カテゴリー「映画(2018年)」の52件の記事

2019年1月 1日 (火)

新年のご挨拶(2018年に鑑賞し、これはと感じた劇場映画作品)

己亥(つちのとい/きがい) とにかく世界平和を

よき新春をお迎えのことと存じます
本年もよろしくお願い申し上げます

昨年は、いろいろな分野で光と陰が交錯した一年でした
今年は、平成の終わり、相次ぐ自然災害への備え、統一地方選と参院選、消費税増税、米中の覇権争い、北朝鮮非核化問題、北方領土問題などなど目を離せないことが山積みです

昨年は407本の劇場映画作品を鑑賞しました これはと感じた作品12本を以下にご紹介いたします

スリー・ビルボード(英):一主婦が米国の田舎のぐうたら警察と闘う
今夜、ロマンス劇場で(日):映画への愛とオマージュにあふれる
しあわせの絵の具 愛を描く人 モード・ルイス(加・アイルランド):タイトルどおり

ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男(英):毒舌家の決断
トレイン・ミッション(米・英):限られた列車空間での次々のサスペンス
モーリーズ・ゲーム(米):天才的米国美女ゲーム場経営者の実話

ビューティフル・デイ(英):映像・音楽の切れ味抜群のフィルム・ノワール
万引き家族(日):ご存じのとおり、現代日本社会の断面を鋭く切り開く
カメラを止めるな!(日):ワン・カットとその種明かしの組合せが秀逸

1987、ある闘いの真実(韓):韓国民主化運動のきっかけとなった事実
チューリップ・フィーバー 肖像画に秘めた愛(米・英):まるでシェイクスピア
ボヘミアン・ラプソディ(米):あたかも「クイーン」そのものが公演しているよう

皆様方にとって、輝かしい新年となるようお祈り申し上げます

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2018年12月30日 (日)

12月23日~12月29日の週に観た劇場映画

12月23日(日曜)~12月29日(土曜)の週は、8本の劇場映画を観ました。結局今年の映画作品鑑賞数は407本になりました。

メアリーの総て(英・ルクセンブルグ・米) ⇒原題はヒロインの名前"Mary Shelley"=「メアリー・シェリー」で、本作は彼女の伝記的映画 メアリー・シェリー(1797~1851)は英国の小説家で、ゴシック小説「フランケンシュタイン」(1818)の作者 ゴシック小説とは当時流行した神秘的、幻想的なもので、現代のSF小説、ホラー小説の先駆けらしい ヒロインを米国ジョージア州出身のエル・ファニング(1998~)が演じ、妹役に「マイ・プレシャス・リスト」(2018)のベル・パウリー(英・1992~) 監督はサウジアラビア初の女性監督(兼脚本)で、製作、脚本、美術、衣装、音楽などを女性陣で固めている 19世紀初頭を模した衣装とセットは美しく豪華 エンド・クレジットには製作国の先頭にアイルランドが入っていたが…
家に帰ろう(西・アルゼンチン) ⇒まだまだホロコーストのストーリーは終わっていない 第二次世界大戦中(1939~1945)にポーランドのホロコーストから一人だけ逃れたユダヤ人の青年は、父の仕立屋の弟子で親友であるポーランド人青年に助けられる 当時ポーランドに住んでいたユダヤ人は1割しか生き残っていないそうだ アルゼンチンの首都ブエノスアイレスで暮らしていたユダヤ人青年は70年後の現在はもう88歳 自分が仕立てた最後の背広をスペイン・フランス経由で、ドイツを通らずに、ポーランドにたどり着き、昔の親友にそれを渡そうとする 原題は"El último traje"="The last suit"=「最後の背広・スーツ」
アリー スター誕生 ⇒主演の米国ニューヨーク市出身の歌手レディー・ガガ(1986~)の歌唱力がやはり素晴らしい 彼女自身が作詞作曲した主題歌「シャロウ(Sharrow)」がもう少しポピュラーになれば映画自体もさらにヒットするか 「スター誕生」的な作品は4度目の映画化だそうで、「アメリカン・スナイパー」(2014)で主演したブラッドリー・クーパー(フィラデルフィア市出身・1975~)が初監督 公演模様の撮影は満員のエキストラの前で本人が演奏・歌唱したとのことだが、本当なら結構プロ顔負け 原題は"A Star Is Born"で単に「スター誕生」か
ヘル・フロント 地獄の前線(英) ⇒原題は"Journey's End"=「旅の終わり」か 英国の劇作家ロバート・C・シェリフ(1896~1975)が第一次世界大戦(1914~1918)での実戦経験を基に制作した、原題と同名の戯曲を映画化 大戦末期の1918年3月、フランス北東部のサン・カンタン付近が舞台 塹壕戦で戦況が膠着する中、ドイツ軍の総攻撃が近付く 作中「さようなら、ではまた」あるいは「乾杯!、万歳!」の意味を有する「チェリオ(cheerio)」という言葉がよく使われるのが気になった
葡萄畑に帰ろう(ジョージア) ⇒ジョージアの最長老の映画監督エルダル・シェンゲラヤ(1933~)が監督(兼脚本)した政治風刺のファンタジー喜劇 8000年の歴史を持つというジョージアの葡萄酒を産する東部のカヘティ地方の自然は美しい 原題は"The Chair"=「椅子」で、作中でも主要な役割を果たす

320_92 ▼私は、マリア・カラス(仏) ⇒冒頭からマリア・カラス(1923~1977)本人の割と素直なインタビューと隠し撮りの彼女の超人的な歌唱が続き圧倒される 特にベッリーニ(伊・1801~1835)作曲のオペラ「ノルマ」(1831)の難曲を歌う姿は神々しい 1923年に彼女は米国ニューヨーク市でギリシャ系の子孫として生まれ、1937年に一家はギリシャへ移住 その才能を見出した母親により13歳で17歳からしか入学できないアテネ音楽院にうまく入学 天賦の才能と「毎朝一番乗りで、帰るのは最後」という努力により開花 イタリアのベルカント唱法をそこで習得 音楽院卒業後はすぐに快進撃を続け、1950年代半ばに絶頂期を迎え世界中で喝采を浴びる しかし難曲で喉を酷使したためか絶頂期は10年間前後であり、1959年に知り合ったギリシャの海運王アリストテレス・オナシス(オスマン帝国生れ・ギリシャ・1906~1975)と恋人になってからは、豪奢な生活で休養を取るようになり心も声もまろやかになる オナシスとは結婚できなかったが、1968年にオナシスが暗殺されたケネディ米国大統領のジャクリーヌ未亡人と結婚するという裏切りを受ける 1973年のロンドンから始まった世界ツアーで最後に日本も訪れるが、1977年にパリで波乱万丈な一生を終える 原題は"Maria by Callas"で、あえて意訳すると「カラスという名(声)を背負ったマリア」という感じか
宵闇真珠(香・マレーシア・日) ⇒香港の消えゆく寒漁村で暮らすアルビノの女子が外国人の男に出会う話 牡蠣貝で作る真珠、打ち捨てられた高台の住宅、リゾート開発の波などが絡む不思議な作品 原題は「白色女孩 The White Girl」で、「アルビノの女子」のこと
320_93彼が愛したケーキ職人(イスラエル・独) ⇒究極の三角関係を描く 3者すべての間に関係があるというのはかなり異常だが、バイセクシャルの男が2人もいればありえるか… イスラエルでは未だにドイツ人に対するわだかまりがあるようだ またイスラエルにはユダヤ教に基づく生活の規律・戒律があることも描かれている エルサレムでは安息日(シャバット)の公報活動が充分になされており、安息日には金曜日の日没から土曜日の日没までは労働しない さらによく知らなかったのは、食事規定(コシャー)のこと 食べられる肉や魚の種類が規定されており、また牛乳・乳製品(ミルク)と肉(ミート)は一緒に食べてはいけないとされている 当然本作にたびたび登場するオーブンの使用制限についての規定もあるようだ しかし、どこでもコシャーが厳守されている訳でもなく、普通のレストランも多数あるようだ 原題は"The Cakemaker"で邦題どおり

