カテゴリー「映画(2018年)」の44件の記事

2018年11月11日 (日)

11月4日~11月10日の週に観た劇場映画

11月4日(日曜)~11月10日(土曜)の週は、10本の劇場映画を観ました。特色のある作品が多かったように思います。

・バグダッド・スキャンダル(デンマーク・加・米) ⇒元国連職員のマイケル・スーサンが自身の体験を基に書いた小説"Backstabbing for Beginners"(2008・未和訳)が原作 "Backstabbing for Beginners"とは「初心者・新入職員に対し、友好関係を維持しながらも誰かを狡猾に批判すること」と思われるが、本作は国連史上最悪のスキャンダルを描いている 1996年から国連は、イラク制裁によりイラク国民が困窮し食料が不足するのを解決するため、人道支援プログラム「石油食糧交換プログラム」を立案・実施するが、その裏で事務次長も係わる賄賂・不正が横行していた 2003年のイラク戦争後にあこがれの国連職員(次長補佐)になった主人公はそれに気が付くが…
・心魔師(日・中) ⇒日中合作のクライム・サスペンス・ホラー作品 一種の不条理劇のような感じもあり、何が現実なのか、何が事実なのかがよく分からなくなる ロケ地は主に静岡県小山町で、他に御殿場市や東京都内など
・ステータス・アップデート ⇒両親が離婚したため、米国西海岸のカリフォルニア州から東海岸のコネチカット州に、母と一緒に引っ越してきた主人公の男子高校生 スケボーは元々得意だったが、希望を叶えてくれるスマホ・アプリを偶然入手し、歌唱もダンスもアイスホッケーも得意になる デートのために出現させた夜間の観覧車を印象的なシーンで活用 観覧車は、米国ではフェリス(1859~1896)が1893年に最初に構築したので「フェリス・ホイール」と呼ばれる 原題も"Status Update"だが、意訳すると「希望情報の更新」か
・十年 Ten Years Japan ⇒香港の作品「十年 Ten Years」(2015)に触発されて是枝裕和監督(1962~)が企画 若手監督5人が、それぞれのテーマで十年後の日本を描いたオムニバス作品 それぞれありそうな感じの話になっている ロケ地は千葉県流山市、茨城県高萩市、いわき市などか
・ザ・アウトロー ⇒1日平均9件の銀行強盗事件があるという米国カリフォルニア州ロサンゼルスにおける、FRBを襲う超組織的強盗団と保安局重犯罪特捜班との闘いを描く 実際の撮影はジョージア州アトランタで行われたそうで、特に終盤の自動小銃を使った過激な銃撃戦では、600mの道路を封鎖し、250台の車を使いその内50台を破壊し、約1万発の空砲を撃ったらしい

・嘘はフィクサーのはじまり(米・イスラエル) ⇒145万人のユダヤ人が住むという米国ニューヨーク市が舞台 ユダヤ人富裕層の間を泳ぎながら金儲けを図るノーマン・オッペンハイマーを「プリティ・ウーマン」(1990)や「愛と青春の旅だち」(1982)のリチャード・ギア(1949~)が演じる イスラエルの有力政治家にうまく取り入り、彼が3年後にイスラエル首相になった時には、ノーマンは一獲千金を考えるが… 原題は"Norman"=「ノーマン」で、主人公の名前
・ウスケボーイズ ⇒ノンフィクション作家・河合香織(1974~)の小説「ウスケボーイズ 日本ワインの革命児たち」(2010)の映画化 桔梗ヶ原(ききょうがはら)メルローの父・浅井宇介(あさいうすけ・1930~2002)の功績に感銘を受けた若者たち(ウスケボーイズ)がワイン造りに挑む姿を描く 桔梗ヶ原とは長野県塩尻市のことらしいが、ロケ地は主に山梨県山梨市、北杜市などだった模様
320_79 ★生きてるだけで、愛。 ⇒鑑賞後の感想はいろいろだろう よく分からないという人もいれば、まるで自分のことだと感じる人もいるのではないか 芥川賞作家にもなった石川県出身の本谷有希子(1979~)の同名小説(2006)が原作 彼女はまさにマルチ・タレントで、劇作家、小説家、演出家、女優、声優などを掛持ち 監督・脚本は今年公開されたドキュメンタリー「太陽の塔」(2018)の関根光才(1976~) 本谷は小説執筆中は小説の登場人物に成り切っているようだが、主演の趣里(1990~)もそういう役に成り切る憑依型の女優のようだ 大女優になりえる資質かもしれない 趣里は水谷豊(1952~)と伊藤蘭(1955~)の一人娘で、バレエ・ダンサーを目指し英国留学までしたが怪我のため挫折したという、苦しいが貴重な経験を有するらしい 実生活ではやや引きこもり気味か 本作でも彼女は過眠症、ウツで引きこもりのぶっ飛んだ主役を演じ、内面は熱いが表面は静かな恋人を演じる菅田将暉(1993~)と好共演 ヒロインが金もないのに結構よさそうなコートをなぜ何着も持っているのかとか、恋人はなぜいつも2種類のコンビニ弁当(一つは必ず焼きそば系)を買ってくるのかとか疑問を持つのは野暮か ロケ撮影は今年(2018年)の真冬に神奈川県横浜市の関内駅伊勢佐木町口側の吉田町と福富町で行われた模様 他に群馬県高崎市なども使われたらしい
・ビリオネア・ボーイズ・クラブ ⇒投資詐欺(出資金詐欺)は米国でも頻発しているようだ 本作は1980年代にカリフォルニア州ロサンゼルスで若者たちがビジネスとして始めたが、結果的に投資詐欺そして殺人事件になった実話を基にしたもの 本作には中国資本も参加 米国で最大の投資詐欺は2008年に発覚したバーナード・L・マドフ(1938~)による5兆円規模のもの マドフは数十年にわたり裕福な顧客を騙し、顧客の投資資金を実際に運用せず配当に回すという古典的なポンジ・スキームという詐欺を実行していた 原題も"Billionaire Boys Club"だが、「ビリオネア」はあえて訳すと「千億円長者」か
320_80 ▼ポルトの恋人たち 時の記憶(日・葡・米) ⇒欧米で実績のある舩橋淳監督(1974~)がポルトガル側からの誘いを受けて、完全オリジナルで日葡両国を舞台にした愛と復讐劇を製作 2作分あるので2時間20分程度と長尺 18世紀後半大地震と大津波で壊滅したポルトガルを舞台にした前半では、奴隷としてインドから連れてこられた2人の日本人と現地領主・メイドの愛憎を描く 東日本大震災(2011)の復興の証しともなる2020東京五輪後の日本を舞台にした後半では、減速経済の下自動車部品工場での解雇労働争議にまつわり、ポルトガル・ブラジル系労働者と日本人管理者との愛憎を描く 2作ともラストシーンは同じ場所(多分ポルトガルのペニシェか)が舞台でありヒロインは真赤な衣装 18世紀のポルトガルの場面(前半)はセットか絵か分からないがいい出来 ロウソク、木のスリッパ、椿(カメリア)などが印象的な小物 後半ではファドやインド楽器シタールのような音色を出すポルトガル・ギターが登場 ロケ地は、ポルトガルではギマランイス(世界遺産)、プラガ、ペニシェ、ポルトなどで、日本では主に静岡県浜松市 英題は"Lovers on Bordery"=「境界の恋人たち」か

(注)★はお薦め、▼は特定のマニア向け作品 製作国の表示がないものは米国か日本の作品

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2018年11月 4日 (日)

10月28日~11月3日の週に観た劇場映画

10月28日(日曜)~11月3日(土曜)の週は、8本の劇場映画を観ました。11月3日まで1ヶ月間有効だった東宝シネマズのフリーパスポートを利用し、結局15本の劇場映画を鑑賞することができました。

