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2018年10月21日 (日)

10月14日~10月20日の週に観た劇場映画

10月14日(日曜)~10月20日(土曜)の週は、10本の劇場映画を観ました。今回も鑑賞数が多くなったので、コメント記述に苦労しました。

・アンダー・ザ・シルバー・レイク ⇒米国カリフォルニア州ロサンゼルス市内で、中心部から数km北西方向にあるシルバー・レイクという街の出来事 シルバー・レイクとは街にある貯水池の名前で、そのまま街の名になったらしい シルバー・レイクのすぐ西には米国映画の都ハリウッドがあり、すぐ東にはMLB(メジャー・リーグ野球)のロサンゼルス・ドジャーズのスタジアムがある 映画業界で働く夢を持ってこの街に来てやさぐれている主人公が、ある日アパートで若い美女に出会うが翌日彼女が失踪したことから物語が始まる 昼の街、夜のきらびやかな街を彷徨うが、シルバー・レイクの地下に別世界があるという不思議な話になっていく ロサンゼルス市街を一望できるグリフィス天文台でもロケをしている 監督・製作・脚本は「イット・フォローズ」(2014)のデビット・ロバート・ミッチェル(1974~)、ヒーローは「アメイジング・スパイダーマン」(2012・2014)のアンドリュー・ガーフィールド(1983~)、そしてヒロインはエルビス・プレスリーの孫のライリー・キーオ(1989~) 原題も"Under the Silver Lake"
320_72 ▼日日是好日 ⇒お茶を学ぶことが、何らかの人生の指針になることを描いている お茶(表千家)の指南映画にもなっているし、女の半生を描く作品にもなっている ヒロインには演技に定評のある黒木華(1990~)そしてお茶の先生には渋い演技派の樹木希林(1943~2018)と絶妙な組合せ 黒木は最初から映画の新人賞を総なめ(2013)したほどで、「小さいおうち」(2014)、「母と暮らせば」(2015)、「リップヴァンウィンクルの花嫁」(2016)などでの演技が筆者の記憶に残る 樹木は、残念ながら今年亡くなってしまったが、晩年にそれこそ鬼気迫る演技を観せ、「あん」(2015)、「海よりもまだ深く」(2016)、「万引き家族」(2018)などが忘れられない 森下典子(1956~)の原作小説「日日是好日 『お茶』が教えてくれた15のしあわせ」(2002)を大森立嗣監督(兼脚本・1970~)が映画化 大森監督は俳優大森南朋(1972~)の実兄で、「ぼっちゃん」(2012)、「さよなら渓谷」(2013)、「まほろ駅前狂騒曲」(2014)、「俳優 亀岡拓次」(2016)など独特の作品がある 撮影は神奈川県横浜市の大きな庭のある家に茶室のセットを造り行われたようだ 梅雨、紅葉、雪など庭の四季が本物なら撮影は結構長期間か 茶室の掛け軸も季節によって変わり、物語の重要な小道具に ロケは他に三渓園(横浜市)、片瀬東浜海水浴場(藤沢市)など神奈川県各地
・判決、ふたつの希望(レバノン・仏) ⇒本作はレバノンの国情を少しは知らないと理解が難しい 人口400万余りのうち約40%がキリスト教徒で、約55%がイスラム教徒 イスラム教徒はスンニ派とシーア派が半々 しかし、スンニ派とシーア派は対立しているので、多数派のキリスト教徒が政治を主導 また、シーア派はイランのシーア派と連携しているので反イスラエル さらに複雑にしているのは、イスラエルの弾圧によりパレスチナ難民が数10万流入 1970年代・1980年代には内戦によりパレスチナ人やキリスト教徒の虐殺が発生 こういう情況下で、首都ベイルートで起きたパレスチナ人とキリスト教徒との口論が、親の世代の闘いを背景に世論を動かす裁判に発展 原題は"L'insulte"(仏)="The insult"=「侮辱」
320_73 ▼あの頃、君を追いかけた ⇒2011年に台湾で製作された同名作品を2013年に日本で観てとても面白かったので、それを日本でリメークした本作も若者映画だが鑑賞 台湾作品はギデンズ・コー(台湾・1978~)自身の自伝的小説を、自分で監督(兼脚本)し映画化 原題は「那些年、我們一起追的女孩」(中)="Those years, we are chasing girls together"=「その頃、我々は一緒に女の子を追いかけていた」で台湾と香港で大ヒット 今回の日本作品も基本的には台湾作品を踏襲している 幼稚にふざけていた若者たちも大人になり、それぞれの夢・恋はあるもののスムーズには叶わないから美しいのかもしれない ラストシーンは相変わらず意表を突いていて、少しドッキリする オリジナルでは主人公(山田裕貴・1990~)の大学寮での日本製AV鑑賞があったことなど若干違うことはあった 最も違和感があったのは、願いを書いた天燈(スカイ・ランタン)を日本で揚げたことか ヒロインは乃木坂46の齋藤飛鳥(1998~) お母さんはミヤンマー人らしく、ミヤンマー人は、もちろん人によって異なるが、一番よく日本人に似ていると思う ロケ地は長野県松本市、塩尻市、岡谷市、下諏訪町、富士見町、伊那市の各地と埼玉県熊谷市など 高校生たちが通った学校は長野県立田川高校(塩尻市)が、主人公が通った大学は埼玉工業大学(熊谷市)が使われたようだ
・デス・ウイッシュ ⇒米国の作家ブライアン・ガーフィールド(1939~)の小説「狼よさらば(原題:Death Wish)」(1972)の2度目の映画化 1度目はチャールズ・ブロンソン(1921~2003)主演の「狼よさらば」(1974) 今回はブルース・ウィリス(1955~)が主演 今でもそうなのかどうか知らないが、犯罪頻発都市米国イリノイ州シカゴの医者が警察に代わり犯罪者を私刑 現代風に今回はスマホとSNSを登場させ重要な小道具に 原題も"Death Wish"