(注)★はお薦め、▼は特定のマニア向け作品 製作国の表示がないものは米国か日本の作品

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2018年12月23日 (日)

12月16日~12月22日の週に観た劇場映画

12月16日(日曜)~12月22日(土曜)の週は、7本の劇場映画を観ました。年末シーズンは公開作品がやや小粒になるような気がします。

熱狂宣言 ⇒高知県出身で、ダイヤモンド・ダイニングの創業者・松村厚久(1967~) 若年性パーキンソン病を患いながらも、現在は東証1部上場で年商約500億円の(株)DDホールディングズ(3073)の代表取締役社長・グループCEOを務める ノンフィクション作家・小松成美(1962~)が彼について書いた小説「熱狂宣言」(2015)を読んだ、パルムドール受賞作品「うなぎ」(1997)などを製作した名プロヂューサー・奥山和由(愛媛県生れ・東京都出身・1954~)が感銘 本当のことかどうか確かめるために本作を企画し製作・監督 自然体の松村を撮るために松村配下の素人の社員に撮影カメラマンを託したそうだ 東京・六本木と高知でのみ上映
320_91小河ドラマ 龍馬がくる ⇒坂本龍馬役を演じようとしていた武田鉄矢(本人役・福岡県・1949~)の前に、本物の龍馬が幕末からタイムスリップして現れる 龍馬本人から真実・本当の話を聴いてそれを演出に使おうとするが、本人が語る話はいずれも伝えられている歴史とは異なるドジなものばかり さらに現代に舞い来た龍馬は合コンやTikTokなどの現代文化・流行にすぐ慣れ参加 「大河」ではなく「小河」ドラマであり、龍馬が「ゆく」ではなく「くる」と銘打ったドタバタ・ファンタジー・時代劇コメディ 劇場版公開は東京・渋谷のみで、なぜかほとんど女性観客ばかり 2枚目の写真は終映後のトークショーにて 右から監督(兼脚本)の細川徹(埼玉県・1971~)、坂本龍馬役の三宅弘城(神奈川県・1968~)そしてマネジャー田沼役の稲葉友(ゆう・神奈川県・1993~) 皆武田鉄矢が出演を了承するとは思わなかったそうだ 武田は多趣味で休憩中にはフライフィッシング、ゴルフ、合気道などの話をしていたとのこと またサービス精神旺盛で、本人が常時所持している専用ハンガーでのカンフー・アクションも観せてくれたらしい 28日(金曜)には武田鉄矢御大本人が終映後のトークショーに登場するそうだ
Dsc_0580_2マイ・サンシャイン(仏・ベルギー) ⇒1992年4月末~5月に米国カリフォルニア州ロサンゼルス市サウス・セントラル地区で発生した黒人による大規模な暴動までのおよそ1年間の様子を、親のいない黒人の子供たちを預かりながら生活する黒人女性と隣人の白人男性を軸に描く 1991年3月3日に起きた多数の白人警官らが黒人のロドニー・キング(1965~2012)を激しく暴行したロドニー・キング事件と同年同月16日に発生した韓国系女性商店主が万引き犯と見なした黒人女子高生ラターシャ・ハーリンズ(1975~1991)を背後から射殺したラターシャ・ハーリンズ事件が暴動の伏線になっている ロサンゼルスの裁判所で女性店主が微罪に終わり、また1992年4月29日に暴行した4人の警官が無罪になったことから暴動が始まる 主に韓国系の商店が略奪された トルコ生れでフランスに移住した、「裸足の季節」(仏・土・独・2015)のデニス・ガムゼ・エルギュヴェン(女性・1978~)が監督(兼脚本) アカデミー賞主演女優賞受賞のハル・ベリー(1966~)と「007」ジェームズ・ボンド役のダニエル・クレイグ(英・1968~)という大物が出演しているが、筆者にはやや展開が平板 米国作品ではないため政治的な主張を込めるのは難しいとは思うが…
暁に祈れ(英・仏) ⇒原題は"A Prayer Before Dawn"=「夜明け前の祈り」で邦題は少し意訳 英国人のビリー・ムーアによる同名原作小説の映画化 タイに渡り麻薬と盗難携帯電話の売買に係わり逮捕 タイの地獄のような刑務所に3年間収容された実体験を描く タイの実際の受刑者たちをキャストに使ったらしく、映像は眼を背けたくなるほど暗く、汚く、残酷
ニセコイ ⇒高知県出身の漫画家古味直志(1986~)による人気同名連載コミック(2011~2016)の実写映画化 中島健人(東京都・1994~)と中条あやみ(大阪府・1997~)が共演 少々トウの立った高校生たちだが熱演 東宝スタジオで撮影された、文化祭での「ロミオとジュリエット」の公演(劇中劇)は結構見物 また空港滑走路でのラストシーンは教会のイルミネーションや打上花火が加わって豪華 撮影は今年2018年4月から6月にかけて行われ、東京都世田谷区の東宝スタジオでの撮影に加え、群馬県前橋市、神奈川県川崎市、茨城県水戸市、東京都多摩市・江戸川区、千葉県浦安市、静岡県河津町・牧之原市などでロケ撮影された模様 ラストシーンの空港は静岡空港と推察される

おとなの恋は、まわり道 ⇒原題は"Destination Wedding"=「旅先・リゾートでの結婚式」 原題どおり旅先・リゾートでの結婚式に出席するために、小型飛行機の座席から隣同士になった男女の毒舌掛合いを描く 男女をキアヌ・リーブス(レバノン生れ・1964~)とウィノナ・ライダー(1971~)が演じ、延々と2人芝居が続く 愛を交わす最中にもお互いに毒づくのには驚いた 旅先の飛行場は米国カリフォルニア州中部のサン・ルイ・オビスポ空港で、主にサン・ルイ・オビスポとパソ・ロブレスで撮影された模様
マッドライダー(伊・西) ⇒オーストラリア作品の「マッドマックス」(1979)・「マッドマックス2」(1981)の成功に触発されて、イタリアとスペインの合作で製作された1983年の類似作品 開映前に映画評論家・二階堂卓也(1947~)のトークショーがあり、本作は1984年に日本公開されたが、地方だけであり東京ではなかなか観られなかったらしい B級作品だがアクションや小道具の使用など、よく考えてある 水と油の違いはあるが、本作と「マッドマックス 怒りのデスロード」のプロットは似ている

(注)★はお薦め、▼は特定のマニア向け作品 製作国の表示がないものは米国か日本の作品

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2018年12月16日 (日)