320_77 ▼ライ麦畑で出会ったら ⇒米国の作家ジェローム・デイヴィット・サリンジャー(1919~2010)とその小説「ライ麦畑でつかまえて」(1950、和訳:1964)がモチーフ ジェームズ・S・サドウィズ監督(兼製作・脚本、1952~)の実体験をほぼ忠実に映画化したらしい スポーツ系の男子高校になじめない主人公がサリンジャーの「ライ麦畑でつかまえて」を戯曲化し舞台公演するためにサリンジャー本人に了解を取りに行く話 舞台は大成功となり、脚本をサリンジャーに手渡しに戻るが… 感受性の強い高校時代の若々しく瑞々しい感性が表現されている 半分は米国北東部のロードムービーにもなっている 原題は"Coming Through the Rye"=「ライ麦畑を通って」か
・あいあい傘 ⇒俳優・脚本家・演出家でもある宅間孝行監督(1970~)が、自身が主宰していた劇団「東京セレソンデラックス」でペンネーム・サタケヒロユキ名で制作した同名舞台劇(2007)を映画化(兼脚本) 同時に舞台劇再演と小説化も行われた 舞台劇オリジンなので台詞が多く、やや誇張した感じもあり、話が結構複雑だが、終盤は泣ける ロケ撮影は昨年(2017年)夏に山梨県甲府市、栃木県栃木市、足利市などで行われたようだ 竹内まりや(1955~)の主題歌「小さな願い」(2018)もいい
・世界で一番ゴッホを描いた男(蘭・中) ⇒中国では画家を目指す者は必ず広東省深圳市大芬に一度集まる そこでは画家ではなく画工と呼ばれ、有名画家の作品のレプリカ製作に携わる 2015年現在でその売上げは6,500万米ドル程度らしい 中国では絵画のレプリカ製作ビジネスがこんなにも盛んに実践されていることに驚く フィンセント・ファン・ゴッホ(1853~1890)絵画のレプリカ製作中国人リーダーがゴッホの故郷オランダ・アムステルダムを訪れ、自分たちの作ったレプリカがお土産屋で原価の8倍で売られていることを発見 原題は「中国梵高」(中)="China's Van Goghs"=「中国のファン・ゴッホ」
・あのコの、トリコ。 ⇒冒頭物語がスタートする堀切学園は堀越学園のもじりか 吉沢亮(1994~)と新木優子(1993~)が共演し、かなりトウが立った高校生役から主演を目指す舞台俳優の卵までを演じる 高校からの進展が少し速いし、話がデキ過ぎているようにも感じるのは仕方ないか 原作は漫画家白石ユキの同名コミック(既刊5巻) ロケ地は武蔵野市や神奈川県横浜市、特に神奈川県藤沢市の江の島での二人のデート・シーンは見物 筆者は何度も行ったことがあるので江の島はとても懐かしい
・ビブリア古書堂の事件手帖 ⇒三上延(1971~)の同名原作小説全7巻(2011~2017)を、「幼な子われらに生まれ」(2017)や「しあわせのパン」(2012)の三島有紀子監督(1969~)が映画化 若手実力派の黒木華(1990~)がヒロイン・古書店女性店主を演じ、古本にまつわる謎解きをする 2017年10月頃茨城県常陸太田市、神奈川県鎌倉市、静岡県下田市、伊豆市、東伊豆町などでロケ撮影が行われたようだ

・スマホを落としただけなのに ⇒志賀晃(1963~)の同名原作デビュー小説を、「終わった人」(2018)や「リング」シリーズ(1998・1999・2005)の中田秀夫監督(1961~)が映画化 主演は最近よく使われている北川景子(1986~) スマホ関連なので結構バーチャルな話かと思っていたら、とても残酷でホラー的なクライム・サスペンス作品でもあった 今年(2018年)6月~7月にオール・ロケで撮影されたようで、ロケ地は東京都新宿区、武蔵野市、調布市、そして神奈川県横浜市、秦野市、さらに群馬県伊勢崎市などのようだ
320_78 ▼華氏119 ⇒米国のジャーナリストでドキュメンタリー映画監督のマイケル・F・ムーア(1954~)が制作・監督した、米国政治(民主党及び共和党両者)とドナルド・トランプ第45代大統領(共・1946~)を痛烈に批判する渾身の一作 原題は"Fahrenheit 11/9"=「華氏11/9」で、2016年の米国大統領選挙の投票日11月8日(火曜)の翌日で選挙結果が判明した日にちなむ また2001年9月11日(火曜)に発生した同時多発テロ後のジョージ・W・ブッシュ第43代大統領(共・1946~)の政策を批判したドキュメンタリー"Fahrenheit 9/11"=「華氏9/11」(2004、邦題:「華氏911」)と対を成すらしい ①米国初の女性大統領として予想されていたヒラリー・R・クリントン元国務長官(民・1947~)が得票数が多かったのに敗北したという、一般有権者の投票結果が直接反映されない米国の選挙人制度への批判、②ムーアの故郷ミシガン州フリントに住む多数の黒人少数派住民に鉛含有の水道水を飲ませている、リック・スナイダー知事(PCメーカだったゲートウェイ社の元経営者)が行った水道民営化事業への痛烈な批判(バラク・H・オバマ第44代大統領(民・1961~)もフリントを訪れながら解決しなかった)、③ウエスト・バージニア州で始まった公立学校の教師・運転手・給食係の5%昇給要求の全州ストライキの成功と他州への波及(筆者の記憶では教員の年収は200~300万円台だったと思う)、④フロリダ州パークランドでの高校銃乱射事件の被害高校生たちが主体となって、首都ワシントンD.C.で史上最大の銃規制を要求する高校生たちだけのデモを実現させたこと、⑤2016年の民主党の大統領候補予備選で余りにも社会主義的なB・バーニー・サンダース候補(上院議員・民・1941~)をいかにして巧妙に排除したか、⑥民主党ではトランプ大統領に対して何もやらないという選択はないと、政治経験はないけれども今回政治に目覚めた若く活動的な民主社会主義的候補者(バーニー・チルドレン)が続々と登場していること(民主党のカラーが青なので「ブルーウェーブ」と言われている)などを冷静に分かりやすく映像化 トランプ大統領の矛盾に満ちているが意外にも説得力のある弁舌、そしてメディアや政敵に対する容赦ない攻撃により、米国市民が少しずつ自由・人権を譲っていくならば1030年代ドイツのアドルフ・ヒトラー大統領・総統(1889~1945)の再来になるかもしれないという予言は恐ろしい 来る11月7日には明らかになる今回の米国中間選挙(投票日:11月6日)の結果はいかに
・ヴェノム ⇒マーヴェル・コミックとソニーによる米国版「寄生獣」(日本版:2014・2015)だと思われる 寄生獣が表面に現れる時の態様はさらに奇怪で、格闘シーンは何が何だか分からない これもVFX技術の進展によるものか ポスプロ、特にVFXの作業量は膨大と思われ、エンド・クレジットに登場する人名はざっと数えて1,000人程度 どうやら続編もありそうな終わり方 原題も"Venom"

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2018年10月28日 (日)

