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2018年9月の5件の記事

2018年9月30日 (日)

9月23日~9月29日の週に観た劇場映画

9月23日(日曜)~9月29日(土曜)の週は、9本の劇場映画を観ました。それぞれユニークな自己主張をしている作品が多かったような気がします。

・顔たち、ところどころ(仏) ⇒ベルギー生まれで、フランスで写真家そして映画監督として活躍したアニエス・ヴァルダと(1928~・仏)とフランスの写真家JR(1983~)が一緒にフランスの村々を巡る一種のロードムービー風ドキュメンタリー JRのスタジオ付きトラックで移動し、村々でいろいろな顔を撮影し、大判のプリントを壁等に展示 カンヌやトロントでドキュメンタリー最高賞を獲得 原題は"Visages Villages"(仏)="Village Faces"=「村々の顔たち、顔貌たち」
320_65 ▼リグレッション(西・加) ⇒リグレッションとは、メトロノームの周期的な音を使いながら心理学者が人の過去の事象を思い出させる手法らしい 昔米国で被疑者・証人の尋問などの犯罪捜査に利用されていたようだ 現在は書物や映像で得た知識を錯誤により事実として思い出すなどの弊害・冤罪が指摘され使われていないそうだ 本作は1990年に米国ミネソタ州で実際に発生した悪魔崇拝者による儀式事件に基づき企画されたホラー・サスペンス リグレッションによる怪しげな証言に振り回される警察関係者の姿を描く 監督(兼脚本・製作)はチリ生まれのアレハンドロ・アメナーバル(1972~・西)、主役刑事をイーサン・ホーク(1970~)がそして事件告発のきっかけになった少女をエマ・ワトソン(1990~)が演じる 原題も"Regression"=「退行、回帰」
・パパはわるものチャンピオン ⇒板橋雅弘の絵本「パパのしごとはわるものです」(2011)と「パパはわるものチャンピオン」(2014)(ともに絵は吉田尚令)が原作 主役を現役プロレスラーの棚橋弘至(1976~)が、その妻を木村佳乃(1976~)が、そしてその息子を寺田心(2008~)が演じている 現役プロレスラーが10数人参加しているので、格闘シーンは迫力満点 棚橋とオカダ・カズチカ(1987~)の試合はまるで本物 プロレスのロケ地は東京都江東区にある、日本初の格闘技専用アリーナ「ディファ有明」らしいが、今は2020年の東京オリンピックに向けた一帯の再開発のためか閉鎖されているようだ 他のロケ地は同じ江東区の春海橋公園・豊洲公園、目黒区立東山小学校、文京区の岩崎書店(原作出版書店)などか
・プーと大人になった僕 ⇒英国のアラン・アレクサンダー・ミルン(1882~1956)が自身の息子クリストファーのために1920年代に書いた児童小説が「くまのプーさん」シリーズ ディズニーが早くからこれをアニメ化してきたが、今回初めて実写映画版を制作 筆者にとっては余りにもメリハリがないので、緊張を維持するのが困難だった 原題名は単に主役の名前"Christopher Robin"=「クリストファー・ロビン」
・HOSTILE ホスティル(仏) ⇒少数の人類が生き延びて、未知の生物と闘うという作品が今年は多い クライマックスは沙漠(モロッコでロケか)で孤独にサバイバルするのだが、ここは「ALONE アローン」(2016・米・西・伊)に似ていなくもない ニューヨークでのロマンスから沙漠でのサバイバルへ、またフラッシュ・バックも多用 未知の奇怪な生物を身長2m4cm体重45kgのスペイン人俳優ハビエル・ボテッド(1977~)が演じていることが特筆ものらしい 彼の異常に長い手足、指がまるでCGのように見える フランス映画だが台詞は全編英語 原題も"Hostile"=「敵対的、非友好的、空々しい」 この意味は分かりずらい