12月9日~12月15日の週に観た劇場映画

12月9日(日曜)~12月15日(土曜)の週は、7本の劇場映画を観ました。いくつかの忘年会に出席しましたので、鑑賞数が限られました。

くるみ割り人形と秘密の王国 ⇒12月には必ず上演されるロシアの大作曲家チャイコフスキー(1840~1893)のバレエ「くるみ割り人形」(初演1892)をディズニーが豪華キャストを使って実写映画化 バレエの内容をかなり翻案しており雪の国、花の国、お菓子の国そして第4の国(遊びの国)という4つの国が登場 美しいセットが多数創られたようだ エンドクレジットにはVFX担当に数百名が 米国のエンドクレジットには弁護士や会計士、またドライバーの名前まで最近はよく登場 原題は"The Nutcracker and the Four Realms"=「くるみ割り人形と4つの王国」
セルジオ&セルゲイ 宇宙からハロー!(米・キューバ・西) ⇒キューバの監督やキャストを使った珍しい作品で実話に基づいた創作 1991年12月にソ連が崩壊し、ソ連から多大な援助を受けていたキューバが経済的に困窮した時期の話 ソ連が存在しなくなりソ連の宇宙ステーション「ミール」に取り残された宇宙飛行士セルジオ、貧困の中にいるキューバのアマチュア無線愛好家セルゲイ、米国の裕福な謎のアマチュア無線愛好家などが絡んで、3ヶ国が協力することに 原題は単に"Sergio and Sergei"=「セルジオとセルゲイ」
青の帰り道 ⇒今年公開された、台湾作品のリメーク(2011)である「あの頃、君を追いかけた」のような感じかと思ったが、かなり違った 登場する若者の半数以上は、人生の時々の選択を人のせいにする、自立した大人になれない若者だった 2008年に群馬県前橋市の高校3年で同級生だった7人がそれぞれの道を歩み、10年後の2018年に故郷で再会する青春群像劇 ロケ撮影は2017年8月に群馬県前橋市・桐生市、東京都中野区・新宿区・渋谷区、埼玉県川口市などで行われたようだ 元々は1年前の2016年8月から撮影を始めていたが、キャスト7人の一人だった高畑裕太(1993~)が前橋市内のビジネス・ホテル女性従業員に性的暴行を加えた事件が発生したため、1年間撮影が中断され翌夏新たに撮り直したといういわく付き
320_89マチルダ 禁断の恋(露) ⇒ロシアのサンクトペテルブルクにあるマリインスキー劇場にはマリインスキー・バレエ団が附属 ロマノフ王朝末期にそこのバレリーナであったマチルダ・クシェンスカヤ(1872~1971)と最後のロシア皇帝ニコライ2世(1868~1918)とのロマンスを扱った伝記的作品 マチルダはバレエ団の最初のプリマ・バレリーナ・アッソルータ(伊語で非常に稀な最高位の肩書)となったとともに、32回転フェッテを初めて成功させたことでも有名らしい ロシア作品らしく本作も雄大で豪華絢爛たるもの 宮殿や劇場、戴冠式(1896)式場の聖堂などのセットは素晴らしい バレエ・シーンやコスチュームも最高の出来 ニコライ2世の優しさ、あるいは優柔不断さも表現されており、日露戦争(1904~1905)と第一次世界大戦(1914~1918)を経て、2月革命(3月革命とも・1917)を端緒とするロシア革命に巻き込まれ、1918年7月17日に一家もろとも殺害されるに至る マチルダはニコライ2世の従弟のアンドレイ・ウラジミーロヴィチ(1879~1956)とともにフランス・パリに逃れ結婚 99歳の天寿を全うした 原題は単に"Mathilde"=「マチルダ」
春待つ僕ら ⇒三重県出身で年齢不詳の漫画家「あなしん」の同名原作連載コミック(2014~)を実写映画化 ヒロインを土屋太鳳(東京都・1995~)が演じ、同じ高校に通うバスケット部員4人と幼馴染みの他校スター・バスケットボール部員が彼女を取り巻く 高校1・2年生としては少々トウが立ったキャストたちが頑張っているが、さほど違和感はなかった ミニバス(ミニバスケットボール)という言葉は初めて知った ロケ地は神奈川県横浜市を中心に、茨城県筑西市・日立市、埼玉県深谷市・さいたま市・所沢市、東京都武蔵野市・江戸川区、静岡県伊東市など首都圏各地 ヒロインがアルバイトしているカフェは横浜市栄区・本郷台駅近くの実在の店を使用し、その向かいにある中坪公園が子供たちがバスケを遊ぶ場所

320_90輪違屋糸里 京女たちの幕末 ⇒直木賞作家浅田次郎の新選組3部作「壬生義士伝」(2000)「輪違屋糸里」(2004)「一刀斎夢録」(2011)の映画化が進んでいる 第1部は2004年公開の「壬生義士伝」、第2部が本作、第3部もまもなくだろう 本作は舞台が主に京都・島原だけあって、色艶にあふれる 筆者は先月京都・東福寺の通天橋で島原太夫の花魁道中を観たばかりだったので尚更 江戸の吉原は京都・島原を手本に造られた遊郭であることは皆さんご存じだろう 1863年の新選組内の派閥争いに巻き込まれながらも、島原の芸妓・太夫として生きる道を貫いたヒロイン・輪違屋天神糸里に喝采を 撮影は2016年秋に主に東映京都撮影所(東映太秦映画村)で行われたが、京都府京都市・京丹後市、滋賀県近江八幡市、兵庫県姫路市などでもロケされた模様 特に京都市内では、仁和寺、大谷祖廟、妙心寺、随心院、花園会館、老舗料亭京大和などが撮影に協力
ディア・ハンター 4Kデジタル修復版 ⇒ご存じ第51回アカデミー賞(1979)作品賞・監督賞などを受賞した1978年(日本では1979年)公開作品 製作40周年を記念して今回4Kでデジタル・リマスター修復 3時間強の長尺だが厭きさせない 舞台は製鉄所のある米国ペンシルベニア州クレアトンとベトナム戦争下の戦場前線及びサイゴンを往き来する 当時は当然ベトナムではロケできないので、すべて代替地のタイでロケした模様 当然ながらロバート・デ・ニーロ(1943~)は若く今の風貌は想像できない メリル・ストリープ(1949~)はほぼ映画初出演で美しい 彼女をけなすトランプ米国大統領(1946~)は本作を観てないかも… 原題も"The Deer Hunter"

(注)★はお薦め、▼は特定のマニア向け作品 製作国の表示がないものは米国か日本の作品

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2018年12月 9日 (日)

