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2018年3月 4日 (日)

2月25日~3月3日の週に観た劇場映画

2月25日(日曜)~3月3日(土曜)の週は、10本の劇場映画を観ました。感動する作品、難しい作品、怖い作品に出合いました。

▼ビッグ・シック ぼくたちの大いなる目ざめ ⇒米国の現役パキスタン系コメディアンであるクメイル・ナンジアニの実話に基づく作品 彼は脚本を担当するとともに本人役で主演 彼の妻エミリー・ゴードンも脚本創りに参加 イスラム教、結婚に関するパキスタン家庭の掟、人種差別等々を笑い飛ばしてしまう迫力に感動 原題も"The Big Sick"で、素直に考えると「大病」だが、「大いなる悩み、迷惑」的な意味もあるのかもしれない
・The Beguiled ビガイルド 欲望のめざめ ⇒米国のトーマス・カリナンの小説"The Beguiled"(本映画作品公開に合わせて翻訳出版された本のタイトルは「ビガイルド 欲望のめざめ」)が原作 クリント・イーストウッド主演の「白い肌の異常な夜」として1度映画化 本作はソフィア・コッポラ監督による2度目の映画化・リメイク 1964年南北戦争時のバージニア州での話だが、当時の服装、習慣、ロウソク照明などをフィルム撮影で忠実に再現 女7人の中に魅力的な男1人を放り込むとこんなことが起きるかも 「アバウト・レイ 16歳の決断」でボーイッシュな少女だったエル・ファニングが大人の妖艶な女性に 原題も"The Beguiled"だが、意味は「魅惑された者たち」か
・空海 KU-KAI 美しき王妃の謎(中・日) ⇒本物のロケセットを多用した映像は確かに美しかった 唐の時代の都長安(現西安)を再現するために、約6年の歳月をかけて東京ドーム約8個分の広さのセットを中国湖北省襄陽市に建設 セットは保存される見込みであり、中の寺は本物の寺としてすでに使用されているそうだ 筆者は日本語版を観たのでよく分からないが、染谷将太を始めとした日本人俳優たちは中国語の台詞を一所懸命に勉強したのだろう 原題は「妖猫伝 Legend of the Demon Cat(=「悪魔猫・鬼猫の伝説)」であり、あくまでも悪魔猫・鬼猫の物語のよう 筆者は猫と対決するイメージにややピンと来なかった
▼ナチュラル・ウーマン(チリ・独・西・米) ⇒チリのセバスティアン・レリオ監督が自ら脚本にも参加し、トランスジェンダーの女性を描いた作品 チリのオペラ歌手また俳優でもある、トランスジェンダー女性のダニエラ・ヴェガが主演 ヒロインを化け物に見せるためか顔・頭をセロテープでグルグル巻きにするシーン、そして股間に鏡を置いてそこに顔を映すシーンなどはとてもユニーク ヒロインの歌手としての実力を見せるところも多い 原題は"Una Mujer Fantástica"(西)="A Fantastic Woman"=「ファンタステックな、素敵な女性」でこの方が分かりいいかも 冒頭のダイナミックなイグアスの滝のシーンは何かを予感させるが、未来に向かって生きていく勇気を与える終わり方
▼ブリムストーン(蘭・仏・独・ベルギー・スウェーデン・英・米) ⇒約2時間半の長尺ホラー・サスペンス西部劇 監督がオランダのマルティン・コールホーベンで、各国のキャスト・スタッフがいるために多国合作となっているようだ 「啓示(Revelation)」、「脱出(Exodus)」、「起源(Genesis)」そして「報復(Retribution)」の4章から構成されている それぞれ怖い短編になっており、第3章までは時間をさかのぼるが最終章で一気に決着となる かなり神や神父を冒涜しているようなシーンも多いが大丈夫なのだろうか 輪廻転生の概念も盛り込まれているように思える 原題も"Brimstone"だが、「硫黄」の意味の他に「地獄の業火」や「激しい情熱」といった意味もありそう