・ディヴァイン・ディーバ(伯) ⇒1960年代軍政下のブラジル・リオデジャネイロで活躍した8人のドラァグ・クイーン(drag queen)の再結集を追ったドキュメンタリー ドラァグ・クイーンとは女装してパフォーマンスする男性のことか LGBTであることもあるし、そうでないこともあるらしい ブラジルは元々こういうことに寛容だったのか、彼らが特に勇敢なのか 原題は"Divinas Divas"(葡)="Divine Divas"=「神聖な歌姫たち」
320_66 ★1987、ある闘いの真実(韓) ⇒民主化を求めて1980年5月に韓国光州市で起き、200人近い人々が死亡した光州事件を扱った韓国映画作品「タクシー運転手 約束は海を越えて」(2017) そして1987年6月の民主化宣言に至るまでの6月民主抗争を描いた本作を観れば、韓国の軍部独裁政権(全斗煥大統領)がいかに言論の自由を奪い、人権無視で非民主的な弾圧・拷問・粛清をしていたのかがよく分かる 本作は1987年のソウルでの民主化闘争を、ソウル大の学生がソウル警察により拷問死させられたこと、デモ中に1人の学生が警察の催涙弾直撃で亡くなったことなどの事実に基づきリアルに描写 ソウル地検の検事の公正な判断と政権の圧力に負けない姿勢、また学生、教会、市井の人々の数々の勇気ある行動などを、少々のラブ・ロマンスの味付けを加えて描く 現在韓国では北朝鮮と南北統一するような議論があるが、言論の自由がなく、人権無視の非民主的な北朝鮮の金一族独裁政権をどうするつもりだろう 原題は"1987: When the Day Comes"=「1987年:その日がきたとき」
・クレイジー・リッチ! ⇒シンガポール出身の米国人ケビン・クワンの小説「クレイジー・リッチ・アジアンズ(Crazy Rich Asians)」(2013)を映画化 1995年の英国ロンドンから話が始まり、現在2018年の米国ニューヨーク市、そしてシンガポールへと移る 普通の女性大学教授とシンガポールの金持ち一家とのすれ違いを描いているが、どこかで聴いた話が多いような気がする 原題は原作本と同じ"Crazy Rich Asians"=「超金持ち、超富豪のアジア人たち」
・愛と、酒場と、音楽と ⇒カンヌ、ロンドン、そしてゆうばりで注目された短編3作品「言葉のいらない愛」「BOURBON TALK」そして「BEATOPIA」を連続上映 無料招待券があったので、懇親会後に向かったが余り記憶がない 終映後のトークショーは聴いたが、よく分からなかった

(注)★はお薦め、▼は特定のマニア向け作品 製作国の表示がないものは米国か日本の作品

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2018年9月23日 (日)

9月16日~9月22日の週に観た劇場映画

9月16日(日曜)~9月22日(土曜)の週は、4本の劇場映画を観ました。群馬県まで出掛けたので鑑賞数が限られました。

320_64 ▼響 HIBIKI ⇒立憲民主党の枝野幸男代表(1964~)がカラオケで歌っていたという「不協和音」(2017)、また「アンビバレント」(2018)などという余り唄のタイトルとしては相応しくないようなものを歌っていた欅坂46なるグループの名前は知っていた AKB48を創めた秋元康(1958~)が坂道シリーズとして乃木坂46の次の第2弾として創ったのが欅坂46(当初は鳥居坂だったらしい)で、ひらがなの「けやき坂46」もあるというから、筆者には全くよく分からない その欅坂46がリリースした「アンビバレント」までのシングル7曲ですべてセンターを務めた平手友梨奈(2001~)が本作の主演 彼女は、本物の高校生年代だが、不思議な魅力を持ち、キャラクター創りも上手 本作は漫画家柳本光晴の連載コミック「響~小説家になる方法~」(2014~)を「君の膵臓をたべたい」(2017)から人気監督になった月川翔(1982~)が実写映画化 「君の膵臓をたべたい」に出演していた北川景子(1986~)と小栗旬(1982~)が本作にも参加 また、高校の先輩で文芸部部長役にアヤカ・ウィルソン(1997~・加) ロケは、高校としては埼玉県立三郷工業技術高校が使われ、その他埼玉県、東京都、千葉県など首都圏各地で行われたようだ なお、最後の踏切のシーンは何と新潟県糸魚川市今村新田の踏切だったらしい
・ザ・プレデター ⇒アーノルド・シュワルツェネッガー(1947~)が主演した初作品「プレデター」(1987)から数えて関連6作品目らしい 余り期待はしていなかったが、時間の都合で鑑賞 異星人戦士のプレデターは女・子供は襲わないなどという武士道精神を持つという プレデターがもっとハンサムだったらどうするのだろうかとも思った 原題も"The Predator"=「捕食動物、補食者、略奪者」
・500ページの夢の束 ⇒自閉症のため施設に暮らしながら、米国加州サンフランシスコでアルバイトする主人公(ダコタ・ファニング・1994~) 広い意味での統合失調症の患者には特別な才能を発揮する分野があることがみられるが、彼女の場合は書くことが得意 「スター・トレック」(1966~)にとても詳しく、ハリウッドの「スター・トレック」シナリオ・コンテストに応募 郵送時間がなくなり、バス、歩き、ヒッチハイクなどでチワワの愛犬とともにロサンゼルスを目指す一種のロード・ムービー 最後はついにハリウッドのパラマウント映画スタジオに到着 原題は"Please Stand By"=「待機、用意」で、ケースワーカーが呼び止める時にかける言葉のようだ
・マガディーラ 勇者転生(印) ⇒日本でも大ヒットした「ハーフバリ 伝説誕生」(2015・印)と「ハーフバリ 王の凱旋」(2017・印)を制作した監督・スタッフが、これら2作に先立ち2009年に製作した作品 歌、踊り、アクションはもとより、最近は人権侵害を疑われている、北朝鮮お得意のマスゲーム的なものも観られる 原題は単に"Magadheera"

