カテゴリー「映画(2018年)」の36件の記事

2018年9月16日 (日)

9月9日~9月15日の週に観た劇場映画

9月9日(日曜)~9月15日(土曜)の週は、7本の劇場映画を観ました。漫画・コミックを原作とする作品が多く、またそれらが結構よく練られた物語でした。

・寝ても覚めても ⇒芥川賞作家・柴崎友香(1973~)の同名原作小説(2010)の映画化 ドッペルゲンガー的要素を取り入れた作品 2010年の原作小説だが、映画には2011年の東日本大震災後のボランティア活動が登場するのでここは後からの脚色か 今夏日本で公開されたフランソワ・オゾン監督(1967~・仏)の「2重螺旋の恋人」(2017・仏)に内容が似ていなくもない ロケ地は東京都新宿区、神奈川県横浜市、埼玉県三郷市などの首都圏各地、そして宮城県名取市ゆりあげ(閖上)地区(美田園駅登場)、さらに大阪府の天野川(あまのがわ)流域(交野市、枚方市あたり)
・累 かさね ⇒漫画家・松浦だるま(1984~)の同名原作コミック(2013~2018)の実写映画化 魔法の口紅を塗りキスすると顔が入れ替わる二人の女優を土屋太鳳(1995~)と芳根京子(1997~)が演じる 設定は突飛だが、戯曲「サロメ」のオーディション、読合せ、舞台稽古、本番舞台での土屋の演技は中々のもの サロメは1891年にオスカー・ワイルド(1854~1900・アイルランド)が新約聖書を基に仏語で書いた戯曲で、1893年にパリで出版 ロケ地は東京都区内、静岡県御殿場市のセット、同県富士市の文化会館ロゼシアター、山梨県甲府市の芝居小屋・桜座、千葉県館山市などらしく、最後の舞台は埼玉県川越市のウェスタ川越で満席のエキストラ観客を迎えて撮影したようだ
・ヒトラーと戦った22日間(露・独・リトアニア・ポーランド) ⇒ホロコーストに関するロシア製の映画作品 ポーランドのアウシュビッツと並ぶ、ナチスの絶滅収容所ソビボル(ウクライナ国境近くの地名)で計画・実行されたユダヤ人の収容所全員脱出劇を原作ドキュメンタリーを基に描く 主役のユダヤ系ロシア軍人(脱出リーダー)をロシアの人気俳優コンスタンチン・ハベンスキー(1972~)が演じ、彼が同時に監督と脚本も兼任 収容所では靴職人、縫製職人、宝石・貴金属加工職人など専門の技術をもった人間は生かされて、収容所の作業に就いていたことが分かった 結局400人のユダヤ人が脱出したが、100人は途中死亡し、150人は地域住民に殺されたそうだ 原題は"Sobibor"=「ソビボル」
・泣き虫しょったんの奇跡 ⇒関東と関西にある日本将棋連盟のプロ棋士養成機関「新進棋士奨励会」に所属しながら、満26歳の年までに四段に昇段できず退団したが、アマチュア棋士として実力を発揮し特例として2005年35歳の時にプロ編入を認められた瀬川晶司現五段(1970~)の同名自叙伝(2006、2010)を、「火花」(2017)の豊田利晃監督が脚本兼任で映画化 瀬川本人役を松田龍平(1083~)が演じるなど、豪華俳優陣が集結 ロケは東京都区内、横浜市などで行われた模様 渋谷区千駄ヶ谷の将棋会館も登場
320_62 ▼マンマ・ミーア! ヒア・ウィー・ゴー ⇒ABBAの珠玉の名曲たちで彩られたミュージカル「マンマ・ミーア!」(1999@英国ロンドン・ウエスト・エンド、2001@米国ニューヨーク市ブロードウエィ)を映画化した同名映画(2008)の10年振りの続編 オリジナルのストーリーを尊重しながらも、若き日のドナと出逢った3人の若者との懐旧談を交えて、時間と空間に大きな幅を持たせている アマンダ・セイフライド(1985~)、メリル・ストリープ(1949~)、ピアーズ・ブロスナン(1953~・アイルランド)、コリン・ファース(1960~・英)、ステラン・ステラスガルド(1951~・スウェーデン)、ドミニク・クーパー(1978~・英)らの俳優は前作から継続して再結集 皆で楽しく歌い踊るが、祖母役で今回初登場した歌手でもあるシェールの歌声に圧倒された 原題も"Mamma Mia! Here We Go Again" "Mamma Mia!"(伊)はABBAの名曲の一つであり、意味は"My Mother!"と「あらまあ!」をかけていると思われる "Here We Go Again"は「さあ、また」的な感じか

・3D彼女 リアルガール ⇒漫画家・那波マオ(人物不詳)の同名原作コミック(2011~2016)の実写映画化 3Dリア充美女子と2Dビデオ・ゲーム・オタクの交流と恋愛を描く非主流的作品 結構コミカルで面白い 20歳になっているような中条あやみ(1997~)と佐野勇斗(1998~)が高校生役をやるのは仕方がないが、今夏公開の「青夏 きみに恋した30日」(2018)に続き佐野の少々変わった、面白みのある役柄・演技はいい また西野カナ(1989~)の主題歌も好評 ロケ地は栃木県佐野清澄高校を主体に、埼玉県、神奈川県、茨城県などの首都圏各地
320_63 ★愛しのアイリーン ⇒神奈川県出身の人気漫画家・新井英樹(1963~)の同名原作コミックの実写映画化 監督・脚本は「ヒメアノール」(2016)や「犬猿」(2018)で好評を博した吉田恵輔 日本、特に農山村の少子高齢化、姥捨・後継者問題、そして嫁不足から始まる外国人妻・フィリピン人妻の募集、それに係わる外国人妻斡旋業者やフィリピン・パブ・ホステス斡旋のヤクザの問題などに正面から取り組んだ社会派作品となっている そう言えば東北地方でのフィリピン人妻のその後については今年朝日新聞がコラム連載をしていたと思う とはいえ作品そのものは喜劇的で、笑いを誘う場面がいろいろ各所にある 明らかに東日本の農山村で関西地方の方言「オ○コ」を何10回も叫ぶのはどうかと思うが、ストレートでいい 主役・宍戸岩男役は、「俳優 亀岡拓次」(2016)で映画初主演した、北海道出身の安田顕(1973~)で憑依しているよう 母親ツル役の木野花(1948~)とアイリーン役のフィリピン人俳優ナッツ・シトイも熱演 伊勢谷友介(1976~)も自分勝手で奇妙なロジックを操り、フィリピン・パブに執拗にスカウトしようとするヤクザを好演 ロケ地は新潟県長岡市で夏と冬の2度撮影したようだ 山の中の岩男の実家は長岡市栃尾町にある家をセット化 もちろんフィリピンでも嫁探しのロケ撮影

(注)★はお薦め、▼は特定のマニア向け作品 製作国の表示がないものは米国か日本の作品

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2018年9月 9日 (日)