12月2日~12月8日の週に観た劇場映画

12月2日(日曜)~12月8日(土曜)の週は、9本の劇場映画を観ました。音楽ドキュメンタリー作品が、間違いなく今年流行の一大ヒット分野だったと思います。

ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生(米・英) ⇒筆者はこの手のファンタジー作品は少々苦手で、観ていると疲労がたまる 英国の小説家J・K・ローリング(女性・1965~)の原作小説を基に映画化された「ハリー・ポッター」シリーズの派生・後継作品 「ハリー・ポッター」シリーズ(英・米)は全8作(2001~2011)が映画化され、「ファンタスティック・ビースト」シリーズとしては「ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅」(米・英・2016)に続く2作目 ローリングは「ファンタスティック・ビースト」シリーズでは脚本も担当 物語は1920年代の米国ニューヨークから始まり、英国ロンドンそしてフランス・パリへと展開 どうも次作も予定されているようなエンディング ポスプロ・VFX関係では500人位の人名がエンド・クレジットに 原題は"Fantastic Beasts: The Crimes of Grindelwald"=「ファンタスティック・ビースト(驚異の獣):グリンデルバルドの犯罪」か
人魚の眠る家 ⇒大阪市出身の直木賞作家・東野圭吾(1958~)の同名原作小説(2015)の映画化 脳死状態になった子供の臓器移植を認めるか否かの現代的な家族の課題がテーマ 脳から発信されるべき神経信号を人工的に生成して手足を動かすというのは金持ちの道楽のように思える 全般的にやや冗長か 舞台の播磨邸の住所は東京都港区白金に設定されているが、冒頭に登場する播磨家の外観撮影は東京都新宿区下落合にある石橋湛山邸を借用したらしい 家の内部や庭は東京都調布市の角川大映スタジオにセットを造って撮影とのこと その他ロケ地は東京都港区・台東区・新宿区・北区・足立区、千葉県東金市、山梨県など首都圏各地 撮影時期は今年2018年の真冬のよう
320_87ハード・コア ⇒熱狂的なファンが多数いたらしい連載コミック「ハード・コア 平成地獄ブラザース」(1991~1993)の実写映画化 コミックは作が狩撫麻礼(カリブ・マーレイ・東京都・1947~2018)で、画がいましろたかし(高知県・1960~) いずれも本コミックのファンだった山下敦弘(のぶひろ・愛知県・1976~)が監督し、山田孝之(鹿児島県・1983~)と荒川良々(佐賀県・1974~)が出演 また佐藤健(埼玉県・1989~)が山田に誘われて弟役を演じた 適応障害風な2人(山田と荒川)が生きずらい世の中で必死にもがく様子を描く エロ・グロ・ナンセンス的な面もあり、人により好き嫌いがあろう 撮影は2017年の真夏に東京都、栃木県など首都圏各地で行われた模様
ヘレディタリー 継承 ⇒心を揺さぶる音楽と、部分照明や逆光を使った照明が秀逸と感じた もしそれらがなければ、ただの平板な作品 欧米は悪魔や魔女の信仰・伝説がお好きなようだ
320_88エリック・クラプトン 12小節の人生(英) ⇒英国出身のエリック・クラプトン(1945~)といえば、ギターの神様で世界3大ロック・ギタリストの一人されている しかし、筆者は彼がザ・ビートルズの楽曲「ホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウィープス」(1968)でギターを弾いていることや、息子を事故で失った後立ち直るために創った有名な楽曲「ティアーズ・イン・ヘヴン」位しか詳しく知らなかった なお、「ホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウィープス」の作詞・作曲とヴォーカルは親友のジョージ・ハリスン(1943~2001) 本作では現在のクラプトン本人も出演し、不幸な幼少の生立ち、奔放な女性遍歴、バンド・クリームでの大活躍、親友ジョージの妻を巡る三角関係、事故による一人息子喪失の経緯、現在の幸せな家庭環境などが詳細に語られる 原題は"Eric Clapton: Life in 12 Bars"で邦題どおりだが、少し意訳すると「エリック・クラプトン:12小節にかけた人生」か よく分からないが、12小節とはブルース楽曲の基本単位らしい

劇場版 夏目友人帳 うつせみに結ぶ ⇒ロングランになっているので、アニメだが鑑賞 熊本県出身の緑川ゆき(1976~)の原作漫画「夏目友人帳」のアニメ映画化 原作のファンが多く、彼女ら・彼らが映画館に足を運んでいるのだろうが、筆者には「名を返す」という意味が理解できなかった Uruによる主題歌「Remenber」(2018)はいい
真っ赤な星 ⇒カンヌ国際映画祭にも出品する、北海道出身の超若手新鋭監督・井樫彩(いかしあや・1996~)の初長編作品(原案・脚本兼任)とのこと 徐々に大人と子供の関係が逆転していくところが興味深く、終盤に泣きの感情が頻出するのは韓国作品的か 筆者には寝床と軽自動車内のシーンが多くやや単調に感じた ロケ地は埼玉県東松山市・比企郡あたり よく登場する天文台(作品中は閉鎖としている)とパラグライダー・エリアは、それぞれ埼玉県比企郡ときがわ町にある堂平(どうだいら)天文台(現役使用中)と堂平スカイパーク・パラグライダースクールのようだ
イット・カムズ・アット・ナイト ⇒一種のパンデミック・ホラー作品だが、何の病気か全く不明で、予防・防御方法も不充分に思えるので、全般的に中途半端な感じ 登場するのはほぼ2家族6人と犬1匹だけなので、低予算か 2家族が対立関係になるのは予想できた 原題も"It Comes at Night"=「それは夜に来る、夜に来るもの」か
来る ⇒大阪府出身のホラー小説家・澤村伊智(さわむらいち・男性・1979~)のデビュー・ホラー小説「ぼぎわんが来る」(2015)を実写映画化 相当に怖い小説らしく、第22回ホラー小説大賞(2015)大賞を受賞 本作前半では善人が妖に襲われるが、後半は善人面した悪人が襲われるという逆転の展開 また前後半の主役陣が入れ替わるような不思議な進行 本作の監督は「渇き。」(2014)の中島哲也(福岡県・1959~)で、企画・プロデュースが「君の名は。」(2016)の川村元気(神奈川県・1979~) キャストに岡田准一(大阪府・1980~)、黒木華(大阪府・1990~)、小松菜奈(東京都・山梨県・1996~)、松たか子(東京都・1977~)、妻夫木聡(福岡県・1980~)などの錚々たる布陣で、結構巨大な予算か 小松菜奈は奇抜なメイクで最後まで本人とは分からなかった ロケ地も、神奈川県・埼玉県・千葉県などの首都圏、四日市市・津市などの三重県、そして福岡県北九州市など、全国にまたがっていそう

(注)★はお薦め、▼は特定のマニア向け作品 製作国の表示がないものは米国か日本の作品

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2018年12月 2日 (日)

