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2018年4月 1日 (日)

3月25日~31日の週に観た劇場映画

3月25日(日曜)~31日(土曜)の週は、10本の劇場映画を観ました。月末、年度末に日本公開された作品は面白いものが多いと思いました。

・おみおくり ⇒高島礼子が女性納棺師役で主演 7つのエピソードを通じて湯灌(ゆかん)・納棺という仕事振りを描き、人間の死生観(生=死)に迫る 志願の新人女性納棺師も加わり、彼女らの悲しい過去が回想される 第81回米国アカデミー賞外国語映画賞(2009)を日本初受賞した、滝田洋二郎監督・本木雅弘主演の「おくりびと」(2008)の女性版か 実在の女性納棺師の著作が原案で、彼女は監修にも携わったようだ ロケ地は富山県氷見市各地がメイン 他に立山町、富山市、南砺市、そして東京都渋谷区と新宿区 主題歌の「YOU~120歳のラブソング~」もいい
・時間回廊の殺人(韓) ⇒時空の歪んだ地下室のある家で発生した殺人事件が、謎が謎を追う展開に 同じ家に住んだ3家族が入り乱れるサスペンス・ホラー作品 日韓併合時に住んだ日本人家族も登場するのは韓国らしいか 原題は"House of the Disappeared"=「失踪者の家」か
▼ミッドナイト・ランナー(韓) ⇒韓国の「ポリス・アカデミー」的作品か 2人の凸凹親友コンビが出会う、真剣な訓練模様、休日外出の楽しみ、そして偶然遭遇した少女誘拐事件を描く 事件解決のために2人が深夜の街を走り回ることがタイトルになったと思われる 実際にそういう事件があるのかどうかは知らないが、少女からの採取した卵子を売買する闇組織の犯罪が描かれる 韓国の原題も"Midnight Runners"=「ミッドナイト・ランナーズ、真夜中のランナーたち」か
▼大英博物館プレゼンツ 北斎(英) ⇒江戸時代における浮世絵師の天才で大家の葛飾北斎の作品群を、これ程細密な映像で、また的確で造詣の深い解説とともに鑑賞したのは初めて 昨年2017年5月~8月に大英博物館で開催された展覧会「Hokusai Beyond the Great Wave」を題材に、日本画の技術・芸術性や展覧会の舞台裏を紹介するドキュメンタリー やはり北斎の作品では、富嶽三十六景の「神奈川沖浪裏(The Great Wave)」と「凱風快晴」が双璧 北斎の三女・応為(おうい)も紹介 原題も"British Museum Presents: Hokusai"で邦題どおり
▼フェリーニに恋して ⇒1993年米国オハイオ州の田舎町であった実話に基づく作品らしい 母子家庭で叔母にも見守られ、世間知らずにのびのび育った少女 自立の過程でイタリアのフェデリコ・フェリーニ監督の作品群に出会い、魅了される ついに監督本人に会うためにイタリアに旅し、ボローニャに到着 列車に乗り違えベネチアに迷い込むものの、ついにローマに辿り着き監督本人に面会 監督はその2週間後に亡くなる 美しいイタリア、イタリア男性との恋などを経て、母の病死をも乗り越えるか 原題は"In Search of Fellini"=「フェリーニを探して」か