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2018年9月16日 (日)

9月9日~9月15日の週に観た劇場映画

9月9日(日曜)~9月15日(土曜)の週は、7本の劇場映画を観ました。漫画・コミックを原作とする作品が多く、またそれらが結構よく練られた物語でした。

・寝ても覚めても(日・仏) ⇒芥川賞作家・柴崎友香(1973~)の同名原作小説(2010)の映画化 ドッペルゲンガー的要素を取り入れた作品 2010年の原作小説だが、映画には2011年の東日本大震災後のボランティア活動が登場するのでここは後からの脚色か 今夏日本で公開されたフランソワ・オゾン監督(1967~・仏)の「2重螺旋の恋人」(2017・仏)に内容が似ていなくもない ロケ地は東京都新宿区、神奈川県横浜市、埼玉県三郷市などの首都圏各地、そして宮城県名取市ゆりあげ(閖上)地区(美田園駅登場)、さらに大阪府の天野川(あまのがわ)流域(交野市、枚方市あたり)
・累 かさね ⇒漫画家・松浦だるま(1984~)の同名原作コミック(2013~2018)の実写映画化 魔法の口紅を塗りキスすると顔が入れ替わる二人の女優を土屋太鳳(1995~)と芳根京子(1997~)が演じる 設定は突飛だが、戯曲「サロメ」のオーディション、読合せ、舞台稽古、本番舞台での土屋の演技は中々のもの サロメは1891年にオスカー・ワイルド(1854~1900・アイルランド)が新約聖書を基に仏語で書いた戯曲で、1893年にパリで出版 ロケ地は東京都区内、静岡県御殿場市のセット、同県富士市の文化会館ロゼシアター、山梨県甲府市の芝居小屋・桜座、千葉県館山市などらしく、最後の舞台は埼玉県川越市のウェスタ川越で満席のエキストラ観客を迎えて撮影したようだ
・ヒトラーと戦った22日間(露・独・リトアニア・ポーランド) ⇒ホロコーストに関するロシア製の映画作品 ポーランドのアウシュビッツと並ぶ、ナチスの絶滅収容所ソビボル(ウクライナ国境近くの地名)で計画・実行されたユダヤ人の収容所全員脱出劇を原作ドキュメンタリーを基に描く 主役のユダヤ系ロシア軍人(脱出リーダー)をロシアの人気俳優コンスタンチン・ハベンスキー(1972~)が演じ、彼が同時に監督と脚本も兼任 収容所では靴職人、縫製職人、宝石・貴金属加工職人など専門の技術をもった人間は生かされて、収容所の作業に就いていたことが分かった 結局400人のユダヤ人が脱出したが、100人は途中死亡し、150人は地域住民に殺されたそうだ 原題は"Sobibor"=「ソビボル」
・泣き虫しょったんの奇跡 ⇒関東と関西にある日本将棋連盟のプロ棋士養成機関「新進棋士奨励会」に所属しながら、満26歳の年までに四段に昇段できず退団したが、アマチュア棋士として実力を発揮し特例として2005年35歳の時にプロ編入を認められた瀬川晶司現五段(1970~)の同名自叙伝(2006、2010)を、「火花」(2017)の豊田利晃監督が脚本兼任で映画化 瀬川本人役を松田龍平(1083~)が演じるなど、豪華俳優陣が集結 ロケは東京都区内、横浜市などで行われた模様 渋谷区千駄ヶ谷の将棋会館も登場
320_62 ▼マンマ・ミーア! ヒア・ウィー・ゴー ⇒ABBAの珠玉の名曲たちで彩られたミュージカル「マンマ・ミーア!」(1999@英国ロンドン・ウエスト・エンド、2001@米国ニューヨーク市ブロードウエィ)を映画化した同名映画(2008)の10年振りの続編 オリジナルのストーリーを尊重しながらも、若き日のドナと出逢った3人の若者との懐旧談を交えて、時間と空間に大きな幅を持たせている アマンダ・セイフライド(1985~)、メリル・ストリープ(1949~)、ピアーズ・ブロスナン(1953~・アイルランド)、コリン・ファース(1960~・英)、ステラン・ステラスガルド(1951~・スウェーデン)、ドミニク・クーパー(1978~・英)らの俳優は前作から継続して再結集 皆で楽しく歌い踊るが、祖母役で今回初登場した歌手でもあるシェールの歌声に圧倒された 原題も"Mamma Mia! Here We Go Again" "Mamma Mia!"(伊)はABBAの名曲の一つであり、意味は"My Mother!"と「あらまあ!」をかけていると思われる "Here We Go Again"は「さあ、また」的な感じか