10月21日~10月27日の週に観た劇場映画

10月21日(日曜)~10月27日(土曜)の週は、7本の劇場映画を観ました。よく考えられた作品が多かったように感じました。

・マイ・プレシャス・リスト ⇒原題は"Carrie Pilby"=「キャリー・ピルビー(米国女性名)」 米国女流作家カレン・リスナー(1973~)の原題と同名のヤング・アダルト小説を、女性監督スーザン・ジョンソン(1970~)を中心とした主に女性スタッフにより映画化 天才的頭脳の持ち主だが人付合いの下手な若いヒロイン・キャリー・ビルビーが、精神科医に渡された「6つの幸せになるための行動リスト」を実行していく中で成長 キャリーの愛読書はJ・D・サリンジャー(1919~2010)著の小説「フラニーとゾーイ」(1961・和訳1976) キャリーを英国ロンドン出身のベル・パウリー(1992~)が熱演 舞台・ロケ地はすべて米国ニューヨーク市マンハッタン区であり、筆者には懐かしい風景
・ハナレイ・ベイ ⇒村上春樹(1949~)の短編小説集「東京奇譚集」(2005)に収録されている同名短編小説の一編を、「トイレのピエタ」(2015)の松永大司監督(兼脚本・編集・1974~)が映画化 ハワイの風景は美しかったが、短編小説の映画化なのでやや間延びしていて、かったるい ロケ地は主に米国ハワイ州カウアイ島でハナレイ湾の海岸・ビーチ、リフエ空港など 東京とオアフ島でも一部撮影が行われたようだ 撮影期間は昨年(2017年)8月後半から1ヶ月間で、ハワイでは2週間とのこと
・ニューヨーク、ジャクソンハイツへようこそ(米・仏) ⇒米国ニューヨーク市クイーンズ区のジャクソン・ハイツ ここはまさにニューヨークらしい人種の坩堝(るつぼ)で167もの言語が話されているという ルーズベルト街(アヴェニュー)を中心とした街の様子を、40本以上のドキュメンタリーを製作したというフレデリック・ワイズマン監督(1930~)が撮影・編集 189分という3時間以上の長尺なので緊張を維持するのが大変 とにかく社会的課題を解決するための会合がよく開かれ、オープンに議論し前向きに進めているようだ 印象に残ったのは、タクシー運転手を教える教室で東西南北を、Nose(鼻)=North(北)、Shoes(靴)=South(南)、Eat(食べる)=East(東)、Wash(洗う)=West(西)としていたこと 鼻は上にあり北方向で靴は下にあり南方向、食べる手は右手で東方向で、大便後洗うのは左手で西方向ということらしい 社会的暗黙知がないためかとにかく議論しなければならないのは、普通の日本人には煩わしいか 原題は"In Jackson Heights"=「ジャクソン・ハイツでは」
・ここは退屈迎えに来て ⇒富山県富山市出身の作家山内マリコ(1980~)の同名処女小説(2012)の映画化 2作目の「アズミ・ハルコは行方不明」(2013)が先に映画化(2016)された 本作監督は「ナミヤ雑貨店の奇蹟」(2017)の廣木隆一(1954~) 「私」と「あたし」がいて、時代が前後するのでやや分かりにくい 何となくすべてが中途半端に終わってしまう青春の日々は理解できる ロケは昨年(2017年)6月に富山県富山市、射水市、高岡市などで
320_75 ▼search サーチ ⇒米国のクライム・サスペンス作品は素晴らしくよく考えられている 本作についてはすべてパソコン画面上の映像で構成されており、Web検索とSNSが大活躍することばかり強調されている しかし、筋立ては観客をとことん迷わすようにできており、終盤の大どんでん返しには驚く 監督はインド・ハイデラバード出身の若手アニーシュ・チャガンティ(1992~)で、主役は韓国出身の男優であるなど、東洋系のスタッフ・キャストが中心 東洋系の人々はハリウッドでも沢山働いているのだろうが、最近日本公開された「クレイジー・リッチ」(2018)など、これも最近の傾向か 原題は"Searching"=「検索」

320_76 ▼オズランド 笑顔の魔法おしえます。 ⇒遊園地の現場における仕事のあり方について、これ程丁寧に教えてくれるとは思わなかった 一般的にも現場作業の参考になる話が盛り沢山 終盤のクライマックスはやはりイルミネーションと花火 原作は佐賀県伊万里市出身の作家・小森陽一(1967~)の小説「オズの世界」(2015) ロケ撮影は昨年(2017年)8月から9月にかけて、ほぼ全編熊本県荒尾市のグリーンランドをオズランドとして行われたようだ その他JR鹿児島本線荒尾駅や荒尾市内、またJR品川駅(東京都港区)なども使われたらしい
・太陽の塔 ⇒1970年の大阪万博で芸術家・岡本太郎(1911~1996)が制作した太陽の塔 当時は異様な外観も含めてよく理解できなかったが、やっと人類・生命の進化・発展を表わしたものと分かった しかし、岡本は人類が賢くなるとは思っていなかったようだ そのせいか本作の後半では話がなぜか福島原発事故の手が付けられない情況に言及

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2018年10月21日 (日)

10月14日~10月20日の週に観た劇場映画

10月14日(日曜)~10月20日(土曜)の週は、10本の劇場映画を観ました。今回も鑑賞数が多くなったので、コメント記述に苦労しました。

・アンダー・ザ・シルバー・レイク ⇒米国カリフォルニア州ロサンゼルス市内で、中心部から数km北西方向にあるシルバー・レイクという街の出来事 シルバー・レイクとは街にある貯水池の名前で、そのまま街の名になったらしい シルバー・レイクのすぐ西には米国映画の都ハリウッドがあり、すぐ東にはMLB(メジャー・リーグ野球)のロサンゼルス・ドジャーズのスタジアムがある 映画業界で働く夢を持ってこの街に来てやさぐれている主人公が、ある日アパートで若い美女に出会うが翌日彼女が失踪したことから物語が始まる 昼の街、夜のきらびやかな街を彷徨うが、シルバー・レイクの地下に別世界があるという不思議な話になっていく ロサンゼルス市街を一望できるグリフィス天文台でもロケをしている 監督・製作・脚本は「イット・フォローズ」(2014)のデビット・ロバート・ミッチェル(1974~)、ヒーローは「アメイジング・スパイダーマン」(2012・2014)のアンドリュー・ガーフィールド(1983~)、そしてヒロインはエルビス・プレスリーの孫のライリー・キーオ(1989~) 原題も"Under the Silver Lake"
320_72 ▼日日是好日 ⇒お茶を学ぶことが、何らかの人生の指針になることを描いている お茶(表千家)の指南映画にもなっているし、女の半生を描く作品にもなっている ヒロインには演技に定評のある黒木華(1990~)そしてお茶の先生には渋い演技派の樹木希林(1943~2018)と絶妙な組合せ 黒木は最初から映画の新人賞を総なめ(2013)したほどで、「小さいおうち」(2014)、「母と暮らせば」(2015)、「リップヴァンウィンクルの花嫁」(2016)などでの演技が筆者の記憶に残る 樹木は、残念ながら今年亡くなってしまったが、晩年にそれこそ鬼気迫る演技を観せ、「あん」(2015)、「海よりもまだ深く」(2016)、「万引き家族」(2018)などが忘れられない 森下典子(1956~)の原作小説「日日是好日 『お茶』が教えてくれた15のしあわせ」(2002)を大森立嗣監督(兼脚本・1970~)が映画化 大森監督は俳優大森南朋(1972~)の実兄で、「ぼっちゃん」(2012)、「さよなら渓谷」(2013)、「まほろ駅前狂騒曲」(2014)、「俳優 亀岡拓次」(2016)など独特の作品がある 撮影は神奈川県横浜市の大きな庭のある家に茶室のセットを造り行われたようだ 梅雨、紅葉、雪など庭の四季が本物なら撮影は結構長期間か 茶室の掛け軸も季節によって変わり、物語の重要な小道具に ロケは他に三渓園(横浜市)、片瀬東浜海水浴場(藤沢市)など神奈川県各地
・判決、ふたつの希望(レバノン・仏) ⇒本作はレバノンの国情を少しは知らないと理解が難しい 人口400万余りのうち約40%がキリスト教徒で、約55%がイスラム教徒 イスラム教徒はスンニ派とシーア派が半々 しかし、スンニ派とシーア派は対立しているので、多数派のキリスト教徒が政治を主導 また、シーア派はイランのシーア派と連携しているので反イスラエル さらに複雑にしているのは、イスラエルの弾圧によりパレスチナ難民が数10万流入 1970年代・1980年代には内戦によりパレスチナ人やキリスト教徒の虐殺が発生 こういう情況下で、首都ベイルートで起きたパレスチナ人とキリスト教徒との口論が、親の世代の闘いを背景に世論を動かす裁判に発展 原題は"L'insulte"(仏)="The insult"=「侮辱」
320_73 ▼あの頃、君を追いかけた ⇒2011年に台湾で製作された同名作品を2013年に日本で観てとても面白かったので、それを日本でリメークした本作も若者映画だが鑑賞 台湾作品はギデンズ・コー(台湾・1978~)自身の自伝的小説を、自分で監督(兼脚本)し映画化 原題は「那些年、我們一起追的女孩」(中)="Those years, we are chasing girls together"=「その頃、我々は一緒に女の子を追いかけていた」で台湾と香港で大ヒット 今回の日本作品も基本的には台湾作品を踏襲している 幼稚にふざけていた若者たちも大人になり、それぞれの夢・恋はあるもののスムーズには叶わないから美しいのかもしれない ラストシーンは相変わらず意表を突いていて、少しドッキリする オリジナルでは主人公(山田裕貴・1990~)の大学寮での日本製AV鑑賞があったことなど若干違うことはあった 最も違和感があったのは、願いを書いた天燈(スカイ・ランタン)を日本で揚げたことか ヒロインは乃木坂46の齋藤飛鳥(1998~) お母さんはミヤンマー人らしく、ミヤンマー人は、もちろん人によって異なるが、一番よく日本人に似ていると思う ロケ地は長野県松本市、塩尻市、岡谷市、下諏訪町、富士見町、伊那市の各地と埼玉県熊谷市など 高校生たちが通った学校は長野県立田川高校(塩尻市)が、主人公が通った大学は埼玉工業大学(熊谷市)が使われたようだ
・デス・ウイッシュ ⇒米国の作家ブライアン・ガーフィールド(1939~)の小説「狼よさらば(原題:Death Wish)」(1972)の2度目の映画化 1度目はチャールズ・ブロンソン(1921~2003)主演の「狼よさらば」(1974) 今回はブルース・ウィリス(1955~)が主演 今でもそうなのかどうか知らないが、犯罪頻発都市米国イリノイ州シカゴの医者が警察に代わり犯罪者を私刑 現代風に今回はスマホとSNSを登場させ重要な小道具に 原題も"Death Wish"

