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2018年7月の2件の記事

2018年7月 8日 (日)

7月1日~7月7日の週に観た劇場映画

7月1日(日曜)~7月7日(土曜)の週は、9本の劇場映画を観ました。6月公開の映画作品は、週末が5回あったこともあって、とても多く100本近くに登りました。先週観た作品は結構秀作でした。

・ルイ14世の死(仏・葡・西) ⇒1975年スペイン・カタルーニャ州生まれのアルベルト・セラ監督(兼脚本)が「ライオンは今夜死ぬ」(2017)のフランス人ヌーベルバーグ俳優・ジャン=ピエール・レオ(74歳)を起用して製作したユニークな作品 フランス太陽王と呼ばれるルイ14世について綴った側近らの回想録・日記を基に、ルイ14世(1638~1715)が死に至る1715年8月の数週間だけに焦点を当てる 糖尿病が原因で心不整脈と左足の壊疽を発症 撮影はフランス南東部にある、20年前に火事により廃墟となっていた城に5週間をかけて制作したセットにて行われた 当然電気照明のない時代の話なので、暗い照明で映像は薄暗い 原題は"La mort de Louis XIV"(仏)="The death of Louis XIV"で、邦題どおり
・いつだってやめられる 10人の怒れる教授たち(伊) ⇒イタリア製のクライム・ドタバタ・コメディ 「いつだってやめられる 7人の危ない教授たち」(2014)の続編 前作では犯罪者になったが、今回は警察のおとり捜査に協力させられる 原題は"Smetto quando voglio: Masterclass"(伊)="I stop when I want: Masterclass"=「いつでも止められる:マスタークラス」 マスタークラスとは親方級・上級・指導者級のことか
・猫は抱くもの ⇒大山淳子の同名原作小説(2015)を沢尻エリカ主演で映画化 猫を擬人化し、かなりの部分が舞台の演技で進行していくというユニークな試みをしている ロケ地は、神奈川県秦野市、静岡県御殿場市など
320_38 ▼焼肉ドラゴン ⇒1957年7月生まれで兵庫県姫路市出身の鄭義信(チョン・ウィシン/てい よしのぶ)の初監督映画作品 鄭は在日3世の劇作家・脚本家・演出家で、本作は2008年に日韓で公演された彼の作による同名演劇作品の映画化 演劇は、大阪万博の頃在日の普通の人々がどう暮らしていたかに正面から取り組み、日韓で公演され好評を得、その後三演までされた 舞台の場所は、万博等の開発により消滅していった集落の一つである、大阪国際空港(伊丹空港)と猪名川に挟まれた大阪府伊丹市中村地区としている 映画も演劇の内容を忠実に倣っているようだ 物語は昭和44年(1969年)春から始まり、昭和45年(1970年)の大阪万博を経て、翌年昭和46年(1976年)春に集落取り壊しのため家族全員が引越し、旅立つまでの2年間を描く ラストシーンでは在日1世の親父は再婚の妻と(死んだその長男の遺骨と)ともに戦中から27年間住んだ土地を離れ、長女は北朝鮮へまた次女は韓国へそれぞれ伴侶とともに渡り、そして三女は日本人と結婚し日本に残る 家族がバラバラになるという、在日という不安定な立場を象徴するような終わり方ではあるが、国境を越えた新しい国際的な家族像をも前向きに示しているようにも思う 本作ロケ撮影は上記猪名川沿いの伊丹市中村地区、尼崎市立文化財収蔵庫など、大阪府・兵庫県で行われた模様 セット撮影はどこで行われたか不明 本作がそうかどうかは分からないが、地理的な関係もあり元々在日の人々は韓国済州島出身が多かったようだ 1948年4月3日から1954年にかけて米軍管理下の南朝鮮(大韓民国)の体制派が済州島民約6万人を粛清・虐殺したという「済州島四・三事件」により、20万人以上の島民が在日の済州島出身者を頼って日本に脱出したとも言われる これらの在日コミュニティは主に大阪府にあったようだ また脇役だが、宇野祥平君も頑張っていた
・ウィンチェスター・ハウス アメリカで最も呪われた屋敷(豪・米) ⇒米国カリフォルニア州サンノゼに実在する幽霊屋敷ウィンチェスター・ハウスについて、米国制作の脚本を基にオーストラリアのスピエリック兄弟監督(生まれはドイツの一卵性双生児、脚本も兼ねる)が製作した作品 筆者の私見だがB級ホラー映画作品 ウィンチェスター家は銃の開発・販売で財を成したが、その銃で死んだ者たちの亡霊に悩まされる 亡霊からの指示で主人公サラ・ウィンチェスター(ヘレン・ミレン)は屋敷の部屋を増設し続ける サンフランシスコ大地震が起きた1906年の出来事を描く 一部本物の屋敷でもロケ撮影が行われたようだが、オーストラリア・メルボルンのスタジオに何部屋かのセットを制作して撮影 原題は単に"Winchester"=「ウィンチェスター」