11月25日~12月1日の週に観た劇場映画

11月25日(日曜)~12月1日(土曜)の週は、6本の劇場映画を観ました。鑑賞数は少なかったが、強い印象を残した作品が多かった。

鈴木家の嘘 ⇒引きこもりの長男が突然自死したことを発見し、それにより意識を失った母親が覚醒した時に、母親のショックを和らげるために家族が咄嗟に嘘をつくことから始まるドタバタを描く 「嘘を愛する女」(2018)など沢山の作品で助監督を務めた野尻克己(1974~)が監督・脚本 ロケ地は東京都、埼玉県、群馬県、千葉県、栃木県、茨城県など首都圏各地
320_85ギャングース ⇒巷の評価はイマイチなところもあるが、筆者にはとても面白かった これが実在の少年たちをルポした話だなんて… 原作は肥谷(ひや)圭介(三重県・1979~)の同名連載コミック(2013~2017) ストーリー共同制作の鈴木大介(千葉県・1973~)のルポ・ドキュメンタリー小説「家のない少年たち 親に望まれなかった少年の容赦なきサバイバル」(2010)をベースにしている これを自主制作の「SR サイタマノラッパー」で一躍有名になった入江悠監督(神奈川県・埼玉県・1979~)が実写映画化(脚本共同兼任) 年少(少年院)で知り合った3人組が廃バスで暮らしながら、悪人からのアガリ(窃盗・強盗)を企む 車両の擬装用ナンバープレートなどを貸出す道具屋や振り込め詐欺の現場を詳細にリアルに映像化 ロケ地は今年2018年の真冬(1~2月)に埼玉県、神奈川県、千葉県、三重県など 少年たちが牛丼をかき込む「定食 丼 ラーメン 菊屋」は千葉県船橋市のJR総武本線船橋駅北口近くにある実在の飲食店のようだ
320_86恐怖の報酬 オリジナル完全版 ⇒1977年にウィリアム・フリードキン監督(米国イリノイ州シカゴ・1935~)が企画・製作した本作は、121分のオリジナル完全版を4Kデジタル・リマスター化した上で、日本初公開 1977年の米国公開時は同年公開の「スター・ウォーズ」(1977)人気に押されて不振 映画会社が勝手に92分の短縮版を製作し日本などの外国で公開された経緯がある フリードキン監督とは「フレンチ・コネクション」(1971)と「エクソシスト」(1972)が世界中で大ヒットし30歳台半ばで一流有名監督に 「フレンチ・コネクション」で第44回アカデミー賞(1972)作品賞・監督賞など5部門を、「エクソシスト」で1973年米国興行収入トップと第46回アカデミー賞(1974)脚色賞・音響賞を獲得 本作はユニバーサルとパラマウントの2大メジャー・スタジオが2,000万ドル(現在価値約100億円)もの製作費を共同出資し、米国、フランス、イスラエル、メキシコ、ドミニカの5ヶ国で2年間の製作期間を費やして完成させたという異例尽くしの大作 原作はフランスの小説家ジョルジュ・アルノー(1917~1987)の"Le Salaire de la Peur"(仏)="The Salary of Fear"=「恐怖の報酬」(和訳本なし) 一度フランスのアンリ=ジョルジュ・クルーゾー監督(1907~1977)により同名で映画化(1952)されているので、本作はリメークになる メキシコ・ベラクルス、イスラエル首都エルサレム、フランス首都パリ、そして米国ニュージャージー州エリザベスでそれぞれ悪事を行ったため、ギャング・マフィア・ヤクザに追われ中米ニカラグア首都マナグアに逃亡した4悪人 4人はおのおの1万ドルの報酬と引き換えに、南米の小国ポルベニール(架空の国か)でジャングルの先300kmにある油井まで油井火災消火用のニトログリセリンをトラックで運ぶ仕事を引き受ける 何と言っても見物なのは、わずかな刺激でも爆発しかねないニトログリセリンを積んだ2台のトラックを、道なき道を走り壊れそうな橋をギリギリで渡ってジャングルを突破し、岩山にある油井火災の現場まで辿り着く、終盤の衝撃的で息を呑む映像 原題は"Sorcerer"=「魔術師、魔法使い」 フリードキン監督はあのフランス人女優ジャンヌ・モロー(1928~2017)と1977年から2年間結婚していたらしい
モダンライフ・イズ・ラビッシュ ロンドンの泣き虫ギタリスト(英) ⇒音楽が主体の作品だが、現代の英国ロンドンも若者が生きづらくなっていることを感じる そういう意味では本作はエセ・ハッピー・エンドではないか 時系列が相当に前後するので頭が結構疲れる ヒロインは少しソバカスが目立つのでは… 原題も"Modern Life Is Rubbish"=「現代の生活は酷い、くず」
台北暮色(台) ⇒いずれも孤独な3人:インコを飼う一人暮らしの女性、車(スズキ)で生活する男、そして適応障害の少年が台北の街中で交差 街並の映像は美しく芸術的 ロケ地は台湾の台北市各地と新北市らしい 原題は「強尼・凱克 Missing Johnny」=「インコ・ジョニー ジョニーは行方不明」か

斬、 ⇒東京都渋谷区出身の塚本晋也監督(1960~)の初時代劇作品らしい 本作で3度目のヴェネチア国際映画祭コンペティション部門出品を果たした 江戸時代末期に田舎から開国で揺れる江戸へ向かおうとする武士が、真剣で斬るということに向き合う姿を描く 塚本監督がキャストとしても出演しているが、少々登場し過ぎのような感じも… ロケ地は全編山形県鶴岡市とのこと

(注)★はお薦め、▼は特定のマニア向け作品 製作国の表示がないものは米国か日本の作品

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2018年11月25日 (日)

11月18日~11月24日の週に観た劇場映画

11月18日(日曜)~11月24日(土曜)の週は、4本の劇場映画を観ました。京都へ紅葉狩りに参りましたので、鑑賞本数が限られました。

320_84おかえり、ブルゴーニュへ(仏) ⇒フランスのブルゴーニュ地方には行ったことがない しかし、本作を観る限り、緩やかな丘陵地帯に広いブドウ畑が拡がる美しく、のどかな光景の田舎 本作はワイン生産者(ドメーヌ)の父親の死去に伴う遺産相続・事業継承問題を扱っている これは日本でも頻繁に話題になる問題 兄弟3人によるブドウ作りの過程がよく分かる ご存じのとおり、フランスのブドウの木は人の背丈より低く剪定されているが、それはすべて人手でブドウの実を収穫するためか 意外と機械化されていない 原題は"Ce qui nous lie"="What binds us"=「我々をつなぐもの」か
A GHOST STORY ア・ゴースト・ストーリー ⇒米国テキサス州が舞台 一軒家で幸せに暮らし始めていた夫婦 夫が不慮の交通事故で死ぬが、その魂がシーツを被った姿(生きている人には見えない)で彷徨う 芸術性の高い作品は理解が難しい ヒロインがパイを食べているシーンなどはやや冗長 原題も"A Ghost Story"
ボーダーライン ソルジャーズデイ ⇒現在も米墨国境には中米諸国から米国移民を希望する人々が押し寄せている また国境を越えて持ち込まれる麻薬の問題もある メキシコ麻薬カルテルと米国連邦政府との闘いを描いているのが「ボーダーライン」シリーズ 作中ではメキシコ警察もカルテルに買収されているように描いているが本当かもしれない ロケ撮影は2016年11月から3ヶ月間にわたり米国ニューメキシコ州のアルバカーキや砂漠地帯で行われたようだ 原題は"Sicario: Day of the Soldado"(西)="Sicario: Day of the Soldier"=「シカリオ(傭兵ヒットマン):兵士の日」か
母さんがどんなに僕を嫌いでも ⇒歌川たいじ(1966~)の同名原作コミックエッセイ(エッセイ漫画・2013)を「泣き虫ピエロの結婚式」(2016)の御法川修監督(1972~)が映画化 東京下町で育った歌川自身の実話らしい 児童虐待の問題を正面から扱っている 歌川がゲイであることも少しは関係しているかもしれない 母親が本当の愛に目覚めるのに時間がかかり過ぎるような気もするが… ロケ地は東京都墨田区・葛飾区・大田区や千葉県鴨川市などか ゴスペラーズの主題歌「Seven Seas Journey」(2018)もいい

(注)★はお薦め、▼は特定のマニア向け作品 製作国の表示がないものは米国か日本の作品

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2018年11月18日 (日)