・ザ・シークレットマン ⇒珍しく有楽町と渋谷を取り違え、両所間を行ったり来たり したがって、冒頭を若干見逃したが、そのせいでなくても米国大統領府・司法省とFBIとの関係に関する議論は大変興味深いものの分かりにくい 元々2年間以上にわたって続いたウォーターゲート事件は特別検察官及び裁判所も巻き込んだもので複雑怪奇 当時ディープ・スロートと呼ばれていた情報源がマーク・フェルトFBI副長官だったことが約30年後に明かされる 本作はこのフェルト副長官(リーアム・ニーソン)に焦点を当て、妻や娘の家族の苦悩までも描く 原題は"Mark Felt: The Man Who Brought Down the White House"=「マーク・フェルト:ホワイト・ハウスを倒した男」
・blank13 ⇒実話に基づく齊藤工監督の初長編作品 高橋一生主演で監督自身もその兄役で出演 リリー・フランキーが喜々として、ギャンブル漬け・借金まみれの親父を演じている 葬式に有料の泣き役が登場したり、闇金・高利貸しの借金取りが弔問に来たりするが、これらも本当の話なのだろうか ロケ地は栃木県足利市(長福寺、梁田町自治会館、斎場など)、御殿場市(吉田胃腸科医院、板妻バッティングセンター)、東京渋谷区(雀荘華)などらしい
・15時17分、パリ行き ⇒クリント・イーストウッド監督が、フランスで発生したタリス銃乱射事件を基に製作した作品 この事件は2015年8月21日に乗客554人を乗せた15時17分アムステルダム発パリ行きの高速鉄道タリス車内でイスラム過激派の男が銃を乱射しようとしたもの たまたま乗り合わせた米国軍人2人と米国大学生1名が格闘の末容疑者を取り押さえ事無きを得た これら3人は幼馴染みであり、子供時代は問題児でもあったが、オランド・フランス大統領からはレジオン・ドヌール勲章を授与され、一躍故郷カリフォルニア州サクラメントの英雄になった 本作中ではこれら3人本人自身が出演しておりユニーク 原題も"The 15:17 to Paris"で邦題どおり フランスでは本件事件の前、2015年1月にパリの風刺週刊誌「シャルリ・エブド」の襲撃事件が起きており、またこの後11月にはパリ同時多発テロ事件が発生し死者130人、負傷者350人を超える惨劇となった
・ゆれる人魚(ポーランド) ⇒ポーランドの女性監督のB級作品か 女性観客が多いのも不思議だったが、一応ミュージカルのようでもある作品自体も不思議 原題は"The Lure"=「ルアー(魚釣りの一種の疑似餌)」あるいは転じて「誘惑、魅惑」
▼ロープ 戦場の生命線(西) ⇒原題は"A Perfect Day"=「ある完璧な、完結した一日」で、この方が作品の意味合いがよく分かる 本作中では「国境なき水と衛生管理団」と訳されているが、多分「国境なき医師団」に属する水・衛生管理専門家(Water and Sanitation)の活動の一日を描く 民族紛争による内戦が停戦を迎えた1995年のボスニアと思われる山岳地域での彼らの活動がテーマ 井戸に投げ込まれた人の死体を引き上げるためのロープを捜し回る一日 その中で路上の牛の死体と地雷、初参加女性隊員の初体験、国連軍との調整、女性のかたくなさ、水を売るためにロープを売らない商人、この過酷な環境下でも存在する男女関係等々、徹底したユーモアを忘れずに描き切る 冒頭シーンとラスト・シーンとの対比もとても皮肉的で見事 「国境なき医師団」の医師の原作を映画化 スペイン製であるが言語は英語

(注)★はお薦め、▼は特定のマニア向け作品 製作国の表示がないものは米国か日本の作品

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