホラー小説「リング」(1991)を原作とする同名映画作品(1998年)は米国で2度リメイクされているが、本作は3度目のもの ビデオカセットテープがPCの映像ファイルになっており、スマホも活躍するなど、新しい視点が取り入れられていて、結構怖い作品になっていた 原作どおりエンドレスのような感じで終わっている
・ミッドナイト・バス ⇒1969年三重県尾鷲市生まれの女優作家伊吹有喜(ゆき)の同名原作小説(2014)を映画化 説明要素が多いので分かりやすいが、かなり長尺で冗長 一番気になったのは主人公高宮利一(原田泰造)が小料理屋・居古井(多分「いこい」と読むのだろう)のママで恋人の古井志穂(小西真奈美)と別れる時の別れ方 女性が書いた原作なのに結構男に都合よくなっていると思うが、男の計算違いを強調するためか 利一の元妻が逃げ出した理由が姑のいじめであり、これが物語のすべての発端だが、武島一鶴氏の「(男子の母)親離れ」の話を思い出した 姑が嫁をいじめる時は、息子が母親に頭を下げて「これからは一番大切な人は嫁・妻で、申し訳ないが母親はその次」とお願いしなければならないそうだ 居古井のロケ地は大森駅(東京都大田区)西口直ぐの山王小路飲食店街(通称「地獄谷」)で、ここは昔の職場への通勤経路だったことから何度か立ち寄ったので懐かしい 志穂のペットの柴犬がかわいいし、結構貴重な役割を果たしている 主人公が長距離バスの運転手なので、中が広い横3列座席のバスで関越自動車道の関越トンネルをくぐって東京側と新潟側を行ったり来たり したがって、ロケ地は新潟市と東京各地、そして佐渡島など
・ゴーギャン タヒチ、楽園への旅(仏) ⇒フランス後期印象派のポール・ゴーギャン(1848-1903)が1991年に仏領タヒチ島に渡り、理想的な野生の美人モデル・テフラと出会い、生活苦の中でも傑作を制作した模様を描く テフラを演じるツイー・アダムズはタヒチで見い出されたらしい タヒチの粗末なアトリエには葛飾北斎の浮世絵「神奈川沖浪裏」が掛かっていた 原題は"Gauguin - Voyage de Tahiti"(仏)="Gauguin - Tahiti Travel"=「ゴーギャン タヒチの旅」
・名前のない女たち うそつき女 ⇒ノンフィクション作家・中村淳彦のAV女優インタビュー集「名前のない女たち 貧困AV嬢の独白」の映画化 雑誌記者のインタビュー模様は何か現実離れしているように感じたが、ヒモ、母親、妹が登場しそんなもんかと…

▼ローズの秘密の頁(アイルランド) ⇒アイルランドの人気作家セバスチャン・バリーの同名小説(同国コスタ賞受賞)の映画化 アイルランドと英国は敵対関係にあったことは余り知らなかった 特に17世紀にクロムウェルにより征服された後は、土地の収奪や言語の英語化が強制され、たがために多数が米国に移民したらしい 確かに米国北東部にはアイルランド系の市民が多い この背景を知らなければ本作は一部分かりにくいところがある 聖書に書かれた自伝により、40年間も病院に収容されていた老女の過去が明らかになる 時々過去の回想映像に移るが、ルーニー・マーラが若いヒロインを演じている 美人は余りいじめられないと思うのだが… 聖書にメモを残すのも新鮮だし、脚本も良くできていると思う 原題は"The Secret Scripture"=「秘密の聖書」
・デヴィッド・リンチ アートライフ(米・デンマーク) ⇒TVドラマ「ツイン・ピークス」の製作・監督として有名なデヴィッド・リンチに関するドキュメンタリー 彼は米国モンタナ州で生まれ、少年時代をワシントン州スポーケンで過ごし、その後バージニア州アレクサンドリアに引越し、ペンシルベニア州フィラデルフィアの大学で映像製作を学ぶ 早くから絵画制作を始め、映像製作以外の芸術の才能にもあふれる 原題も"David Lynch: The Art Life"