11月11日~11月17日の週に観た劇場映画

11月11日(日曜)~11月17日(土曜)の週は、10本の劇場映画を観ました。「ボヘミアン・ラプソディ」は素晴らしかったです。

GODZILLA 星を喰う者 ⇒アニメ・ゴジラ・シリーズ3部作の最後の作品 相変わらず言っていることは聞き取れるが、内容は全く理解できない 筆者に問題があるのだろうか
ジョニー・イングリッシュ アナログの逆襲(英) ⇒ミスター・ビーンこと、英国の人気コメディアン・ローワン・アトキンソン(1955~)が主演するスパイ・コメディ映画 「ジョニー・イングリッシュ」(2003)、「ジョニー・イングリッシュ 気休めの報酬」(2011)に続く第3作目 相変わらす滑稽だが、盗聴や追跡を避けるためにスマホなどのデジタル電子機器は使わないというのは結構意味ある作戦かもしれない 原題は"Johnny English Strikes Again"=「ジョニー・イングリッシュが再び打ち勝つ」か
320_81 ★▼ボヘミアン・ラプソディ ⇒1985年7月13日に英国ロンドンの北西部郊外にあった旧ウェンブリー・スタジアム(1923年開場)で72,000人の観客を集めて開催されたチャリティー・イベント「ライヴ・エイド」 そこで英国のロック・バンド「クイーン」(1972~)が放った21分間のパフォーマンスが史上最高と評価されている 本作冒頭では「クイーン」のヴォーカル・フレディ・マーキュリー(1946~1991)が楽屋からステージに登場するまでを描き、ラストでバンドのパフォーマンス全部を観せる 映画のためのコピー・バンドだが、まさに「クイーン」そのものが演奏・歌唱しているようだ ロック音楽が好きでも嫌いでも、「クイーン」を知っていても知らなくても、彼らのパフォーマンスには感動するだろう 本作では当然ながらフレディ中心のストーリーとなり、彼の生立ちから、家族、バンド参加の経緯、曲作り・アルバム作りへの執念、特殊な私生活、舞台での独特の衣装とマイク・パフォーマンス、AIDS感染等々を描いていく フレディはアフリカ東海岸のインド洋上にあるザンジバル島(現在はタンザニアの一部)でペルシャ系インド人夫妻の子として生まれ、主にインドで教育を受けた ザンジバル革命(1964)の混乱から逃れるため家族ともども17歳の時に英国に移住(映画はこれ以降の話) 宗教がゾロアスター教だったため、フレディの遺体は英国では珍しく火葬されたそうだ ウェンブリー・スタジアムでの公演は構築したセットに多数のエキストラを集めてコピー・バンドがパフォーマンスするところを撮影したたらしい 原題も"Bohemian Rhapsody"
走れ、T校バスケット部 ⇒福岡県出身の小説家・松崎洋(1948~2014)が彼の息子・準(1990~)の実話について著した同名原作小説(10巻・2008~2015)の映画化 最終巻は洋が亡くなったため準が完成させた バスケット好きの主人公・高校生が、イジメのため強豪校から転校した普通のバスケット弱小校は東京都の福生高校だったらしい イジメに関する実話だが、前向きで明るいのがとても救い ロケ地は群馬県足利市・栃木市、そして茨城県龍ヶ崎市・つくば市の学校、体育館など GReeeeNによる主題歌「贈る言葉」もいい
320_82ごっこ ⇒大阪府出身の早世の漫画家・小路啓之(しょうじひろゆき・1970~2016)の同名原作コミック(2012)を「ユリゴゴロ」(2017)の熊澤尚人監督(1967~)が映画化(脚本も担当) 小路の命日10月20日に公開されたので、しばらくしてから観たため観客は5人だったが、作品はなかなかの出来 京都府出身の千原ジュニア(1974~)が主演し、彼が誘拐した娘を大阪府出身の平尾菜々花(2006~)が好演 ニート、母子家庭、臓器移植、シャッター商店街など今の社会問題を反映 撮影は2016年1月に終了していたが、成長して大学進学する娘を清水富美加(現千眼美子・1994~)が演じたため、彼女の出家騒動などのため公開が遅れていた 本作が清水の最後の出演作 ロケ撮影は1015年10月下旬~2016年1月に群馬県前橋市の弁天商店街、埼玉県加須市のむさしの村などで行われた模様 ベッキー(1984~)と浮き名を流して有名になった川谷絵音(かわたにえのん・1988~)が率いるバンドindigo la Endが歌う主題歌も面白い

ういらぶ。 ⇒LINE漫画からヒットした、本作のコミック原作は女性にとても人気があるのだろうか それともジャニーズのKing & Princeのファンが多かったのだろうか 劇場はJK(女子高生)と若い女性で一杯 わずかしかいない男性観客の1人である筆者はJKの隣で小さくなって… 原作コミックは東京都出身の星森ゆきも(活動期間2008~)の連載作品「ういらぶ。 -初々しい恋のおはなし-」 自由な発想でいいのだが、話が余りに一方的でSM的 女性はMになりたいのだろうか 時々は攻守交替しても面白いのでは… ロケ撮影は昨年2017年10月末~11月に岡山県吉備中央町(高校等)、高梁市、岡山市(マンション、後楽園、東山公園、京橋、夕日の広場等)などの各地で行われた模様
体操しようよ ⇒今年6月に公開された映画「終わった人」(2018)の第2弾だと思った 「終わった人」は舘ひろし(1950~)が主演で、本作は父子家庭を演じる草刈正雄(1952~) 皆いい歳になったな 本作では定年退職後の社会参加場所として地域のラジオ体操会とその会長が運営する便利屋を設定 新参者の主人公がいろいろ提案するのでギクシャクするが… 撮影は今年5月に行われ、メインの体操シーンは千葉県南房総市白浜町の野島埼灯台近くの海岸で ロケ地は他に神奈川県横浜市金沢区にある喫茶「オリビエ」(映画にはそのままの名前で登場)、横浜市青葉区(シティ・ホール)、千葉県館山市(館山駅)、大多喜町(温泉宿)、東京都世田谷区(商店街)など 主題歌になった「体操しようよ」(1980)がRCサクセションの曲(忌野清志郎作詞・作曲)だったとは思わなかった そういえば忌野(1951~2009)もこれら主役たちと同年代
マンディ 地獄のロード・ウォリアー ⇒米国人アカデミー賞俳優ニコラス・ケイジ(1964~)は実に次々と意表を突くとんでもないB級的作品に主演している 本作もその一つと思われ、1983年に人里離れたシャドウ・マウンテンズに住んでいたが、"Children of New Days"という新興宗教団体に妻をさらわれ殺害された主人公は、完全なる復讐を始める 凄惨なシーンが見物だが、いかにも少し冗長
 ⇒ほぼ全編モノクロ(白黒)作品だが、ラスト・シーンだけはフル・カラーに 流れる血の色を強調するためか… 愛知県出身の芥川賞作家・中村文則(1977~)の同名デビュー作(2002)を、「百円の恋」(2014)の武正晴監督(1967~)が映画化(脚本も担当) 主演に村上虹郎(1997~)、ヒロインに広瀬アリス(1994~)、刑事にリリー・フランキー(1963~)と演技派を起用 ロケは主に東京都板橋区の高島平付近で行われたようだ ラスト・シーンは東京の地下鉄東西線に乗り入れる東葉高速鉄道の東海神(ひがしかいじん)駅と飯山満(はさま)駅間の電車内 両者とも千葉県船橋市内の駅だが、読み方が面白いので採用したのかも… 製作に吉本興業も係わっているらしい
320_83アウト&アウト ⇒東映系作品なのに、東映系劇場ではなく東宝系劇場で上映されている不思議な作品 福岡県出身の漫画家としてスタートした「きうちかずひろ」監督(1960~)が、本名の「木内一裕」名で著した同名原作小説(2009)を映画化(脚本も担当) ヤクザ上がりの探偵を遠藤憲一(1961~)が、また訳ありで探偵事務所に同居する小学2年生の少女を白鳥玉季(2010~)が好演 玉季ちゃんが祖父のような探偵のバディ役を演じる様子は微笑ましい また遠藤は杉本彩(1968~)と共演していた「花と蝶2 パリ/静子」(2005)の時に注目したが、その後も実に多くの映画に出演しており独特の雰囲気を活かした役柄はとてもいい 話も国際関係、国会議員などへの拡がりを持たせており、最後のオチも面白い ロケ地は都内各地の模様