9月2日~9月8日の週に観た劇場映画

9月2日(日曜)~9月8日(土曜)の週は、7本の劇場映画を観ました。ようやく秋の映画シーズンが始まったような気がします。

・SUNNY 強い気持ち・強い愛 ⇒日本でも話題を呼びヒットした韓国映画「サニー 永遠の仲間たち」(2011)を日本でリメイク 主役に篠原涼子(1973~)と広瀬すず(1998~)をあて、監督は「モテキ」(2011)の大根仁(1968~) 韓国作品は1980年代の高校生活を扱うが、本作は1990年代 いずれも時代の文化・流行、特に音楽を上手に再現 小沢健二(1968~)の「強い気持ち・強い愛」(1995)がテーマ曲になっており、この曲に合わせたキャスト全員によるダンスがクライマックス 韓国オリジナルとストーリーや話の流れはさほど変わらないが、終盤はやはり感動的 学校のロケには、校内が主に埼玉県の旧狭山市立東中学校(廃校)を、学校周辺を千葉県立船橋芝山高校を使ったようだ 他に東京都板橋区、神奈川県横浜市、千葉市など首都圏各地でもロケをした模様
・アントマン&ワスプ ⇒マーヴェル・コミック原作の「アントマン」シリーズの第2作目 漫画は発想が自由でいい 本作は徹底的にコメディ化 次作もありそう 原題は"Ant-Man and the Wasp"で、直訳すると「アリ(蟻)人間とスズメバチ(雀蜂)」
320_60 ▼SPL 狼たちの処刑台(中・香) ⇒カンフー映画発祥の地、香港で製作された本アクション作品はやはり凄まじい 結婚相手に異を唱えたため、タイ・パタヤへの傷心旅行に旅立った1人娘が失踪した香港の警察官 彼は自ら事件を解決しようと現地に乗り込む パタヤ警察やマフィアと絡みながら、アクション中心のストーリーが続く タイでは違法の臓器売買がこんなにはびこっているのか ついには政界を巻き込んだスキャンダルに 原題は「殺破狼:貪狼」(中)="Killing the Wolf: Greedy Wolf"=「オオカミを殺す:貪欲なオオカミ」 「殺破狼」は中国語の発音が"shā pò láng"であり、その頭文字をとったのが"SPL" 本作はSPLシリーズの第3弾 テレサ・テンの「月亮代表我的心」(月は私の心を映す)がテーマ曲らしく、挿入歌として何度も登場
・アニー・イン・ザ・ターミナル(英・ハンガリー・米・香) ⇒「アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル」(2017)でオリンピック参加の米国スケート選手を熱演したマーゴット・ロビー(1990~・豪)が主演 最近の出演作では製作にも係わっている マーゴットは七変化で、英国流ブラック・ユーモアにあふれたサスペンス作品だが、何が起きているのかよく分からない 原題は"Terminal"=「ターミナル、終着駅」か
320_61 ▼きみの鳥はうたえる ⇒何度も芥川賞候補になりながらも受賞に恵まれなかった、北海道函館市出身の作家佐藤泰志(1949~1990:自死) 彼の最初の芥川賞候補になった同名原作小説の映画化 「海炭市叙景」(2010)、「そこのみにて光輝く」(2014)そして「オーバー・フェンス」(2016)に続く映画化4作目 本作は力は抜けているように見えるが、内面は熱そうな3人の若者のひと夏を描く 3人を演じているのは、柄本佑(1986~)、石橋靜河(1994~)そして染谷将太(1992~) 監督兼脚本は北海道札幌市出身の若手三宅唱(1984~) 昨年6月に函館でオール・ロケした作品のようだが、深夜から未明の夜のシーンが多い よく登場する、市電の線路が90度直角に曲がる大きな交差点は、五稜郭公園前駅周辺か… 柄本がアパートに帰るといつも冷蔵庫から牛乳パックを取り出すが、冷蔵庫の扉が閉めても半開きなのはなぜだろう(再利用?) 石橋と染谷が歩く、現役引退後函館港に係留されている青函連絡船「摩周丸」がよく見える歩道橋も素敵 石橋がカラオケ・ボックスで歌う杏里(1961~)のデビュー曲「オリビアを聴きながら」(1978)が気が利いていて、筆者のカラオケ持ち唄の一つになった この曲は尾崎亜美(1957~)が作詞・作曲し提供したもの

・ボルグ/マッケンロー 氷の男と炎の男(スウェーデン・デンマーク) ⇒1980年のウィンブルドン(全英オープン)選手権決勝ではビヨン・ボルグ(1956~)とジョン・マッケンロー(1959~)が3時間55分にも及ぶ死闘を繰り広げた この決勝戦を主題に彼らの生立ち・舞台裏についても描く 少年時代は両者とも審判の判定に文句を付け、すぐキレる悪ガキだったらしいというのは面白い この試合後2人は親友になり、それが翌年1981年の決勝でボルグが勝てなかった理由ではないか この敗戦後ボルグはツアーのスケジュールが過密という理由でプロテニス界から引退 両者に風貌がよく似た俳優を起用し、ボルグにはスベリル・グドナソン(1978~・スウェーデン)を、マッケンローにはシャイア・ラブーフ(1986~・米加州)を起用 2人とも5ヶ月間のトレーニング・キャンプを張って身体作りをしたそうだ 監督はデンマークのヤヌス・メッツ(1974~) 原題は単に"Borg/McEnroe"
・MEG ザ・モンスター ⇒人気アクション俳優ジェイソン・ステイサム(1967~・英)が主演するB級作品 深海に棲息する太古の巨大ザメ「メガドロン」が出現し、捕獲を狙いながらもかなわず、結局は人間を襲うサメと海中で激突 ステイサムは元英国飛込選手だったらしい 海中アクションはそれなりに見応えがあるが、やや投入されている中国資本にすり寄り過ぎか 原題は単に"The Meg"

(注)★はお薦め、▼は特定のマニア向け作品 製作国の表示がないものは米国か日本の作品

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2018年9月 2日 (日)

8月26日~9月1日の週に観た劇場映画

8月26日(日曜)~9月1日(土曜)の週は、12本の劇場映画を観ました。今年の夏はバテ気味なのに、8月終盤の鑑賞本数は結構な量でした。

320_57 ▼輝ける人生(英) ⇒これは英国版の「終わった人」(2018)かもしれない ただし、主人公は男性ではなく女性 夫が爵位ナイトを授けられ、レディとなった主人公が、夫の不貞から離婚し、豪邸を出て離れて都会に住む姉の住宅に転がり込むところから話が始まる 姉の簡素で身軽な生活、ダンス・サークル活動の活気などに大いに刺激を受ける クライマックスはイタリアでのダンス発表会 やはり皆で協力して作り上げることは感動を呼ぶ 最後には本当に新しい出発が… 監督は「ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります」(2014)のリチャード・ロンクレイン(1946~・英) 原題は"Finding Your Feet"、意訳すると「足元を見つめ(直し)て」あるいは「ダンスできる足を再発見して」くらいか
320_58 ▼タリーと私のヒミツの時間 ⇒3人目を出産した母親の子育てがいかに大変かがよく分かる 男の筆者にはなかなかうかがい知れないことが多い ストーリー自体は後半やや不思議というか、ファンタジー的なものになっていく 3人目の女児の名前がミアで母親の旧姓がタリーだが、ミア・タリーとは祖母の名前だったようなのがヒントか 3人の子育てを経験した製作・脚本のディアブロ・コディ(1978~)の実体験に基づく作品で、監督は「ヤング≒アダルト」(2011)でもコンビを組んだジェイソン・ライトマン(1977~・加) ヒロインは本作のために体重を18kg増量したアカデミー賞俳優シャーリーズ・セロン(1975~・南ア・米) 原題は単に"Tully"
・クリミナル・タウン ⇒原題は"November Criminals"=「11月の犯罪者たち」 サム・マンソンの同名原作小説(英語原題はやはり"November Criminals")をサーシャ・ガヴァシ監督(1966~・英)が脚本も兼ね映画化 米国の首都ワシントンD.C.で発生した黒人高校生の射殺事件を、周りの制止にかかわらず追求していく親友たちの姿を描く D.C.では2週間で24件の殺人事件が発生するなど、未だに超危険な街なのだろうか ヒロインのクロエ・グレース・モレッツ(1997~)はキュート
・ダブルドライブ 狼の掟 ⇒やや時間つなぎで鑑賞したB級作品 「闇金ドッグス」シリーズのチームが製作したカーチェイス、格闘アクション作品 格闘する人物が不死身くさいのが玉に瑕
・若い女(仏) ⇒恋人と別れた若い女性が彼の飼い猫と一緒にパリを彷徨い、住込みのベビーシッターや下着売場店員などの仕事をしながら、友人、母親、アフリカ系同僚などと交流し再出発していく様を描く 大音量の音楽が流れるパーティの場面も多く、パリの実生活を垣間見る フランス特にパリはいまや人種のルツボのようだ 監督・脚本はフランス若手のレオノール・セライユ女史(1986~)で、フランス国立映画学校の卒業制作を集大成 ヒロインのレシティア・ドッシュ(1980~・仏)もフランスで注目されている そういえば彼女の虹彩の色は、左が青、右が緑だった