・億男 ⇒「電車男」(2005)、「告白」(2010)、「悪人」(2010)、「モテキ」(2011)、「君の名は。」(アニメ・2016)と立続けにヒット作を企画・プロデュースした川村元気(1979~)の同名原作小説(2014)の映画化 佐藤健(1989~)と高橋一生(1980~)が共演し、「るろうに剣心」シリーズ(2012・2014・2014)の大友啓史(1966~)が監督 北村一輝(1969~)も絶対に本人とは思えない扮装・演技で登場 ロケは今年1月にまずモロッコで行われ、日本では3~5月に埼玉、東京、神奈川、千葉の首都圏各地で 高級マンションでのパーティ場面は東宝スタジオ(東京都世田谷区)内のセットで撮影されたらしい
・ピッチ・パーフェクト ラストステージ ⇒「ピッチ・パーフェクト」シリーズ3作目 アカペラ・グループ「バーデン・ベラーズ」の快進撃は続く センターのベッカ役のアナ・ケンドリック(1985~)の歌声は相変わらず素晴らしく、ファット・エイミーことレベル・ウィルソン(豪・1986~)の喜劇役者振りもいい 今回はファット・エイミーの父親が悪役として登場 原題は"Pitch Perfect 3"=「ピッチ・パーフェクト3」={完璧な調子3」か
・エンジェル、見えない恋人(ベルギー) ⇒透明人間の少年・青年と盲目の少女・乙女との組合せという、世にも不思議な初めての経験 この組合せなら何となく上手くいきそうな感じがする しかし、乙女が視力を回復する手術を受けることに 乙女が見えるようになるとどうなるのかが本作の見所 少年・青年のナレーションは入るものの、必然的に少女・乙女の一人芝居のように ヒロインのフルール・ジフリエ(仏)のヌードは美しかった 原題は"Mon ange"(仏)="My angel"=「私の天使」
320_74 ▼恋のしずく ⇒背も少し足りないし、超美人とも言えないが、キャラが立ち面白く、何か雰囲気がある川栄李奈(1995~)が主演 2014年5月岩手県のAKB48の握手会で切られた時はもう終わりかと思ったが、舞台で訓練してしっかり映画初主演まで辿り着いた 普段は結構物静かだが、演技に入ると豹変するらしい 樹木希林(1943~2018)に似ていなくもない 本作は大学の実習でワイン実習希望の女子学生が広島県東広島市西条の日本酒酒蔵実習に来てしまった話 本作では酒造りの工程を酒米の稲刈りから結構上手く教えてくれる 上述の「日日是好日」でもそうだったが、最近の映画は結構具体的 大杉漣(1951~2018)が最後の映画出演になり、本作中でも心臓発作で死んでしまうのは何かの因縁か 大杉の訃報は本作撮影後3ヶ月後の話だったらしい ロケ地は当然東広島市西条と広島市内各地など 広島弁の「かばち」が登場
・テルマ(ノルウェー・仏・デンマーク・スウェーデン) ⇒ノルウェーのヨアキム・トリアー監督(1974~)の野心作 心因性非癲癇(てんかん)の発作と超能力を結び付けたホラー・サスペンス・ファンタジー ノルウェーの田舎の自然が美しい 原題も"Thelma"

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2018年10月14日 (日)

10月7日~10月13日の週に観た劇場映画

10月7日(日曜)~10月13日(土曜)の週は、10本の劇場映画を観ました。多数の公開中作品から観るものを選ぶのか結構難しいです。

・イコライザー2 ⇒アカデミー賞俳優デンゼル・ワシントン(1954~)が「イコライザー」(2014)の続編である本作にも主演 彼はシリーズものに出演するのは初めてであるが、アントン・フークワ監督(1966~)との相性がいいのだろう 超能力で不死身振りは変わらない 舞台はイスタンブール(トルコ)の鉄道からボストン(米国マサチューセッツ州)、ブリュッセル(ベルギー)と移り、最後は主人公の故郷マサチューセッツ州の海岸の街マーシュフィールドへ ここで元CIAエージェント同士の過酷な戦闘に 原題も"The Equalizer 2" 「イコライザー」とは「均等化・同等化すること」であり「相手の意図、攻撃などをすべて相殺してしまうこと」か
320_69 ★チューリップ・フィーバー 肖像画に秘めた愛(米・英) ⇒17世紀のオランダを舞台にした、まるでウィリアム・シェイクスピア(1654~1616・英)の戯曲の世界 英国の人気作家デボラ・モガー(1948~)の原作小説「チューリップ・フィーバー」(2018)/「チューリップ熱」(2001)の映画化 彼女は本作では脚本にも係わり、またヒットした「マリーゴールド・ホテルで会いましょう」(2011)の原作者でもある 17世紀はオランダがネーデルランド連邦共和国として独立し、海運・通商が盛んになり、レンブラント・ファン・レイン(1606~1669)やヨハネス・フェルメール(1632~1675)などの画家・芸術家が活躍 1636年から翌年にかけてオランダで実際にあったチューリップ・バブル(投機バブル)をベースに、モガーはフェルメールの絵画の世界のような物語を目指したらしいが、本作もまさしくそのような映像になっている 修道院兼孤児院の院長、そこから嫁ぐ美しい娘、妻子を亡くした豪商、家政婦、画家、医者などが、当時の世相を反映するであろう主な登場人物 ヒロインは「リリーのすべて」(2015・英・米・独)でアカデミー助演女優賞を獲得したアリシア・ヴィキャンデル(1988~・スウェーデン)で、ジュディ・デンチ(1934~・英)やクリストフ・ヴァルツ(1956~・墺)が脇を固める 原題は単に"Tulip Fever"=「チューリップ熱」 意訳すると「チューリップ取引の熱狂」か
320_70_2 ▼LBJ ケネディの意志を継いだ男 ⇒LBJとは米国の第36代大統領のリンドン・ベインズ・ジョンソン(1908~1973)のこと 米国南部テキサス州出身の彼は下院議員を経て上院議員に当選した後、辣腕の上院民主党院内総務(民主党上院議員を取りまとめるリーダー的役割)として各種連邦法案成立のための最終調整を担当 1960年の大統領選挙の民主党予備選挙で北部マサチューセッツ州出身のジョン・フィッツジェラルド・ケネディ(JFK・1917~1963)に負け副大統領候補として選挙に臨み、1961年にケネディ第35代大統領・ジョンソン副大統領が誕生 ケネディ行政府政権ではジョンソン副大統領は議会対策に優れているにも係わらず何もさせてもらえず、さらに大統領の実弟のロバート・ケネディ司法長官(1925~1968)の露骨な妨害にもあう 1963年11月にテキサス州ダラスでケネディ大統領が暗殺された後、ジョンソンは大統領に昇格 ケネディの遺志を継いで政権幹部を留任させ、1964年11月に黒人差別を撤廃する歴史的な公民権法を議会で成立させた 同年大統領に再選されるも、ケネディが始めたベトナム戦争を拡大させ多数の米国の若者を死なせた責任をとって、1968年の大統領選には出馬せず引退 本作では、LBJを「スリー・ビルボード」(2017・英)で地元警察署長を好演したウッディ・ハレルソン(1961~)が演じている 筆者は米国政府(米国の場合は行政府・議会府・司法府の3府すべてを指す)を研究したことがあって、本作を非常に興味深く鑑賞
・コーヒーが冷めないうちに ⇒大阪府茨木市出身で、劇団の脚本家兼演出家として活動してきた川口俊和(1971~)の同名原作処女小説(2015)と次の小説「この嘘がばれないうちに」の映画化 有村架純(1993~)がヒロインで、喫茶店「フニクリフニクラ」で起きる4話の過去への短いタイム・トリップを描く 過去を再確認して未来に向かうという前向きな話が多い 撮影は8割が東宝スタジオ(東京都世田谷区成城)の「フニクリフニクラ」のセットで行われたらしい 他のロケ地は神奈川県横浜市など 主要出演者は全員水中ダイブをしたようだ
・教誨師 ⇒今年(2018年)2月に急逝した大杉漣(1951~2018)が初の製作・主演で、結果的に遺作となった 昔の映画画面サイズ(4:3)で撮影されている 場面はほぼ拘置所の面会室で、牧師の教誨師が月2回訪れ、6人の死刑囚と面会・会話 それぞれの死刑囚そして教誨師自身の人生が少しずつ浮かび上がる 教誨師という仕事については全く知らなかった ロケ地は所沢市、飯能市など主に埼玉県内か