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2018年11月11日 (日)

11月4日~11月10日の週に観た劇場映画

11月4日(日曜)~11月10日(土曜)の週は、10本の劇場映画を観ました。特色のある作品が多かったように思います。

バグダッド・スキャンダル(デンマーク・加・米) ⇒元国連職員のマイケル・スーサンが自身の体験を基に書いた小説"Backstabbing for Beginners"(2008・未和訳)が原作 "Backstabbing for Beginners"とは「初心者・新入職員に対し、友好関係を維持しながらも誰かを狡猾に批判すること」と思われるが、本作は国連史上最悪のスキャンダルを描いている 1996年から国連は、イラク制裁によりイラク国民が困窮し食料が不足するのを解決するため、人道支援プログラム「石油食糧交換プログラム」を立案・実施するが、その裏で事務次長も係わる賄賂・不正が横行していた 2003年のイラク戦争後にあこがれの国連職員(次長補佐)になった主人公はそれに気が付くが…
心魔師(日・中) ⇒日中合作のクライム・サスペンス・ホラー作品 一種の不条理劇のような感じもあり、何が現実なのか、何が事実なのかがよく分からなくなる ロケ地は主に静岡県小山町で、他に御殿場市や東京都内など
ステータス・アップデート ⇒両親が離婚したため、米国西海岸のカリフォルニア州から東海岸のコネチカット州に、母と一緒に引っ越してきた主人公の男子高校生 スケボーは元々得意だったが、希望を叶えてくれるスマホ・アプリを偶然入手し、歌唱もダンスもアイスホッケーも得意になる デートのために出現させた夜間の観覧車を印象的なシーンで活用 観覧車は、米国ではフェリス(1859~1896)が1893年に最初に構築したので「フェリス・ホイール」と呼ばれる 原題も"Status Update"だが、意訳すると「希望情報の更新」か
十年 Ten Years Japan ⇒香港の作品「十年 Ten Years」(2015)に触発されて是枝裕和監督(1962~)が企画 若手監督5人が、それぞれのテーマで十年後の日本を描いたオムニバス作品 それぞれありそうな感じの話になっている ロケ地は千葉県流山市、茨城県高萩市、いわき市などか
ザ・アウトロー ⇒1日平均9件の銀行強盗事件があるという米国カリフォルニア州ロサンゼルスにおける、FRBを襲う超組織的強盗団と保安局重犯罪特捜班との闘いを描く 実際の撮影はジョージア州アトランタで行われたそうで、特に終盤の自動小銃を使った過激な銃撃戦では、600mの道路を封鎖し、250台の車を使いその内50台を破壊し、約1万発の空砲を撃ったらしい

嘘はフィクサーのはじまり(米・イスラエル) ⇒145万人のユダヤ人が住むという米国ニューヨーク市が舞台 ユダヤ人富裕層の間を泳ぎながら金儲けを図るノーマン・オッペンハイマーを「プリティ・ウーマン」(1990)や「愛と青春の旅だち」(1982)のリチャード・ギア(1949~)が演じる イスラエルの有力政治家にうまく取り入り、彼が3年後にイスラエル首相になった時には、ノーマンは一獲千金を考えるが… 原題は"Norman"=「ノーマン」で、主人公の名前
ウスケボーイズ ⇒ノンフィクション作家・河合香織(1974~)の小説「ウスケボーイズ 日本ワインの革命児たち」(2010)の映画化 桔梗ヶ原(ききょうがはら)メルローの父・浅井宇介(あさいうすけ・1930~2002)の功績に感銘を受けた若者たち(ウスケボーイズ)がワイン造りに挑む姿を描く 桔梗ヶ原とは長野県塩尻市のことらしいが、ロケ地は主に山梨県山梨市、北杜市などだった模様
320_79生きてるだけで、愛。 ⇒鑑賞後の感想はいろいろだろう よく分からないという人もいれば、まるで自分のことだと感じる人もいるのではないか 芥川賞作家にもなった石川県出身の本谷有希子(1979~)の同名小説(2006)が原作 彼女はまさにマルチ・タレントで、劇作家、小説家、演出家、女優、声優などを掛持ち 監督・脚本は今年公開されたドキュメンタリー「太陽の塔」(2018)の関根光才(1976~) 本谷は小説執筆中は小説の登場人物に成り切っているようだが、主演の趣里(1990~)もそういう役に成り切る憑依型の女優のようだ 大女優になりえる資質かもしれない 趣里は水谷豊(1952~)と伊藤蘭(1955~)の一人娘で、バレエ・ダンサーを目指し英国留学までしたが怪我のため挫折したという、苦しいが貴重な経験を有するらしい 実生活ではやや引きこもり気味か 本作でも彼女は過眠症、ウツで引きこもりのぶっ飛んだ主役を演じ、内面は熱いが表面は静かな恋人を演じる菅田将暉(1993~)と好共演 ヒロインが金もないのに結構よさそうなコートをなぜ何着も持っているのかとか、恋人はなぜいつも2種類のコンビニ弁当(一つは必ず焼きそば系)を買ってくるのかとか疑問を持つのは野暮か ロケ撮影は今年(2018年)の真冬に神奈川県横浜市の関内駅伊勢佐木町口側の吉田町と福富町で行われた模様 他に群馬県高崎市なども使われたらしい
ビリオネア・ボーイズ・クラブ ⇒投資詐欺(出資金詐欺)は米国でも頻発しているようだ 本作は1980年代にカリフォルニア州ロサンゼルスで若者たちがビジネスとして始めたが、結果的に投資詐欺そして殺人事件になった実話を基にしたもの 本作には中国資本も参加 米国で最大の投資詐欺は2008年に発覚したバーナード・L・マドフ(1938~)による5兆円規模のもの マドフは数十年にわたり裕福な顧客を騙し、顧客の投資資金を実際に運用せず配当に回すという古典的なポンジ・スキームという詐欺を実行していた 原題も"Billionaire Boys Club"だが、「ビリオネア」はあえて訳すと「千億円長者」か
320_80ポルトの恋人たち 時の記憶(日・葡・米) ⇒欧米で実績のある舩橋淳監督(1974~)がポルトガル側からの誘いを受けて、完全オリジナルで日葡両国を舞台にした愛と復讐劇を製作 2作分あるので2時間20分程度と長尺 18世紀後半大地震と大津波で壊滅したポルトガルを舞台にした前半では、奴隷としてインドから連れてこられた2人の日本人と現地領主・メイドの愛憎を描く 東日本大震災(2011)の復興の証しともなる2020東京五輪後の日本を舞台にした後半では、減速経済の下自動車部品工場での解雇労働争議にまつわり、ポルトガル・ブラジル系労働者と日本人管理者との愛憎を描く 2作ともラストシーンは同じ場所(多分ポルトガルのペニシェか)が舞台でありヒロインは真赤な衣装 18世紀のポルトガルの場面(前半)はセットか絵か分からないがいい出来 ロウソク、木のスリッパ、椿(カメリア)などが印象的な小物 後半ではファドやインド楽器シタールのような音色を出すポルトガル・ギターが登場 ロケ地は、ポルトガルではギマランイス(世界遺産)、プラガ、ペニシェ、ポルトなどで、日本では主に静岡県浜松市 英題は"Lovers on Bordery"=「境界の恋人たち」か