・ポップアイ(シンガポール・タイ) ⇒タイ・バンコクの会社で活躍した熟年建築士がパワハラを受け、リストラされかかったことで失意となり、街中で昔飼っていたらしい象を発見し衝動的に購入 熟年男性と象は彼らの故郷、タイ北部ラオス国境のルーイを歩いて目指すロード・ムービー タイの田舎の緑あふれる風景が印象的 シンガポール出身の若手女性監督カーティス・タン(1981~)の初作品(脚本兼任) 原題も"Pop Aye"だが、あえて和訳すると「まだ弾けている」という感じか
・大人のためのグリム童話 手をなくした少女(仏) ⇒フランス人監督セバスチャン・ローデンバック(1973~)の初長編アニメーション グリム童話の「手なしむすめ」から発想を得て、自ら単独で脚本・作画を担当 「林檎(りんご)-水車小屋」「梨ー王宮」「甘橙(オレンジ)と無花果(いちじく)ーどこか遠くの場所」の3部からなる ローデンバック監督が編み出した「クリプトキノグラフィー」という手法を使っており、高畑勲監督の「かぐや姫の物語」(2013)にも似ている なぐり書きの下絵だけでアニメ制作した感じであるが、それがかえって観る人ごとに異なる自由な解釈を可能にしているともいえる 原題は"La jeune fille sans mains"(仏)="The girl without hands"=「手なしむすめ」
・ペンギン・ハイウェイ ⇒森見登美彦(1979~)の同名原作SF小説(2010)のアニメ映画化 何気ない日常を描いているようだが、ペンギンの群れがファンタジーの世界に誘う
・バンクシーを盗んだ男(英・伊) ⇒謎のグラフィック・アーティスト、バンクシーが2007年にパレスチナ・ヨルダン西岸地区ベツレヘムにある、パレスチナとイスラエルを分断する壁に描いたストリート・アートにまつわる混乱に関するドキュメンタリー 原題も"The Man Who Stole Banksy"で邦題どおり
・英国総督 最後の家(英) ⇒第二次世界大戦後、国力が落ち植民地インドを維持できなくなった英国が、1947年に最後のインド総督として送り込んだのがヴィクトリア女王のひ孫のルイス・マウントバッテン卿(伯爵) インド独立までの間住んだ、何百人もの人々が働く邸宅を中心にすえ、宗教の違いを越え愛し合う使用人男女を登場させるとともに、インド統一独立を目指すインド国民会議派とイスラム教徒国家の分離独立を狙う全インド・ムスリム連盟との対立を描く 統一独立を模索したマウントバッテン総督だが、対立の根深さを知り分離独立案に傾く 国民会議派の指導者はマハトマ・ガンジー(1969~1948)とジャワーハルラール・ネルー(1889~1964)、ムスリム連盟はムハンマド・アリー・ジンナー(1876~1948) 映画にはそれぞれ実によく似た俳優をあてている 1948年にヒンドゥー教徒やシク教徒中心の国インドとイスラム教徒の国パキスタンが分離独立 パンジャブでは西がパキスタン、東がインドとなったため宗教の合わない人々が1,400万人も難民化し、大移動の混乱により200万人が死亡という 監督は祖父母がこの大移動を経験したグリンダ・チャーダ女史(1960~、脚本兼任) 原題は"Viceroy's House"=「総督の邸宅」

320_59 ▼オーケストラ・クラス(仏) ⇒比較的貧困層が暮らしているというパリ19区の小学校で、バイオリン音楽教室の講師になった中年バイオリニストが落着きのない子供たちの教育に困難を感じながらも、彼らそしてその家族たちと交流する様を描く フランスの子供たち2,000人以上が体験した実在の音楽教育プログラムを題材にしている いくつものハードルを越えながら、講師、子供たち、その家族たちがついには一致団結して、1年後のフィルハーモニー・ド・パリの演奏会に感動的に立ち向かう クライマックスで演奏されるニコライ・リムスキー=コルサコフ(1844~1908・露)作曲の「シェエラザード」は圧巻だが、本当に子供たちが演奏しているのだろうか 原題は"La Mélodie"(仏)="The Melody"=「メロディ、旋律、曲」
・7号室(韓) ⇒韓国のDVDボックス店は主に男女の密会場所として使われているようだ この不採算店を巡って、金欠中年経営者、強欲不動産仲介会社社長、学生アルバイト、店の買取希望者等々が入り乱れる 偽装、麻薬取引、死体隠蔽などの犯罪がからむサスペンス・コメディ 原題も"Room No. 7"

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2018年8月26日 (日)