320_40 ▼アメリカン・アサシン ⇒原題は邦題どおり"American Assassin"=「アメリカの刺客、殺し屋、暗殺者」 米国の著名スパイ・小説家ヴィンス・フリン(1966~2013)の全米ベストセラー小説「ミッチ・ラップ」シリーズのうち、ミッチがなぜCIAスパイになったかを明かす本作と同名の原作小説(和訳版は今年6月に出版)を映画化 ミッチには「メイズ・ランナー」シリーズのディラン・オブライエンを起用し、CIAスパイキャンプの鬼教官スタン・ハーリーに「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」(2014)や「ファウンダー ハンバーガー帝国の秘密」(2016)のマイケル・キートンを充てた 2人は格闘技、諜報活動、武器訓練などの事前集中訓練を数か月間も受けたようで、さずがに演技のスピードが感じられ、またリアリティ感も高かったと思った 話の舞台はスペイン・イビザ島から始まり、米国ロード・アイランド州プロヴィデンス、リビア・トリポリ、英国ロンドン、ポーランド・ワルシャワ、トルコ・イスタンブール、ルーマニアそしてイタリア・ローマと変遷する ロケ地は米国、英国、イタリア、マルタ島およびタイのようだ ローマのシーンが多いが、普通は眼にしないような場所が使われている 終盤に海中でプルトニウム爆弾が爆発するが、地中海で展開している空母を中心とする米国第6艦隊がそれにより被害を受ける様をVFXで観せてくれたのはとても目新しかった
320_39 ★ワンダー 君は太陽 ⇒原題は単に"Wonder"=「奇跡、奇蹟、驚異、不思議」か 米国ニューヨーク市に夫、2人の息子、2匹の犬と暮らすR.J.パラシオが初めて書いた同名原作小説(2013)を映画化 処女小説でありながら、いきなりニューヨーク・タイムズ紙ベスト・セラー・リストの第1位を獲得したとのこと 同小説は日本語版もあり、全世界で800万部以上を販売 遺伝子疾患により普通とは大いに異なる顔で生まれ、27回も整形手術を受けた少年オギー(オーガスト・プルマン)が主役 オギーに「ルーム」(2015)のジェイコム・トレンブレイを、その母親にジュリア・ロバーツを、父親に「ミッドナイト・イン・パリ」のオーウェン・ウィルソンをそれぞれ起用 オギーが5年生の新学期から初めて登校するところから翌年の終業式までの期間が扱われる 父母そして姉の愛・配慮・支援、学校の協力・正しい指導、イジメられながらもその知性で周りを味方にしていく様子を、一人ひとりに焦点を当てながら丹念に描写 ロケ地はニューヨーク市のマンハッタン区とブルックリン区のコニー・アイランド、それにペンシルベニア州の自然保護区などのようだ 学校名などはすべて架空のものと思われる またミドル・スクールの黒人教諭のprecept(行動・考え方の指針・規範、格言、教訓)に関する授業は印象的で、パラシオの後の著作物のテーマにもなっている すべて少し話が出来過ぎているようにも感じるが…
・母という名の女(墨) ⇒珍しいメキシコ製の作品 カンヌ国際映画祭で評価の高い、メキシコのミッシェル・フランコ監督(兼脚本)の作品 メキシコ・ユカタン半島のリゾート地バジャイルとメキシコ・シティーを舞台に母娘の確執を描く 筆者は娘と孫娘に対する母親の感覚・感情には付いていけないが、ラスト・シーンには何となくホッとした 原題は"Las hijas de Abril"(西)="The daughters of April"=「4月の娘たち」
320_37 ▼ハン・ソロ スター・ウォーズ・ストーリー ⇒「スター・ウォーズ」シリーズの補足版であるアナザー・ストーリーの第2弾 若き日の無鉄砲なハン・ソロを描き、ノンストップSFスーパー・アクション・ムービー SWファンには申し訳ないが、余りSWシリーズを評価していない筆者にも、本作は筋がしっかりしており、人間味があり、見応えのあるアクションが連続していた 原題は"Solo: A Star Wars Story"=「ソロ:スター・ウォーズ・ストーリー(銀河戦闘物語か)」

