12月2日~12月8日の週に観た劇場映画
12月2日(日曜)~12月8日(土曜)の週は、9本の劇場映画を観ました。音楽ドキュメンタリー作品が、間違いなく今年流行の一大ヒット分野だったと思います。
・ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生(米・英) ⇒筆者はこの手のファンタジー作品は少々苦手で、観ていると疲労がたまる 英国の小説家J・K・ローリング(女性・1965~)の原作小説を基に映画化された「ハリー・ポッター」シリーズの派生・後継作品 「ハリー・ポッター」シリーズ(英・米)は全8作(2001~2011)が映画化され、「ファンタスティック・ビースト」シリーズとしては「ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅」(米・英・2016)に続く2作目 ローリングは「ファンタスティック・ビースト」シリーズでは脚本も担当 物語は1920年代の米国ニューヨークから始まり、英国ロンドンそしてフランス・パリへと展開 どうも次作も予定されているようなエンディング ポスプロ・VFX関係では500人位の人名がエンド・クレジットに 原題は"Fantastic
Beasts: The Crimes of Grindelwald"=「ファンタスティック・ビースト(驚異の獣):グリンデルバルドの犯罪」か
・人魚の眠る家 ⇒大阪市出身の直木賞作家・東野圭吾(1958~)の同名原作小説(2015)の映画化 脳死状態になった子供の臓器移植を認めるか否かの現代的な家族の課題がテーマ 脳から発信されるべき神経信号を人工的に生成して手足を動かすというのは金持ちの道楽のように思える 全般的にやや冗長か 舞台の播磨邸の住所は東京都港区白金に設定されているが、冒頭に登場する播磨家の外観撮影は東京都新宿区下落合にある石橋湛山邸を借用したらしい 家の内部や庭は東京都調布市の角川大映スタジオにセットを造って撮影とのこと その他ロケ地は東京都港区・台東区・新宿区・北区・足立区、千葉県東金市、山梨県など首都圏各地 撮影時期は今年2018年の真冬のよう
▼ハード・コア ⇒熱狂的なファンが多数いたらしい連載コミック「ハード・コア 平成地獄ブラザース」(1991~1993)の実写映画化 コミックは作が狩撫麻礼(カリブ・マーレイ・東京都・1947~2018)で、画がいましろたかし(高知県・1960~) いずれも本コミックのファンだった山下敦弘(のぶひろ・愛知県・1976~)が監督し、山田孝之(鹿児島県・1983~)と荒川良々(佐賀県・1974~)が出演 また佐藤健(埼玉県・1989~)が山田に誘われて弟役を演じた 適応障害風な2人(山田と荒川)が生きずらい世の中で必死にもがく様子を描く エロ・グロ・ナンセンス的な面もあり、人により好き嫌いがあろう 撮影は2017年の真夏に東京都、栃木県など首都圏各地で行われた模様
・ヘレディタリー 継承 ⇒心を揺さぶる音楽と、部分照明や逆光を使った照明が秀逸と感じた もしそれらがなければ、ただの平板な作品 欧米は悪魔や魔女の信仰・伝説がお好きなようだ
▼エリック・クラプトン 12小節の人生(英) ⇒英国出身のエリック・クラプトン(1945~)といえば、ギターの神様で世界3大ロック・ギタリストの一人されている しかし、筆者は彼がザ・ビートルズの楽曲「ホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウィープス」(1968)でギターを弾いていることや、息子を事故で失った後立ち直るために創った有名な楽曲「ティアーズ・イン・ヘヴン」位しか詳しく知らなかった なお、「ホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウィープス」の作詞・作曲とヴォーカルは親友のジョージ・ハリスン(1943~2001) 本作では現在のクラプトン本人も出演し、不幸な幼少の生立ち、奔放な女性遍歴、バンド・クリームでの大活躍、親友ジョージの妻を巡る三角関係、事故による一人息子喪失の経緯、現在の幸せな家庭環境などが詳細に語られる 原題は"Eric Clapton: Life in 12 Bars"で邦題どおりだが、少し意訳すると「エリック・クラプトン:12小節にかけた人生」か よく分からないが、12小節とはブルース楽曲の基本単位らしい
・劇場版 夏目友人帳 うつせみに結ぶ ⇒ロングランになっているので、アニメだが鑑賞 熊本県出身の緑川ゆき(1976~)の原作漫画「夏目友人帳」のアニメ映画化 原作のファンが多く、彼女ら・彼らが映画館に足を運んでいるのだろうが、筆者には「名を返す」という意味が理解できなかった Uruによる主題歌「Remenber」(2018)はいい
・真っ赤な星 ⇒カンヌ国際映画祭にも出品する、北海道出身の超若手新鋭監督・井樫彩(いかしあや・1996~)の初長編作品(原案・脚本兼任)とのこと 徐々に大人と子供の関係が逆転していくところが興味深く、終盤に泣きの感情が頻出するのは韓国作品的か 筆者には寝床と軽自動車内のシーンが多くやや単調に感じた ロケ地は埼玉県東松山市・比企郡あたり よく登場する天文台(作品中は閉鎖としている)とパラグライダー・エリアは、それぞれ埼玉県比企郡ときがわ町にある堂平(どうだいら)天文台(現役使用中)と堂平スカイパーク・パラグライダースクールのようだ
・イット・カムズ・アット・ナイト ⇒一種のパンデミック・ホラー作品だが、何の病気か全く不明で、予防・防御方法も不充分に思えるので、全般的に中途半端な感じ 登場するのはほぼ2家族6人と犬1匹だけなので、低予算か 2家族が対立関係になるのは予想できた 原題も"It Comes at Night"=「それは夜に来る、夜に来るもの」か
・来る ⇒大阪府出身のホラー小説家・澤村伊智(さわむらいち・男性・1979~)のデビュー・ホラー小説「ぼぎわんが来る」(2015)を実写映画化 相当に怖い小説らしく、第22回ホラー小説大賞(2015)大賞を受賞 本作前半では善人が妖に襲われるが、後半は善人面した悪人が襲われるという逆転の展開 また前後半の主役陣が入れ替わるような不思議な進行 本作の監督は「渇き。」(2014)の中島哲也(福岡県・1959~)で、企画・プロデュースが「君の名は。」(2016)の川村元気(神奈川県・1979~) キャストに岡田准一(大阪府・1980~)、黒木華(大阪府・1990~)、小松菜奈(東京都・山梨県・1996~)、松たか子(東京都・1977~)、妻夫木聡(福岡県・1980~)などの錚々たる布陣で、結構巨大な予算か 小松菜奈は奇抜なメイクで最後まで本人とは分からなかった ロケ地も、神奈川県・埼玉県・千葉県などの首都圏、四日市市・津市などの三重県、そして福岡県北九州市など、全国にまたがっていそう
(注)★はお薦め、▼は特定のマニア向け作品 製作国の表示がないものは米国か日本の作品
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