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2018年11月 4日 (日)

10月28日~11月3日の週に観た劇場映画

10月28日(日曜)~11月3日(土曜)の週は、8本の劇場映画を観ました。11月3日まで1ヶ月間有効だった東宝シネマズのフリーパスポートを利用し、結局15本の劇場映画を鑑賞することができました。

320_77ライ麦畑で出会ったら ⇒米国の作家ジェローム・デイヴィット・サリンジャー(1919~2010)とその小説「ライ麦畑でつかまえて」(1950、和訳:1964)がモチーフ ジェームズ・S・サドウィズ監督(兼製作・脚本、1952~)の実体験をほぼ忠実に映画化したらしい スポーツ系の男子高校になじめない主人公がサリンジャーの「ライ麦畑でつかまえて」を戯曲化し舞台公演するためにサリンジャー本人に了解を取りに行く話 舞台は大成功となり、脚本をサリンジャーに手渡しに戻るが… 感受性の強い高校時代の若々しく瑞々しい感性が表現されている 半分は米国北東部のロードムービーにもなっている 原題は"Coming Through the Rye"=「ライ麦畑を通って」か
あいあい傘 ⇒俳優・脚本家・演出家でもある宅間孝行監督(1970~)が、自身が主宰していた劇団「東京セレソンデラックス」でペンネーム・サタケヒロユキ名で制作した同名舞台劇(2007)を映画化(兼脚本) 同時に舞台劇再演と小説化も行われた 舞台劇オリジンなので台詞が多く、やや誇張した感じもあり、話が結構複雑だが、終盤は泣ける ロケ撮影は昨年(2017年)夏に山梨県甲府市、栃木県栃木市、足利市などで行われたようだ 竹内まりや(1955~)の主題歌「小さな願い」(2018)もいい
世界で一番ゴッホを描いた男(蘭・中) ⇒中国では画家を目指す者は必ず広東省深圳市大芬に一度集まる そこでは画家ではなく画工と呼ばれ、有名画家の作品のレプリカ製作に携わる 2015年現在でその売上げは6,500万米ドル程度らしい 中国では絵画のレプリカ製作ビジネスがこんなにも盛んに実践されていることに驚く フィンセント・ファン・ゴッホ(1853~1890)絵画のレプリカ製作中国人リーダーがゴッホの故郷オランダ・アムステルダムを訪れ、自分たちの作ったレプリカがお土産屋で原価の8倍で売られていることを発見 原題は「中国梵高」(中)="China's Van Goghs"=「中国のファン・ゴッホ」
あのコの、トリコ。 ⇒冒頭物語がスタートする堀切学園は堀越学園のもじりか 吉沢亮(1994~)と新木優子(1993~)が共演し、かなりトウが立った高校生役から主演を目指す舞台俳優の卵までを演じる 高校からの進展が少し速いし、話がデキ過ぎているようにも感じるのは仕方ないか 原作は漫画家白石ユキの同名コミック(既刊5巻) ロケ地は武蔵野市や神奈川県横浜市、特に神奈川県藤沢市の江の島での二人のデート・シーンは見物 筆者は何度も行ったことがあるので江の島はとても懐かしい
ビブリア古書堂の事件手帖 ⇒三上延(1971~)の同名原作小説全7巻(2011~2017)を、「幼な子われらに生まれ」(2017)や「しあわせのパン」(2012)の三島有紀子監督(1969~)が映画化 若手実力派の黒木華(1990~)がヒロイン・古書店女性店主を演じ、古本にまつわる謎解きをする 2017年10月頃茨城県常陸太田市、神奈川県鎌倉市、静岡県下田市、伊豆市、東伊豆町などでロケ撮影が行われたようだ

スマホを落としただけなのに ⇒志賀晃(1963~)の同名原作デビュー小説を、「終わった人」(2018)や「リング」シリーズ(1998・1999・2005)の中田秀夫監督(1961~)が映画化 主演は最近よく使われている北川景子(1986~) スマホ関連なので結構バーチャルな話かと思っていたら、とても残酷でホラー的なクライム・サスペンス作品でもあった 今年(2018年)6月~7月にオール・ロケで撮影されたようで、ロケ地は東京都新宿区、武蔵野市、調布市、そして神奈川県横浜市、秦野市、さらに群馬県伊勢崎市などのようだ
320_78華氏119 ⇒米国のジャーナリストでドキュメンタリー映画監督のマイケル・F・ムーア(1954~)が制作・監督した、米国政治(民主党及び共和党両者)とドナルド・トランプ第45代大統領(共・1946~)を痛烈に批判する渾身の一作 原題は"Fahrenheit 11/9"=「華氏11/9」で、2016年の米国大統領選挙の投票日11月8日(火曜)の翌日で選挙結果が判明した日にちなむ また2001年9月11日(火曜)に発生した同時多発テロ後のジョージ・W・ブッシュ第43代大統領(共・1946~)の政策を批判したドキュメンタリー"Fahrenheit 9/11"=「華氏9/11」(2004、邦題:「華氏911」)と対を成すらしい ①米国初の女性大統領として予想されていたヒラリー・R・クリントン元国務長官(民・1947~)が得票数が多かったのに敗北したという、一般有権者の投票結果が直接反映されない米国の選挙人制度への批判、②ムーアの故郷ミシガン州フリントに住む多数の黒人少数派住民に鉛含有の水道水を飲ませている、リック・スナイダー知事(PCメーカだったゲートウェイ社の元経営者)が行った水道民営化事業への痛烈な批判(バラク・H・オバマ第44代大統領(民・1961~)もフリントを訪れながら解決しなかった)、③ウエスト・バージニア州で始まった公立学校の教師・運転手・給食係の5%昇給要求の全州ストライキの成功と他州への波及(筆者の記憶では教員の年収は200~300万円台だったと思う)、④フロリダ州パークランドでの高校銃乱射事件の被害高校生たちが主体となって、首都ワシントンD.C.で史上最大の銃規制を要求する高校生たちだけのデモを実現させたこと、⑤2016年の民主党の大統領候補予備選で余りにも社会主義的なB・バーニー・サンダース候補(上院議員・民・1941~)をいかにして巧妙に排除したか、⑥民主党ではトランプ大統領に対して何もやらないという選択はないと、政治経験はないけれども今回政治に目覚めた若く活動的な民主社会主義的候補者(バーニー・チルドレン)が続々と登場していること(民主党のカラーが青なので「ブルーウェーブ」と言われている)などを冷静に分かりやすく映像化 トランプ大統領の矛盾に満ちているが意外にも説得力のある弁舌、そしてメディアや政敵に対する容赦ない攻撃により、米国市民が少しずつ自由・人権を譲っていくならば1030年代ドイツのアドルフ・ヒトラー大統領・総統(1889~1945)の再来になるかもしれないという予言は恐ろしい 来る11月7日には明らかになる今回の米国中間選挙(投票日:11月6日)の結果はいかに
ヴェノム ⇒マーヴェル・コミックとソニーによる米国版「寄生獣」(日本版:2014・2015)だと思われる 寄生獣が表面に現れる時の態様はさらに奇怪で、格闘シーンは何が何だか分からない これもVFX技術の進展によるものか ポスプロ、特にVFXの作業量は膨大と思われ、エンド・クレジットに登場する人名はざっと数えて1,000人程度 どうやら続編もありそうな終わり方 原題も"Venom"

(注)★はお薦め、▼は特定のマニア向け作品 製作国の表示がないものは米国か日本の作品

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