・純平、考え直せ ⇒直木賞作家・奥田英朗(1959~)の同名原作小説の映画化 新宿歌舞伎町ヤクザの鉄砲玉の苦悩と不動産屋の元女子社員との交流を描く 筆者がいつも通りすがる歌舞伎町の映像と疾走する若者の姿は好ましい ロケ地は当然ながら東京都新宿区の新宿歌舞伎町と埼玉県越谷市、川口市などの首都圏各地
・ルイスと不思議の時計 ⇒魔法の驚異、面白さ、そして楽しさは伝わってきたが、感動は今一つ ポスプロ・VFXは大量の作業で大変だっただろう 米国ミシガン州出身のジョン・べレアーズ(1938~1991)の子供向けファンタジー小説"The House with a Clock in Its Walls"(1973・「壁に時計がある家」)の映画化 原題は原作小説と同じ
・音量を上げろタコ!なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!! ⇒大音量ロックの宗教映画のようだった 韓国プサン(釜山)の技術による声帯ドーピングという、やや荒唐無稽なアイデアを膨らませている ロケは主に栃木県足利市で行われたようだが、東京都武蔵野市吉祥寺など首都圏各地も使われている
320_71 ▼止められるか、俺たちを ⇒1969年から1971年頃にかけての若松プロダクションの映画創造活動を描く群像劇 少しでも係わった人たちにとってはとても懐かしく、もう一度心に点火されるかもしれない 若松プロとは1965年に映画監督の若松孝二(本名:伊藤孝・1936~2012)が創設したもの 当時の若い才能が集まり、金集めのためのピンク映画中心に常識にとらわれない映画創りをした 若松監督は2012年10月に東京都新宿区内藤町の道路でタクシーにはねられ死亡 本作では、新人助監督として加わった、実在の人物吉積めぐみに門脇麦(1992~)を充て、若松監督を若松プロ所属だった井浦新(1974~)が演じている 監督はやはり若松プロの一員だった、「日本で一番悪い奴ら」(2016)や「彼女がその名を知らない鳥たち」(2017)の白石和彌(1974~) 若松監督と交流のあった大島渚監督(1932~2013)、漫画家の赤塚不二夫(1935~2008)、そして作家・三島由紀夫(1925~1970)も登場 ロケ地はよく分からないが、新宿歌舞伎町や高崎市らしい
・負け犬の美学(仏) ⇒本作ではほとんど負け続けているボクサー、フランスには何人かいるようだが、その選手に焦点を当て、普段は表に出てこない家族やマネジャーとの関係、本人の苦悩などを描く 主人公は娘のピアノ購入と音楽学校進学のために、連日殴りまくられるためとても危険な、世界チャンピオンとのスパーリング相手の仕事を引き受ける 気になるのは、主人公の自宅はフランスのイギリス海峡に面したル・アーブルにあるが、立派過ぎないかということ 原題は"Sparring"=「スパーリング」で、試合をする本物のボクサーの練習台となって殴り合う役目

(注)★はお薦め、▼は特定のマニア向け作品 製作国の表示がないものは米国か日本の作品

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2018年10月 7日 (日)

9月30日~10月6日の週に観た劇場映画

9月30日(日曜)~10月6日(土曜)の週は、7本の劇場映画を観ました。10月は東京国際映画祭があるせいか、新作映画作品の公開が加速してきたように感じられる。

320_67 ▼散り椿 ⇒久々に本格的時代劇を観たような気がする 筆者の好きな麻生久美子(1978~)が出演していたし、岡田准一(1980~)、西島秀俊(1971~)、黒木華(1990~)、池松壮亮(1990~)など主要キャストも豪華 直木賞作家・葉室麟(1951~)の同名原作小説を、元々は撮影監督だった木村大作(1939~)監督(兼撮影)が映画化 木村監督にとっては3作目で、初の時代劇 殺陣も機敏で良かったが、富山県を中心とした日本の美しい自然の映像は最高 撮影はオール・ロケーションで行われたようで、ロケ地は富山市、高岡市、氷見市、小矢部市、上市町など富山県各地、そして滋賀県彦根市の彦根城と長野県長野市松代町など エンドクレジットなどで手書きの名前が登場するが、それらはすべてキャスト・スタッフの自署だろうか
・バッド・ジーニアス 危険な天才たち(タイ) ⇒タイ発のモダンでスピーディで斬新な、学園カンニング物語 中国の実話を基にしているようだが、スマホ時代の新しいカンニング・テクニックとそれをビジネスに仕立てるところが面白い 東アジアと東南アジアで大ヒットしたようだ 主要な高校生4人を演じたのはすべて20歳以上のタイ人俳優だが、中華系・外国系に観える 原題は単に"Bad Genius"=「悪(ワル)の天才」
・スカイスクレイパー ⇒元WWE(プロレス)チャンピオンのザ・ロックだった俳優ドウェイン・ジョンソン(1972~)が左脚義足という特殊な設定ながら大ジャンプなどのアクションに挑む 米国ミネソタ州アッシュ・レイクで話は始まるが、すぐに舞台は10年後の香港へ 高さ1km以上で240階建てという奇想天外なビルで発生する火災テロと闘う 屋上のパネルの世界でのアクションはブルース・リー(1940~1973)の鏡の部屋でのアクションを彷彿とさせる 話は面白いが余りに奇天烈(きてれつ) ポスプロ・VFXは大変だったろう 原題も"Skyscraper"=「超高層ビル」
・運命は踊る(イスラエル・独・仏・スイス) ⇒ユダヤ人には全員兵役義務があり、国内あるいはパレスチナ自治区でテロ攻撃も発生する、未だ戦時下体制のようなイスラエル そこで繰り広げられる兵士の死亡通知に関する政府・軍の形式的な対応、戦争とはいえないようなのどかな軍隊での勤務、二転三転する運命などが描かれる 原題は"Foxtrot"=「フォックストロット」 フォックストロットとは19世紀末に米国で誕生した社交ダンス 意味は邦題どおりと思うが、「禍福は糾(あざな)える縄の如し」ということか
・クワイエット・プレイス ⇒目は見えないが、耳は超高感度な、不思議なエイリアン(宇宙人、異星人)が登場 終盤に実物が現れるが、やはり奇怪で超醜い姿形(すがたかたち) ポスプロ・VFX、特にデザイナーが大変だったろうと思う このエイリアンの群れに気付かれないように、米国ニューヨーク州リトル・フォールズ付近で生き残った家族は極力音を立てずに暮らす 彼らは靴を履かずに砂の上を裸足で歩き、手話で会話する ジョン・クラシンスキー(1979~)が監督・脚本・製作総指揮・主演のマルチな活躍で、実生活でも彼の妻であるエミリー・ブラント(1983~)が妻役 したがって低予算の作品だが、米国では大ヒットしたらしい 原題は"A Quiet Place"=「ある静謐な場所」か