・3D彼女 リアルガール ⇒漫画家・那波マオ(人物不詳)の同名原作コミック(2011~2016)の実写映画化 3Dリア充美女子と2Dビデオ・ゲーム・オタクの交流と恋愛を描く非主流的作品 結構コミカルで面白い 20歳になっているような中条あやみ(1997~)と佐野勇斗(1998~)が高校生役をやるのは仕方がないが、今夏公開の「青夏 きみに恋した30日」(2018)に続き佐野の少々変わった、面白みのある役柄・演技はいい また西野カナ(1989~)の主題歌も好評 ロケ地は栃木県佐野清澄高校を主体に、埼玉県、神奈川県、茨城県などの首都圏各地
320_63 ★愛しのアイリーン ⇒神奈川県出身の人気漫画家・新井英樹(1963~)の同名原作コミックの実写映画化 監督・脚本は「ヒメアノール」(2016)や「犬猿」(2018)で好評を博した吉田恵輔 日本、特に農山村の少子高齢化、姥捨・後継者問題、そして嫁不足から始まる外国人妻・フィリピン人妻の募集、それに係わる外国人妻斡旋業者やフィリピン・パブ・ホステス斡旋のヤクザの問題などに正面から取り組んだ社会派作品となっている そう言えば東北地方でのフィリピン人妻のその後については今年朝日新聞がコラム連載をしていたと思う とはいえ作品そのものは喜劇的で、笑いを誘う場面がいろいろ各所にある 明らかに東日本の農山村で関西地方の方言「オ○コ」を何10回も叫ぶのはどうかと思うが、ストレートでいい 主役・宍戸岩男役は、「俳優 亀岡拓次」(2016)で映画初主演した、北海道出身の安田顕(1973~)で憑依しているよう 母親ツル役の木野花(1948~)とアイリーン役のフィリピン人俳優ナッツ・シトイも熱演 伊勢谷友介(1976~)も自分勝手で奇妙なロジックを操り、フィリピン・パブに執拗にスカウトしようとするヤクザを好演 ロケ地は新潟県長岡市で夏と冬の2度撮影したようだ 山の中の岩男の実家は長岡市栃尾町にある家をセット化 もちろんフィリピンでも嫁探しのロケ撮影

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2018年9月 9日 (日)