8月19日~8月25日の週に観た劇場映画

8月19日(日曜)~8月25日(土曜)の週は、10本の劇場映画を観ました。見応えのある作品が多かったように思いますが、B級作品も観てしまいました。

・追想(英) ⇒英国ブッカー賞受賞作家イアン・マキューアン(1948~)の原作小説"On Chesil Beach"(2007、和訳本のタイトルは「初夜」、直訳は「チェシル・ビーチにて」)の映画化 マキューアン自らが脚本も書いている 砂ではなく丸い小石でおおわれた、英国らしく薄暗いが美しいチェシル・ビーチ(英国南部のウェイマスにあり、イギリス海峡に面す)で映像で始まり、そこで終わる 欧州には、フランスのニースもそうだが、小石のビーチが結構あるようだ 1962年の夏、英国ではまだ保守的で階級社会が色濃く残っている時代に、新婚旅行にチェシル・ビーチに来た若い男女の決意とすれ違いを、フラッシュバックを多用しながら描く BBC製作で、パインウッド・スタジオでも撮影 原題は原作小説と同じ"On Chesil Beach"
320_54 ▼詩季織々 ⇒「陽だまりの朝食」「小さなファッションショー」そして「上海恋」の短編アニメ3作によるオムニバス作品 いずれも中国の田舎と都市のエピソードだが、とても身近で哀愁のこもったストーリーと美しい映像が印象的 リ・ハオリン総監督(中)が新海誠監督(1973~)に働きかけ、新海監督作品を手がけるスタジオ「コミックス・ウエーブ・フィルム」が参加した日中共同作品 「陽だまりの朝食」のテーマがビーフンなので、お土産にビーフン2袋をもらった
・銀魂2 掟は破るためにある ⇒北海道出身の漫画家・空知英秋(1979~)の同名原作コミック(2004~)の実写映画化第2弾 すでにテレビ・アニメ化もされている 空知というペンネームは出身地の北海道空知地方からとっているらしい 原作もギャグ満載だが、本作も冒頭からギャグ炸裂で、オープニングを2度やり直すほど 北海道らしく発想にすべて制約や限界がないのがいい ただし、着ている制服が似ているので、フル・キャストなのに誰が誰だか分かりにくい連中がいるのが難 撮影は東映京都撮影所(東映太秦映画村)で行われた他、栃木県日光市・足利市、岐阜県、静岡県、東京都江東区豊洲などでロケをした模様
・劇場版コード・ブルー 緊急救命 ⇒ロングランになっているので、観逃さないように出かけた 2008年7月から放送されているテレビ・ドラマの劇場映画版 成田空港での航空機事故と東京湾アクアライン・海ほたるでのフェリー衝突事故を中心に展開 テレビ・ドラマは観ていないが、単純に面白い テレビ・ドラマのファンならば尚更だろう ただし、仕方がないかもしれないが、ドクターやナースが皆同じ制服・衣装を着ているので、見分けにくかった ロケ地は千葉県で、成田空港と海ほたるは当然として、印西市の日本医科大学千葉北総病院と千葉市の神田外語大学も使われたようだ
320_55 ★SHOCK WAVE ショックウェイブ 爆弾処理班(中・香) ⇒香港を舞台に、凶悪な爆弾テロリストと香港警察爆弾処理班の壮絶な闘いを描く 爆発の強烈なアクション映像は並外れていて見物 ロケのセットには相当な資金を投入したものと思われる 主演のアンディ・ラウ(1961~)も、意表を突いた演技もあり、熱演・好演 アンディは最終的に爆死したようにも思えるが、続編が企画されているらしいのでそうではないかもしれない 原題は「拆彈專家 Shock Wave」で、「拆彈專家(発音:Chāi dàn zhuān jiā)」は"bombing expert"=「爆弾の専門家」か "Shock Wave"は「衝撃波」

・ブッシュウイック 武装都市 ⇒米国ニューヨーク市ブルックリン区ブッシュウィックの地下鉄の駅を出ると、あたり一面は戦場と化していたという一種のパニック・サバイバル・B級作品 ヒロインは謎の男と一緒に市街戦を潜り抜けながら、祖母と妹を探す 長回しの映像が多いと思っていたら、手持ちカメラを使って全編でわずか10カットらしい テキサス州を主体とした有志州がアメリカ合衆国から独立を画策するという背景だが、米国人の中にはまだそういうことを考える人がいるということか 原題は単に"Bushwick"
・チャーチル ノルマンディーの決断(英) ⇒本作は、英国の元首相ウィンストン・チャーチル(1874~1965)が、米国を中心とした連合国軍が立案したノルマンディー(フランス)上陸作戦に、本当は反対していたという歴史的事実に光を当てる 第二次世界大戦中の1944年6月の話だが、チャーチルは英国国王ジョージ6世(1895~1952)の前で連合国軍最高司令官アイゼンハワー大将(1890~1969)に反対意見を述べたという チャーチルは第一次世界大戦中に海軍大臣として指揮したオスマン帝国とのガリポリの戦い(1915)、特にダーダネルス海峡での上陸作戦で英仏連合軍の若者約5万人を戦死、約10万人を戦傷させたトラウマがあった 妻の助言や婚約者が上陸作戦に参加しているタイピストの励ましなどにより、チャーチルは苦悩から立ち直り、6月6日午前6時に国民を激励するラジオ演説に向かった チャーチルは最も偉大な生粋の英国人(the greatest briton)ともいわれる 原題は単に"Churchill"
・センセイ君主 ⇒幸田もも子(1984~)の同名原作少女漫画(2013~2017)を月川翔監督(1982~)が映画化 浜辺美波(2000~)が演じる女子高生が、竹内涼真(1993~)演じる新任数学教師・クラス担任に一方的に恋しアタックする学園ラブ・コメディ 浜辺も竹内もなかなか好演で、浜辺の親友の川栄李奈(1995~)もいい味を出している 特に、美波は{君の膵臓を食べたい」(2017)の時より可愛くなっているような気がするし、表情も豊か 学園もの・お決まりの行事シーン、文化祭・合唱コンクールでは「JUDY AND MARY」の「Over Drive」をクラス全員で歌うが、1995年リリースのこの曲は筆者の記憶には余りない ロケ地は、学校関係は兵庫県西宮市にある神戸女学院大学と三田(さんだ)市にある三田祥雲館高校で、街中は神戸市や芦屋市だったようだ 度々登場し、ヒロインが大好きなすき家は東京都世田谷区桜新町の店が使われたようだ すき家とのタイアップ(プロダクト・プレイスメント)があったのではないだろうか またフランスとの往来があるので成田空港でも撮影された模様
・ちいさな英雄 カニとタマゴと透明人間 ⇒「メアリと魔法の花」(2017)のスタジオ・ポノックが新たに企画した新プロジェクト「ポノック短編劇場」の第1弾 「カニーニとカニーノ」「サムライエッグ」「透明人間」の短編3作から成る 「カニーニとカニーノ」の流水の表現は真に秀逸で感動
320_56 ▼検察側の罪人 ⇒雫井脩介(1968~)の同名原作ミステリー小説(2013)を原田眞人監督(1949~)が実写映画化 原作小説が面白いのだろうが、検察官が必ずしも真実を求めていないのではないかという衝撃的な内容 この点では韓国映画に似てきたのではないか ジャニーズの木村拓哉(1972~)と二宮和也(1983~)が初共演 裏社会の重要なキーパーソンを演じる松重豊(1963~)の演技が良かった ロケ地は、東京都、埼玉県、神奈川県など首都圏各地と静岡県・長野県 筆者が観てすぐ分かったのは、築地本願寺と東京の地下鉄銀座線の京橋駅のみ

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2018年8月19日 (日)

