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2018年7月29日 (日)

7月22日~7月28日の週に観た劇場映画

7月22日(日曜)~7月28日(土曜)の週は、10本の劇場映画を観ました。見所のある作品が多かったように思います。

320_45 ▼菊とギロチン ⇒「64 ロクヨン」の瀬々敬久(ぜぜたかひさ・1960~)監督がオリジナル企画で製作 「64 ロクヨン」も前・後編で長かったが、本作は3時間を超える長尺 菊は今風にいうとDVに耐えかねて家出し女相撲に加わった花菊を、ギロチンは憲兵隊に殺された、労働者運動を率いた大杉栄の仇を討とうとするギロチン社を指すものと思われる 1923~24年(大正12~13年)頃を描いている本作は、明治維新後の中央集権体制国家において、女性や労働者・小作人の人権が全く認められない社会を炙り出す 中・高校の日本史の授業では、時間不足という妙な理由によってほとんど学習していない戦前の時代が、現代の中国や北朝鮮にも似た人権無視の社会であったことをうかがわせる ロケ地は滋賀県と京都府だったらしい
・スウィンダラーズ(韓) ⇒韓国で実際にあったマルチ商法詐欺事件を題材に、詐欺師たちが躍動するコメディ金庫破り作品 検事までが詐欺師なので、何が何だが分からないスピーディな展開が面白い 原題はずばり"The Swindlers"=「詐欺師たち」 発音は「スウィンドゥラーズ」の方が近いと思う
・スカブロ ⇒「スカブロ」とは「横須賀(ヨコスカ)」の「スカ」と「brothers(ブラザーズ)」の「bro(ブロ)」の合成語らしい したがって、本作は神奈川県、特に横須賀市生まれや在住のキャスト・スタッフらにより製作 ほぼ全編横須賀市でロケ撮影されており、ドブ板通りを主体に軍港、クラブ、トンネルなどの映像が オリジナル企画による脚本で、米国海軍基地の街らしく怪しい米国人たちやスカジャン(ヨコスカ+ジャンパー)も登場 地元衆議院議員の小泉進次郎代議士(1981~)も終盤にチョイ役で顔を出す もし横須賀に行ったことがなければ、是非「横須賀軍港めぐり」に乗船して、その後ドブ板通りを歩いてほしい
・エヴァ(仏) ⇒英国ロンドン生まれの作家ジェイムズ・ハドリー・チェイス(1906~1985)の原作小説「悪女イヴ」(1945)の2度目の映画化 チェイスは英国人ではあるが、英国の気候を嫌ってフランスに移住し、最後にはパリに住んだためか、フランスで人気がある 1度目の映画化はジャンヌ・モローが主演した「エヴァの匂い」(1962) 本作の主演のイザベル・ユペールよりジャンヌ・モローの方がもっと妖艶だと思う 原題も"Eva"=「エヴァ」
320_46 ▼志乃ちゃんは自分の名前が言えない ⇒吃音(きつおん)症・どもり症をテーマにした作品は初めて観たような気がする 主人公は特に母音から始まる単語がスムーズに言えない高校1年生の女生徒 そして音楽が好きでギターを弾くが音痴なクラスメート少女との間に奇妙な友情が 両者とも撮影時(2017年4月)の実年齢が14歳の少女たちが演じているのでリアリティ満載 これに実年齢18歳のお調子者でKYだが孤独な男子生徒が絡む 吃音症の彼女が友人のギター伴奏で歌う「あの素晴らしい愛をもう一度」「翼をください」「世界のおわり」そして「青空」も初々しくていい 押見修造(1981~)の同名原作コミックの映画化 ロケは主に静岡県沼津市で行われ、旧静浦中学校(廃校)、沼津駅前、静浦漁港、内浦漁協などが使われたようだ

・BLEACH ⇒広島県府中町出身の漫画家・久保帯人(くぼたいと・1977~)の同名コミック作品を実写映画化 ラストのオープン・セットを使った激しい殺陣が見物 リギングも使ったCGによるVFXも結構なもの 本作は死神代行編とあるので続編も企画か ロケ地は埼玉県三郷市、神奈川県相模大野市・横浜市などのようだが、オープン・セットがどこに造られたかは不明
・悲しみに、こんにちは(西) ⇒スペイン・カタルーニャ州のバルセロナで生まれた女性監督カルラ・シモン(1986~)の初長編作品 両親を亡くした少女がバルセロナからカタルーニャ州の田舎に引越し、田舎の美しい自然の中で叔父家族3人と一緒に暮らし始める シモン監督自身がエイズで両親を亡くした実話に基づいた作品 原題は"Estiu 1993"(カタルーニャ)="Summer 1993"=「1993年夏」で、監督のその不運な時期を示すようだ
・未来のミライ ⇒細田守監督の「バケモノの子」(2015)に続くアニメ作品 4歳の男の子が妹が生まれたことにより、赤ちゃん返りしていろいろ騒動を起こすことがテーマ 筆者にも2人の孫が誕生したが、少し違うような気もする
・ブリグスビー・ベア ⇒誘拐されて25歳まで隔離されて偽両親と暮らしていた青年が、初めて外の世界に踏み出した時のいろいろな出来事を描く 新しい本当の家族との関係、社会適応のためのコンサルタントとの応対、等々新たな課題が 少し話の展開に無理があるような気もするが… 原題も"Brigsby Bear"で、偽両親が制作し観せていた教育番組のこと ソニーの作品
320_47 ▼ゲッペルスと私(墺) ⇒8月3日上映終了だが、結構な数の観客が ホロコーストはまだまだ終わっていないと感じた 新しい発見を含む他の作品も必ず登場するだろう ちょうど1911年1月11日ドイツ・ベルリン生まれで、撮影当時103歳のブルンヒルデ・ポムゼル(1911~2017) 彼女は1942年から1945年のドイツ敗戦までナチス宣伝大臣のヨーゼフ・ゲッペルス(1897~1945)の秘書として働いた 本作はその彼女が初めてその時代の出来事を語ったドキュメンタリー 衝撃的なアーカイヴ・フィルムとともに語られる内容は真実に近いもののように聴こえる ただナチス党員で、ナチス幹部たちと毎日接していた彼女が何も知らなかったというのもやや信じがたい 特に、彼女の親友のユダヤ人エヴァにはもっと何かしてあげられたのではとも思う 原題は"A German Life"=「ドイツ人の人生」か 日本も中国でそして朝鮮半島で何をしたのか、善も悪も真実に近い内容を紹介するドキュメンタリーをもっと製作して勉強させてほしい

(注)★はお薦め、▼は特定のマニア向け作品 製作国の表示がないものは米国か日本の作品

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