320_68 ▼愛と法(日・英・仏) ⇒大阪にはやはり想像を超える世界があるようだ ゲイ夫夫の弁護士2人、南和行(1976~)と吉田昌史(1978~)のドキュメンタリー 両者とも大阪出身で京大に進学するほど優秀 大阪の地下鉄南森町駅至近のビルに「なんもり法律事務所」を開業 彼らの広い心・大きな愛から、LGBTQ、孤児、無戸籍者など少数派からの相談を多く受けている 彼らは里親になることを決心し、里親研修を受け認定されたそうなので、今頃は子供を育てているかもしれない 行定勲監督(1968~)の「世界の中心で、愛をさけぶ」(2004)で映画の仕事に初めて参加した戸田ひかるが本作の監督
・黙ってピアノを弾いてくれ(独・仏・英) ⇒カナダ・モントリオール出身のマルチで奇想天外な音楽家チリー・ゴンザレス(本名:ジェイソン・チャールズ・ベック、1972~)のことは全く知らなかった 内気なピアニストがカナダからドイツに渡り、ラップ・パフォーマンスからウィーン放送交響楽団との破天荒な共演までを追ったドキュメンタリー 原題は"Shut Up and Play the Piano"で邦題どおりか

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2018年9月30日 (日)

9月23日~9月29日の週に観た劇場映画

9月23日(日曜)~9月29日(土曜)の週は、9本の劇場映画を観ました。それぞれユニークな自己主張をしている作品が多かったような気がします。

・顔たち、ところどころ(仏) ⇒ベルギー生まれで、フランスで写真家そして映画監督として活躍したアニエス・ヴァルダと(1928~・仏)とフランスの写真家JR(1983~)が一緒にフランスの村々を巡る一種のロードムービー風ドキュメンタリー JRのスタジオ付きトラックで移動し、村々でいろいろな顔を撮影し、大判のプリントを壁等に展示 カンヌやトロントでドキュメンタリー最高賞を獲得 原題は"Visages Villages"(仏)="Village Faces"=「村々の顔たち、顔貌たち」
320_65 ▼リグレッション(西・加) ⇒リグレッションとは、メトロノームの周期的な音を使いながら心理学者が人の過去の事象を思い出させる手法らしい 昔米国で被疑者・証人の尋問などの犯罪捜査に利用されていたようだ 現在は書物や映像で得た知識を錯誤により事実として思い出すなどの弊害・冤罪が指摘され使われていないそうだ 本作は1990年に米国ミネソタ州で実際に発生した悪魔崇拝者による儀式事件に基づき企画されたホラー・サスペンス リグレッションによる怪しげな証言に振り回される警察関係者の姿を描く 監督(兼脚本・製作)はチリ生まれのアレハンドロ・アメナーバル(1972~・西)、主役刑事をイーサン・ホーク(1970~)がそして事件告発のきっかけになった少女をエマ・ワトソン(1990~)が演じる 原題も"Regression"=「退行、回帰」
・パパはわるものチャンピオン ⇒板橋雅弘の絵本「パパのしごとはわるものです」(2011)と「パパはわるものチャンピオン」(2014)(ともに絵は吉田尚令)が原作 主役を現役プロレスラーの棚橋弘至(1976~)が、その妻を木村佳乃(1976~)が、そしてその息子を寺田心(2008~)が演じている 現役プロレスラーが10数人参加しているので、格闘シーンは迫力満点 棚橋とオカダ・カズチカ(1987~)の試合はまるで本物 プロレスのロケ地は東京都江東区にある、日本初の格闘技専用アリーナ「ディファ有明」らしいが、今は2020年の東京オリンピックに向けた一帯の再開発のためか閉鎖されているようだ 他のロケ地は同じ江東区の春海橋公園・豊洲公園、目黒区立東山小学校、文京区の岩崎書店(原作出版書店)などか
・プーと大人になった僕 ⇒英国のアラン・アレクサンダー・ミルン(1882~1956)が自身の息子クリストファーのために1920年代に書いた児童小説が「くまのプーさん」シリーズ ディズニーが早くからこれをアニメ化してきたが、今回初めて実写映画版を制作 筆者にとっては余りにもメリハリがないので、緊張を維持するのが困難だった 原題名は単に主役の名前"Christopher Robin"=「クリストファー・ロビン」
・HOSTILE ホスティル(仏) ⇒少数の人類が生き延びて、未知の生物と闘うという作品が今年は多い クライマックスは沙漠(モロッコでロケか)で孤独にサバイバルするのだが、ここは「ALONE アローン」(2016・米・西・伊)に似ていなくもない ニューヨークでのロマンスから沙漠でのサバイバルへ、またフラッシュ・バックも多用 未知の奇怪な生物を身長2m4cm体重45kgのスペイン人俳優ハビエル・ボテッド(1977~)が演じていることが特筆ものらしい 彼の異常に長い手足、指がまるでCGのように見える フランス映画だが台詞は全編英語 原題も"Hostile"=「敵対的、非友好的、空々しい」 この意味は分かりずらい

・ディヴァイン・ディーバ(伯) ⇒1960年代軍政下のブラジル・リオデジャネイロで活躍した8人のドラァグ・クイーン(drag queen)の再結集を追ったドキュメンタリー ドラァグ・クイーンとは女装してパフォーマンスする男性のことか LGBTであることもあるし、そうでないこともあるらしい ブラジルは元々こういうことに寛容だったのか、彼らが特に勇敢なのか 原題は"Divinas Divas"(葡)="Divine Divas"=「神聖な歌姫たち」
320_66 ★1987、ある闘いの真実(韓) ⇒民主化を求めて1980年5月に韓国光州市で起き、200人近い人々が死亡した光州事件を扱った韓国映画作品「タクシー運転手 約束は海を越えて」(2017) そして1987年6月の民主化宣言に至るまでの6月民主抗争を描いた本作を観れば、韓国の軍部独裁政権(全斗煥大統領)がいかに言論の自由を奪い、人権無視で非民主的な弾圧・拷問・粛清をしていたのかがよく分かる 本作は1987年のソウルでの民主化闘争を、ソウル大の学生がソウル警察により拷問死させられたこと、デモ中に1人の学生が警察の催涙弾直撃で亡くなったことなどの事実に基づきリアルに描写 ソウル地検の検事の公正な判断と政権の圧力に負けない姿勢、また学生、教会、市井の人々の数々の勇気ある行動などを、少々のラブ・ロマンスの味付けを加えて描く 現在韓国では北朝鮮と南北統一するような議論があるが、言論の自由がなく、人権無視の非民主的な北朝鮮の金一族独裁政権をどうするつもりだろう 原題は"1987: When the Day Comes"=「1987年:その日がきたとき」
・クレイジー・リッチ! ⇒シンガポール出身の米国人ケビン・クワンの小説「クレイジー・リッチ・アジアンズ(Crazy Rich Asians)」(2013)を映画化 1995年の英国ロンドンから話が始まり、現在2018年の米国ニューヨーク市、そしてシンガポールへと移る 普通の女性大学教授とシンガポールの金持ち一家とのすれ違いを描いているが、どこかで聴いた話が多いような気がする 原題は原作本と同じ"Crazy Rich Asians"=「超金持ち、超富豪のアジア人たち」
・愛と、酒場と、音楽と ⇒カンヌ、ロンドン、そしてゆうばりで注目された短編3作品「言葉のいらない愛」「BOURBON TALK」そして「BEATOPIA」を連続上映 無料招待券があったので、懇親会後に向かったが余り記憶がない 終映後のトークショーは聴いたが、よく分からなかった