・BPM ビート・パー・ミニット(仏) ⇒1990年代初めフランス・パリでもHIV/エイズ感染者が増加していた 本作は彼らの活動団体「ACT UP - Paris」(本家は米国に存在)についてのもの その合間にメンバー同士の友情、男同士の愛、家族愛、そして死を描く 不規則発言を禁止し、拍手の代わりに指を鳴らして賛同するなどの会議ファシリテーションは効率良い 政府関連の会議や製薬会社内で血のりをまき散らす抗議運動は相当に過激 今ではHIV/エイズは不治ではないが、当時は世間での扱いが相当に難しかったものと思う 「Action=Vie(Life、生・命)」、「Silence=Mort(Death、死)」、「セーヌ川を赤く」、「オベリスクにコンドームを」などの標語はユニーク 日本では死者の顔に白布をかけるが、フランスでは死者の両目に絆創膏を貼るのだろうか 原題は"120 battements par minute"(仏)="120 beats per minute"=「毎秒120拍」 昨年の第70回カンヌ国際映画祭でグランプリ受賞
320_1 ★ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男(英) ⇒第二次世界大戦勃発後、ヒトラーのナチス・ドイツがフランス、オランダ、そしてベルギーを席捲しようとしていた、1940年5月9日から約4週間におけるロンドンの英国政府を描く 当時のチェンバレン首相のドイツ融和策が限界を迎え、今にも英国本土にドイツが攻め込みそうな様相 またフランスのダンケルクにはドイツ軍に追い込まれた30万人の英仏連合軍が 保守党の次期首相候補のハリファックス外相が辞退したため、労働党の支援も得られる海軍大臣のウィンストン・チャーチルにお鉢が ウィンストン・チャーチル海相は相次ぐ作戦失敗で苦渋を舐めていた 酒浸りで、葉巻のヘビー・スモーカーで、文筆家・画家で、傲慢で自信家の彼が、周りに嫌われながらも妻そして若い新人秘書に励まされながら首相に、そしてヒトラーに挑む 国王ジョージ6世にも後押しされて、また議会登院途上で国民の意見を聴いて、議会での圧巻の演説へ 新首相は本土決戦も決意しながら、フランス・カレーの守備隊4千人を陽動作戦として犠牲にしながら、民間船を徴用しダンケルクの30万人の若者を救うダイナモ作戦を敢行 第83回米国アカデミー賞(2011年)で作品・監督・主演男優・脚本賞受賞の英国作品「英国王のスピーチ」(2010)とは違った観点で第二次世界大戦勃発直後の英国を描くが、英国作品はやはり脚本がしっかりしている 主演のゲイリー・オールドマンは今年の第90回米国アカデミー賞主演男優賞を獲得 また、彼の特殊メイクを担当した辻一弘が日本人初のメーキャップ&ヘアスタイリング賞を受賞 原題は"Darkest Hour"=「最も暗い時」か
▼ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書 ⇒スティーブン・スピルバーグ監督の下で、メリル・ストリープとトム・ハンクスが共演するという夢の組合せが実現 現在の米国トランプ大統領と米国メディアとの対立を彷彿とさせる、1970年初頭の米国大統領府と新聞社との情報公開を巡る闘いを描く 主人公のワシントン・ポスト社主・発行人のキャサリン・グラハム(メリル・ストリープ)の友人のマクナマラ元国務長官がランド研究所に依頼した、ベトナム戦争に関するペンタゴン・ペーパーズの機密漏洩から話は始まる ペンタゴン・ペーパースにはトルーマン、アイゼンハワー、ケネディそしてジョンソンにわたる4大統領の事実隠蔽が暴露されていた 1971年のニューヨーク・タイムズの本件スクープから始まって、ポストの全文報道までの大統領府と新聞社の法廷闘争などをリアルに描写 実力抜群のポスト編集主幹のベン・ブラッドリー(トム・ハンクス)が闘いを先導し、株式公開を控えたポストの微妙な情況にもかかわらずキャサリンは新聞掲載を決断 これが新聞社による機密漏洩を阻止しようとしたニクソン大統領の野望を挫き、続くウォーターゲート事件による大統領辞任のきっかけにもなった 原題は"The Post"=「ポスト紙」か
▼レッド・スパロー ⇒母の面倒を見ながら、ボリショイ・バレエ団でプリマとして活躍していたドミニカ・エゴロワ(ジェニファー・ローレンス) 舞台での重傷後、ロシア諜報機関の幹部である叔父によりハニー・トラップも辞さない女性諜報員レッド・スパローとして養成される ハンガリーの首都ブタベストで米国CIA諜報員に接触し、本物の二重スパイに 怪我をさせられたバレエ・ダンサーたちへの復讐、二重スパイ同士の騙し合い・協力などを主軸に、最終的なターゲットへの復讐を描く ジェニファーはバレエ・ダンサーとしては少し太めだが、アクション・シーンは秀逸 予想できない展開も2、3シーンあり、結構最後までハラハラドキドキ 33年間CIAに勤めたジェイソン・マシューズの同名小説が原作 原題も"Red Sparrow"=「赤い雀」か
320_3 ★トレイン・ミッション(米・英) ⇒舞台は米国ニューヨーク市マンハッタンのグランド・セントラル駅からハドソン川沿いに北部郊外に向かうメトロ・ノース鉄道ハドソン線の通勤電車車内 この限られた空間の中で訳の分からない謎解き・賞金稼ぎにはめられた主人公マイケル・マコーリーが良心と金儲けのはざ間で苦悩 車内外での緊迫した犯人捜しとアクションが見物 「シンドラーのリスト」(1993)で有名になったリーアム・ニーソンが主演で、彼の最近のアクション・シーンは素晴らしい 監督はシチュエーション・スリラー(限られた空間・場面でのスリラー作品のことか)の名手といわれる、スペイン出身のジャウマ・コレット=セラ この二人の組合せは4作目らしい 筆者は昔マンハッタン勤務でメトロ・ノース鉄道の他線で通勤していたことがあるので、とても懐かしい ロケは、ニューヨーク市から撮影許可が下りなかったため、英国バッキンガムシャー州にあるパインウッド・スタジオとサリー州で行われたそうだ パインウッド・スタジオは「007」シリーズの撮影で有名なところで、今回は可動部分などいろいろ工夫された列車1両分とグランド・セントラル駅などのセットを製作し、クロマキー撮影をしたらしい 原題は"The Commuter"=「通勤者、通勤客」か

(注)★はお薦め、▼は特定のマニア向け作品 製作国の表示がないものは米国か日本の作品

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