9月2日~9月8日の週に観た劇場映画

9月2日(日曜)~9月8日(土曜)の週は、7本の劇場映画を観ました。ようやく秋の映画シーズンが始まったような気がします。

・SUNNY 強い気持ち・強い愛 ⇒日本でも話題を呼びヒットした韓国映画「サニー 永遠の仲間たち」(2011)を日本でリメイク 主役に篠原涼子(1973~)と広瀬すず(1998~)をあて、監督は「モテキ」(2011)の大根仁(1968~) 韓国作品は1980年代の高校生活を扱うが、本作は1990年代 いずれも時代の文化・流行、特に音楽を上手に再現 小沢健二(1968~)の「強い気持ち・強い愛」(1995)がテーマ曲になっており、この曲に合わせたキャスト全員によるダンスがクライマックス 韓国オリジナルとストーリーや話の流れはさほど変わらないが、終盤はやはり感動的 学校のロケには、校内が主に埼玉県の旧狭山市立東中学校(廃校)を、学校周辺を千葉県立船橋芝山高校を使ったようだ 他に東京都板橋区、神奈川県横浜市、千葉市など首都圏各地でもロケをした模様
・アントマン&ワスプ ⇒マーヴェル・コミック原作の「アントマン」シリーズの第2作目 漫画は発想が自由でいい 本作は徹底的にコメディ化 次作もありそう 原題は"Ant-Man and the Wasp"で、直訳すると「アリ(蟻)人間とスズメバチ(雀蜂)」
320_60 ▼SPL 狼たちの処刑台(中・香) ⇒カンフー映画発祥の地、香港で製作された本アクション作品はやはり凄まじい 結婚相手に異を唱えたため、タイ・パタヤへの傷心旅行に旅立った1人娘が失踪した香港の警察官 彼は自ら事件を解決しようと現地に乗り込む パタヤ警察やマフィアと絡みながら、アクション中心のストーリーが続く タイでは違法の臓器売買がこんなにはびこっているのか ついには政界を巻き込んだスキャンダルに 原題は「殺破狼:貪狼」(中)="Killing the Wolf: Greedy Wolf"=「オオカミを殺す:貪欲なオオカミ」 「殺破狼」は中国語の発音が"shā pò láng"であり、その頭文字をとったのが"SPL" 本作はSPLシリーズの第3弾 テレサ・テンの「月亮代表我的心」(月は私の心を映す)がテーマ曲らしく、挿入歌として何度も登場
・アニー・イン・ザ・ターミナル(英・ハンガリー・米・香) ⇒「アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル」(2017)でオリンピック参加の米国スケート選手を熱演したマーゴット・ロビー(1990~・豪)が主演 最近の出演作では製作にも係わっている マーゴットは七変化で、英国流ブラック・ユーモアにあふれたサスペンス作品だが、何が起きているのかよく分からない 原題は"Terminal"=「ターミナル、終着駅」か
320_61 ▼きみの鳥はうたえる ⇒何度も芥川賞候補になりながらも受賞に恵まれなかった、北海道函館市出身の作家佐藤泰志(1949~1990:自死) 彼の最初の芥川賞候補になった同名原作小説の映画化 「海炭市叙景」(2010)、「そこのみにて光輝く」(2014)そして「オーバー・フェンス」(2016)に続く映画化4作目 本作は力は抜けているように見えるが、内面は熱そうな3人の若者のひと夏を描く 3人を演じているのは、柄本佑(1986~)、石橋靜河(1994~)そして染谷将太(1992~) 監督兼脚本は北海道札幌市出身の若手三宅唱(1984~) 昨年6月に函館でオール・ロケした作品のようだが、深夜から未明の夜のシーンが多い よく登場する、市電の線路が90度直角に曲がる大きな交差点は、五稜郭公園前駅周辺か… 柄本がアパートに帰るといつも冷蔵庫から牛乳パックを取り出すが、冷蔵庫の扉が閉めても半開きなのはなぜだろう(再利用?) 石橋と染谷が歩く、現役引退後函館港に係留されている青函連絡船「摩周丸」がよく見える歩道橋も素敵 石橋がカラオケ・ボックスで歌う杏里(1961~)のデビュー曲「オリビアを聴きながら」(1978)が気が利いていて、筆者のカラオケ持ち唄の一つになった この曲は尾崎亜美(1957~)が作詞・作曲し提供したもの