(注)★はお薦め、▼は特定のマニア向け作品 製作国の表示がないものは米国か日本の作品

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2018年2月 1日 (木)

1月下旬(21日~31日)に観た劇場映画

1月下旬(21日~31日)は、12本の劇場映画を観ました。雪にも負けず頑張りました。1月は結局34本を鑑賞しました。

▼嘘を愛する女 ⇒朝日新聞によると27年前の朝刊記事「夫はだれだった」が本作の発端だったようだ 中山美穂の旦那だった辻仁成がその記事を「存在証明」という随想にまとめ、さらにそれを読んだ本作監督の中江和仁が10年ががりで100回以上書き直した企画脚本で映画化 オリジナル映画企画発掘のツタヤ・クリエイターズ・プログラム(2015)で第1回グランプリを受賞 説明過多という批評もありミステリーとしては少々物足りない気もするが、事実は小説より奇なりで結構面白い 後半美しい瀬戸内しまなみ海道を手掛りを求めてさまようシーンは人生の悲哀を感じさせる 長澤まさみ主演であるが、筆者には吉田鋼太郎主演のようにも思えた ロケ地はしまなみ海道の因島、生口島(以上広島県尾道市)、大三島、伯方島(以上愛媛県今治市)等と、首都圏各地
・ジオストーム ⇒VFXを駆使した、米国らしいSF宇宙アクション大作 筋書きも勧善懲悪のエンディングも実にアメリカらしいが、充分に楽しめる 原題も"Geostorm"
・デトロイト ⇒「ハートロッカー」(2008)でアカデミー賞作品賞と監督賞(女性初)を受賞したキャスリン・ビグロー監督が、「ゼロ・ダーク・サーティ」(2012)に続き送り出した現実感に富んだ実録風作品 1967年7月に米国ミシガン州デトロイトで発生した、警察による大量黒人逮捕に対する黒人達の暴動が題材 暴動3日目にモーテルの一室から狙撃された(実は陸上のスターター・ピストル)と感じたデトロイト警察やミシガン州兵が押しかけ、若い3人の白人警官達が主に黒人のモーテル滞在者を監禁、脅迫、暴行し自白強要 その中で白人警官達が黒人3人を殺す事件に発展 終盤は白人検事の取調べ、そしてすべて白人の裁判官、陪審員、検事、弁護士による裁判を描く 結局2人の格下警官はすべてを自白したにもかかわらず、白人警官達は刑事事件としては全員無罪判決 3人の白人警官達は警察を辞職したが、民事の賠償金はわずか5,000ドル 原題も"Detroit" 本作裁判場面を観てアメリカン・フットボールの名選手だったO.J.シンプソンの殺人事件(1994年6月)を思い出した 本件ではシンプソン側は5億円の弁護団を組み、日系裁判長、黒人多数の陪審員で裁判が行われ、刑事では無罪を勝ち取った(1995年)が、民事ではおよそ10億円の賠償金が課された(1997年)
▼ロング、ロングバケーション(伊) ⇒「歓びのトスカーナ」(2016・伊)のパオロ・ヴィルズィ監督(伊)が米国の独立系製作陣とともに取り組んだ作品 ヘレン・ミレンとドナルド・サザーランドの名老優を起用したロード・ムービー 末期ガンの老妻と認知症の老夫が旧型のキャンピング・カーで米国マサチューセッツ州からフロリダ州キー・ウエストにある作家アーネスト・ヘミングウェイの旧宅を目指す その間に家族、昔の恋人、教え子などの様々な話題が 撮影が2016年の米国大統領選挙キャンペーンの真最中だったため、それらの映像も取り込まれている 原題は"The Leisure Seeker"で、直訳すると「レジャー・シーカー、娯楽追求者・享受者」だが、実は旧型キャンピング・カーの愛称
▼ベロニカとの記憶(英) ⇒原題は"The Sense of an Ending"=「終わりの感覚」で、2011年にブッカー賞受賞のジュリアン・バーンズの原題と同名の小説を映画化 監督は「めぐり逢わせのお弁当」(2013・印・仏・独)のリテーシュ・バトラ(印)で、ジム・ブロードベントとシャーロット・ランプリングの英国の2名優が共演 昔の恋人の母親からの遺品をきっかけに、過去の忘れたい記憶と誤解が浮かび上がる