8月12日~8月18日の週に観た劇場映画

8月12日(日曜)~8月18日(土曜)の週は、9本の劇場映画を観ました。高校野球がとても面白くて、出かける回数が少なくなりました。

320_52 ▼ミッション:インポッシブル フォールアウト ⇒トム・クルーズ(1962~)主演のスパイ・アクション作品「ミッション:インポッシブル」シリーズの第6作目 トム本人が実際にスタントに挑戦し続けているアクションは最高峰に達したのではないか 2時間半近い長尺だが、ヘイロー(HALO)ジャンプ、ビル・ジャンプ、ヘリコプター・アクションなどであきさせない 今回は英国ロンドンで撮影されたビル・ジャンプのスタントで足を骨折したようだが、その内撮影にのめり込み過ぎてしまうのではないかと筆者も心配するほど ヘイロー・ジャンプとは高高度降下・低高度開傘(High Altitude Low Open)のパラシュート(落下傘)降下のこと 軍の特殊部隊がレーダーに捕捉されずに外国に侵入するための戦術で、俳優が実際に挑むのは初めてだったようだ 具体的には25,000フィート(7,620メートル)の高さの航空機から降下し、2,000フィート(610メートル)以下の高度でパラシュートを開くものらしい 特別な酸素マスクを設計し、UAE(アラブ首長国連合)で100回以上の降下訓練を実施 撮影許可が下りたのはUAEだけだったらしい 時速200マイル(320キロ)の速度で飛んでいる航空機から飛び降り、時速165マイル(264キロ)の速度で降下するため、一番の危険は空中衝突だったようだ トム自身の操縦によるヘリコプターのアクロバット飛行も凄い ただ爆弾に仕込まれたプルトニウムの玉が、タイマー解除後にポロンと転がり出てくるところは本当だろうか 原題は"Mission: Impossible - Fallout"=「作戦:不可能 - 副産物、余波、放射性降下物」か
・スターリンの葬送狂騒曲(英) ⇒ウラジミール・レーニン(1870~1924)の死後、ソ連の指導者となったイオシフ・スターリン(1878~1953)が、1953年3月寝室で脳卒中の発作で孤独に倒れ4日後に死亡 後継者を巡っての側近たちの駆引き、争い、陰謀、混乱などを描くブラック・コメディ ご存じのとおりスターリンは国内の政敵などを弾圧・粛清し、少なくとも70万人を処刑し、300万人以上をシベリア方面に強制移住させた その粛清の手先となっていたラヴレンチー・べリア(1899~1953)が一時的に権力を握るが失脚し処刑され、結果的にニキータ・フルシチョフ(1894~1971)が指導者となり有名なスターリン批判につながる すべて事実に基づいているらしいというから全く驚かされる 共産主義の独裁国家では、なぜこんなにも一般市民の弾圧・粛清・処刑が簡単に行われるのだろうか また、スターリンとべリアが、ソ連から独立後もいまだ民族紛争に揺れるジョージア(グルジア)の出身なのは何かの因縁か 原題は"The Death of Stalin"=「スターリンの死」 フランス人作家ファビアン・ニュリ(1976~)と漫画家ティエリー・ロバン(1958~)共作の同名原作(2分冊、2010・2012、仏語原題は"La Mort de Staline")を、英国のアーマンド・イアヌッチ(1963~)が実写映画化 ロケ地はロシア・モスクワ、ウクライナ・キエフ、英国ロンドンとオックスフォード スターリン住宅のセットも含めて室内はすべて英国の建物内で撮影
・オーシャンズ8 ⇒リメークで「オーシャンズ11」(2001)を製作し、その後「12」(2004)、「13」(2007)と3部作にしたスティーヴン・ソダーバーグ監督(1963~)が、さらに続編である本作では製作に回った 女性だけの8人による犯罪チームが、前3作で主演したジョージ・クルーニー(1961~)も参加しているメットガラでの超高額宝石を狙う メットガラとは毎年5月の第1月曜日に開催される、雑誌「ヴォーグ」の編集長アナ・ウインター主催のチャリティ・ファッション・イベント 本作でも華やかな衣装を沢山観られる 原題も"Ocean's Eight"=「オーシャンの8人」
・スティル・ライフ・オブ・メモリーズ ⇒「無伴奏」(2016)の矢崎仁司監督(1956~)が女性器を撮影させる女性と撮影する写真家を描いた フランスの写真家アンリ・マッカローニ(1932~2016)が1962年頃から恋人の女性器をアップで撮影し、写真集を発刊したことに発想を得ているそうだ ロケ地は山梨県の八ヶ岳付近らしい ラストに女性器のアップ写真が10数枚映写されるが、当然ボカシが入っていた 外国向け作品には数10枚のボカシのない写真が使われているそうで、今年3月の大阪アジアン映画祭のプレミアではそのまま上映されたのだろうか
320_53 ▼青夏 きみに恋した30日 ⇒南波あつこ(生年不詳)の原作漫画「青夏 Ao-Natsu」全8巻を実写映画化 都会の女子高生役の葵わかなと田舎の男子高生役の佐野勇斗が、共に1998年生まれではありながら、高校生役を初々しく好演 ロケは今年の4月2日から5月3日までのわずか1ヶ月で 美しい田舎・上湖村(かみこむら)のロケ地は三重県の鳥羽市、志摩市、南伊勢町、渡会町および大紀町 また、都会のロケ地は東京都八王子市と渋谷区 なお、クライマックスのおやじバンドのライヴ演奏は栃木県佐野市の旧吾妻中学校(廃校)の体育館で撮影か

・ゴースト・ストーリーズ 英国幽霊奇談(英) ⇒英国人のアンディ・ナイマンとジェレミー・ダイソン(共に1966~)が共同企画し2010年から長期公演している同名舞台劇を、2人がやはり共同で脚本・監督を担当して映画化 アンディは怪談に挑戦するエセの超能力解明科学者としても出演 時々場面が突飛にかなり飛ぶのは舞台劇を映画化したためか 原題は"Ghost Stories"=「怪談」
・人間機械(印・独・フィンランド) ⇒インド人のラーフル・ジャイン監督が、インド北西部クジャラート州の繊維工場で働く人々を撮影したドキュメンタリー 劣悪で過酷な労働環境の下、少年も混じった労働者が織機や染色を担当 彼らは12時間シフトで働いても、月100米ドル(11,000円)程度しか支給されない 原題は"Machines"=「機械」
・インクレディブル・ファミリー ⇒第77回アカデミー賞長編アニメーション賞(2005)を獲得した「Mr. インクレディブル」(2004)の続編 ディズニー・ピクサーの作品らしく、ダイナミックで美しく大胆なアニメ映像は、単純に楽しめる 原題は"Incredibles 2"=「信じられない、素晴らしい人々 2」か
Dsc_0432 ・チャットレディのキセキ ⇒秋葉原にはビデオ電話を介したライブ・チャットのお相手をする女性(チャットレディ)の仕事があるらしい もちろん無料ではなく時間課金されるようだ アルバイトでチャットレディをしている音大生がチャットの相手(超絶ピアニスト)の助けを借りながら、コンクールを勝ち進むというファンタジー作品 クラシック音楽はショパンの幻想即興曲から始まりパッフェルベルのカノンで終わる カノンは男性主人公のハンドル・ネームでもある 本作は今年5月の第3回秋葉原映画祭2018でプレミア上映か 18日から1週間シネマート新宿で上映されるが、写真は初日舞台挨拶 マイクを持って話しているのが主演の吉川友(1992~)で向かって左端が川口浩史監督(1970~)

(注)★はお薦め、▼は特定のマニア向け作品 製作国の表示がないものは米国か日本の作品

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2018年8月12日 (日)