・ボルグ/マッケンロー 氷の男と炎の男(スウェーデン・デンマーク) ⇒1980年のウィンブルドン(全英オープン)選手権決勝ではビヨン・ボルグ(1956~)とジョン・マッケンロー(1959~)が3時間55分にも及ぶ死闘を繰り広げた この決勝戦を主題に彼らの生立ち・舞台裏についても描く 少年時代は両者とも審判の判定に文句を付け、すぐキレる悪ガキだったらしいというのは面白い この試合後2人は親友になり、それが翌年1981年の決勝でボルグが勝てなかった理由ではないか この敗戦後ボルグはツアーのスケジュールが過密という理由でプロテニス界から引退 両者に風貌がよく似た俳優を起用し、ボルグにはスベリル・グドナソン(1978~・スウェーデン)を、マッケンローにはシャイア・ラブーフ(1986~・米加州)を起用 2人とも5ヶ月間のトレーニング・キャンプを張って身体作りをしたそうだ 監督はデンマークのヤヌス・メッツ(1974~) 原題は単に"Borg/McEnroe"
・MEG ザ・モンスター ⇒人気アクション俳優ジェイソン・ステイサム(1967~・英)が主演するB級作品 深海に棲息する太古の巨大ザメ「メガドロン」が出現し、捕獲を狙いながらもかなわず、結局は人間を襲うサメと海中で激突 ステイサムは元英国飛込選手だったらしい 海中アクションはそれなりに見応えがあるが、やや投入されている中国資本にすり寄り過ぎか 原題は単に"The Meg"

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2018年9月 2日 (日)

8月26日~9月1日の週に観た劇場映画

8月26日(日曜)~9月1日(土曜)の週は、12本の劇場映画を観ました。今年の夏はバテ気味なのに、8月終盤の鑑賞本数は結構な量でした。

320_57 ▼輝ける人生(英) ⇒これは英国版の「終わった人」(2018)かもしれない ただし、主人公は男性ではなく女性 夫が爵位ナイトを授けられ、レディとなった主人公が、夫の不貞から離婚し、豪邸を出て離れて都会に住む姉の住宅に転がり込むところから話が始まる 姉の簡素で身軽な生活、ダンス・サークル活動の活気などに大いに刺激を受ける クライマックスはイタリアでのダンス発表会 やはり皆で協力して作り上げることは感動を呼ぶ 最後には本当に新しい出発が… 監督は「ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります」(2014)のリチャード・ロンクレイン(1946~・英) 原題は"Finding Your Feet"、意訳すると「足元を見つめ(直し)て」あるいは「ダンスできる足を再発見して」くらいか
320_58 ▼タリーと私のヒミツの時間 ⇒3人目を出産した母親の子育てがいかに大変かがよく分かる 男の筆者にはなかなかうかがい知れないことが多い ストーリー自体は後半やや不思議というか、ファンタジー的なものになっていく 3人目の女児の名前がミアで母親の旧姓がタリーだが、ミア・タリーとは祖母の名前だったようなのがヒントか 3人の子育てを経験した製作・脚本のディアブロ・コディ(1978~)の実体験に基づく作品で、監督は「ヤング≒アダルト」(2011)でもコンビを組んだジェイソン・ライトマン(1977~・加) ヒロインは本作のために体重を18kg増量したアカデミー賞俳優シャーリーズ・セロン(1975~・南ア・米) 原題は単に"Tully"
・クリミナル・タウン ⇒原題は"November Criminals"=「11月の犯罪者たち」 サム・マンソンの同名原作小説(英語原題はやはり"November Criminals")をサーシャ・ガヴァシ監督(1966~・英)が脚本も兼ね映画化 米国の首都ワシントンD.C.で発生した黒人高校生の射殺事件を、周りの制止にかかわらず追求していく親友たちの姿を描く D.C.では2週間で24件の殺人事件が発生するなど、未だに超危険な街なのだろうか ヒロインのクロエ・グレース・モレッツ(1997~)はキュート
・ダブルドライブ 狼の掟 ⇒やや時間つなぎで鑑賞したB級作品 「闇金ドッグス」シリーズのチームが製作したカーチェイス、格闘アクション作品 格闘する人物が不死身くさいのが玉に瑕
・若い女(仏) ⇒恋人と別れた若い女性が彼の飼い猫と一緒にパリを彷徨い、住込みのベビーシッターや下着売場店員などの仕事をしながら、友人、母親、アフリカ系同僚などと交流し再出発していく様を描く 大音量の音楽が流れるパーティの場面も多く、パリの実生活を垣間見る フランス特にパリはいまや人種のルツボのようだ 監督・脚本はフランス若手のレオノール・セライユ女史(1986~)で、フランス国立映画学校の卒業制作を集大成 ヒロインのレシティア・ドッシュ(1980~・仏)もフランスで注目されている そういえば彼女の虹彩の色は、左が青、右が緑だった