▼はじめてのおもてなし(独) ⇒難民を多数受け入れている欧州、特にドイツにおける日々の課題を面白可笑しく喜劇タッチで描き出す ミュンヘン郊外に住む、夫リヒャルトが外科医の少し裕福なハートマン家で、倦怠期の妻アンゲリカが難民を受け入れると宣言し、ナイジェリア出身の黒人青年男子ディアロが家族に加わる そこから巻き起こる近所の賛成派や反対派の活動、子供達や孫息子の問題などに直面しながらも家族全員が未来志向で生きることになる 最終場面でディアロがリヒャルトにもらした冗談めかしたささやきが難民問題の根の深さを示す 原題は"Willkommen bei den Hartmanns"(独)="Welcome to the Hartmanns"=「ようこそハートマン家に」
・ジュピターズ・ムーン(ハンガリー・独) ⇒本作も欧州の難民流入問題を下敷きにした、サイキック・ファンタジー・アクション作品 原題は"Jupiter holdja"(ハンガリー)="Jupiter's moon"=「木星の月」だが、木星の月の一つ(第2衛星)にエウロパ(Europa)があり、欧州(ヨーロッパ)のラテン語語源と同じ綴りであるところから選ばれたようだ
・ダークタワー ⇒米国の著名作家スティーヴン・キングが1970年代から約30年間かけて完成させた同名代表作全7巻(1982~2004)を映画化 「ジオストーム」と同様米国的な勧善懲悪的ストーリーで、SF・サイコパス・スリラー・サスペンス大作 VFX大量投入のアクションや黒人主役も良く、充分楽しめる 原題も"The Dark Tower"
・ルイの9番目の人生(加・英) ⇒原題は"The 9th Life of Louis Drax"で、リズ・ジェンセン(Liz Jensen、英)の同名ベストセラー小説の映画化 邦訳小説のタイトルは「ルイの9番目の命」となっており、"life"をどう和訳するかは好みの問題か 超美人の母親は疑われにくいというトリックを使ったサイコ的なサスペンス作品 原作小説の舞台はフランスらしいが、本作では米国サンフランシスコ(カリフォルニア州)に設定されて(転落した崖は市内のランズ・エンド)おり、さらにロケはカナダ西海岸のバンクバー(ブリティッシュ・コロンビア州)周辺で行われたようだ
▼殺人者の記憶法(韓) ⇒殺人者を認知症・アルツハイマー患者にしてしまったのは、多分本作が初めてだろう ややサイコパス的な要素もあり、サスペンス・スリラー・アクション作品 韓国作品らしく映像は結構おぞましい 実は同名原作小説の映画化らしい 英語原題は"Memoir of a Murderer"で、多分正しい和訳は「殺人者の(音声)メモ」だろう

・ラーメンヘッズ ⇒千葉県松戸市にある超人気ラーメン店「中華蕎麦 とみ田」のことは全く知らなかった その店主冨田治に1年3ヶ月間密着して取材し、製作したドキュメンタリー 驚くべきことに、スープ、ダシ、メンマ、麺などの製造過程・秘密を明らかにしている 一度は食したいと思ったが早朝から並んで入場予約時間をもらうのが大変そうだ ラーメン界の巨匠3人が集まって実施した回転10周年記念イベントも見物 「とみ田」は4年連続日本一の大賞を受賞
・パディントン2(英) ⇒「パディントン」(2015、日本公開2016)の続編 ヒュー・グラントが悪役に扮し、相変わらずのドタバタ喜劇 終盤の列車を使ったアクションは「ローン・レンジャー」(2013)ばりでかなり面白い 原題も"Paddington 2"

(注)★はお薦め、▼は特定のマニア向け作品 製作国の表示がないものは米国か日本の作品

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