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2018年9月23日 (日)

9月16日~9月22日の週に観た劇場映画

9月16日(日曜)~9月22日(土曜)の週は、4本の劇場映画を観ました。群馬県まで出掛けたので鑑賞数が限られました。

320_64 ▼響 HIBIKI ⇒立憲民主党の枝野幸男代表(1964~)がカラオケで歌っていたという「不協和音」(2017)、また「アンビバレント」(2018)などという余り唄のタイトルとしては相応しくないようなものを歌っていた欅坂46なるグループの名前は知っていた AKB48を創めた秋元康(1958~)が坂道シリーズとして乃木坂46の次の第2弾として創ったのが欅坂46(当初は鳥居坂だったらしい)で、ひらがなの「けやき坂46」もあるというから、筆者には全くよく分からない その欅坂46がリリースした「アンビバレント」までのシングル7曲ですべてセンターを務めた平手友梨奈(2001~)が本作の主演 彼女は、本物の高校生年代だが、不思議な魅力を持ち、キャラクター創りも上手 本作は漫画家柳本光晴の連載コミック「響~小説家になる方法~」(2014~)を「君の膵臓をたべたい」(2017)から人気監督になった月川翔(1982~)が実写映画化 「君の膵臓をたべたい」に出演していた北川景子(1986~)と小栗旬(1982~)が本作にも参加 また、高校の先輩で文芸部部長役にアヤカ・ウィルソン(1997~・加) ロケは、高校としては埼玉県立三郷工業技術高校が使われ、その他埼玉県、東京都、千葉県など首都圏各地で行われたようだ なお、最後の踏切のシーンは何と新潟県糸魚川市今村新田の踏切だったらしい
・ザ・プレデター ⇒アーノルド・シュワルツェネッガー(1947~)が主演した初作品「プレデター」(1987)から数えて関連6作品目らしい 余り期待はしていなかったが、時間の都合で鑑賞 異星人戦士のプレデターは女・子供は襲わないなどという武士道精神を持つという プレデターがもっとハンサムだったらどうするのだろうかとも思った 原題も"The Predator"=「捕食動物、補食者、略奪者」
・500ページの夢の束 ⇒自閉症のため施設に暮らしながら、米国加州サンフランシスコでアルバイトする主人公(ダコタ・ファニング・1994~) 広い意味での統合失調症の患者には特別な才能を発揮する分野があることがみられるが、彼女の場合は書くことが得意 「スター・トレック」(1966~)にとても詳しく、ハリウッドの「スター・トレック」シナリオ・コンテストに応募 郵送時間がなくなり、バス、歩き、ヒッチハイクなどでチワワの愛犬とともにロサンゼルスを目指す一種のロード・ムービー 最後はついにハリウッドのパラマウント映画スタジオに到着 原題は"Please Stand By"=「待機、用意」で、ケースワーカーが呼び止める時にかける言葉のようだ
・マガディーラ 勇者転生(印) ⇒日本でも大ヒットした「ハーフバリ 伝説誕生」(2015・印)と「ハーフバリ 王の凱旋」(2017・印)を制作した監督・スタッフが、これら2作に先立ち2009年に製作した作品 歌、踊り、アクションはもとより、最近は人権侵害を疑われている、北朝鮮お得意のマスゲーム的なものも観られる 原題は単に"Magadheera"

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2018年9月16日 (日)

9月9日~9月15日の週に観た劇場映画

9月9日(日曜)~9月15日(土曜)の週は、7本の劇場映画を観ました。漫画・コミックを原作とする作品が多く、またそれらが結構よく練られた物語でした。

・寝ても覚めても(日・仏) ⇒芥川賞作家・柴崎友香(1973~)の同名原作小説(2010)の映画化 ドッペルゲンガー的要素を取り入れた作品 2010年の原作小説だが、映画には2011年の東日本大震災後のボランティア活動が登場するのでここは後からの脚色か 今夏日本で公開されたフランソワ・オゾン監督(1967~・仏)の「2重螺旋の恋人」(2017・仏)に内容が似ていなくもない ロケ地は東京都新宿区、神奈川県横浜市、埼玉県三郷市などの首都圏各地、そして宮城県名取市ゆりあげ(閖上)地区(美田園駅登場)、さらに大阪府の天野川(あまのがわ)流域(交野市、枚方市あたり)
・累 かさね ⇒漫画家・松浦だるま(1984~)の同名原作コミック(2013~2018)の実写映画化 魔法の口紅を塗りキスすると顔が入れ替わる二人の女優を土屋太鳳(1995~)と芳根京子(1997~)が演じる 設定は突飛だが、戯曲「サロメ」のオーディション、読合せ、舞台稽古、本番舞台での土屋の演技は中々のもの サロメは1891年にオスカー・ワイルド(1854~1900・アイルランド)が新約聖書を基に仏語で書いた戯曲で、1893年にパリで出版 ロケ地は東京都区内、静岡県御殿場市のセット、同県富士市の文化会館ロゼシアター、山梨県甲府市の芝居小屋・桜座、千葉県館山市などらしく、最後の舞台は埼玉県川越市のウェスタ川越で満席のエキストラ観客を迎えて撮影したようだ
・ヒトラーと戦った22日間(露・独・リトアニア・ポーランド) ⇒ホロコーストに関するロシア製の映画作品 ポーランドのアウシュビッツと並ぶ、ナチスの絶滅収容所ソビボル(ウクライナ国境近くの地名)で計画・実行されたユダヤ人の収容所全員脱出劇を原作ドキュメンタリーを基に描く 主役のユダヤ系ロシア軍人(脱出リーダー)をロシアの人気俳優コンスタンチン・ハベンスキー(1972~)が演じ、彼が同時に監督と脚本も兼任 収容所では靴職人、縫製職人、宝石・貴金属加工職人など専門の技術をもった人間は生かされて、収容所の作業に就いていたことが分かった 結局400人のユダヤ人が脱出したが、100人は途中死亡し、150人は地域住民に殺されたそうだ 原題は"Sobibor"=「ソビボル」
・泣き虫しょったんの奇跡 ⇒関東と関西にある日本将棋連盟のプロ棋士養成機関「新進棋士奨励会」に所属しながら、満26歳の年までに四段に昇段できず退団したが、アマチュア棋士として実力を発揮し特例として2005年35歳の時にプロ編入を認められた瀬川晶司現五段(1970~)の同名自叙伝(2006、2010)を、「火花」(2017)の豊田利晃監督が脚本兼任で映画化 瀬川本人役を松田龍平(1083~)が演じるなど、豪華俳優陣が集結 ロケは東京都区内、横浜市などで行われた模様 渋谷区千駄ヶ谷の将棋会館も登場
320_62 ▼マンマ・ミーア! ヒア・ウィー・ゴー ⇒ABBAの珠玉の名曲たちで彩られたミュージカル「マンマ・ミーア!」(1999@英国ロンドン・ウエスト・エンド、2001@米国ニューヨーク市ブロードウエィ)を映画化した同名映画(2008)の10年振りの続編 オリジナルのストーリーを尊重しながらも、若き日のドナと出逢った3人の若者との懐旧談を交えて、時間と空間に大きな幅を持たせている アマンダ・セイフライド(1985~)、メリル・ストリープ(1949~)、ピアーズ・ブロスナン(1953~・アイルランド)、コリン・ファース(1960~・英)、ステラン・ステラスガルド(1951~・スウェーデン)、ドミニク・クーパー(1978~・英)らの俳優は前作から継続して再結集 皆で楽しく歌い踊るが、祖母役で今回初登場した歌手でもあるシェールの歌声に圧倒された 原題も"Mamma Mia! Here We Go Again" "Mamma Mia!"(伊)はABBAの名曲の一つであり、意味は"My Mother!"と「あらまあ!」をかけていると思われる "Here We Go Again"は「さあ、また」的な感じか