8月5日~8月11日の週に観た劇場映画

8月5日(日曜)~8月11日(土曜)の週は、5本の劇場映画を観ました。毎年夏は第二次世界大戦がらみの作品が多くなります。

320_49 ▼ヒトラーを欺いた黄色い星(独) ⇒ナチスが約600万人ものユダヤ人を虐殺したホロコーストに関する闇の事実は尽きない 1943年6月にナチスの宣伝大臣ヨーゼフ・ゲッペルス(1897~1945)が、ドイツの首都ベルリンからユダヤ人を一掃したと宣言 しかし、事実は約7,000人ものユダヤ人がベルリン内に潜伏し、その内約1,500人が1945年4月の終戦まで生き延びたという 本作では、生き延びた16歳から20歳までの4人(男女それぞれ2人)の若者に焦点を当て、現在高齢の彼ら自身の証言も交えながら、4人がいかにしてベルリンの過酷な2~3年間を過ごしたかをドキュメンタリー風に描く 当然ながら多数のドイツ人が、自分達の命の危険も顧みず、4人を匿っていた その中にドイツ軍の将校もいたというのは何という皮肉あるいは奇跡だろうか 高齢の4人が「ドイツにも善意の人々はいた」、「ユダヤ人を救うことは、ドイツを救うことだ」などと発言するのを聴いて、何とも言えなかった 前々回コメントした作品「ゲッペルスと私」(2016・墺)でゲッペルスの秘書だったブルンヒルデ・ポムゼル(1911~2017)が「私は何も知らなかった」というのは何とも嘘くさい 原題は"Die Unsichtbaren"(独)="The Invisible"=「見えない人々」か
320_50 ▼2重螺旋の恋人(仏) ⇒二重人格、ドッペルゲンガー、精神分析、精神科医、双子などの話が入り交じり、筆者の頭も相当に混乱 しかも、成人指定なので大人のファンタジーでもある フランスの実力監督フランソワ・オゾン(1967~)が米国女性作家ジョイス・キャロル・オーツ(1938~)の短編小説を大胆に翻案し映画化(監督兼脚本) 原題は"L'amant double"(仏)="The double lover"=「2人の、2重の恋人」
・クレイジー・フォー・マウンテン(豪) ⇒美しいクラシック音楽にのせて、どうやって撮影したんだろうと思われる素晴らしい映像が流れる 険しい山岳で、ロッククライミング、スキー、スノボ、ウイングスーツ、自転車などで遊ぶ、命知らずのスポーツ・エンターテイメントが広まっているいることが分かる ヒマラヤ山脈、アルプス山脈を含めて、世界22ヶ国でロケ撮影されたらしい 原題は単に"Mountain"=「山、山岳」
320_51 ▼沖縄スパイ戦史 ⇒沖縄戦の秘められた事実がまた明らかになった 2人の女性ジャーナリスト・映画監督、三上智恵(1964~・東京都出身)と大矢英代(はなよ・1987~・千葉県出身)が沖縄で地道で丁寧な取材を続け、執念の成果を上げた 1944年の晩夏、42名の陸軍中野学校出身のエリート青年将校たちが沖縄に渡った 沖縄北部では護郷隊という少年兵によるスパイ部隊を編成し、1945年6月に日本軍司令官が米軍に降伏した後もゲリラ戦を継続 また波照間島では残った住民を西表島に強制移住させ、悪性マラリアにより数百人を死亡させた 筆者はなぜ西表島の自然が奇跡的に残されているのかがやっと分かった 事実として、日本軍は沖縄の住民(国民)を護らず、利用するばかり また、米軍支配下になれば住民は全員スパイになるとして信用せず、住民の密告組織を作り少しの言動でリンチ処刑 これらの事実を知った今、憲法改正により自衛隊を軍にする場合は、文民統制をよほど厳格・完全に確立しなければならないだろう
・乱世備忘 僕らの雨傘運動(香) ⇒2014年9月に香港の学生中心の若者たちが、真の普通選挙を要求して実行したデモ・道路占拠の雨傘運動のドキュメンタリー映像 1984年12月にサッチャー英国首相(1925~2013)と趙紫陽中国首相(1919~2005)が香港の主権返還を決めた英中共同宣言に調印 当時の中国の最高権力者・鄭小平(1904~1997)が「一国二制度」を導入 1997年7月の主権返還後、香港には50年間は、外交と防衛を除き、言論の自由を含む民主社会や資本主義経済システムを保障 香港憲法にも普通選挙が明記されているにもかかわらず、中国は大陸方式に統一しようとしていると見える 原題は「乱世備忘 Yellowing」 "Yellowing"は多分「英中の約束の紙が黄ばんで無効になりつつあること」か

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2018年8月 5日 (日)

7月29日~8月4日の週に観た劇場映画

7月29日(日曜)~8月4日(土曜)の週は、1本の劇場映画を観ました。7月末に同月2回目の北海道に参りましたので、鑑賞時間が限られました。

320_48 ▼ウインド・リバー ⇒原題も"Wind River" これは米国ワイオミング州のウインド・リバー先住民保留区(Wind River Indian Reservation)のこと 本作は、この保留区で18歳の少女が暴行されて、逃亡後雪の中で行倒れた事件を扱っている FBIの新人女性捜査官が担当となり、第1発見者でもある野生生物局の凄腕ハンターの協力を得て捜査を進めるが、隔絶された特殊な辺境の地域ゆえの困難に遭遇 先住民保留区で失踪した女性失踪者の統計は皆無で、失踪者数も不明らしい 辺境の地を描いた「ボーダーライン」(2015)と「最後の追跡」(2016)のオリジナル脚本を担当したテイラー・シェリダン(1970~)が、本作ではオリジナル脚本に加え監督業もこなした 米国の政治の失敗と恥部を抉り出している

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2018年7月29日 (日)

7月22日~7月28日の週に観た劇場映画

7月22日(日曜)~7月28日(土曜)の週は、10本の劇場映画を観ました。見所のある作品が多かったように思います。

320_45 ▼菊とギロチン ⇒「64 ロクヨン」の瀬々敬久(ぜぜたかひさ・1960~)監督がオリジナル企画で製作 「64 ロクヨン」も前・後編で長かったが、本作は3時間を超える長尺 菊は今風にいうとDVに耐えかねて家出し女相撲に加わった花菊を、ギロチンは憲兵隊に殺された、労働者運動を率いた大杉栄の仇を討とうとするギロチン社を指すものと思われる 1923~24年(大正12~13年)頃を描いている本作は、明治維新後の中央集権体制国家において、女性や労働者・小作人の人権が全く認められない社会を炙り出す 中・高校の日本史の授業では、時間不足という妙な理由によってほとんど学習していない戦前の時代が、現代の中国や北朝鮮にも似た人権無視の社会であったことをうかがわせる ロケ地は滋賀県と京都府だったらしい
・スウィンダラーズ(韓) ⇒韓国で実際にあったマルチ商法詐欺事件を題材に、詐欺師たちが躍動するコメディ金庫破り作品 検事までが詐欺師なので、何が何だが分からないスピーディな展開が面白い 原題はずばり"The Swindlers"=「詐欺師たち」 発音は「スウィンドゥラーズ」の方が近いと思う
・スカブロ ⇒「スカブロ」とは「横須賀(ヨコスカ)」の「スカ」と「brothers(ブラザーズ)」の「bro(ブロ)」の合成語らしい したがって、本作は神奈川県、特に横須賀市生まれや在住のキャスト・スタッフらにより製作 ほぼ全編横須賀市でロケ撮影されており、ドブ板通りを主体に軍港、クラブ、トンネルなどの映像が オリジナル企画による脚本で、米国海軍基地の街らしく怪しい米国人たちやスカジャン(ヨコスカ+ジャンパー)も登場 地元衆議院議員の小泉進次郎代議士(1981~)も終盤にチョイ役で顔を出す もし横須賀に行ったことがなければ、是非「横須賀軍港めぐり」に乗船して、その後ドブ板通りを歩いてほしい
・エヴァ(仏) ⇒英国ロンドン生まれの作家ジェイムズ・ハドリー・チェイス(1906~1985)の原作小説「悪女イヴ」(1945)の2度目の映画化 チェイスは英国人ではあるが、英国の気候を嫌ってフランスに移住し、最後にはパリに住んだためか、フランスで人気がある 1度目の映画化はジャンヌ・モローが主演した「エヴァの匂い」(1962) 本作の主演のイザベル・ユペールよりジャンヌ・モローの方がもっと妖艶だと思う 原題も"Eva"=「エヴァ」
320_46 ▼志乃ちゃんは自分の名前が言えない ⇒吃音(きつおん)症・どもり症をテーマにした作品は初めて観たような気がする 主人公は特に母音から始まる単語がスムーズに言えない高校1年生の女生徒 そして音楽が好きでギターを弾くが音痴なクラスメート少女との間に奇妙な友情が 両者とも撮影時(2017年4月)の実年齢が14歳の少女たちが演じているのでリアリティ満載 これに実年齢18歳のお調子者でKYだが孤独な男子生徒が絡む 吃音症の彼女が友人のギター伴奏で歌う「あの素晴らしい愛をもう一度」「翼をください」「世界のおわり」そして「青空」も初々しくていい 押見修造(1981~)の同名原作コミックの映画化 ロケは主に静岡県沼津市で行われ、旧静浦中学校(廃校)、沼津駅前、静浦漁港、内浦漁協などが使われたようだ