・ポップアイ(シンガポール・タイ) ⇒タイ・バンコクの会社で活躍した熟年建築士がパワハラを受け、リストラされかかったことで失意となり、街中で昔飼っていたらしい象を発見し衝動的に購入 熟年男性と象は彼らの故郷、タイ北部ラオス国境のルーイを歩いて目指すロード・ムービー タイの田舎の緑あふれる風景が印象的 シンガポール出身の若手女性監督カーティス・タン(1981~)の初作品(脚本兼任) 原題も"Pop Aye"だが、あえて和訳すると「まだ弾けている」という感じか
・大人のためのグリム童話 手をなくした少女(仏) ⇒フランス人監督セバスチャン・ローデンバック(1973~)の初長編アニメーション グリム童話の「手なしむすめ」から発想を得て、自ら単独で脚本・作画を担当 「林檎(りんご)-水車小屋」「梨ー王宮」「甘橙(オレンジ)と無花果(いちじく)ーどこか遠くの場所」の3部からなる ローデンバック監督が編み出した「クリプトキノグラフィー」という手法を使っており、高畑勲監督の「かぐや姫の物語」(2013)にも似ている なぐり書きの下絵だけでアニメ制作した感じであるが、それがかえって観る人ごとに異なる自由な解釈を可能にしているともいえる 原題は"La jeune fille sans mains"(仏)="The girl without hands"=「手なしむすめ」
・ペンギン・ハイウェイ ⇒森見登美彦(1979~)の同名原作SF小説(2010)のアニメ映画化 何気ない日常を描いているようだが、ペンギンの群れがファンタジーの世界に誘う
・バンクシーを盗んだ男(英・伊) ⇒謎のグラフィック・アーティスト、バンクシーが2007年にパレスチナ・ヨルダン西岸地区ベツレヘムにある、パレスチナとイスラエルを分断する壁に描いたストリート・アートにまつわる混乱に関するドキュメンタリー 原題も"The Man Who Stole Banksy"で邦題どおり
・英国総督 最後の家(英) ⇒第二次世界大戦後、国力が落ち植民地インドを維持できなくなった英国が、1947年に最後のインド総督として送り込んだのがヴィクトリア女王のひ孫のルイス・マウントバッテン卿(伯爵) インド独立までの間住んだ、何百人もの人々が働く邸宅を中心にすえ、宗教の違いを越え愛し合う使用人男女を登場させるとともに、インド統一独立を目指すインド国民会議派とイスラム教徒国家の分離独立を狙う全インド・ムスリム連盟との対立を描く 統一独立を模索したマウントバッテン総督だが、対立の根深さを知り分離独立案に傾く 国民会議派の指導者はマハトマ・ガンジー(1969~1948)とジャワーハルラール・ネルー(1889~1964)、ムスリム連盟はムハンマド・アリー・ジンナー(1876~1948) 映画にはそれぞれ実によく似た俳優をあてている 1948年にヒンドゥー教徒やシク教徒中心の国インドとイスラム教徒の国パキスタンが分離独立 パンジャブでは西がパキスタン、東がインドとなったため宗教の合わない人々が1,400万人も難民化し、大移動の混乱により200万人が死亡という 監督は祖父母がこの大移動を経験したグリンダ・チャーダ女史(1960~、脚本兼任) 原題は"Viceroy's House"=「総督の邸宅」

320_59 ▼オーケストラ・クラス(仏) ⇒比較的貧困層が暮らしているというパリ19区の小学校で、バイオリン音楽教室の講師になった中年バイオリニストが落着きのない子供たちの教育に困難を感じながらも、彼らそしてその家族たちと交流する様を描く フランスの子供たち2,000人以上が体験した実在の音楽教育プログラムを題材にしている いくつものハードルを越えながら、講師、子供たち、その家族たちがついには一致団結して、1年後のフィルハーモニー・ド・パリの演奏会に感動的に立ち向かう クライマックスで演奏されるニコライ・リムスキー=コルサコフ(1844~1908・露)作曲の「シェエラザード」は圧巻だが、本当に子供たちが演奏しているのだろうか 原題は"La Mélodie"(仏)="The Melody"=「メロディ、旋律、曲」
・7号室(韓) ⇒韓国のDVDボックス店は主に男女の密会場所として使われているようだ この不採算店を巡って、金欠中年経営者、強欲不動産仲介会社社長、学生アルバイト、店の買取希望者等々が入り乱れる 偽装、麻薬取引、死体隠蔽などの犯罪がからむサスペンス・コメディ 原題も"Room No. 7"

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