・3D彼女 リアルガール ⇒漫画家・那波マオ(人物不詳)の同名原作コミック(2011~2016)の実写映画化 3Dリア充美女子と2Dビデオ・ゲーム・オタクの交流と恋愛を描く非主流的作品 結構コミカルで面白い 20歳になっているような中条あやみ(1997~)と佐野勇斗(1998~)が高校生役をやるのは仕方がないが、今夏公開の「青夏 きみに恋した30日」(2018)に続き佐野の少々変わった、面白みのある役柄・演技はいい また西野カナ(1989~)の主題歌も好評 ロケ地は栃木県佐野清澄高校を主体に、埼玉県、神奈川県、茨城県などの首都圏各地
320_63 ★愛しのアイリーン ⇒神奈川県出身の人気漫画家・新井英樹(1963~)の同名原作コミックの実写映画化 監督・脚本は「ヒメアノール」(2016)や「犬猿」(2018)で好評を博した吉田恵輔 日本、特に農山村の少子高齢化、姥捨・後継者問題、そして嫁不足から始まる外国人妻・フィリピン人妻の募集、それに係わる外国人妻斡旋業者やフィリピン・パブ・ホステス斡旋のヤクザの問題などに正面から取り組んだ社会派作品となっている そう言えば東北地方でのフィリピン人妻のその後については今年朝日新聞がコラム連載をしていたと思う とはいえ作品そのものは喜劇的で、笑いを誘う場面がいろいろ各所にある 明らかに東日本の農山村で関西地方の方言「オ○コ」を何10回も叫ぶのはどうかと思うが、ストレートでいい 主役・宍戸岩男役は、「俳優 亀岡拓次」(2016)で映画初主演した、北海道出身の安田顕(1973~)で憑依しているよう 母親ツル役の木野花(1948~)とアイリーン役のフィリピン人俳優ナッツ・シトイも熱演 伊勢谷友介(1976~)も自分勝手で奇妙なロジックを操り、フィリピン・パブに執拗にスカウトしようとするヤクザを好演 ロケ地は新潟県長岡市で夏と冬の2度撮影したようだ 山の中の岩男の実家は長岡市栃尾町にある家をセット化 もちろんフィリピンでも嫁探しのロケ撮影

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2018年9月 9日 (日)

9月2日~9月8日の週に観た劇場映画

9月2日(日曜)~9月8日(土曜)の週は、7本の劇場映画を観ました。ようやく秋の映画シーズンが始まったような気がします。

・SUNNY 強い気持ち・強い愛 ⇒日本でも話題を呼びヒットした韓国映画「サニー 永遠の仲間たち」(2011)を日本でリメイク 主役に篠原涼子(1973~)と広瀬すず(1998~)をあて、監督は「モテキ」(2011)の大根仁(1968~) 韓国作品は1980年代の高校生活を扱うが、本作は1990年代 いずれも時代の文化・流行、特に音楽を上手に再現 小沢健二(1968~)の「強い気持ち・強い愛」(1995)がテーマ曲になっており、この曲に合わせたキャスト全員によるダンスがクライマックス 韓国オリジナルとストーリーや話の流れはさほど変わらないが、終盤はやはり感動的 学校のロケには、校内が主に埼玉県の旧狭山市立東中学校(廃校)を、学校周辺を千葉県立船橋芝山高校を使ったようだ 他に東京都板橋区、神奈川県横浜市、千葉市など首都圏各地でもロケをした模様
・アントマン&ワスプ ⇒マーヴェル・コミック原作の「アントマン」シリーズの第2作目 漫画は発想が自由でいい 本作は徹底的にコメディ化 次作もありそう 原題は"Ant-Man and the Wasp"で、直訳すると「アリ(蟻)人間とスズメバチ(雀蜂)」
320_60 ▼SPL 狼たちの処刑台(中・香) ⇒カンフー映画発祥の地、香港で製作された本アクション作品はやはり凄まじい 結婚相手に異を唱えたため、タイ・パタヤへの傷心旅行に旅立った1人娘が失踪した香港の警察官 彼は自ら事件を解決しようと現地に乗り込む パタヤ警察やマフィアと絡みながら、アクション中心のストーリーが続く タイでは違法の臓器売買がこんなにはびこっているのか ついには政界を巻き込んだスキャンダルに 原題は「殺破狼:貪狼」(中)="Killing the Wolf: Greedy Wolf"=「オオカミを殺す:貪欲なオオカミ」 「殺破狼」は中国語の発音が"shā pò láng"であり、その頭文字をとったのが"SPL" 本作はSPLシリーズの第3弾 テレサ・テンの「月亮代表我的心」(月は私の心を映す)がテーマ曲らしく、挿入歌として何度も登場
・アニー・イン・ザ・ターミナル(英・ハンガリー・米・香) ⇒「アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル」(2017)でオリンピック参加の米国スケート選手を熱演したマーゴット・ロビー(1990~・豪)が主演 最近の出演作では製作にも係わっている マーゴットは七変化で、英国流ブラック・ユーモアにあふれたサスペンス作品だが、何が起きているのかよく分からない 原題は"Terminal"=「ターミナル、終着駅」か
320_61 ▼きみの鳥はうたえる ⇒何度も芥川賞候補になりながらも受賞に恵まれなかった、北海道函館市出身の作家佐藤泰志(1949~1990:自死) 彼の最初の芥川賞候補になった同名原作小説の映画化 「海炭市叙景」(2010)、「そこのみにて光輝く」(2014)そして「オーバー・フェンス」(2016)に続く映画化4作目 本作は力は抜けているように見えるが、内面は熱そうな3人の若者のひと夏を描く 3人を演じているのは、柄本佑(1986~)、石橋靜河(1994~)そして染谷将太(1992~) 監督兼脚本は北海道札幌市出身の若手三宅唱(1984~) 昨年6月に函館でオール・ロケした作品のようだが、深夜から未明の夜のシーンが多い よく登場する、市電の線路が90度直角に曲がる大きな交差点は、五稜郭公園前駅周辺か… 柄本がアパートに帰るといつも冷蔵庫から牛乳パックを取り出すが、冷蔵庫の扉が閉めても半開きなのはなぜだろう(再利用?) 石橋と染谷が歩く、現役引退後函館港に係留されている青函連絡船「摩周丸」がよく見える歩道橋も素敵 石橋がカラオケ・ボックスで歌う杏里(1961~)のデビュー曲「オリビアを聴きながら」(1978)が気が利いていて、筆者のカラオケ持ち唄の一つになった この曲は尾崎亜美(1957~)が作詞・作曲し提供したもの

・ボルグ/マッケンロー 氷の男と炎の男(スウェーデン・デンマーク) ⇒1980年のウィンブルドン(全英オープン)選手権決勝ではビヨン・ボルグ(1956~)とジョン・マッケンロー(1959~)が3時間55分にも及ぶ死闘を繰り広げた この決勝戦を主題に彼らの生立ち・舞台裏についても描く 少年時代は両者とも審判の判定に文句を付け、すぐキレる悪ガキだったらしいというのは面白い この試合後2人は親友になり、それが翌年1981年の決勝でボルグが勝てなかった理由ではないか この敗戦後ボルグはツアーのスケジュールが過密という理由でプロテニス界から引退 両者に風貌がよく似た俳優を起用し、ボルグにはスベリル・グドナソン(1978~・スウェーデン)を、マッケンローにはシャイア・ラブーフ(1986~・米加州)を起用 2人とも5ヶ月間のトレーニング・キャンプを張って身体作りをしたそうだ 監督はデンマークのヤヌス・メッツ(1974~) 原題は単に"Borg/McEnroe"
・MEG ザ・モンスター ⇒人気アクション俳優ジェイソン・ステイサム(1967~・英)が主演するB級作品 深海に棲息する太古の巨大ザメ「メガドロン」が出現し、捕獲を狙いながらもかなわず、結局は人間を襲うサメと海中で激突 ステイサムは元英国飛込選手だったらしい 海中アクションはそれなりに見応えがあるが、やや投入されている中国資本にすり寄り過ぎか 原題は単に"The Meg"

(注)★はお薦め、▼は特定のマニア向け作品 製作国の表示がないものは米国か日本の作品

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