(注)★はお薦め、▼は特定のマニア向け作品 製作国の表示がないものは米国か日本の作品

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2018年7月 1日 (日)

6月24日~6月30日の週に観た劇場映画

6月24日(日曜)~6月30日(土曜)の週は、12本の劇場映画を観ました。最近は鑑賞数が減っていたので頑張りました。

・終わった人 ⇒内館牧子の同名原作小説(2015年、文庫本は2018年)の映画化 「リング」(1998)などのホラー作品を多数製作している中田秀夫監督の初コメディ作品らしい 筆者にはひと昔前の話に感じた 最近は情報が行き渡っているので、筆者の周囲の人たちは皆準備をしているように思う 布袋寅泰が作詞作曲し、今井美樹が歌う主題歌「あなたはあなたのままでいい」は映画に合っていていい セット撮影は東映東京撮影所(練馬区東大泉)で行われたようだ ロケ地は東京都内各地と岩手県盛岡市内各地らしいが、桜花のラストシーンは昨年4月に盛岡市高松公園で最初に撮影されたようだ
・女と男の観覧車 ⇒1935年12月生れのウッディ・アレン監督は80歳を過ぎた今も一年一作を続けている 本作は2017年の作品で、当然のように脚本も担当 1950年代の米国ニューヨーク市ブルックリン区の遊園地コニー・アイランドを見事に再現 主演にケイト・ウィンスレットを迎えて、中年女性の揺れる心を描写 ケイト・ウィンスレットは体重が増えすぎで、本作のように余りもてるような気がしない 本作も最近増えているアマゾン・スタジオの作品 原題は"Wonder Wheel"=「不思議な、驚きの観覧車」で観覧車の愛称だと思う
・それから(韓) ⇒韓国のホン・サンス監督の最新作の1つで、脚本も兼ねる 男女関係を扱った白黒作品だが、緊張が続かなかった 原題は"The Day After"=「翌日」
・告白小説、その結末(仏・ベルギー・ポーランド) ⇒原題は"D'après une histoire vraie"(仏)="From a true story"=「ある本当の話から」 仏女流作家デルフィーヌ・ド・ヴィガン(Delphine de Vigan)の映画原題と同名の小説(2015)をロマン・ポランスキー監督が映画化し、共同脚本も務める いろいろと不自然なところも多いのだが、ポランスキー魔術でハラハラ・ドキドキで眼が離せない 原作小説の和訳本は「デルフィーヌの友情(フィクションの楽しみ)」(2017)
・男と女、モントーク岬で(独・仏・アイルランド) ⇒男の妄想に近い作品と感じた 外国人キャストとスタッフが米国ニューヨーク市、ロングアイランドのモントーク岬などで撮影 原題は"Return to Montauk"=「モントーク岬に戻って」