・BLEACH ⇒広島県府中町出身の漫画家・久保帯人(くぼたいと・1977~)の同名コミック作品を実写映画化 ラストのオープン・セットを使った激しい殺陣が見物 リギングも使ったCGによるVFXも結構なもの 本作は死神代行編とあるので続編も企画か ロケ地は埼玉県三郷市、神奈川県相模大野市・横浜市などのようだが、オープン・セットがどこに造られたかは不明
・悲しみに、こんにちは(西) ⇒スペイン・カタルーニャ州のバルセロナで生まれた女性監督カルラ・シモン(1986~)の初長編作品 両親を亡くした少女がバルセロナからカタルーニャ州の田舎に引越し、田舎の美しい自然の中で叔父家族3人と一緒に暮らし始める シモン監督自身がエイズで両親を亡くした実話に基づいた作品 原題は"Estiu 1993"(カタルーニャ)="Summer 1993"=「1993年夏」で、監督のその不運な時期を示すようだ
・未来のミライ ⇒細田守監督の「バケモノの子」(2015)に続くアニメ作品 4歳の男の子が妹が生まれたことにより、赤ちゃん返りしていろいろ騒動を起こすことがテーマ 筆者にも2人の孫が誕生したが、少し違うような気もする
・ブリグスビー・ベア ⇒誘拐されて25歳まで隔離されて偽両親と暮らしていた青年が、初めて外の世界に踏み出した時のいろいろな出来事を描く 新しい本当の家族との関係、社会適応のためのコンサルタントとの応対、等々新たな課題が 少し話の展開に無理があるような気もするが… 原題も"Brigsby Bear"で、偽両親が制作し観せていた教育番組のこと ソニーの作品
320_47 ▼ゲッペルスと私(墺) ⇒8月3日上映終了だが、結構な数の観客が ホロコーストはまだまだ終わっていないと感じた 新しい発見を含む他の作品も必ず登場するだろう ちょうど1911年1月11日ドイツ・ベルリン生まれで、撮影当時103歳のブルンヒルデ・ポムゼル(1911~2017) 彼女は1942年から1945年のドイツ敗戦までナチス宣伝大臣のヨーゼフ・ゲッペルス(1897~1945)の秘書として働いた 本作はその彼女が初めてその時代の出来事を語ったドキュメンタリー 衝撃的なアーカイヴ・フィルムとともに語られる内容は真実に近いもののように聴こえる ただナチス党員で、ナチス幹部たちと毎日接していた彼女が何も知らなかったというのもやや信じがたい 特に、彼女の親友のユダヤ人エヴァにはもっと何かしてあげられたのではとも思う 原題は"A German Life"=「ドイツ人の人生」か 日本も中国でそして朝鮮半島で何をしたのか、善も悪も真実に近い内容を紹介するドキュメンタリーをもっと製作して勉強させてほしい

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2018年7月22日 (日)

7月15日~7月21日の週に観た劇場映画

7月15日(日曜)~7月21日(土曜)の週は、7本の劇場映画を観ました。朝鮮半島に関した作品を3本観ました。

・グッバイ・ゴダール!(仏) ⇒ジャン=リュック・ゴダールはフランスの映画監督 なぜかスイス国籍も所有している二重国籍者らしい 1930年パリ生まれでヌーヴェルバーグの旗手 日本で言うと大島渚(1932~2013)に相当するのか フランスでは熱狂的なファンも多く、その意味では黒澤明(1910~1998)的かもしれない ゴダールの2人目の夫人・アンヌ・ヴィアゼムスキー(1947~2017、ドイツ・ベルリン出身、女優・作家)の、ゴダールとの係わりを書いた2冊の手記本が原作 それをフランス人監督ミシェル・アザナビシウスが映画化 アザナビシウス監督は「アーティスト」(2011・仏)で第84回アカデミー賞(2012)作品賞・監督賞を、フランス作品として初めて獲得 「アーティスト」にも出演していた妻のベレニス・ベジョも本作にも登場 フランス5月革命(世界の学生運動の先駆けとなった、1968年のパリにおける学生・労働者のゼネスト活動)への参加、1968年のカンヌ国際映画祭を中止させたことなど、ゴダールの奇行も描かれている 原題は"Le Redoutable"(仏)="The Formidable"=「手に負えない人、手ごわい人」か
320_42 ▼ジュラシック・ワールド 炎の王国 ⇒スティーヴン・スピルバーグ(1946~)が製作する、5作目の「ジュラシック・パーク/ジュラシック・ワールド」作品(パークが3作、ワールドが2作) 原作は米国の作家・マイケル・クライトン(1942~2008)の「ジュラシック・パーク」シリーズ(1990~)3作だが、「ジュラシック・ワールド」からはオリジナル脚本のよう 蘇った恐竜たちがリアルに動き回ることに毎回感動するが、本作では人間と直に触れ合うシーンが目立つ これには恐竜のリアルな模型セットも使われたらしい 今回も舞台は、恐竜が蘇り、自然繁殖したコスタリカ西方沖の架空の島、イスラ・ヌブラル島 この島のロケはやはり米国ハワイ州オアフ島北東部にあるクアロア・ランチで行われたようで、この場所は今はテーマ・パークにもなっている 原題は"Jurassic World: Fallen Kingdom"=「ジュラ紀の世界:死滅の王国」か 続編製作はすでに進行しているようだ
・天命の城(韓) ⇒中国が明から清の時代に移行する際の朝鮮半島の様態が良く分かる作品 女真族(満州族)により建国された後金が清と改称した1636年に清は李氏朝鮮に侵攻(丙子の乱) 清の12万の大軍に対し、朝鮮王仁祖は1万3千の家臣・兵とともに南韓山城に籠城 徹底抗戦か和睦かで城内は割れる 韓国の作家キム・フン(1948~)の小説を、「怪しい彼女」(2014・韓)、「トガニ 幼き瞳の告発」(2011・韓)のファン・ドンヒョク監督(1971~)が映画化 イ・ビョンホン(1970~)が主演し、坂本龍一(1952~)が韓国映画では初めて音楽を担当しているなど、韓国では大作 今年冬季オリンピックが開催されたピョンチャン(平昌)に南韓山城などのオープン・セットを造り、11月からの厳寒の時季5ヶ月間にわたり撮影 1637年に朝鮮は清を宗主国とする冊封体制に組み入れられるが、明が宗主国だった時よりもはるかに厳しい朝貢国としての義務が課された これは日清戦争(1895)で清が日本に敗戦するまで続いた これらのことから朝鮮半島がいかに大陸の強国との外交交渉に苦労していたか、その結果いかに外交上手かが推測される 原題は"The Fortress"=「要塞」
・虹色デイズ ⇒北海道出身の水野美波原作の同名少女コミックの実写映画化 4人の男子高校生の友情、勉学、恋愛、進学などの青春の悩みにあふれた高校2年生の1年間を描く 20歳台の俳優が高校生を演じるのはやはり若干違和感があるが、前向きな姿勢は好ましい ロケ地は主に栃木県足利市で、足利短期大学附属高校、旧足利西高校(廃校)、足利織姫神社などが使われた 一部群馬県前橋市でもロケされている
・北朝鮮をロックした日 ライバッハ・デイ(ラトビア・ノルウェー・スロベニア) ⇒ライバッハ(LAIBACH)というスロベニア(旧ユーゴスラビアの一部)出身の6人組バンドのことは全く知らなかった カバー曲を独特の解釈でアレンジした「インダストリアル・ロック」というサウンド ナチス風の制服を着て世界中で行っている、映像と音楽を組み合わせたライヴはカルト的人気があるようだ 本作は、2015年に北朝鮮祖国解放70周年記念日に招かれたライバッハが、北朝鮮当局とのとても困難な交渉を乗り越えてライヴ公演に至るまでを描く 北朝鮮の監視そして公演内容への介入・指導が一筋縄ではないことを示す ライバッハは北朝鮮でライヴを行った最初の海外ミュージシャンらしい 原題は"Liberation Day"=「解放の日」