・億男 ⇒「電車男」(2005)、「告白」(2010)、「悪人」(2010)、「モテキ」(2011)、「君の名は。」(アニメ・2016)と立続けにヒット作を企画・プロデュースした川村元気(1979~)の同名原作小説(2014)の映画化 佐藤健(1989~)と高橋一生(1980~)が共演し、「るろうに剣心」シリーズ(2012・2014・2014)の大友啓史(1966~)が監督 北村一輝(1969~)も絶対に本人とは思えない扮装・演技で登場 ロケは今年1月にまずモロッコで行われ、日本では3~5月に埼玉、東京、神奈川、千葉の首都圏各地で 高級マンションでのパーティ場面は東宝スタジオ(東京都世田谷区)内のセットで撮影されたらしい
・ピッチ・パーフェクト ラストステージ ⇒「ピッチ・パーフェクト」シリーズ3作目 アカペラ・グループ「バーデン・ベラーズ」の快進撃は続く センターのベッカ役のアナ・ケンドリック(1985~)の歌声は相変わらず素晴らしく、ファット・エイミーことレベル・ウィルソン(豪・1986~)の喜劇役者振りもいい 今回はファット・エイミーの父親が悪役として登場 原題は"Pitch Perfect 3"=「ピッチ・パーフェクト3」={完璧な調子3」か
・エンジェル、見えない恋人(ベルギー) ⇒透明人間の少年・青年と盲目の少女・乙女との組合せという、世にも不思議な初めての経験 この組合せなら何となく上手くいきそうな感じがする しかし、乙女が視力を回復する手術を受けることに 乙女が見えるようになるとどうなるのかが本作の見所 少年・青年のナレーションは入るものの、必然的に少女・乙女の一人芝居のように ヒロインのフルール・ジフリエ(仏)のヌードは美しかった 原題は"Mon ange"(仏)="My angel"=「私の天使」
320_74 ▼恋のしずく ⇒背も少し足りないし、超美人とも言えないが、キャラが立ち面白く、何か雰囲気がある川栄李奈(1995~)が主演 2014年5月岩手県のAKB48の握手会で切られた時はもう終わりかと思ったが、舞台で訓練してしっかり映画初主演まで辿り着いた 普段は結構物静かだが、演技に入ると豹変するらしい 樹木希林(1943~2018)に似ていなくもない 本作は大学の実習でワイン実習希望の女子学生が広島県東広島市西条の日本酒酒蔵実習に来てしまった話 本作では酒造りの工程を酒米の稲刈りから結構上手く教えてくれる 上述の「日日是好日」でもそうだったが、最近の映画は結構具体的 大杉漣(1951~2018)が最後の映画出演になり、本作中でも心臓発作で死んでしまうのは何かの因縁か 大杉の訃報は本作撮影後3ヶ月後の話だったらしい ロケ地は当然東広島市西条と広島市内各地など 広島弁の「かばち」が登場
・テルマ(ノルウェー・仏・デンマーク・スウェーデン) ⇒ノルウェーのヨアキム・トリアー監督(1974~)の野心作 心因性非癲癇(てんかん)の発作と超能力を結び付けたホラー・サスペンス・ファンタジー ノルウェーの田舎の自然が美しい 原題も"Thelma"

(注)★はお薦め、▼は特定のマニア向け作品 製作国の表示がないものは米国か日本の作品

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