・ガザの美容室(パレスチナ・仏・カタール) ⇒中東イスラエルに隣接したガザのパレスチナ自治区にある美容室 そこに結婚式を控えた女性とその母親、臨月の女性、ヒジャブを絶対に外さない厳格なイスラム教徒女性、薬物中毒の女性などが、まるで人生の縮図のように集う その内屋外で戦闘が始まり、屋内に籠城 誰が誰と戦っているのか分からない混乱に ミサイルか対戦車砲か分からないが、その擬音は凄まじい 今の情況を示しているのだろうか 原題は"Degrade"=「劣化、退化」か
・ALONE アローン(米・西・伊) ⇒ベルベル人が登場するから多分北アフリカ某国の沙漠地帯 そのどこかの地雷原で地雷を踏んでしまい動けなくなった兵士の話 「君の名前で僕を呼んで」(2016)のアーミー・ハマーが主演 地雷原に迷い込む前に結婚式のためにテロリスト狙撃をためらった末の出来事 同僚は地雷で爆死し、自身は左足で地雷を踏んだまま、幾度もの砂嵐に耐えながら52時間、結局は74時間を過ごすことに 死んだ同僚、ベルベル人親子、恋人とのDVも問題など、いろいろな幻影を観る これはありえないだろうという点もいくつかはあったが、エンタメとしては楽しめた 原題は"Mine"=「地雷」
320_36 ★▼カメラを止めるな! ⇒観終えた直後の感想は、実によく出来た作品だということ 冒頭に37分間のワン・カット・ゾンビ映画 これだけでも最近流行りの新しく困難な試み しかしそれからが凄い エンド・クレジットまで出てきてこれで終わりかと思ったら、そのワン・カット作品を創り出すまでのメイキング過程を描写した1時間弱の映像が続く 前半と後半はよくリンクされていて、「なるほど、なるほど」と笑いながらうなづくしかなかった 監督&俳優養成スクール「ENBUゼミナール」のワークショップ「シネマプロジェクト」の第7弾作品らしい 多分低予算ながらこれだけの作品が創られたのは、脚本も担当した上田慎一郎監督の実力だと思う 終映後上田監督と著名脚本家の柏原寛司氏が登場(2枚目の写真) 上田監督のコメントは「ワークショップで3ヶ月間一緒に過ごした気心の知れたキャスト・スタッフと製作できた 0点か200点の作品を創りたかった」 柏原氏のコメントは「とてもいい 脚本がいい 美学校役者の見せ場、スタッフの見せ場がよく考えられている 205点をあげられる 1本目が成功したら、2本目が勝負 同じものではダメ 攻めてくれ」 ロケは茨城県水戸市の浄水場跡で、今は廃工場になっているところらしい 撮影許可交渉は容易ではなかったようだ
Dsc_0379 ・可愛い悪魔 ⇒2015年8月に発生した、妻の不倫相手の国際弁護士を殴り倒し、その陰茎を枝切鋏で切り取ってトイレに流した事件を題材にしている 一部始終を見聞きしている、弁護士事務所の警備員という第三者を登場させて、彼が話を展開させる役割を与えられている
・リミット・オブ・アサシン(米・中) ⇒「幸せの絵の具 愛を描く人 モード・ルイス」(2016)他沢山の作品に出演しているイーサン・ホークが主演 組織の蘇生実験で24時間の命を与えられた主人公が、使い捨てにしようとした組織に1人で闘いを挑むスーパー・アクション 原題は"24 Hours to Live"=「24時間の命」 筆者は本作を京都駅近くのイオン・モールのシネコンで鑑賞 広いモールには多くの外国人旅行者の姿が

・マッド・ダディ ⇒何かを暗喩するような"Yesterday When I Was Young"の唄で映画は幕を開ける 若さあるいは無限の将来性への嫉妬からか、世の中の親たちが自身の子供たちを抹殺しようとし始める 途中からはノンストップ・アクションに ストーリーは分かるが、人間の本能に近い、子供を守るという意思がくつがえされるのはかなり不気味 原題は"Mom and Dad"=「ママとパパ」
・パンク侍、斬られて候 ⇒まずは作品の破天荒な世界に度肝を抜かれた 芥川賞作家・町田康の同名原作小説を石井岳龍監督、宮藤官九郎脚本で映画化 綾野剛が主演し、豊川悦司、染谷将太、東出昌大、浅野忠信、永瀬正敏ら錚々たる俳優たちが共演 紅一点の美女には北川景子を起用 撮影には京都太秦の東映京都撮影所のスタジオと太秦映画村が主に使われた クロマキー撮影は東京世田谷の東宝スタジオで行われ、VFXで最大3,000人の腹ふり衆と1億匹の猿を合成したようだ 冒頭シーンは京都高尾の谷山林道でロケ撮影され、斬られた老人は原作者の町田康そのものだったらしい

(注)★はお薦め、▼は特定のマニア向け作品 製作国の表示がないものは米国か日本の作品

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