320_43 ▼ワンダーランド北朝鮮(独・北朝) ⇒韓国プサン(釜山)出身の映画監督チョ・ソンヒョン(1966~)があえて韓国からドイツへ国籍を変え、北朝鮮に入国し普通の人々の暮しを追おうとしたドキュメンタリー 慎ましく、素朴な生活をしている北朝鮮の人々は、皆幸せそうで前向きな姿勢を示す また、絵画、裁縫などの手先の器用さはもちろん、自然エネルギーを活用した循環型の暮しなどが紹介される 原題は"Meine Bruder und Schwestern im Norden"(独)="My Brothers and Sisters in the North"=「北にいる私の兄弟・姉妹」 筆者は映画としての本作に高評価を与えるものではないが、「天命の城」「北朝鮮をロックした日 ライバッハ・デイ」そして本作を連続して観て、ある感想を持った それは現在の北朝鮮は戦前の日本によく似ているのではないかということ 両者とも大国と対峙した経験が豊富で交渉上手なこと 北朝鮮のペクトゥサン(白頭山)信仰と日本の皇国史観 北朝鮮ではキム(金)将軍、日本では天皇という絶対元首への尊敬・敬愛・絶対服従 国民は国のため、元首のため頑張り、命を懸けること 人権が制限されており、遊んでいる人や反政府運動をする人は少なく、ここからは全くの想像ではあるが、障碍者が少ないのではないか 結論としては、人口の割には統一的で効率的な国家運営ができているので、簡単には国家破綻しないのではないかと思われる
320_44 ▼ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ★アディオス(英) ⇒1997年にリリースされたアルバム「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」が大ヒットし、1999年の同名映画作品(独・米・仏)も一世を風靡した それから28年後、アディオス(さようなら)公演として世界を回る、平均年齢90歳以上の同バンドを追ったドキュメンタリー 「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」とはバンドが演奏していたクラブの名前だったが、バンド名にもなった 1999年の映画が大ヒットした後、世界中で同名のクラブや飲食店が雨後の筍のように増えた 映画原題は"Buena Vista Social Club: Adios"(西)="Buena Vista Social Club: Goodbye"=「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ:さようなら」

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2018年7月15日 (日)

7月8日~7月14日の週に観た劇場映画

7月8日(日曜)~7月14日(土曜)の週は、4本の劇場映画を観ました。暑さとイベントに押されて、鑑賞時間が減りました。

・セラヴィ!(仏) ⇒パリ郊外にある17世紀に建設された古城でのウェディング・パーティにまつわるフランス流コメディ さすがフランスという立派な古城の会場で、引退を控えた一流で有能なウェディング・プランナーが、自己中で出来の悪いスタッフたちに振り回されながらも、何とか大団円を迎える 原題は"Le sens de la fête"(仏)="The meaning of the party"=「パーティの意義」で、この方が作品の真意を伝えていると思う なぜ邦題を「セラヴィ!」="C'est la vie!"(仏)="It's life!"=「それが人生!」という平凡なものにしたのだろうか
320_41 ★バトル・オブ・ザ・セクシーズ ⇒1973年に米国で実際に興行された女子テニス世界チャンピオンのビリー・ジーン・キングと元男子テニス世界チャンピオンのボビー・リッグスの、性別を超えたテニス・マッチが主題 キング夫人は1972年の全米女子テニス大会の賞金総額が10万ドル(当時の為替で多分3,000万円位)で男子の1/8に過ぎなかったことに憤り、既存の男子中心のテニス協会を脱退し、仲間とともに自ら「女子テニス協会」を設立しスポンサーを探す 一方リッグスはギャンブル漬けで金欠に陥り、夫婦関係も悪化していたため、一獲千金を狙っていた 女子テニス協会の最初の大スポンサーがスポーツ選手の健康には余り良くないタバコ会社だという皮肉があったり、キング夫人は優しい夫がありながら美人美容師のファンと親密な関係になったりと、話は複雑な様相を示しながらも最終バトルに向かっていく これは女性の地位向上を目的としたウーマン・リブの闘争の一部でもあったようだ 1960年代に米国で公民権運動を主導したのがやはりキング牧師(マーチン・ルーサー・キング)だったのは歴史の偶然か キング夫人役は「ラ・ラ・ランド」(2016)で第89回アカデミー賞(2017)主演女優賞を獲得したエマ・ストーンで、眼鏡をかけ、テニスも特訓して熱演 原題は"Battle of the Sexes"=「性、性別、あるいは男女の闘い」で、具体的に言うと「ウーマン・リブの闘い」でもある 邦題は原題の読みをカタカナで表記する方法をとっているが、ならば本来「バトル・オブ・ザ・セックスィズ」だろう 何を遠慮したのか分からないが、英語では"sex"は第一義的には「男女の性別」の意味 「セクシーズ」なら"sexy"の複数形"sexies"になると思われ、その意味は「セクシーな、色っぽい人たち」だろう
・ルームロンダリング ⇒自殺や殺人事件などがあった、訳ありの賃貸住宅物件を、一度誰かが住むことにより普通の物件に変える仕事があるのかどうか分からないが、本作はそれに関するもの 訳ありの部屋には当然幽霊などが出没するのだが、それの相手をして住む主人公女性には霊能力がある 意外なテーマを面白く演出 ロケ地はエンド・クレジットによれば東京都武蔵野市を中心とした東京西部のようだ
・インサイド(西・米) ⇒はっきり言ってB級サスペンス・ホラー作品 ここまで異常な動機は理解できないし、襲う女はまるで不死身のようだし、警官の対応も間抜けているなど、変なところも多い 舞台は米国シカゴ市らしい 原題も"Inside"で、あえて和訳すると「内部、内側のもの」か

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